【Kiss Your Past】ライク・ツー

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解説

カード解説

追悼式典に向かう途中で貴銃士たちが迷い込んだのは、1960年代のベルリン。
そこには、厳しい状況の中でより良い結末を得ようともがいた男がいた。
ライク・ツーは永遠に目を閉じた彼に問う。悔いはないか、と。

心銃解説:またここから一歩ずつ

やるべきことはわかってるのに後悔が足を掴んで動けなかった。
でも、立ち止まるのはあと少し。
優しい温もりに縋って、気持ちを洗い流すことができたから。

カードストーリー

主人公名:〇〇
主人公の一人称:自分

 

★4覚醒後のカードイラストに表示されるメッセージ

後悔がないなんて、言い切れない。
だけど……強くなりたい。
お前と、2人で。

Ep1. 後悔を越えて

※本ストーリーは、【メインストーリー3章】の内容を
前提としています。ご注意ください。


パリでの戦没者追悼式の後、
フィルクレヴァートに戻る列車にて──。

十手あれ、ライク・ツー君は?
かなり前に、飲み物を取りに行ったはずだけど……。
主人公【探してくる】
【みんなはくつろいでて】

〇〇が探しに行くと、
ライク・ツーは誰もいない車両でぼんやりと佇んでいた。

主人公【ライク・ツー?】
ライク・ツー……〇〇。
……あー、そういえば、飲み物取りに来たんだったか……。
ライク・ツー……悪い。
すぐ戻るつもりだったのにぼーっとしてた。
主人公【どうかした?】
【顔色が悪い】
ライク・ツーいや、なんでもない。
主人公【ダウト】
【そうは見えないけど】
ライク・ツー……はぁ。
確かになんでもないってのは嘘だけど。
こっちの話だから、お前は気にすんな。
主人公【気にするよ】
→ライク・ツー「はぁぁ……。
ま、お前はそういう奴だよな……。」

【騙して悪かったって言ってたのに……!】

→ライク・ツー「おまっ……!
いや、たしかに言ったけど!
くそ、バッチリ覚えてて持ち出してきやがって。」
ライク・ツー…………。
ライク・ツー……さっきも言ったけど、これは俺の問題だ。
俺がこれまでしてきたことのせいだから、
他の誰の責任でもねぇ。そこは履き違えんなよ。
主人公【わかった】
ライク・ツー……居心地が悪いっつーか、身の置き場がねぇんだ。
ライク・ツーセント・ディース島の一件以降、
あいつらと一緒にいるのが……。
ライク・ツー……あ。別に、除け者にされたり陰口叩かれたりとか。
そんなくだらねぇことされてるわけじゃねーからな。
ライク・ツーあいつらは、俺を始末しないっていうお前の判断を受け入れた。
俺がお前の貴銃士として、これから嘘を本当にしていくことを
それなりに認めてくれてもいる……んだと思う。
ライク・ツーそれどころか、俺のことまで心配してるぽい奴もいる。
……マスターに似たんだか、お人好しが過ぎるだろ……。
ライク・ツー……俺はあの日、消えて、壊れて、終わりにするつもりだった。
それで、限りなく精算に近づけられると思ってたんだ。
ライク・ツーでも……俺はまだ、〇〇の貴銃士としてここにいる。
自分の行動で、これから精算していけることになった。
ライク・ツーけど、そんな未来はありえねぇと思ってたから……
みっともなく戸惑ってるところがある。
ライク・ツー目指す方向はわかってるのに、
見たこともねぇ、想像したこともねぇ道に入ったから、
どうすればいいのかわかんねぇ、みたいな……。
ライク・ツー……追悼式の最中も、ずっと考えてた。
元世界帝軍の俺がこんなとこにいていいのか?って。
ライク・ツーあの式で偲ばれてんのは世界帝軍に殺された奴らだ。
その中にはきっと──いや、絶対に、
俺自身が世界帝軍特別幹部として殺した奴らもいる。
ライク・ツーなのに俺が、追悼式にいるなんて……
場違いも甚だしいだろ。
ライク・ツー……でも……それでも。
俺は、追悼式に出られてよかったと思うんだ。
ライク・ツー自分がやりたいこと、やらなきゃいけないことが、
はっきりしてきた気がする。
ライク・ツーそれでも……消えない後悔があって……
そいつに足を引きずられて、すぐ後ろを振り返りたくなる。
主人公【……ラブ・ワンのこと?】
ライク・ツー…………。
俺、ずっと、あいつのことを捜してたんだ。
ライク・ツーイギリスでアッカーソンと取引して資料をもらったりさ。
お前らと任務に行った先で、
単独行動ができる隙を見つけては情報を集めてた。
ライク・ツーラブ・ワンがどこにあるのか、誰の手に渡っているのか、
少しでもヒントがほしかった。
ライク・ツーでも、どれだけ調べても行方不明になった後の情報はなかった。
所在地どころか、現存してるのか破壊されてるのかも謎だ。
ライク・ツートルレ・シャフが入手してる可能性も考えてはいたけど、
ある日いきなりあんな風に、目の前に現れると思ってなかった。
ライク・ツーそれで、混乱して、何もできなくて、
振り回されるだけ振り回されて、最後はあのザマだ。
ライク・ツー本体だけがトルレ・シャフに握られている可能性にも、
あいつの……お兄ちゃんの狙いにも気づけなかった。
俺は、とことん甘い間抜けだったってわけだ。

深くため息をついたライク・ツーは、
そっと自分の左目に触れた。

ライク・ツー……俺の左目、青いだろ?
ライク・ツー昔は、どっちも右目と同じ、薄紫っぽい色だったけど、
お前に呼び覚まされた時には、こうなってたんだ。
ライク・ツー最初はあんまり気にしてなかった。
俺は、もし次があるなら、間違えない。
違う自分になるんだって考えてたし。
ライク・ツー見た目にもそれが現れたんだろ、くらいに思ってた。
昔の『僕』と今の俺じゃあ、違うところだらけだしな。
目だけを特別意識することはなかった。
ライク・ツー色が青ってのも、俺の元になったUL85A1……
ラブ・ワンの目と同じだからさ。
変わるなら青が妥当なとこだよなって感じで。
ライク・ツーなのに、変なんだ。
セント・ディース島から帰ってから……
鏡でこの目を見るたびにお兄ちゃんの顔がちらつく。
ライク・ツー今では……俺の目じゃなくて、
ラブ・ワンの目みたいに感じるんだ。
ライク・ツー鏡の中から、お兄ちゃんが見つめ返してくるみたいに思えて……。
その度に、後悔が噴き上がってくる……!
ライク・ツー……もっと、素直になれてたらよかった。
ライク・ツー俺は、あいつが……マークスが羨ましい。
あいつみたいに、馬鹿みたいにまっすぐに感情ぶつけて……!
ライク・ツー情けねえ姿晒しても、伝えればよかった。
ずっと会いたかったんだって……。
ライク・ツー一緒にいたいって、言えばよかった。
そうしたら……もっと違う結果だったかもしれねぇのに……!
主人公【自分を責めないで】
ライク・ツーでも……!
主人公【『お兄ちゃん』が一枚上手だっただけ】
【ラブ・ワンがすごすぎたんだ】
ライク・ツーえ……?

彼の望みは『弟の本当の気持ち』を知ることだけだった。
たった1つ、そのためだけに行動していた。

周囲を翻弄し、自分の意志を通して、
見事にライク・ツーの本心を引き出したあと、
ラブ・ワンは嵐のように去って行った。

だから、ライク・ツーが何もできなかったのではなく、
させてもらえなかった──それほどにラブ・ワンが策士で、
優しいお兄ちゃんで強敵だったと、〇〇は話す。

ライク・ツー…………。
……ッ!
ライク・ツー……悪い、〇〇……今だけ……。

ライク・ツーは〇〇の肩に頭を乗せる。
〇〇はライク・ツーへとそっと手を伸ばした。

ライク・ツー自分の選択を後悔してるわけじゃない。
でも……まったく後悔がないなんて、
とてもじゃないけど言い切れない。
主人公【あの人みたいに強くなろう、2人で】
【一緒に歩いて行こう、ライク・ツー】
ライク・ツー……ああ。

──だけど。

今だけは、彼と自分に、
ほんの少し立ち止まる時間をください。
もう1度、前を向いて共に歩き出すために……。

この悲しみに、過去の弱かった自分たちに、
葬送歌を贈る時間を──……

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