水族館での職業体験に挑むことになったエンフィールドとローレンツ。
ペンギンショーにアクアリウムの管理もお任せあれ!
必要とされればされるほどエンフィールドは力を発揮できるのだ。
皆が快適に過ごせるようお世話をする…飼育員の仕事は天職です!
もちろん、僕が一番好きでやりがいを感じられるのは、師匠とマスターのお世話ですが。ふふっ。
主人公名:〇〇
主人公の一人称:自分
エンフィールド | ほら、スナイダーも掲示板を見て! |
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スナイダー | ……? こんなものを見てなんになる? |
エンフィールド | 職業体験の募集案内だよ。 夏季限定の珍しい体験先が増えたんだって。 |
エンフィールド | 君も受け入れ先を探してみたらどうだい? 日記のネタにもなって、ちょうどいいじゃないか。 |
エンフィールド | ほら、これなんかどう? 博物館のスタッフ! 室内なら涼しくて── |
スナイダー | ここに「スナイダーさんは受入れ不可」と 赤い文字で書かれているが? |
エンフィールド | ……!? |
エンフィールド | 本当だ……!! 君、また出禁が増えてるじゃないか! |
エンフィールド | 託児所の手伝い、宝飾店、食器店、花屋、レジ打ち……。 いつも受け入れをしてくださっているお店が、 ほとんど「スナイダーNG」になってる! |
エンフィールド | 一体何をやらかしたんだい? |
スナイダー | 俺は銃だと言っただろう。 戦いを選んだまでだ。 |
エンフィールド | カッコいい言い方でごまかさないでくれ! また物を壊したり、乱闘騒ぎを起こしたりしたんだろう!? |
スナイダー | ……それより、「ベルガーさんは受け入れ不可」の数が多いな。 |
スナイダー | あいつの方が出禁が多いとは、どういうことだ? |
エンフィールド | なんで不満げなんだい!? そんな勝負いらないからね! |
エンフィールド | ええっと、君ができそうなものは……。 あった! ガードマン! |
エンフィールド | これなら大丈夫だろう? 店の前に立つだけだから、基本的には何もしなくていい。 |
エンフィールド | 怪しい人が来たら威圧したり、取り押さえたりするんだ。 君、そういうことは得意だよね? |
スナイダー | 俺はやらん。 |
エンフィールド | はぁ……スナイダーはダメか。 僕の職業体験先を探そう。 |
エンフィールド | ……! これ、面白そう……。 |
エンフィールド | 「水族館、夏季限定スタッフ」……! |
──数日後。
エンフィールド | フィルクレヴァート士官学校から参りました、 貴銃士エンフィールドです。 本日はよろしくお願いします! |
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水族館のスタッフたち | よろしくお願いします! |
ローレンツ | おや、君も来ていたのか。Mr.エンフィールド。 |
エンフィールド | ローレンツさんもいらしていたんですね! 心強いです! |
ローレンツ | 君ならば、俺も歓迎だ。 今日からよろしく。 |
エンフィールド | ええ! こちらこそ! |
水族館のスタッフ1 | こちらがペンギンたちの暮らすエリアです。 |
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水族館のスタッフ1 | 今ちょうど、お散歩の時間ですね! |
ローレンツ | 面白い動きだ。 個体による違いがあるのは、我々貴銃士と同じだな。 |
エンフィールド | おや、あのペンギンさん、今…… 小石を拾って食べましたよ!? |
エンフィールド | 大変だ! 石と餌を間違えてしまったのでしょうか? |
水族館のスタッフ1 | 小石なら、大丈夫ですよ。 |
水族館のスタッフ1 | 実はまだ研究段階で理由がよくわからないのですが、 ペンギンには小石を食べる習性があるんです。 |
エンフィールド | えっ、そうなんですか! |
水族館のスタッフ1 | ペンギンだけではなくてダチョウにも石を食べる習性があるとか。 複数の鳥に共通する習性というのは興味深いですよね。 実はもう1つ、ペンギンには面白い習性があるんですよ。 |
水族館のスタッフ1 | アデリーペンギンは求愛の時に、 綺麗な石をプレゼントするんです。 |
エンフィールド | へぇ、ペンギンもロマンティックなんですね! |
ローレンツ | ふむ。ペンギンと石の関係は興味深いな。 |
エンフィールド | ……! あのひときわ大きいペンギンさんは……!? |
エンフィールド | あの高貴なオーラと、威厳に満ちた佇まい……! 只者ではありませんね。 |
水族館のスタッフ2 | さすがは貴銃士様! よくぞ見抜かれました! |
水族館のスタッフ2 | 彼、キングペンギンのアーサーは世界連合軍に所属していて、 なんと階級は少佐なのです! 3年前からイギリス支部の軍鳥を務めているんですよ。 |
エンフィールド | まさか、そんなペンギンが!? これはご挨拶をしなくてはいけませんね。 |
エンフィールド | Sir.アーサー、本日はよいお天気ですね! |
エンフィールド | 僕は今日からここで働くエンフィールドです。 よろしくお願いします! |
アーサー | クァァ! |
水族館のスタッフ2 | おおっ! 少佐が新人に返答をするなんて、珍しい……! |
水族館のスタッフ2 | 少佐に気に入ってもらえたようですね。 あなたをペンギンたちの飼育係に任命したいと思います! |
エンフィールド | はいっ! 精一杯、お世話をさせていただきます! |
水族館での職業体験3日目。
ペンギンのお世話に慣れてきたエンフィールドは、
アクアリウムの魚たちの餌やりを担当することになった。
水族館のスタッフ | ではこれから、魚たちの餌を準備しましょう。 |
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エンフィールド | はい、よろしくお願いします。 |
水族館のスタッフ | 今回はオキアミ、イサザアミ、キビナゴ、イカですが、 餌は栄養が偏らないよう、様々なものを用意します。 |
水族館のスタッフ | これらの餌を魚たちの口の大きさに合わせて、 細かく刻めば準備完了です。 |
エンフィールド | ええ! 了解しました。 野営訓練で魚を調理したことがあるので、 ここは僕にお任せを。 |
水族館のスタッフ | 素晴らしい包丁さばきですね! 準備できたらさっそく、餌やりに行きましょう。 |
水族館のスタッフ | 餌やりですが、このアミがついた棒を使って、 水槽の上から均等に給餌していきます。 |
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エンフィールド | むむ……均等に、ですか。 大変そうな作業ですね。 |
水族館のスタッフ | もちろん、完璧を目指す必要はありません。 ただ最初は難しいと思うので、よく見ていてください。 |
水族館のスタッフ | ガラスに近いところで給餌すると、 お客さんから見やすくて満足度も上がるんですよ。 階層により餌が違うことにも注意が必要です。 |
水族館のスタッフ | 水槽の浅いところ、中間、深いところでそれぞれ 泳いでいる魚が違うので、ここはこの餌で。 |
エンフィールド | なるほど、それぞれの深さに適切な餌を……ですね。 やってみます! |
エンフィールドが給餌すると、
魚たちが一斉に集まる、迫力ある光景が見えたようだ。
アクアリウムのフロアから歓声が聞こえた。
エンフィールド | (お客さん、喜んでくれてる。嬉しいな。 もっと魚たちのことを勉強して、詳しくなろう!) |
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翌日、お世話をしている魚たちのことを知るために、
エンフィールドは水槽の中をじっと観察していた。
エンフィールド | あの子は見た目が優雅で、泳ぎもしなやかだ。 まるでシャルルヴィルさんみたいだな。 |
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エンフィールド | あっちの子は誰よりも早く餌に飛びついて、 食べ終わった後も周囲を引っかき回している……。 |
エンフィールド | これも既視感がある……! ハチャメチャな感じが、まるでベルガーさんみたいだ。 |
エンフィールド | あの魚の群れを率いているカラフルな子は! あの人望、リーダーシップ……ジョージ師匠にそっくりだ! |
エンフィールド | むむっ? あの群れから外れて泳いでいる子は、 ちょっと餌を食べてはぺっと吐き出して……スナイダーみたい! |
エンフィールド | (…………スナイダー。 僕がいない間また何も食べてないだろうし、大丈夫かなぁ) |
水槽を眺めていたエンフィールドは、遠くからこちらを見たまま
じっと動かない魚が1匹いることに気づいた。
エンフィールド | あれ……? この子、食いつきが悪いなぁ。 |
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エンフィールド | みんなみたいに餌によってこない。 どうしたんだろう? |
エンフィールド | あっ! もしかして……? |
何かに気づいたエンフィールドが、
餌のエビを細かく刻んで魚の近くに入れた。
エンフィールド | 食べてくれた……! ふふっ、君はシャイで、食の好みがはっきりしてるんだね。 |
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エンフィールド | カトラリーさんを思い出すなぁ。 |
水族館のスタッフ | お疲れ様です、エンフィールドさん。 そろそろ休憩時間なので、交代を── |
水族館のスタッフ | わぁ! お魚さんたちに、すごく懐かれてますね。 |
エンフィールド | ああ、お疲れ様です! 実は今日、気づいたことがありまして。 |
エンフィールド | 魚たちのように表情がわからない相手でも、 つぶさな観察でお互いの想いは伝わるものなんですね! |
水族館のスタッフ | ええ、おっしゃる通りです。 エンフィールドさんの観察眼は 生き物のお世話に持って来いですね! |
エンフィールド | ふふっ、ありがとうございます。 |
エンフィールド | (ん……? 生き物のお世話か) |
エンフィールド | (人間も似たようなものだよな。観察眼を極めていけば…… もっと〇〇さんや ジョージ師匠の役に立てるんじゃ?) |
エンフィールド | (うん、これはいい気づきを得たぞ。 よーし、もっと頑張ろう!) |
──水族館での職業体験が終わった、ある休日。
エンフィールド | あっ、〇〇さん。 今日は1日お休みでしたよね? |
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エンフィールド | 素敵なお店を見つけたので、 もしよろしければ一緒に行きませんか? |
主人公 | 【いいね!】 【行ってみるよ】 |
エンフィールド | では参りましょうか。 エスコートは僕にお任せを。 |
エンフィールドが〇〇を連れて
やってきたのは、水槽のあるレストランだった。
エンフィールド | ここは、水槽を眺めながら食事ができるお店なんです。 水族館のスタッフさんに教えていただきました。 |
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主人公 | 【わぁ……!】 【お魚がいっぱい……!】 |
エンフィールド | 気に入っていただけてよかったです! |
エンフィールド | では、早速注文しましょうか。 お好きなものを選んでくださいね。 |
その後、エンフィールドと〇〇は
ゆっくりと食事を楽しんだ。
エンフィールド | 〇〇さん、追加の飲み物はいかがですか? メニューはこちらにありますよ。 |
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エンフィールド | いろいろありますね。 トロピカルドリンクがお店のおすすめだそうです。 |
主人公 | 【素敵なお店だね】 【連れてきてくれてありがとう】 |
エンフィールド | そう言っていただけると、僕も嬉しいです! |
主人公 | 【今日はどうして誘ってくれたの?】 |
エンフィールド | ……〇〇さんが少し疲れていらっしゃるようなので、 気分転換にでも、と思ったんです。 |
エンフィールド | あの……最近、何かありましたか? |
主人公 | 【実はトレーニングを増やしたんだ】 【長編小説にハマって寝不足気味になってた】 |
エンフィールド | ……! 深刻な問題じゃなかったんですね。ほっとしました! |
エンフィールド | よろしければそのお話、もっと聞かせてください。 |
〇〇とエンフィールドは、
ディナーを食べながらゆったりと会話を楽しむ。
ふと、〇〇は、
エンフィールドがいつもより静かに
自分の話に耳を傾けていることに気がついた。
主人公 | 【今日はなんだかいつもと違うね】 【なんだか静かだね】 |
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エンフィールド | 今日は、静かにそばにいるのがいい気がしたんです。 |
エンフィールド | お疲れの時には、ゆったりするのがいいでしょう? |
主人公 | 【何かきっかけがあった?】 【……なんだか大人だ】 |
エンフィールド | ふふっ……〇〇さんは鋭いですね。 |
エンフィールド | 実は、水族館の職業体験で学んだことがあって。 |
エンフィールド | あの水族館の常連で、円柱水槽のコーナーに いつも数時間座っている人がいるんですけど……。 |
エンフィールド | 水の揺らぎやクラゲをただぼーっと見ているだけなので、 何か理由があるのかと尋ねてみたんです。 |
エンフィールド | その人は普段はとてもパワフルなのですが、 水族館にいる間だけはぼーっと静かに過ごすことで、 リフレッシュしているそうなんです。 |
エンフィールド | そういう時間って、大事なんだなと思いました。 |
エンフィールド | 〇〇さんは、普段の僕と今の僕、 どっちがいいと思いますか? |
主人公 | 【普段のエンフィールドもいいと思う】 →エンフィールド「本当ですか!? えへへ……では、少しお喋りな僕に戻りますね!」 【今のエンフィールドも新鮮だし落ち着く】 →エンフィールド「……なんか照れちゃいますね。 でも、新たな僕を知っていただけて嬉しいです。」 |
エンフィールド | 〇〇さんは僕の大切なマスターですから…… 時にはこういう時間も過ごしたいものです。 |
エンフィールド | これからも、どうかよろしくお願いしますね、 僕のマスター。 |
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