【Bloody Vampire】エルメ

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解説

カード解説

貴銃士たちとマスターは、ヴァンパイア伝説を巡るホラーツアーへ!
人の感情に関心を抱くようになったエルメは、ツアー中にもさまざまな学びを得ていく。
変化がもたらす変化、その先に何があるかは未知数。

心銃解説:mischievous trick

貴銃士って、マスターの薔薇の傷を介して何かしらのエネルギーを
得ているのかな。
ある種一心同体で一体化した命……ヴァンパイアと共通点があるかもしれないね?

カードストーリー

主人公名:〇〇
主人公の一人称:自分

 

Ep1. 不機嫌の理由

エルメ……ジグ、ちょっと。
ジーグブルート……あ? んだよ。
てめぇと話す気分じゃねぇ。じゃあな。
エルメ…………。
エルメ……在坂、ジグは何か嫌なことでもあったの?
それとも、俺にお説教されるような心当たりでもあるのかな。
在坂在坂の知る限りでは、特になかったと思う。
機嫌も、さっきまでは普通だったはずだ。
エルメうーん……原因がよくわからないな。
短時間で急激に感情と態度が変化するのは、
ジグには珍しくないことだけれど。
在坂……エルメに声をかけられたことが変化の要因だと在坂は思う。
直前に在坂と話していた時はいつも通りだったからだ。
エルメ俺に対して思うところがあるか、
俺の声のかけかたが何か気に触ったのか……。
どういう理由なんだろうね。
在坂……エルメは、ジーグブルートのことを知りたいのか?
それならば1番いいのは、相手をよく観察することだ。
在坂在坂はよく人間を観察している。
話すのもいいのだろうが、観察ではまた違った気づきが得られる。
エルメドライゼの観察はいつもしているけれど、
ジグを観察したことはなかった……かも。
いい案だね、早速やってみるよ。
在坂ならば、在坂も行こう。

エルメと在坂は、
ジーグブルートの尾行と観察を始めた。

ジーグブルート……?
在坂隠れろ。

気配を感じたらしいジーグブルートが振り返る。
間一髪のところでエルメと在坂は物陰に隠れた。

ジーグブルート(なんだ?
妙な視線を感じた気がしたが……誰もいねぇな)
在坂……危ないところだった。
エルメさすがだね。俺たちの尾行に反応した。
確信には至っていないみたいだけれど……。
エルメ……おや。
ジグって、顎を撫でる癖があるんだね。
今まで気づかなかったよ。
エルメ状況と表情からして……釈然としないことがある時のものかな。
ほら、今も首をかしげながらやっている。
在坂観察していると、そういう発見がある。
エルメなるほど、これは面白いね。
ジーグブルート…………。
エルメさっきから妙に周囲を気にしているし、
どんどん人気のないところに向かって行っているね。
エルメ俺に対して過剰な拒絶反応を示したのは、
やっぱり何かやましいことがあるからだったのかな。
在坂……こうやって見ていればいずれわかるはずだ。

ジーグブルートは、人気のない裏庭の片隅に腰を下ろすと、
ポケットから取り出した穀物を撒く。
すると、小鳥が1匹、また1匹と飛んできた。

ジーグブルートおいおい、そんなに慌てて食うな。
喉に詰まっちまうぞ。
ジーグブルートおらそこ、喧嘩すんな。
まだまだたくさんあるってのに。
エルメ……ジグには、こんな一面もあるんだね。
エルメ(よく知っているつもりだったけれど……
意外と、まだ知らない部分もたくさんあるのかもしれないな)
在坂そろそろ引き上げた方がいいだろう。
観察のしすぎはよくないと、在坂は知っている。

──その日の放課後。

エルメジグ。今朝君の機嫌が悪かった理由がわかったよ。
ジーグブルートあ?
エルメ授業中、鳥に会えなくて寂しかったんだね。
そうだろ?
ジーグブルートんなわけねーだろ!!
つーか、なんで鳥のこと知ってんだ、ふざけんな!!
エルメ違うの?
じゃあ、どうしてだか教えてくれない?
ジーグブルート……それだよ!
ジーグブルート今まで俺が何してようが、
てめぇの気に食わねぇこと以外ならどうでもよくて、
さらっと流してただろ。
ジーグブルートそれが最近なんだ?
なんで?どうして?ってガキみてぇにしつこく聞きやがって……!
ジーグブルートうぜぇんだよ。
無駄に話しかけてくんな!
エルメやっぱり俺に腹を立てていたんだ。
在坂在坂の仮説は正しかった。
エルメそのようだね。俺もまだまだだなぁ。

Ep2. 血を吸う理由

ホラーツアーに参加したエルメと〇〇は、
ヴァンパイアだったという伝説がある
ヘインズビー男爵の屋敷跡を探索していた。

エルメ今のところ、目立った危険はなさそうだね。
ところで……なぜヴァンパイアは血を吸うんだろう?
主人公【消化しやすいのかな】
→エルメ「進化の過程で、
栄養を吸収しやすい食品がすなわち血液になっていった……
ということかな。面白い考えだ。」

【美味しいのかな】

→エルメ「嗜好にはなかなか抗いがたいんだろうね。
人は自らの満足のためなら時に酷く残虐にもなれる……。
いや、残虐非道によって満足する人もいるね。」
エルメヴァンパイアは人間とは別種の生物なのか、
人間が変異したものなのかも興味深いよ。

しばらく歩いていたエルメと〇〇は、
やがて、大きな扉を見つけた。

エルメ入ってみようか。

扉の向こうは、大きな広間だった。
豪華な装飾が施されたダンスホールのようだ。

エルメこれは……ナイトに選ばれたことを思い出すな。
一緒に踊ったあのダンス、覚えている?
主人公【たぶん身体が覚えてるはず】
【あれだけ特訓したからもちろん】
エルメいいね。やってみようか。

エルメと〇〇はポジションをとり、
かつてペアを組んで踊ったパソ・ド・ブレを踊り始めた。

最初は少し迷いのあったステップだが、
少しずつ滑かに、軽やかに動きだす。

エルメブランクがあっても意外と覚えているものだね。
頭で考えて思い出しているというよりも、
身体が自然と動く感じだ。
主人公【最後はバッチリ決まったね】
【これなら合格点?】
エルメ最後はナイトにふさわしいダンスだったよ。
……ふふ、不思議だね。
エルメ俺とマスターは、貴銃士と人間だ。
まったく違う存在なのに、
ダンスしている間は相手と一体化しているような感じがする。
エルメ……ああ、わかった。
エルメヴァンパイアも同じなのかもしれないね。
血を吸うことで、相手の命と一体化する。
エルメ……それなら、魅力的かもしれないね。
主人公【エルメ……?】
【(目が赤く光ったような……)】
エルメおっと、時間を浪費してしまったね。
そろそろ戻ろうか。

Ep3. ドイツハロウィン事情

エルメや〇〇たちがツアーから帰ってくると、
談話室はハロウィンパーティーのため飾り付けがされていた。

エルメこれは……?
ドライゼああ、2人とも帰ったのか。
エルメさっきね。
荷解きをしたら俺たちも手伝おうか。
ドライゼああ、頼む。
俺はキッチンで準備を進めていよう。
ドライゼ…………。
主人公【どうかした?】
【何か気になることが?】
ドライゼいや……ハロウィンとはこういうものなのかと思ってな。
主人公【ドイツ支部ではやらなかった?】
【ドイツのハロウィンは盛り上がる?】
エルメほとんど……かな。
前線近くの基地にいたから、というより、
ドイツではハロウィンがそこまで盛り上がらないから。
ドライゼそうだな……秋から冬にかけての行事といえば、
11月11日から始まるケルンのカーニバルの方だろう。
春のイースター前まで続く、大規模なお祭りだ。
ドライゼ以前、アウトレイジャー討伐任務でケルンに向かっていた時、
ちょうどカーニバルのシーズンで……。

ドライゼどうした? 目的地に着くにはまだ早すぎるだろう。
ドイツ軍兵士それが、通行止めでして……。
エルメおや。何かの事故か事件なら、
地元警察と連携をとる必要があるね。
ドイツ軍兵士いえ、そうではなく……カーニバルです。
エルメカーニバル?
仮装した観客たちAlaaf!

道には仮装したカーニバルの参加者が溢れていた。

ドイツ軍兵士2自分はケルンの出身なのに、失念しており申し訳ございません。
今は特に盛り上がるタイミングですよ。
ほら、山車(だし)がきました。

大きな山車には、王子、農夫、乙女の仮装をした人が乗っている。

ドイツ軍兵士2あの山車がカーニバルの目玉なんです。
Prinz、Bauer、Jungfrauは主役級で、
あの山車に乗れるのは栄誉なんですよ。
エルメ君がどうしてソワソワしているんだい?
ドイツ軍兵士2は、申し訳ございません……。
ドライゼ出身地の祭りなのだ。高揚もするだろう。
ドライゼ親世界帝派の抑え込みは長期的に取り組むべき重要な任務だが、
かといって、守るべき市民の楽しみに水を差すわけにはいかん。
ドライゼ山車が通り過ぎるのを待ちつつ、周辺の警戒にあたろう。
この賑わいを襲撃される可能性もある。
エルメ了解。

ドライゼとエルメが軍用車を降りると、
周囲の観客が2人に気づいて歓声をあげた。

仮装した観客たちドライゼ様……!? 貴銃士様だ!
仮装した観客たちみんな、担げ担げ~!
エルメえ?
ドライゼう、うお……!?

エルメとドライゼは、あっという間に山車の上に乗せられた。
王子、農夫、乙女の仮装をした演者に囲まれる。

農夫の仮装をした人これはこれは、貴銃士様!!
乙女の仮装をした人この袋をどうぞ。一緒に投げましょう!
ドライゼこれは……?
王子の仮装をした人おもちゃと袋が入っています。
いきますよ……そーれ!

エルメとドライゼは、言われるがままに袋を投げる。
すると、子供たちが一斉に歓声をあげた。

子供やったー!
ぼく、とったよ!
ドライゼす、すごい熱気だな……。
エルメ…………。

ドライゼなんというか……とにかく、街をあげての大パレードでな。
内線の緊張が続くミュンヘンとはまったく異なる光景だった。
ドライゼいつか、ミュンヘンでもあのような祭りができれば……。
エルメああ、そうだね。
ドライゼすまん、ハロウィンパーティーの支度だったな。
……頑張ろう。

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