マスターと貴銃士、その在り方。銃と共に生きる限り、安寧の運命はきっとない。
けれど、前を向いて歩み続けよう。
暗い夜を裂いて、空に輝く陽が昇るように──終わらぬ絶望はないのだから。
どんな未来が待っていても、君となら立ち向かえる。絶対に。
主人公名:〇〇
主人公の一人称:自分
マスター、
いつも俺たちを助けてくれて、本当にありがとう。
これからは俺が皆を助ける番。頑張ります!
貴銃士の勇敢さを称える記念行事、
ブレイブ・マスケッターズ・デー。
その一環として開催された食事会に、
〇〇は貴銃士たちとともに参加していた。
十手 | いやぁ……こういう場所にいると、 どうにもそわそわしてしまうなぁ……。 服装もいつもと違っているしね。 |
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主人公 | 【その格好も似合ってる】 【礼服も格好いいと思う】 |
十手 | そうかい? へへっ……ありがとな。 |
十手 | 大変なこともあったが、なんとか無事に、 こうやって式典を開けて本当によかったよ。 |
十手 | 〇〇君の頑張りや、皆の力があったからこそだね。 美味い料理をつまみながら、皆と語らう……いい夜だ! |
十手 | ……おお、そうだ。 交流面談の日なんだが、俺の部屋に来てくれるかい? |
主人公 | 【わかった】 →十手「ありがとう。」 【何か必要なものは?】 →十手「いや、特にないよ。 気楽に手ぶらで来てくれ。」 |
十手 | それじゃあ、当日を楽しみにしているよ! |
──交流面談当日。
十手 | やあ、よく来てくれたね、〇〇君。 ささ、入ってくれ。ちょうど茶を淹れたところなんだ。 |
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〇〇を椅子へ案内すると、
十手は分厚い紙の束をそっとテーブルの上に置いた。
十手 | 今日の交流面談では……その、 〇〇君にこれを読んでもらいたくてね。 |
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主人公 | 【これは、原稿……!?】 【もしや、新作……!?】 |
十手 | ああ。『地味俺』をきっかけに、物書きにすっかり目覚めてねぇ。 校内新聞やらで連載を持たせてもらったり、 今も楽しく活動をしているんだ。 |
十手 | 日頃俺は、完全な創作──いや、 八九君と年末に書いた『地味俺』みたいに、 もでるがいることもあるんだが、完全な作り物の話を書いてる。 |
十手 | だけどこれは、ちょっと違うやつでね。 ちぃとばかり気恥ずかしくて、まだ誰にも見せたことがないんだ。 |
主人公 | 【どうして?】 【何が違うの?】 |
十手 | ええと……これは、俺たち貴銃士の日常を土台に書いてみたんだ。 ただ、土台であって、日誌のように全部が本当ではない。 三分の一くらいか、半分くらいが本当の出来事なんだ。 |
十手 | 〇〇君と皆の日常を俺が眺めて、 面白いなと思ったことを膨らませたり、 もしもを考えて物語にした……という感じだね。 |
十手 | 『地味俺』を書いていて気づいたんだが、 俺は身近なものを観察して、その『面白さ』を膨らませて、 馴染みのある江戸の粋なんかも織り交ぜて書くのが得意なんだ。 |
十手 | 八九君は、着想は身近なところにあっても、 想像をぐんぐんと大きく膨らませて、別の世界すら作れる。 お互いに得意なことが違うから、合作もまた楽しいんだね。 |
十手 | 物語調の長い話は読むのが大変だから…… まずは、くすっと笑える小噺のしりぃずを見てもらえるかな。 |
十手 | 忌憚ない意見を聞かせてもらえるとありがたいよ。 |
主人公 | 【了解】 【読んでみる】 |
その日、マークス君はしょんぼり顔でした。
マスターにもう何日も会えていないからです。
彼は、何度目になるかわからないため息をつきました。
そんなマークス君を見たライク・ツー君がとうとう怒り出します。
「窓でも見てろ。今日の〇〇は
向かいの学科棟で講習だろ!」
さて、マークス君は、窓にへばりついて動かなくなりました。
そのうち西日が差し込むようになり、
マークス君の影を、黒板に映し出します。
マークス君の影を背景に板書が進み、
それを見たジョージ君が、耐えきれずに大笑いを始めました。
恭遠教官も苦笑い。マークス君を窓から剥がすよう言います。
マークス君を窓から剥がし終える頃には、
授業は終わっていましたとさ。
おしまい、おしまい。
主人公 | 【(どこまで本当なんだろう)】 【(全部実際にあったことみたいだ)】 |
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今日の邑田君は、魂が抜けたような様子。
これはどうしたことかと八九君に聞いてみると、
在坂君がすいーとぽてとにするはずだった芋を焼いて食べ、
大喧嘩になってしまったのだといいます。
「なら、作って謝ればいいだろ」と、八九君の鶴の一声。
究極のすいーとぽてとを目指し、
邑田君と八九君の熱い試作合戦が幕を開けました。
ところが、在坂君には秘密で始めたばかりに、
仲間外れにされたと思った在坂君は、
ますます邑田君を邪険にしてしまいます。
そこで、八九君とそれがし十手は、
在坂君に試作の様子をこっそりと見せ、
最後は4人で仲良くすいーとぽてとを作りましたとさ。
十手 | ど、どうだったかな……!? |
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主人公 | 【昔話みたいな語り口が新鮮!】 【さくさく読めて楽しいね】 |
十手 | そうかい……!? いやぁ、よかったよかった! |
十手 | 最初は、少し趣向を変えたものも書いてみようと思って なんとなく始めたんだが……。 |
十手 | ジョージ君が写真を撮る理由を聞いて、 俺が書いているこういう物語も、 写真に通じるところがあると思ったんだ。 |
十手 | どちらも……この時間を、何かしらの形にして残しておける。 |
十手 | 貴銃士というのは……貴銃士である俺が言うのも変な話だが、 謎が多くて、不安定な存在だ。 |
十手 | 物理的な話でも、政治的な話でも、 いつどうなるかわからない。 |
十手 | 君とずっと一緒にいられるかもしれないし…… 何かあって、明日にでも君と離れる必要が出てくるかもしれない。 無論、君を守れるように全力を尽くすけれどね。 |
十手 | だからかな……俺たちがここにいたことを、 少しずつでも書き留めておきたいのさ。 それも、楽しいお話をね。 |
十手 | のちのち君や皆と一緒に読んで、 「こういうこともあったな」「面白かったな」と 思い出して笑えたら最高だ。 |
十手 | 大変なこともつらいことも時にはあるが…… だからこそ話では、楽しい思い出を抜粋してみているんだ。 それだけを見てほしい……というのは、俺の我儘だけれどね。 |
主人公 | 【いいと思う】 【せっかく読むなら楽しい話がいい】 |
十手 | ははっ、ありがとう。 話の中だけじゃあなくて、俺たちの存在や俺たちと過ごす日々が、 〇〇君にとって良いものだと嬉しいよ。 |
十手 | これからも書き留めておくから、 気が向いた時にはまた読みに来てくれるかい? |
十手 | そしてこの先……いつかの時にも。 読んで、思い出してくれると嬉しいよ。 |
主人公 | 【……うん】 【わかった】 |
十手 | ありがとう、〇〇君。 |
十手 | ちなみに編集さんからつつかれて、 八九君との共作続編企画も進行中だよ! |
主人公 | 【地味俺2……!?】 【本当に……!?】 |
十手 | ははっ、詳しくはまたのお楽しみだ。 また〇〇君も意見をくれると助かるよ! |
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