マスターと貴銃士、その在り方。銃と共に生きる限り、安寧の運命はきっとない。
けれど、前を向いて歩み続けよう。
暗い夜を裂いて、空に輝く陽が昇るように──終わらぬ絶望はないのだから。
どんな未来が待っていても、君となら立ち向かえる。絶対に。
主人公名:〇〇
主人公の一人称:自分
マスターちゃん、いつもお疲れ様。
誰よりも一番頑張っている君を
心配しながらも尊敬しているよ。
貴銃士の勇敢さを称える記念行事、
ブレイブ・マスケッターズ・デー。
その一環として開催された食事会に、
〇〇は貴銃士たちとともに参加していた。
タバティエール | おっ、このソース……すごい。 トマトと、デイツ……スパイスが幾重にも味の広がりを……。 |
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タバティエール | こっちのガルニも絶妙な味つけだ……。 うん、うん……いや、奥深い……。 |
タバティエール | ……っと、悪い悪い。 〇〇ちゃんが隣りにいるのに、つい……。 |
主人公 | 【気になるソースがあった?】 →タバティエール「さすがは〇〇ちゃん、なんでもお見通しだな。 美味いソースに出会うと、つい再現してみたくなってさ。」 【どの料理も最高だね】 →タバティエール「ああ、今日は本当に大変だったが……。 やっぱり美味しい料理を食べると、元気が出るな!」 |
タバティエール | あ、そうだ、〇〇ちゃん。 交流面談の日は、この店に来てくれないか? |
タバティエールに手渡された紙には、
手書きの地図が書かれていた。
タバティエール | じゃ、待ってるぜ。お腹は空かせてきてくれな。 |
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そして迎えた、交流面談当日──
タバティエール | 来てくれてありがとう、〇〇ちゃん。 さ、こちらにどうぞ。 |
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タバティエール | 店長に頼んで貸し切りにしてもらったから、 ゆっくりしていってくれ。 |
タバティエール | あ、ここは俺の馴染みのレストランでさ。 たまに厨房に入らせてもらうこともあるんだ。 ……内緒だぜ? |
タバティエール | ほんじゃ、始めますかねぇ。 この間の食事会も楽しかったが、 今日は……少し特別なメニューを用意してるんだ。 |
タバティエールが作ったフルコースを楽しんだあと、
最後のデザートで運ばれてきたのは、
フルーツの入ったワインゼリーだった。
タバティエール | アルコールは飛ばしてあるから、 〇〇ちゃんも食べれるぜ。 |
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主人公 | 【ありがとう……!】 【すごく美味しそう……!】 |
タバティエール | …………。 なぁ、このワイン、覚えてるか? |
タバティエール | ほら、以前お世話になったワイナリーの……。 |
老紳士 | そこの台は、収穫したぶどうの実を選別するためのものでね。 選果が終わったら実を潰して、この桶で発酵させるんだよ。 |
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老婦人 | 醸しがいい具合にできたら、絞って液体だけにするの。 それから、また発酵。 そのあと樽に移して、熟成させていくのよ。 |
十手 | んん……ぶどうのいい香りが漂っていて、 なんだか癒やされるなぁ……。 |
タバティエール | あの時アウトレイジャーが襲ってきて、 発酵中のワインがダメになっちまっただろう? |
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タバティエール | 俺たちが来なければ……って悩む夜もあったけど、 あのワイナリーの奥さんの言葉に救われた。 |
タバティエール | 「あなたは私たちを守ってくれた、そのおかげで今も生きてる」 ってな。 |
タバティエール | 今なら思えるよ。 俺たちは、あのワイナリーを守ることができた。 |
タバティエール | あの時があったから今、美味しいワインを楽しめるんだってな。 |
主人公 | 【あのワイナリーのワインだったんだ】 【ワイナリーのご夫婦、元気かな】 |
タバティエール | ……〇〇ちゃん。 1つ、提案があるんだが。 |
タバティエール | 店長には話しとくからさ。 休日とか、よかったら時々この店に来てゆっくりしてくれ。 |
主人公 | 【えっ……?】 【どうして……?】 |
タバティエール | 俺は銃で、君は士官候補生で。 戦場に出ることを宿命づけられた存在だ。 |
タバティエール | ……だから、俺は仕方がなくても、君はまだ学生なんだぜ? |
タバティエール | 士官『候補生』であって、まだ士官じゃない。 そのラインは、本当はもっと大事なはずなんだ。 |
タバティエール | 学生らしく、戦いとか全部忘れて休める場所が必要だ。 |
主人公 | 【学生らしく……】 【休める場所……】 |
タバティエール | 俺が言うことじゃないのかもしれないが……。 俺たちがいると、君は「貴銃士のマスター」になっちゃうだろう? |
タバティエール | だから、俺たちから離れて……時々普通の人の中で、 普通に戻れる時間を過ごしてもらいたいんだよ。 |
タバティエール | 俺がこうやって平穏に過ごせるのも、 〇〇ちゃんのおかげだからさ。 |
タバティエール | たまには、恩返しさせてくれや。 ……じゃ、俺は向こうにいるから、ゆっくりしていって── |
〇〇は、厨房に消えようとする
タバティエールの腕を掴んだ。
タバティエール | ……やれやれ。俺の話聞いてたか? |
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主人公 | 【でも、今日は交流面談だよ】 【もっとたくさん話そう】 |
タバティエール | ……そっか。そうだよな。 |
タバティエール | やっぱ、〇〇ちゃんには敵わねーな。 |
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