「……高貴を。」
その銃弾は、星条旗を讃えるため、口付けと共に放たれる。
このわずかな時間だけは、兄貴分への苛立ちも、積み重なった仕事も消え去って、的と自分だけの世界になるのだ。
負けたくない背中を追いかけて。今はまだ届かないけど、躓いたって諦めない。
自分を信じて走るんだ。負けっぱなしじゃ終われないだろ? 誇りを胸に駆け上がれ。
主人公名:〇〇
主人公の一人称:自分
ケンタッキー | …………。 |
---|
〇〇が林の中を歩いていると、
倒れた巨木の上で、静かに銃を構えるケンタッキーと遭遇した。
主人公 | 【ケンタッキー?】 【ここで何を……?】 |
---|---|
ケンタッキー | ……あっ、マスター!? 偶然っすね。マスターも朝練っすか? |
ケンタッキー | ちょうど今、 いつものルーティンをやろうとしてたんスよ。 |
ケンタッキー | ルーティンってのは、 俺が狙撃に集中するためのおまじないみたいなもんです。 |
ケンタッキー | スナイパーは『ワンショット・ワンキル』が信条っす。 もし外せば、敵にこちらの位置がバレちまう。 捕まったスナイパーは、ロクな目に遭いません……。 |
ケンタッキー | まして俺らは、装填に時間がかかるんで。 なおさら、狙いを外すわけにはいかないんっすよ。 仲間のためにも自分のためにも、一発で仕留めなきゃなんねぇ。 |
ケンタッキー | そういうプレッシャーの中でも、 落ち着いて、最高に集中して引き金を引くために、 このルーティンが大事なんっす……! |
主人公 | 【見ていても構わない?】 【ルーティンについてもっと知りたい】 |
ケンタッキー | もちろんッス! |
ケンタッキー | まず、心を無にして、大地や風と自分を一体化させて、 こう……腹から深ーく呼吸するんです。 |
ケンタッキー | すぅ……ふぅ……。 |
目を閉じたケンタッキーは、深呼吸をしたあと、
まるで木のように、ごく自然な気配で佇んだ。
主人公 | 【とても真剣なのに、自然だ……】 【いつものケンタッキーとは全然違う……!】 |
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やがてゆっくり目を開き、胸元のロザリオを手に取る。
ケンタッキー | ……高貴を。 |
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ロザリオにそっとキスを落とすと、
ケンタッキーは銃を構え、どこかに狙いを定めた。
そして──。
ケンタッキー | …………。 |
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銃声に紛れて、木がバキッと折れる音がかすかに聞こえる。
ケンタッキー | ……よし。 行きましょ、マスター! |
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ケンタッキーに案内されて〇〇がついていくと、
到着した場所には、何かの実がついている木の枝が落ちていた。
ケンタッキー | この実の中に……ほら、ナッツが入ってるんスよ! すげー美味いんで、一緒に食べましょう! |
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主人公 | 【ケンタッキーは一流のスナイパーだ】 【やっぱりすごい腕だね】 |
ケンタッキー | …………っ! |
ケンタッキー | あ……あざます! マスターに褒められると、照れるけど嬉しいっス! え、えへへへ……!! |
ケンタッキー | 今日はマスターが見守ってくれたから、 いい感じの緊張感があって、いつも以上に集中できた気がします。 |
ケンタッキー | 自分、これからもマスターの貴銃士として…… アメリカのスナイパーとして、精進するんで! |
ケンタッキー | その……これからも、よかったら…… 一緒に訓練とか、狩りとかも行けると嬉しい、ッス……。 |
ケンタッキー | よ、よろしくおねぎゃ、ぐわっ、噛んだ…… します、っすー!!! |
〇〇は、ケンタッキーと十手との任務を終え、
フィルクレヴァート士官学校への帰り道を歩いていた。
ケンタッキー | マスター、お疲れ様っした! さくっと帰って、メシ食いましょー! |
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主人公 | 【そうしよう】 【お腹空いたね】 |
ケンタッキー | はいっす! …………あれ? |
ケンタッキー | 十手? 十手がいねぇ! どっかに置いてきたか……? |
十手 | ……美しい……! |
ケンタッキー | ……おーい、いたいた。 何やってんだよ? |
十手 | ああ! すまんすまん! この盆栽がつい気になってしまってなぁ。 |
十手が立っている前の家の玄関には、
いくつかの小さい鉢植えが並べてあった。
ケンタッキー | これ、ボンサイってやつなのか? 小さい鉢植えの木のことをボンサイって呼ぶんだな。 |
---|---|
十手 | ただの鉢植えじゃないぞ。 盆栽の盆は鉢、栽は植物……! |
十手 | 小さな鉢の中に大いなる自然の風景を表現した、 いわな……生きている芸術作品なんだ。 植物は生長するから、変化し続ける芸術とも言える! |
十手 | 盆栽は、人の手で何年もかけて造形しながら育てていく。 だから、作家のこだわりや、個々の植物の個性が出るのも また心揺さぶられるんだ……! |
ケンタッキー | へぇ。こだわり……。ふん……確かに。 |
十手 | 1つとして同じものは存在しないし、 同じ盆栽でも、季節によって花が咲いたり葉が茂ったり、 紅葉したり落葉したり……日々少しずつ変わっていく。 |
十手 | 毎日が一期一会なんだよ! ああ……盆栽……惹きつけられるなぁ……っ。 |
十手 | ……っと、すまない。俺1人であれこれ喋ってしまって。 つまらない話だっただろう。 |
ケンタッキー | いや……面白かったぜ。 |
十手 | えっ! |
ケンタッキー | 要するに、こだわりとオリジナリティに溢れた、 すべてがオンリーワンのイカした芸術ってことだろ? |
十手 | おお……! わかってくれるかい!? ケンタッキー君……! |
ケンタッキー | おう! 俺と似てるからな! |
十手 | 盆栽とケンタッキー君が、似ている……? どういうことだい? |
ケンタッキー | 俺らケンタッキー・ライフルは、ガンスミスのハンドメイドで、 まったく同じもんは存在しねぇ。 |
ケンタッキー | 銃のサイズにイカした装飾、パッチボックス……! 作った職人のこだわりと使い手のこだわりが詰まった、 オリジナリティある銃なんだぜ! |
十手 | へぇ……! 確かに君の銃は個性的で……! 職人さんの意気込みを感じるね。 |
ケンタッキー | だから、ボンサイの良さも、俺にはわかぁる! これとか、特にビビッとくんな! |
十手 | ほう……これは桜の盆栽だね。 樹の高さを抑えた、控えめで儚げな風情が桜らしく美しいよ。 |
十手 | 陽光の下で見るのもいいが、 月明かりで見る夜桜も乙なものだろうなぁ~。 |
ケンタッキー | 俺は星条旗の前に飾りてぇ! いやー、これを作った職人さん、すげぇいいセンスだぜ! |
おじいさん | お前たち……。 |
十手 | わっ!? |
ケンタッキー | あ、家の前で騒いですんません……! |
おじいさん | わしの作品をそこまで褒めてくれるとは、感激じゃあ! 兄ちゃん、どれでも1つ、持っていきな! |
ケンタッキー | ええっ!? そんな、手間暇かけて作った作品をタダでもらえねーっすよ! |
おじいさん | その律儀さ、ますます気に入ったぞ! 老いぼれよりも、君のようなアツい若者に大事にされたなら、 この盆栽も幸せというものじゃよ。 |
十手 | ケンタッキー君。 ここはお言葉に甘えて、いただいたらどうだい? 親父殿がここまでおっしゃってくれているんだから……! |
ケンタッキー | 本当に……いいんっすか? |
おじいさん | ああ。 君が一番気に入ったやつを持っていくがよかろう。 |
ケンタッキー | ……よっしゃあ! んじゃあ、気合入れて選ばせてもらいますっ!!! |
──数時間後。
ケンタッキー | うぐ……っくうううぅっ!! |
---|---|
ケンタッキー | こっちもいいけど、こっちの全体バランスもイカしてる……! 力強さを取るか、繊細さを取るか…… ううう……やっぱ決められねぇ……! |
おじいさん | 悩んでくれるのは嬉しいが……。 もう夜じゃぞ……? |
十手 | は、はは……。 ケンタッキー君、すごいこだわりようだなぁ……! |
ケンタッキー | あー、腹減った! やっと昼休みだな~! |
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ジョージ | オレもお腹ペコペコ! 今日の日替わりメニューはなんだろうな? |
シャルルヴィル | ランチのAセットはペンネ・アラビアータだって! みんな、これにしない? |
ケンタッキー | おっ、いいな。 おばちゃーん、ペンネ・アラビアータ3つで! |
食堂のおばちゃん | はいよ。 たんとお食べなさいね~。 |
シャルルヴィル | いっただっきまーす。 ん~! ペンネリガーテがもっちりしてて美味しい~! ソースの辛さも絶妙だね。 |
---|---|
ジョージ | Wow! 辛ウマッ! |
ケンタッキー | …………。 |
ジョージ | おーい、ケンタッキー、どうしたんだ? 辛いの苦手なのか? |
ケンタッキー | いや……そうじゃねぇ。これ見ろよ。 外側に溝が入ってる。しかもまっすぐ。 これじゃあダメじゃねぇか。 |
シャルルヴィル | ダメって……何が? ペンネリガーテってそういうものでしょ? |
ケンタッキー | 「そういうもの」で済ませていいのか!? 見ててすっげーモゾモゾしねぇのかお前らは! こういう筒状のモンに溝を刻むなら、内側に螺旋状にだろ!! |
ジョージ | モゾモゾ? しねーけど……? |
シャルルヴィル | ソースがよく絡んでて美味しそうだなーとしか思わないよ。 |
ケンタッキー | くっ……これだからマスケット連中は……! |
ジョージ | ええっ、今マスケットとか関係あったか? |
シャルルヴィル | あ……もしかして、ライフリングと似てるけど違うから、 それで気になってるとか? |
ジョージ | Oh! なるほどな! オレとかシャルルの銃にはライフリングがねーけど、 ケンタッキーとかペンシルヴァニアのチャームポイントだもんな☆ |
ケンタッキー | チャームポイントっつーか、命中率を上げるための工夫だ! ライフリングがあるのとないのとじゃあ、 命中精度が全っ然違ぇからな。 |
シャルルヴィル | ボクたちは、隊列を組んで一斉射撃!ってスタイルの銃だからね。 先込め式でライフリングがあったら装填に時間がかかるし、 スナイパーじゃない普通の兵士は、マスケットでよかったんだよ。 |
ケンタッキー | まあな。 スナイパー以外じゃ、俺らの力を引き出せねぇ。 宝の持ち腐れになるだけだ。 |
ケンタッキー | ……んで、シャルルヴィル。 このペンネってやつ、内側に溝が入ってるやつはねーのか? |
シャルルヴィル | ええ……? そんなのないでしょ。 だって、ペンネリガーテの溝は ソースと絡みやすくするためのものだから、外側にあるべきだし? |
シャルルヴィル | 確か……ダイスっていう抜き型を使ってるって聞いたから、 職人さんに頼んで特殊な型を作ってもらうとかしないと、 無理なんじゃないかな? |
ケンタッキー | 職人……! そうか、その手があったか! |
ジョージ | ケンタッキー……? おい、どこ行くんだよ!? |
ケンタッキー | ……ちょっと旅に出てくる。 修行の旅にな。 |
シャルルヴィル | えっ? ちょっと、どういうこと……!? |
──ケンタッキーが旅に出ると宣言してから、
士官学校に帰ってこない日が続いた。
そうして約1週間経ったある日のこと。
ケンタッキー | 見ろ! ついにできたぜ……! |
---|---|
シャルルヴィル | ペンネ・アラビアータ……? これ、ケンタッキーが作ったの? |
ケンタッキー | おうよ。 言っとくが、これはただのペンネ・アラビアータじゃねぇ。 俺特製・ライフリング・ペンネリガーテのアラビアータだ! |
シャルルヴィル | ライフリング・ペンネリガーテ……? |
ケンタッキー | あれからブロンズ職人に頭を下げて、 修行させてもらったんだ。 |
ケンタッキー | 厳しい道のりだったが…… 師匠の協力もあって、俺だけのダイスが完成したんだぜ。 |
ケンタッキー | これは……世界で俺だけが作れる、 内側に溝がある自家製ペンネリガーテだ! |
シャルルヴィル | ほ、本当に作っちゃったんだ……。 すごいね、いろんな意味で……。 |
ジョージ | ふぅ~! 訓練で走り回って腹減ったーっ! |
ジョージ | おっ? すっげーいい匂いする! この間食ったパスタじゃん! あれ、ウマかったよなー。 一口いっただっきまーす! |
ケンタッキー | どうだ? 違いがわかるか? |
ジョージ | うん、ウマい! 違い……?はよくわかんねーけど、なんか味が……? ん~~~? |
ケンタッキー | ソースは、食堂のおばちゃんからもらったやつだから、 味は同じだと思うぜ。違うのはパスタだ! |
ジョージ | あ! よく見たら表面がツルッとしてるな。 だから、ソースがしっかり付かないのか! 道理でちょっと物足りねぇと思ったー! |
シャルルヴィル | ちょっ……ジョージ……! |
ケンタッキー | …………。 |
ケンタッキー | 俺の…… 俺のライフリング・ペンネリガーテに、敬意を払いやがれー!! |
ジョージ | ええっ……? なんで怒ってんだ、ケンタッキー!? |
シャルルヴィル | と、とにかく謝って、ジョージ! |
ジョージ | よくわかんないけどSorry! |
──その後ジョージは、ライフリング・ペンネリガーテについて、
ケンタッキーから1時間ほどの演説を聞く羽目になったのだった。
マークス | マスター、ちょっといいか? 見せたいものがあるんだ。一緒に来てくれ。 |
---|---|
主人公 | 【見せたいもの?】 【いいよ】 |
マークス | 【見せたいもの?】 →見てからの楽しみだ。 案内するから、ついて来てくれ。 【いいよ】 →ありがとう。 それじゃあ、案内する。こっちだ。 |
〇〇は、マークスの案内で
グラウンドの方へと歩いていく。
マークス | もうすぐだ。 ちょうど、あそこの木の下に── |
---|---|
ケンタッキー | ははっ! やめろって! くすぐったいだろ~、ボブ! |
子犬 | ワン! |
ケンタッキー | お前はホントにかわいいなー! |
マークス | なっ……! |
マークスと〇〇が向かった先には、
楽しそうに子犬と戯れるケンタッキーの姿があった。
マークス | ど、どういうことだ……? 俺の目と耳は故障してしまったのか? |
---|---|
主人公 | 【大丈夫?】 【どうかした?】 |
マークス | ち、違うんだ、マスター。 こんなはずじゃなかった……。 ちょっと待っててくれ……! |
マークス | おい、ケンタッキー! そいつは俺が見つけたジェームズだ! 返してもらうぞ。 |
ケンタッキー | はぁ? 何言ってんだ? こいつは俺が見つけたボブだ! |
主人公 | 【ジェームズ?】 【ボブ?】 |
ケンタッキー | あっ、マスター……! 紹介します。こいつは俺の子分のボブっす! |
マークス | 何を言っている。違うぞ。 そいつは俺がマスターに見せようと思っていた、ジェームズだ。 |
マークス | 俺がマスターを呼びに行っている間に横取りするな。 そのボブという名は却下だ! |
ケンタッキー | はぁ? もうボブはボブって名前覚えたもんなー? |
子犬 | ワン! |
ケンタッキー | ほらな! |
マークス | ほらなじゃない! マスター、信じてくれ。あいつはジェームズなんだ! |
ケンタッキー | あ~? そこまで言うなら、文句なしの勝負で決めようぜ。 |
ケンタッキー | 俺たち2人で名前を呼び合って、 こいつが近づいてきた方が名付け親になるってのはどうだ? |
マークス | 俺が見つけた犬だ。俺の方に来るに決まっている! |
ケンタッキー | なら、さっそく勝負だ! |
ケンタッキー | おーい、ボブ! こっち来いよ! |
マークス | ジェームズ! こっちに来てくれ! |
子犬 | クゥ~ン……。 |
鬼気迫る2人の様子に少し戸惑った様子の子犬は、
ゆっくりと歩き始める。
そして、どちらに行くべきか迷ったのか、
ちょうど2人の中間地点にいた
〇〇の足元に歩み寄った。
主人公 | 【えっ……?】 【自分……!?】 |
---|---|
ケンタッキー | うお……さすがマスターっすね……! こんな一瞬で、こいつが懐くなんて! |
マークス | マスターの勝ちなら文句はない。 見る目がある犬だ。 ……さあ、マスター。こいつの名前を決めてくれ。 |
ケンタッキー | お願いしゃっす! とびきりイカした名前で!! |
主人公 | 【ボ……ボム?】 【ジェ……ジェブズ?】 |
マークス | マスター……! それはいい。最高の名前だ! |
ケンタッキー | おい、ワンコ! マスターに名前つけてもらえてよかったな~、お前! |
主人公 | 【(2人の名前を合体させただけなのに……)】 |
〇〇の命名を大絶賛した2人は、
子犬に早速芸を仕込もうと奮闘し始める。
ケンタッキー | お手! |
---|---|
マークス | 待てだ。 |
子犬 | クーン……? |
ケンタッキー | おい、邪魔すんな! |
マークス | あんたの方こそな! |
再び言い争いを始めるケンタッキーとマークスを、
子犬が困った顔で交互に見つめるのだった。
──ある日の夜。
ケンタッキー | (ん……? こんな時間に来るってことは、ジョージあたりか?) |
---|---|
ケンタッキー | へーへー。今出るって。 ったく、ドライヤー中なのによ……。 |
ケンタッキー | なんだー? |
主人公 | 【こんばんは】 【タイミング悪かったかな】 |
ケンタッキー | ……って、うわああぁあ! マスター!? マジっすか!? こんな格好でスンマセン! |
主人公 | 【いきなりごめん】 【借りてた本を返そうと思って】 |
いつもと違う寛いだ印象のケンタッキーは、
〇〇から隠れるように、顔の前で手を振る。
その隙間から見える目が、いつものピンク色ではなく、
ヘーゼル色であることに〇〇は気づいた。
ケンタッキー | な、なな、なんつーか……! マスターとお会いできたのは嬉しいっすけど、 できれば直視しないでほしいと言いますか……!! |
---|---|
主人公 | 【その目の色は……】 |
ケンタッキー | あー……バレた……! ま、この距離だと見え見えっすよね……。 |
ケンタッキー | 実は俺……普段はカラコンなんすよ。 もともとの目の色は、こっちなんです。 |
ケンタッキー | この色地味だし……。 ペンシルヴァニアと一緒なのもムカツクし、 普段はカラコン使ってて。 |
主人公 | 【こっちの色も素敵だと思う】 |
ケンタッキー | あざっす……って、いやいやいや! どう考えても地味っしょ! 普段着と合わないっしょ! |
ケンタッキー | 俺のセンスを最大限に生かすためにも、 瞳の色は明るい方がいいんっすよ! |
主人公 | 【ケンタッキーのこだわりなんだ】 【ピンクもよく似合ってる】 |
ケンタッキー | 【ケンタッキーのこだわりなんだ】 →うっす! 自分自身含めて、コーディネートなんで! 【ピンクもよく似合ってる】 →あざますっ! あの色お気に入りなんで、そう言っていただけると嬉しいっす! |
ケンタッキー | で、でも……あの、この姿をマスターに見られるのは、 やっぱ恥ずくて……! |
ケンタッキー | 本っ当に申し訳ないっすけど、 5分後くらいに自分の方からマスターのお部屋に行きますんで! ちょっとだけ待っててもらいたいっす! |
主人公 | 【わかった】 【またあとで】 |
ケンタッキー | マジでさーせんッ! |
ケンタッキーは顔を隠しながら、
そう言って扉を閉めたのだった。
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