追悼式典に向かう途中で貴銃士たちが迷い込んだのは、1885年のとある戦場。
ペンシルヴァニアは、1人の男の終わりを見届けて思う。
伝えられる距離にいるのだから、大事なことはしっかり伝えなければ、と。
「俺は、ダメ男……」
衝撃の指摘が胸を揺さぶる。
大事にしたいのは自由だけではない。ならば改善のために動こう!
まずは、毎日のハグから。
主人公名:〇〇
主人公の一人称:自分
マスター、ハグをしよう。
言葉では伝えきれない想いも、
きっと伝わるから。
〇〇たちが戦没者追悼式に参列するため、
フランスに向かう前日──
恭遠 | ペンシルヴァニア。少しいいか? わかっているとは思うが、念のため……。 明日は列車と飛行機の旅だ。遅刻しないでくれよ。 |
---|---|
ペンシルヴァニア | ああ、問題ない。 アメリカとの往復で慣れているつもりだ。 |
ペンシルヴァニア | …………。 |
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ペンシルヴァニア | ……あ、星が流れた……。 |
翌日──
エルメ | ……来ないね。 |
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カール | 彼だけ列車に乗り遅れたりしてー。 |
マークス | それは困る! マスターにとって大切な用事なんだぞ! |
恭遠 | 十手が様子を見に行ってくれている。 念押しをしたし、大丈夫だと思うが……。 |
十手 | おーい! |
十手 | だめだ、あちこち見て回ったんだが、 ペンシルヴァニア君の姿がどこにもない……! |
カール | うーん……これは困ったねー。 |
マークス | ……よし! マスターの立場が悪くなるぐらいなら、置いていこう。 |
ライク・ツー | いや、勝手に決めるなよ。 ……ん? |
ペンシルヴァニア | Good morning. |
ペンシルヴァニア | ……ん? 何か問題でもあったのか? |
主人公 | 【今、解決したよ】 →ペンシルヴァニア「そうか。なら、よかった……。」 【ペンシルヴァニアがいないこと!】 →ペンシルヴァニア「……? 俺はここにいるが……。」 |
恭遠 | ペンシルヴァニア! どこに行ってたんだ? |
ペンシルヴァニア | 夜……流れ星を追いかけていた。 見晴らしのいい場所で眺めていたら、 いつの間にか寝てしまったようだ……。 |
ペンシルヴァニア | 森でおいしい木の実も見つけた。 マスター、行って食べてみるか? |
主人公 | 【また今度ね】 【今はそれどころじゃない!】 |
ペンシルヴァニア | ……そうか。残念だ……。 |
グラース | お前……ダメ男だな。 |
ペンシルヴァニア | …………!? |
グラース | デートの時間にうっかり遅れがちなタイプだろ。 ダメ男まっしぐら。そんなんじゃ、 〇〇に愛想尽かされても文句言えないぜ? |
ペンシルヴァニア | ……! 俺は……ダメ男だったのか……? |
ライク・ツー | 複数人と掛け持ちでデートするヤツが言ってもな。 |
カール | あはは、方向性の違う『駄目』だねー。 |
主人公 | 【連絡はちゃんと入れてほしい】 【時間は守ってほしい】 |
ペンシルヴァニア | ……ああ、わかった。 |
恭遠 | では、駅に向かおう。 ここでのんびり話し込んでいては本当に遅刻してしまうからな。 |
一同 | ああ。 |
ペンシルヴァニア | ……俺は、……ダメ男……。 |
追悼式を終えた日の夜──
ペンシルヴァニア | マスター、俺だ……。 ……少し、いいだろうか? |
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ペンシルヴァニア | 夜遅く、すまない……。 でも、話をする必要があると思ったんだ……。 |
主人公 | 【もちろん構わないよ】 →ペンシルヴァニア「ありがとう……。」 【折り入って珍しいね】 →ペンシルヴァニア「そうか……確かにそうかもしれない。 これは俺にとって必要なんだ。 だが、マスターにとっては違うかもしれない……。」 |
ペンシルヴァニア | 出発の日のことなんだが……本当にすまなかった……。 |
主人公 | 【今さら!?】 【もう気にしてないよ】 |
ペンシルヴァニア | ……俺は、自由を大事にしたい。 気分が赴くまま、風が誘う方向へと足を向ける……。 疲れたら休んで、気が逸ったら走って── |
ペンシルヴァニア | もちろん、誰かと共に暮らす上で、 ルールや制限が設けられることは理解しているつもりだ……。 |
ペンシルヴァニア | ケンタッキーにも、何度も注意された。 ……残される側のことを考えろ、と。 それでも、俺はこの生き方を止められない……。 |
主人公 | 【事前に一言伝えるのも難しい?】 →ペンシルヴァニア「あの日は夜遅かったし、誰かを起こすのも申し訳なかった……。」 【せめてメモを残しておくとか……】 →ペンシルヴァニア「……置き手紙を残すと、いつもケンタッキーが怒る気がする。 だから、あの夜もやめた……。」 |
ペンシルヴァニア | でも、結果的にマスターに心配をかけた……すまない……。 今から思えば、ダメ男……だったのかもしれない……。 |
ペンシルヴァニア | 俺は……言葉があまり得意ではないんだと思う。 いつもうまく気持ちを伝えられなくて……。 |
ペンシルヴァニア | だから、行動を起こす。 そうすれば、態度で伝えられる気がするから。 |
ペンシルヴァニア | けど、伝わってないのなら問題だ……。 これからは、もう少し言葉でも伝えられるように努力する……。 |
ペンシルヴァニア | つまり……だから、俺が言いたいのは、その……──あ。 |
ペンシルヴァニア | こういうのは、どうだろうか……? |
ペンシルヴァニアはそっと〇〇を抱きしめる。
ペンシルヴァニア | ハグだ。 |
---|---|
主人公 | 【ど、どういうこと!?】 【温かい……】 |
ペンシルヴァニア | アメリカの家族は、行ってきますもおやすみも、 心配しているもお疲れ様も……こうやって伝えるだろう。 |
ペンシルヴァニア | これなら、言葉ではうまく伝えきれない思いも 伝えられるかもしれない……だから……。 |
主人公 | 【そうかな……】 【そうかも……?】 |
ペンシルヴァニア | これからは毎日、こうしてハグをしよう……。 マスターにきちんと気持ちを伝えられるように……。 |
ペンシルヴァニア | うん、それがいい……約束だ。 |
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