解説

カード解説

ベルギーから士官学校へ来たカトラリー。
絶対高責に目覚められない焦燥を抱え、自分のルーツを探る旅へ出る。
セイレーンの呪いは祝福に変わり、強く優しい光が道標のように水面を照らすのだった。

心銃解説:導くセイレーンの呼び声

僕は持ち主に不幸をもたらす銃…そんなふうに思ってた。
でも、僕の中に込められた願いを知って
マスターを守る覚悟がある今、僕はもう、迷わない。

カードストーリー

主人公名:〇〇
主人公の一人称:自分

Ep1. 憂鬱な初日

──〇〇と十手が首相令嬢に招待され、
ベルギーで家庭教師をして帰国した、少しあとのこと……。

恭遠今日は新しい転入生を紹介する。
ベルギーの貴銃士、カトラリーとミカエルだ。
ジョージオレ、ジョージ! よろしくな☆
十手カトラリー君、ミカエル君。また会えて嬉しいよ。
これからよろしく。何か困ったことがあったら聞いてくれよ。
ミカエルうん、よろしく。
……カトラリー? きみも挨拶したら。
カトラリーあ……よろしく……。
十手(カトラリー君……?)

カトラリーはぁ……。
カトラリー(みんなが挨拶してくれたのに……。
全然、話す気分になれなくて、素っ気なくしちゃった……)
カトラリー(だって……)
ファルふ、ふふ…………ああ、赤い──。
カトラリー……っ、ファル!!
カトラリー(ファル……修理できるのかな?
修理できたとしても……そのあとどうなるの?
また召銃できるのかな……もう会えない……?)
???マスターーーー!!
カトラリーッ!!
カトラリーなっ……何!?

マークスマスター! 大丈夫か!? マスター!
ライク・ツー落ち着けバカ犬。
叫んだって〇〇の傷がよくなるわけじゃねーぞ。
カトラリーえっ、〇〇……手の傷が酷くなってる!
すごく痛そう……。
主人公【任務でちょっとね……】
【アウトレイジャーに囲まれて】
マークスどうしようもなかった……アウトレイジャーに囲まれて……
俺が絶対非道を……ッ。
ライク・ツー悔やんでる場合じゃねぇだろ。
さっさと絶対高貴になれる奴を呼びにいくぞ。
カトラリー待って! あ、あのさ……僕にやらせて。
ライク・ツー……! できるのか?
カトラリーベルギーでは絶対高貴になれなかったけど……。
〇〇の貴銃士になってからは試したことがないんだ。
カトラリー〇〇の貴銃士は絶対高貴になれたやつも
多いって聞いてるし……僕だって……!
ライク・ツー治せるなら早い方がいい。頼むぜ。
カトラリーうん、やってみる。
カトラリー(集中して……やらなきゃって気持ちで……!)
カトラリー絶対高貴……!
マークス……光らないぞ?
カトラリーあ、あれ……。
カトラリー…………っ。

カトラリーはその場から走り出した。

十手あっ、カトラリー君! ちょっと話が──
カトラリー十手……〇〇の治療をお願い。
あっちにいるから。
十手えっ? あっ、待ってくれ! カトラリー君……!

カトラリー…………。
カトラリー(〇〇……大丈夫かな……)
十手カトラリー君、いるかい?
入ってもいいかな。
カトラリー……十手。〇〇の傷、治ったの?
十手ああ、〇〇君はもう大丈夫だよ。
カトラリー君にありがとうと伝えてって言ってたよ。
カトラリー……僕、絶対高貴になれなかったのに?
十手皆がすぐに絶対高貴に目覚めるわけじゃない。
前にも話した通り、俺なんて随分かかってしまったよ。
カトラリー君も気にせずに、ゆっくり焦らずが大事だと思うよ。
カトラリーうん……。
十手でもそうだったんだもん。焦りは良くないよね。
カトラリー(焦っちゃ、だめ……)

Ep2. 悪夢

カトラリーが士官学校にやって来て、少し経った頃。
〇〇が海に飛び込むアクシデントがあり、
カトラリーは部屋に引きこもりがちになってしまった。

カトラリーの銃にあるセイレーンの装飾──
そのせいで忌み嫌われ、
昔の持ち主も悲運に見舞われ死んでいった。

次は〇〇に災いが降り掛かってしまう……
そう考えたカトラリーは自分を責め、
〇〇との接触を断とうとしていた。

シャルロットカトラリーがベルギーに来てから……。
わたくしの家族は不幸になってしまったわ。
あなたのせいよ……!
海賊……やっぱ、あいつらの言った通りだったのか。
セイレーンが不吉だって……縁起がわりぃって……。

カトラリーを責める声が消え、今度は〇〇が現れる。
〇〇は、海に飛び込むことになったのは
セイレーンの呪いだとカトラリーに告げる。

カトラリー……やめてよっ!!
カトラリー……! 夢……。
やっぱり……僕は……。
カトラリー誰……?
カトラリー〇〇……。
僕に……何の用?
主人公【声がしたから】
【どうかした?】
カトラリー別に……ちょっと嫌な夢を見ただけ。
用事が済んだなら──
主人公【明日、任務に来ない?】
カトラリーは……?
行かないよ。僕は役に立てないし、持ち主を不幸にするから……。
なるべく〇〇と関わるべきじゃないんだ。
主人公【そんなことない】
【気にしすぎだよ】
カトラリーとにかく、僕のことは放っておいて!
話は終わったでしょ、じゃあね。

カトラリーに部屋から出されてしまった〇〇は、
談話室にやってきた。

十手おや、〇〇君。夜更かしかい?
早く寝ナイト……夜だけに。
シャスポー十手、くだらないことを言っている場合じゃないだろう。
〇〇の表情を見ろ。
十手おや……そういえば、どことなく浮かない顔をしているね。
シャスポー〇〇、何か困ったことでもあったのかい?
よかったら僕に相談して。

〇〇は2人にカトラリーが自信をなくし、
悩んでいることを説明した。

シャスポー……なるほど。確かに絶対高貴になれない苦悩は、
古銃の貴銃士として耐えがたいものがあるだろうね。
絶対高貴に目覚めるアドバイスを誰かができれば……。
十手……〇〇君。
その役目、俺に任せてくれないだろうか?
十手カトラリー君の家庭教師の役目を中途半端にしておけないし。
何より、彼が心配なんだ。

翌日、十手はカトラリーの部屋を訪れた。

十手やあ! 久しぶりの家庭教師はどうかな。
カトラリー……いらない。帰って。
十手待ってくれ!
十手君は自分の出自を知っているかい?
それを辿ることが、
絶対高貴に目覚めるきっかけになるかもしれないんだ。
カトラリー……出自……?
カトラリー僕のルーツなんて知らないよ。
海賊船にいたことは覚えてて……
その前は陸にいたような気がする……けど、どこかわかんない。
カトラリーそれに、自分がもっと酷い存在だってわかったら……。
僕、もう……。
十手不安はわかるよ。俺も……まさにそうだった。
カトラリー……十手も?
十手ああ、自分の嘘の経歴を知るのは、正直かなり堪えたよ。
だけど事実を直視して受け入れられたから、今の俺がいるんだ。
……なんてね。少し先輩ぶってしまったな。
カトラリー…………。

 

Ep3. セイレーンを探して

カトラリーは自分のルーツを辿ろうと、
ミカエルとともにギリシャのとある島へとやって来た。

カトラリーここがセイレーンの伝説が残る島……?
ミカエルセイレーン……。
その美しい歌声で船乗りを惑わせ、船を座礁させる伝説の怪物。
カトラリーえっと……たしかギリシャ神話に出てくるんだっけ?
海の怪物で、上半身が人間の女性、下半身が鳥の姿なんだよね。
カトラリー(そのセイレーンの装飾がある僕は……。
やっぱり、持ち主を不幸にするのかな)
ミカエル……不安、迷いの音がするね。
ミカエルねぇ。ルーツを辿るのが怖い?
カトラリーう、うん……。
だって、僕が海に近づくと天気が悪くなることが多いし。
もし、それでまたこの間みたいなことがあったらって思うと……。
ミカエル僕ら銃に、天変地異を起こすような能力はないよ。
カトラリー……でも……。
ミカエルでも……?
カトラリー(……ううん、まだ決めつけちゃダメだ!
十手だって真実を受け入れたからこそ、
先に進めるって言ってたし……)
カトラリー(僕だって、先に進みたいからここまで来たんだ。
怖いけど……先に進まなくちゃずっとこのままだ……!)
ミカエル……ふふ、少しだけ希望の音が聴こえた。
それじゃあ、セイレーン探しの旅を再開しようか。
カトラリー……うん!
でも、伝説が残る島っていうだけで来ちゃったけど……。
実際、どこに行けばいいのかな?
ミカエル伝説通り、セイレーンが出るという場所に船で行ってみるかい。
カトラリー船……!? む、無理だよ……海は怖いもん。
他の方法で何かないか調べてみようよ!
ミカエル……おや。
カトラリーどうしたの?
ミカエル……あそこにセイレーンがいる。
カトラリーえっ!? どこ? どこにいるの?
ミカエルほら、ご覧よ。
あの建物から僕らを見つめているよ。
カトラリー建物……? あっ!
カトラリーなーんだ、あの大きなポスターのことかぁ。
でも、何かきっかけが見つかるかもだし、行ってみよう!

カトラリーとミカエルは、セイレーン像のポスターが掲げられた
美術館の中へと入った。

カトラリー展示されている時計に食器……
みんなセイレーンの絵や彫刻が施されているね。
ミカエルどうやらセイレーンが題材の美術を揃えた企画展のようだね。
カトラリーうん……でもなんだか、怖い感じがしないね。
綺麗で、人魚みたい。
カトラリー……あっ、ミカエル! この銀時計を見て!
これ、僕の装飾とそっくり!
ミカエル……うん。たしかにきみのと似ている。
カトラリーこれって一体、どういうこと……?

Ep4. 僕のルーツ

カトラリー見れば見るほど僕の銃の装飾と似てるや……。
どうして……?
美術館スタッフどうかなさいましたか?
展示の品でご質問などありましたら、お答えいたしますよ。
ミカエルちょうどよかった。カトラリー、見てもらったら。
カトラリーう、うん。
僕の銃の装飾なんだけど……この時計とそっくりだよね?
美術館スタッフおお、これは美しい。どれどれ……。

スタッフは銃を受け取り、ルーペでよく見比べる。

美術館スタッフふむ……おそらく、同じ作者の作品でしょう。
カトラリーえっ!
さ、作者ってどんな人なの!?
美術館スタッフええ、18世紀に活躍した彫刻家で、コスタ・G・ムスクーリ
と言います。開運で成功した富豪ガヴラスに依頼され、
セイレーンのモチーフを多く手がけました。
美術館スタッフガヴラスはセイレーンを敬い、
自分の守り神としていたそうなのです。
カトラリーセイレーンは海の怪物だよ?
船乗りに恐れられてる……そんなのをなんで……?
美術館スタッフはい、伝承によりますと……。
美術館スタッフガヴラスがまだ若かった頃、彼は漁船で働いていました。
ある晩のこと──
船が嵐で遭難しかけた時に、不思議な歌声を聴いたと言います。
美術館スタッフそれに導かれるようにして針路をとったところ、
無事に故郷へ辿りつくことができた、とか……。
ガヴラス他の人はわかってくれないが、私にとってはセイレーンが
幸運の女神なんだ!
美術館スタッフその熱意に応えるべく、コスタはこのように美しく
精巧なセイレーンの彫刻を手掛けたのでしょう。
カトラリー…………!
美術館スタッフ実際に、コスタはガヴラスから護身用仕込み銃の依頼を受け、
銃工と共に制作したという記録が残っていますよ。
カトラリーもしかして、それが僕……?
美術館スタッフその可能性はかなり高いかと……。
でも、不思議なことにガヴラスの屋敷にあった蒐集物図録には、
記載がないんです。
カトラリーえ……? なんで?
美術館スタッフこの島はたびたび海賊による襲撃があったんです。
もしかしたらカトラリーさんの銃は、
納品前に海賊に奪われてしまったのかもしれませんね。
カトラリー海賊に盗まれた……。
カトラリー(だから僕の記憶に、海賊の船長がいたんだ)
ミカエル沈むべきものは沈め、やるべきことがある者は陸へ導く……。
そんな女神なのかな。
美術館スタッフ今は海の恐ろしい怪物として認識されているセイレーンですが、
大昔は死者の魂を導く役割を持つと信じられていました。
カトラリー…………。
カトラリー(ガヴラスのところへ行くはずだった僕を奪った海賊は死んだ。
でも、僕は海賊と一緒に遭難しても陸に戻ることができた)
カトラリー(考えてみれば、嵐で遭難したのに陸に戻れたのは奇跡的だ。
セイレーンは略奪者に罰をくだして、僕を救った……?)
カトラリーセイレーンが……僕を導いてくれたのかな。
ミカエルこの美術館に来たことも、セイレーンの導きかもしれないよ。
〇〇の貴銃士になったことも、きっと……。
カトラリー意味がある、のかな……。そうだと……いいな。
ミカエルふふ、それがきみの歴史が紡ぐメロディーなのだろうね。

Ep5. やるべきこと

制作者たちの想いを知ったカトラリーとミカエルは、
セイレーンの伝説が残る島をあとにした。

カトラリーねぇミカエル……。さっきさ、美術館で
「やるべきことがある者は陸へ導く」って言ってたけれど。
カトラリーそれって、僕にもまだやるべきことがあるってこと……?
ミカエル……うん……。
カトラリーそう……だよね。
でも、それってなんだろう。
ミカエル……すぅ……。
カトラリーって、寝てるじゃん!
カトラリーもう……! 紛らわしい寝言喋って!
カトラリー(でも……やるべきことは、きっと……)
カトラリー(きっと……ある。僕はそれを、知ってる……!)

主人公【カトラリー!】
【おかえり】
カトラリー〇〇に十手。
……うん、ただいま。
十手カトラリー君、何か掴めたようだね?
カトラリーうん、なんとなくだけど──
ラッセルおーい! 〇〇君!
ラッセル休憩中のところすまない。
港町にアウトレイジャーが現れたとの情報が入った。
すぐに討伐に向かってくれるか?
主人公【イエッサー!】
十手こりゃ大変だ。
寮へ行って、誰か連れてくるよ!
カトラリー……!!

〇〇も準備のため談話室を離れようとすると──

カトラリーあの……〇〇!
カトラリーあのさ……僕も……その。
絶対高貴になれなくても……任務に参加していいかな?
主人公【もちろん!】
【助かる!】
カトラリー……うん!

アウトレイジャーに殺、ス……ッ!
連合軍兵士くっ……攻撃が効かん!
連合軍兵士撃て、撃て!
応援が来るまでなんとか持ちこたえるんだ!
???──心銃!
アウトレイジャーグアッ……!?
主人公【おまたせしました!】
【参戦します!】
連合軍兵士ああ! 助かった!

アウトレイジャーの足止めをしていた兵士たちから
歓声が上がった。市民の避難は完了しており、
アウトレイジャー3体を討伐中との情報を伝えられる。

十手よし、皆は下がってくれ!
2人とも、合わせてくれるかい!
ファルええ。
アウトレイジャー敵……死ネ……!
十手絶対高貴!
ライク・ツー&ファル絶対非道!
3人──心銃!

アウトレイジャーの攻撃と心銃がぶつかり、
爆風が巻き起こる。

カトラリーくっ……!
トルレ・シャフ…………。

その時──〇〇は停泊していた小型船から、
黒いマントの人物が現れるのを目撃した。
トルレ・シャフらしきその人物は、近くにいた十手に銃を向ける。

主人公【危ないッ!】

〇〇は咄嗟にマントの人物にタックルを
食らわせ、照準をずらし──

その勢いのまま、もとろも海に落下した。

カトラリーマスター!!
市民きゃあぁっ!
十手なっ!?

十手たちが悲鳴の方へ目を向けると、
市民のもとへ新たなアウトレイジャーが迫るのが見えた。

ライク・ツーチッ……!
おいカトラリー、〇〇は任せたからな!
カトラリーあ……!!
カトラリー(う、海……海は怖い……! だけど……!)
ミカエル沈むべきものは沈め、やるべきことがある者は陸へ導く……。
そんな女神なのかな。
カトラリー僕がマスターを、助けるんだ!

Ep6. 海中の光

海に落ちた〇〇は、
海中でマントの人物と揉み合いになっていた。

トルレ・シャフゴボッ……!

男は腰からナイフを抜き〇〇に向かって振り上げる。
〇〇はその手を掴み押し返すが、
腕に思い切り噛みつかれてしまう。

主人公【うぅっ!!】
カトラリー〇〇ーっ!
カトラリーこの……野郎! 〇〇を放せよ!!
トルレ・シャフ……ッ!!

男は〇〇の腕から口を離し、
泳いで逃げようとする。

カトラリー〇〇! 大丈夫だね、よかった……!
カトラリーあいつ、逃がさない!
カトラリー(体中から気力が湧いてくる……。
僕が今ここにいる理由が──やるべきことが、わかる!)
カトラリー(そうだ、これが──)
カトラリー絶対高貴!

連合軍ああ! 誰か浮かんできたぞ……黒マントの方だ!
〇〇さんは!?
カトラリーぷはっ!
主人公【自分は無事です!】
カトラリーそいつを捕まえて!

カトラリーは〇〇を陸にあげたあと、
気を失っているトルレ・シャフ構成員を兵士に預けた。

連合軍不審人物を確保!
〇〇さんの救出を完了!
無線こちらも全てのアウトレイジャーを討伐完了!
被害なし!
カトラリー終わっ……たの?
主人公【任務完了だよ】
【ありがとう、カトラリー】
カトラリー……っ!

〇〇の言葉で、一気に緊張がほぐれたのか
カトラリーの手がぷるぷると震えだす。

カトラリーあれ、なんで……今になって怖くなっちゃったのかな。
ふふ……おかしいや。
主人公【海の中なのに、カトラリーの声が聞こえた】
主人公【カトラリーは不幸をもたらす銃じゃない】
主人公【強くて優しい、自分の大事な貴銃士だ】
カトラリー……っ! う、うぅ……っ。
カトラリーありがとう……〇〇、ありがとう……!

〇〇は震えるカトラリーを抱きしめた。

十手2人とも無事だね! ああ、よかった……!
ファルおや……海嫌いのカトラリーさんがずぶ濡れとは。
ライク・ツー……やったんだな。
カトラリーうん、あのね……僕、絶対高貴になれたんだ。
十手のおかげだよ。
十手がルーツを探せって言ってくれたから……。
十手いや、それはきっかけに過ぎない。
絶対高貴になれたのは、
カトラリー君自身の力や努力があったからこそだよ。
十手君はとても優しくて、
誰かのために強くなれる貴銃士だからね。
カトラリー……うん!

カトラリーはセイレーンの飾りが施された銃を海の前に掲げる。

カトラリー僕の「やるべきこと」……これでいいよね。
……ありがとう。

そのあと──
〇〇は、用具箱を持ってカトラリーを訪ねた。

カトラリー〇〇? どうしたの?
主人公【銃のメンテナンスをしたい】
【海水に濡れちゃったからケアしよう】
カトラリーあ、うん。ちょうど自分でメンテナンスしてたところ。
どう? これで問題ないかな?

〇〇は、渡されたカトラリーの銃を確認する。

主人公【これじゃ駄目だ】
【分解して細部まできっちりやらないと】
カトラリー分解ってなんか……ちょっとソワソワするんだけど……。
主人公【慣れてるから安心して】
【銃のメンテナンスは得意なんだ】
主人公【助けてくれたお礼をしたい】
カトラリーそ、それなら……まぁ、別にいいけど。
精巧な装飾なんだから、丁寧にやってよね!
主人公【了解!】
【任せて!】
カトラリー……ふふ。

〇〇は早速メンテナンスを始める。
カトラリーはくつろいだ様子でそれを見守り、
ゆっくりとした穏やかな時間が流れるのだった。

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