解説

カード解説

イタリア遠征任務で出会ったのは、雀蜂の名を冠するマフィアの貴銃士達。
陽気な顔の裏に隠した残酷な在り方を、マークスは鋭く嗅ぎ分けた。
……でも一層わからない。共に遊んだ笑顔も、あいつら、多分本物だった。

心銃解説:フィードのごとく忠実に

マスター、気を抜くな。確かに陽気な奴らだ。服も飯もくれた。
話してて「楽しい」って気持ちさえ浮かんでくる。
……でも。あいつら、血の匂いがするんだ。

カードストーリー

主人公名:〇〇
主人公の一人称:自分

 

Ep1. 頑張るマークス

──〇〇たちが任務でイタリアに行く前のこと。

マークス…………。
マークスイタリア行きの任務をなんとしても仕留めたい……
だが、課題が終わっていないと行かせてもらえないはずだ。
それに、補習も抹消しなければ……!
マークス俺は絶対に……補習も課題も倒す!!
そのためには、手段なんて選んでられねぇ……!

ライク・ツー……で、俺に手を貸してほしいって?
マークスそうだ。
マークス……むかつくが、あんたは勉強ができる。
数学は俺の方ができることもあるけどな。
課題と試験勉強、手伝ってくれ。
ライク・ツー一言どころか二言くらい多いんだよてめぇは。
けどまあ……お前が素直に頼んでくるなんて珍しいし、
向上心があるのは悪くねぇ。
ライク・ツー……手伝ってやってもいいぜ。
だけど、俺1人で全部教えんのは面倒だな……。

ライク・ツーが呼び留めた
助っ人のローレンツとジーグブルートの協力もあり、
マークスは順調に課題を進めていく。

マークスぐ……これは……かなりの強敵だ。
撃破できるかわからない……!
ジーグブルートあ? 読書感想文じゃねーか。
とっとと片付けちまえ、それで最後だろ?
マークス無理だ。レポート用紙2枚だぞ。
本の感想なんて、そんなに書くことはない。
マークス『面白かった』か『面白くなかった』。
感想はこれで終わりだろう!!
ローレンツとんでもない!
やれやれ……君には俺が一から文学批評について講義を──
ジーグブルートやめとけ。文章にすら半分拒絶反応が出てる奴に、
てめぇの眠くなりそうな講義を聞かせたところで逆効果だ。
ローレンツなに……!?
ならば、Mr.ジーグブルートには何か考えが?
読書感想文の提出は3日後……時間は限られているのだぞ。
ジーグブルート……読書感想文は……本のタイトルが長ければ、
それだけで文字数を稼げるぞ。
ローレンツき、君!! それは邪道だ!!
ジーグブルートるせぇな、わかってる!
だがよ……こいつの文章力を3日で飛躍的に上げるのは無理だ。
今は、そういう小手先に頼るしかねぇ。
ジーグブルートんで、とりあえず書けたっていう達成感を味わえれば、
次からは苦手意識が少し薄らいで、
徐々にまともな文章を書けるようになっていくってわけだ……!
ローレンツ何をおいてもまずは成功体験が必要だと判断したわけか。
確かに理にかなっているかもしれない……。
マークスジーグブルート……あんた、すげぇな……!
よし、すぐに図書館で、タイトルが長い本を借りてくる!

図書館にやってきたマークスは、
目についた長いタイトルの本を手にとった。

マークスよし、これが1番タイトルが長そうだな。
『地味な俺らをめぐって学園で美少女たちが
銃撃戦しているんだが。』……これは、本当にタイトルなのか?
マークスまあいい。
とりあえず読んでみよう。

『地味な俺らをめぐって学園で美少女たちが
銃撃戦しているんだが。』を読み始めたマークスは、首をひねる。

マークスよくわからない……。
マークスキャラクターが多くて覚えるのが大変だし、
そもそも、なぜこいつらは争っているんだ……?
マークス俺だったらこんな無駄な会話をしないぞ。
話す前に撃てばいいだろ……!

──数十分後。

マークス……! なんだと……!?
マークスこいつ……そんな過去があったのか……!
はっ……! だから、言動が妙に物騒だったってことか……?

──さらに、数十分後。

マークスそんな……シャルリーヌ……嘘だろ……!
どうしてだ、シャルリーヌ!
勝手に身を引くんじゃねぇ……!
八九(今、シャルリーヌって聞こえてきたけど……
マ、マークス!? うっそだろ……!
なんであいつが地味俺読んでんだよ……!?)

──マークスが読んでいる本、通称『地味俺。』は、
印税で一攫千金を夢見た十手と八九が共作し、
一大ヒットとなった小説である。

八九(スルーするか……
いや、でも、読者の生の声を聞けるチャンスだしな……)
八九……ゴホン。あー……マークス、何読んでんだ?
それ……面白い、か……?
マークスん?
あんたも読書感想文の本を探してるのか?
八九ど、読書感想文……!? その本でか……!?
マークスそのつもりだ。タイトルが長いからな。
八九あ、そういう……。
マークスタイトルが長いというだけの理由で選んだが、
思っていたよりずっと面白い。
八九(うおっ……こいつが嘘とかお世辞とか言うわけねぇし、
マジで面白いって思ってくれてるってことだよな……)
マークス面白いんだが……意味がわからない奴がいる。
八九え……? 誰だ?
マークスこの緑髪で三つ編みの……キャトリーだ。
こいつはよく自分から「放っておいて!」と言うだろ?
マークスなのに、実際に放置されると怒るんだ。
それに主人公が嫌いなら、さっさと撃ち殺せばいい。
なのに、主人公に近づいてきては勝手に怒る。理解不能だ。
八九(こいつ、ツンデレを理解できない、だと……!?)
八九(キャトリーのモデルにさせてもらったのはカトラリーだけど、
こいつまさか、カトラリーの普段の言動も
全部言葉通りにとってんのか……? そりゃ揉めるわけだ)
八九……ちなみに、お前的に気に入ったキャラは?
応援してぇとか、共感できるとか。
マークスん……? この本の中だと、マギーだ。
主人公のためにまっすぐで一生懸命でいいと思う。
八九(おお……!
モデル本人に気に入られるのはなんか嬉しいもんだな)

八九に時折感想を伝えながら、
マークスは『地味俺。』を読破した。

マークス読み終えたはいいが……。
やっぱり、感想文に何を書けばいいのかわからん。
マークス『面白かった』、あとは無駄に長いタイトルを入れても、
2行くらいで終わりだ。
八九(無駄じゃねぇよ、内容をわかりやすく示すことが大事なんだよ!
いや、面白かったってのは嬉しいけど……)
八九……つーかよ、感想文って、
さっき俺に話してくれたみてぇなことを書けばいいだろ?
八九マギーが主人公に対して一生懸命なのが共感できていいとか、
あと、キャトリーが意味わかんなかったってのも感想だ。
そういうのをどんどん書けばいい。
マークス……! そうなのか……!?

マークスか、書けた……!
ありがとう、八九!!
あんたのおかげで、マスターとイタリアに行ける!!
八九お、おう……。
よかったな……?

Ep2. ドライブinイタリア!

──イタリア到着後、〇〇たちはひょんなことから
カルカノーレとベネッタ、ボニートの3人の案内で
観光をすることになった。

カルカノーレせっかくだし、ベネッタの車で行こう。
観光も格好よく、イタリアの国産車でな!
ベネッタそれがいいな。
車庫はこっちだ。

カトラリーうわ……高そうな車……。
それにピッカピカ……。
マークスだが、車の上半分がないぞ。壊れたのか?
カトラリーち、違うでしょ……!
これはカブリオレ! えーっと、イギリスだとロードスター?
とにかく、こういう屋根なしの車なの!
カトラリーはぁ……もう。
恥ずかしいこと言わないでよ。
ベネッタコンバーチブルが初めてなら、やっぱりこいつがいいな。
好きなところに乗ってくれ。
ボニートけど……席が1つ足りないぜ?
俺は残るから、若い5人で楽しんできてくれよ!
ベネッタ遠慮するな、ボニート。
席はなくとも、乗れるところはあるじゃないか。
……床とか。
カトラリーゆ、床……。
ベネッタ横になれるぞ。サツにもバレない。
カトラリーえええ……?
カルカノーレま、俺たち相手に、サツも何も言わないだろうけどな!

運転手のボニート以外でじゃんけんをし、
負けたマークスの床行きが決定した。

ベネッタマックスが床だな。
安心しろ、俺の車は床まで綺麗だ。
マークスくそっ……グーを出しておけば……!
だが、マスターがシートに座れるならいいか。

オープンカーに5人が乗り込み、
マークスが後部座席の床に座る。

マークスよし、これでいいか?
早く出発してくれ。
カトラリーねぇ、すっごく邪魔なんだけど!
その無駄にでかい身長、どうにかならないの!?
マークスふざけるな、無駄じゃない!
俺が長いのは、そげ──
カトラリー……! ちょっと!
マークスおい、何しやがる! 蹴るんじゃねぇ!!
カトラリー(こいつ今「狙撃銃だから」とか言おうとしたでしょ!
貴銃士ってバレないように気をつけなきゃいけないのに!
はぁ……もう、油断も隙もない)
カルカノーレマックスは確かに、床で寝るにはでかいよな~。
あ、そうだ。カトリーンは小さいし、誰かの膝に乗れば?
カトラリーやだ!!!
ベネッタなら、マックスはトランクの上あたりに座ったらどうだ?
そこなら邪魔じゃない。
マークスなるほど……。
ちょっとツルツルするが、シートを掴んでいればいい。
床よりマシだな。
主人公【しっかり掴まってて】
【落ちないように気をつけて】
ベネッタよし、では出発しよう。
アマルフィまでは1時間半ほどかかる……飛ばしていけ。

よく晴れた海沿いの道を、
〇〇たちを乗せたオープンカーが走る。

カルカノーレおい、ベネッタ。ラジオの音でかくしてくれよ!
マルコ・タルタロッティのカンターレだ!
ベネッタああ。
カルカノーレいいねぇ!
ドライブはこうでなくちゃ!
ベネッタ&カルカノーレ&ボニート帰れ、故郷の海に~♪
マークス陽気な奴らだな……。

──プルルル! プルルル!

カトラリーわ、びっくりした!
……電話の音? 車の中なのに!?

後部座席から身を乗り出したベネッタが、
運転席と助手席の間のボックスから受話器を取り出した。

カトラリー受話器つきの車! すごいなぁ……!
ベネッタ俺だ。
……ああ、そうだな。
ベネッタ始末しておけ。
あとのことはお前に任せる。
カトラリー(始末……?
こいつらは陽気だけど……それでもやっぱりマフィアなんだ)
ベネッタああ、ああ。了解した。
Ciao.
ベネッタCiao!
Ciao, Ciao……Ciao,Ciao,Ciao!
マークスチャオチャオチャオ……?
カルカノーレあはは! あれはイタリア語の挨拶だよ。
チャオチャオ言ってるうちにまた話が始まったりするんだよね。
カルカノーレっていうか、前の車邪魔だよな?
ボニート、あいつトロいから追い越せ。
ボニートうわ! 勝手にハンドル切らないでくれよ!
この車ぶつけたら、ベネッタの兄貴に殺されちまう! 俺が!
カルカノーレなら俺がやるから代わって、ほら。

運転席に移ったカルカノーレがアクセルを踏み込む。
助手席に座ったばかりのボニートが、
座席に尻餅をつくように座った。

カトラリーうわぁぁぁっ!
マークスおい、スピードを落とせ!!
ベネッタまだ150キロくらいしか出てないぞ。
イタリア車は200キロくらいまでは余裕だ、安心しろ。
カルカノーレそういうこと♪
よーし、アマルフィまでひとっ飛びだ!
マークスおい、スピードを上げるな!!
ここに座ってると、風で持っていかれそうなんだ!!
カルカノーレんー? 聞こえねぇなー!
マークスやめろ! おい!
運転を俺に代われ! 俺の方がたぶんマシだ!!
ベネッタ免許証はあるのか?
マークス免許証? ない!
ベネッタじゃあダメだな。
カトラリー(こんなむちゃくちゃな運転には平然としてるのに、
免許証は気にするの……!?)
マークスうおおお、何で俺は免許をとってなかったんだ!!
こんなところで壊れるわけにはいかない……!
マスターと一緒に生きて帰るんだ……!
ベネッタ大げさなやつだな。
ほら、アマルフィが見えてきたぞ。
マークスイギリスに帰ったら……絶対に運転免許をとる……!
くそおぉぉぉ……!

Ep3. 免許がほしい!

恭遠──運転免許を取りたい?
マークスそうだ。
死なないために必要なことだと、イタリアでの任務で痛感した。
運転手は席に座れるし、マスターの安全を守れる。
恭遠んん……?
とにかく、君が自発的に何かを学びたいと言ってくれて嬉しいよ。
連合軍で免許取得できるように手配しよう。
恭遠ほら、これが学生向けの免許取得案内だ。
マークスふむ……実技試験、学科試験、ハザードテストの3つに
合格すると運転免許がもらえるのか。
マークス実技は自動車教官を選び実地練習をするか、
免許を持っている人に協力してもらえばいいんだな。
なるほど。

タバティエール……で、俺が教官役ってことか。
マークスああ。
あんたの運転の腕は確かだって、マスターが言っていた。
マークスマスターがそう言うのなら、安心だ。
助手席でスポッターをしてほしい。
タバティエールははは、運転手のマークスくんが狙撃手ってことか。
お安いご用だぜ。
タバティエール俺としても、車仲間が増えるのは大歓迎だからな。
まずはエンジンをかけてみるか。
クラッチとブレーキを踏んだまま、キーを回してくれ。
マークスこうか?
タバティエールそうそう、上手いぞ。
次はギアをロー……1のところに入れる。
ギアを左にスライドさせて、すっと前に押す感じだ。
マークスおお、なんかハマった感じがした!
タバティエールいいぞ。発進前にもう一度周囲の安全確認をしよう。
クラッチはそのまま、ブレーキから足を離して、
アクセルをゆっくり踏む。
タバティエールクラッチから足を少しずつ離して──
ほら、エンジンの音が変わった。
そうしたらクラッチから完全に足を離していいぞ。
タバティエール速度が上がってきたな。
クラッチを踏んでギアをセカンドに、素早くやってみよう。
マークスおお……! すげぇ……!
これ、俺が動かしてるんだな……!
タバティエールマークスくん、なかなかセンスあるな!
これが前進の時の基本だ。減速の時は逆に、ギアを落としていく。
次はバックと駐車の練習をしよう。

タバティエール……お疲れさん!
いやぁ、思った以上の優等生でびっくりしたぜ。
あとは、学科試験に通れば完璧だな。
マークス…………。
タバティエール……どうした?
マークス今朝、模擬試験を解いたら……正答率が3割だった。
タバティエールおおっと、そいつは……。
たしか、9割以上正解で合格だったよな。
マークス恭遠から聞いてる……正直、無理だ。
学校の試験でも7割で合格なのに、9割なんて……。
タバティエール交通ルールは知らなかったじゃ済まないからなぁ。
厳しいのは仕方ないが……こりゃ、学科が優先だな。
マークスわかった……恭遠から問題集をもらった。
これを丸暗記すれば合格できるだろうか。
タバティエールああ、問題ないと思うぜ。
頑張ってくれよ、応援してるから。
タバティエール晴れて免許をとったら、俺の車を貸してやるからさ。
〇〇ちゃんとドライブでもしてみたらどうだ?
マークスマスターとドライブ……だと……!
絶対に合格するぞ!!!

──こうして、マークスの猛勉強が始まった。


シャルルヴィルマークスがすごい勉強してる……。
ケンタッキー……嵐の前触れか?
ジーグブルートあいつ、シャワールームにも教本を持ち込もうとしてたぞ。
十手がギリギリのとこで止めてたが。
ケンタッキースナイパーだけあって、
ここぞって時の集中力はやっぱ一流だよな、あいつ。
主人公【頑張ってるね】
【勉強は順調?】
マークスマスター!
だいぶ交通ルールと運転する時の注意点を覚えてきたんだ。
マークスたとえば、路上で馬を追い越す時には、
馬を驚かせないように車間距離を取る必要がある。
相手が馬でも「車間距離」なのかはよくわからないが……。
主人公【いい感じ!】
【馬は軽車両扱いだからね】
マークスありがとう。マスターに話すと、覚えられる気がするんだ。
俺は絶対に一発合格するから……
楽しみにしていてくれ、マスター!

──数週間後。

主人公【マークス、合格おめでとう!】
【運転免許取得おめでとう!】
マークス当然だ!! 俺はマスターの相棒だからな!
マークス今日は早速ドライブに行こう。
タバティエールが車を貸してくれたんだ。
マスターは助手席に乗ってくれ。
マークスああでも、点検がまだだ。
マスター、そこの椅子に座ってしばらく待っていてくれ。

マークスは車のエンジンルームを開けて、
総点検をはじめた。

主人公【念入りだね……?】
【そこまでやらなくても……】
マークス駄目だマスター!
車が突然爆発することもあると、問題集の事故例に書いてあった!

──数十分後。

マークスエンジンルーム、よし。
次はタイヤ周りを……。
カール……おや。まだ出発していなかったのかい?
マークス何を笑っているんだ。
マスターに安全に車に乗ってもらうために必要なんだ!
カールははは、そうか。
大切にされているようだね、〇〇。
それじゃ、楽しいドライブをねー。

──さらに数十分後。

マークスマスター、待たせてすまない。
これで出発できるぞ!

マークスの運転する車で街へ繰り出した。
しかし──。

主人公【(自転車に追い抜かれた……)】
【(時速1kmくらいかな……)】
後続車のドライバーおい、何をノロノロ走ってんだ!
マークス文句があるなら追い越せ!
あの影から人が飛び出してくるかもしれないから、
俺はゆっくり運転する!
マークスよし、行ったな。
突然目の前の車から、武装強盗が飛び出してくるのかもしれない。
車間距離を十分にあけないと!!

マークスの徹底的な「かもしれない運転」で、
士官学校の周辺を1周するだけで半日かかり、
はじめてのドライブは終わったのだった。

マークス安全にドライブを終えることができた……!
マスター【お疲れ様】
【頑張ったね】
マークスマスター、俺は、緊張師だけど楽しかった。
今日はありがとう!
主人公【次はもう少し遠くまでドライブしよう!】
【こちらこそありがとう、またよろしく!】
マークスああ! 運転手は任せてくれ!

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