【Be My Unicorn】シャルルヴィル

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解説

カード解説

月夜に友を思うシャルルヴィルの姿にインスパイアされた、清廉な誘惑をテーマにした香水「UNICORN」。
そのうっとりするような香りに導かれ、彼の新たな一面が引き出される。

心銃解説:ミスティック ユニコーン

身にまとうは誘惑の香り。
それはまるで、艶めかしい甘い罠。
ユニコーンすらも虜となる。
貴方だけのメリーゴーランド。
次は誰を溺れさせようか。

カードストーリー

主人公名:〇〇
主人公の一人称:自分

 

Ep1. 思わぬ再会

シャルルヴィルBonjour!
お待たせしました。
主人公【失礼いたします】
【ラッセル教官、お呼びでしょうか】
ラッセルシャルルヴィルに〇〇君。
お客様がお見えだ。

ラッセルからの呼び出しを受けた2人が応接室に入ると、
初老の上品そうな男性がこちらに向かって会釈した。

初老の男性お久しぶりです、シャルルヴィル様。
シャルルヴィルあっ……!
もしかして、アランさん!?
ラッセルその通り。こちらのお方は、
フランスのファッションブランドJHANELの調香師、
アラン・デュボア氏だ。
主人公【あのJHANELの……!?】
シャルルヴィル初めてお会いしたのは、かなり前でしたね。
確か、リリエンフェルト家の夜会で……。
アランええ。
あれは、私にとって運命の夜でした──

それは、シャルルヴィルがまるまると出会う前。
フランスのある日の出来事。

リリエンフェルト家が主催するパーティーで、
シャルルヴィルはいつものように偽りの笑顔を振りまいていた。

貴婦人1シャルルヴィル様……!
今日も一段と美しく……。お会いできて光栄ですわ。
シャルルヴィルありがとう。
素敵なレディたちに囲まれて、ボクも嬉しいよ。
中尉失礼……シャルルヴィル様。
ご挨拶をどうか。
シャルルヴィルギース中尉、ようこそいらっしゃいました。
そちらの方は……?
中尉JHANELの調香師、アラン・デュボア氏です。
彼の作る香水は、歴代の名女優たちに愛されております。
シャルルヴィルはじめまして、アランさん。
JHANELはボクも愛用しているブランドなんです。
お会いできて光栄ですよ。
アラン…………。

無言での握手の後、アランは肩を落としたような様子で
その場を去っていった。

シャルルヴィル(えっ……?)
中尉お、おい……アラン!?
シャルルヴィル様、申し訳ございません……!
シャルルヴィルい、いえ……。
貴婦人2シャルルヴィル様!
このスイーツはお召し上がりになられまして?
貴婦人3ぜひお話を伺いたいですわ♪
シャルルヴィルう、うんっ。
そうだね……。
シャルルヴィル(ボク、何かまずいこと言っちゃったかな……?)

──パーティーの後。
疲れ切ったシャルルヴィルは逃げるように庭園へとやってきた。

シャルルヴィルベスくん……。

かつて一緒に過ごした友の名を呟き、月を見上げる。
その時、背後でどたっと何かが倒れたような物音が聞こえた。

シャルルヴィルだっ、誰……って、あなたはさっきの……!?

振り向くと、そこには尻餅をついたアランがいた。
驚いたように目を見開き、シャルルヴィルを一心に見つめている。

アランこれだ……!
これこそが、私の求めていた世界!
アラン月光の下で憂いを纏う、気高き白百合……!
妖精が私を誘惑して──
ああっ! この香りだ……!
シャルルヴィル月光……? 憂い……?
あの、なんのお話ですか……?
アランありがとう……!
あなたのおかげで、スランプを乗り越えました!!

一方的に強い握手を交わした後、アランは去っていった。

シャルルヴィルえっ……? えええ……???

ラッセルなるほど。
それが、あなたとシャルルヴィルの出会いだったのですね。
アランその頃の私は、新作を生み出せずスランプに陥っていました。
英雄である貴銃士なら、私の憂いを吹き飛ばしてくれるだろうと
期待してパーティーに参加したのですが……。
アラン会場の女性たちの美しいドレス、かぐわしいワインの香り、
貴族たちが交わし合うお世辞……すべてがまがい物に見えた。
アランその中で笑顔を放つ貴銃士シャルルヴィルもまた、
他のフランス人と同じまがい物に見えたのです。
シャルルヴィル…………。
確かにあの頃のボクは、作り笑いばかりでした。
アランしかし、そのあとそれは間違いだったとわかりました。
庭園の隅で夜空を眺めるあなたは、
パーティーの時とは別人だった!
アラン清廉なユニコーンのような佇まいとその瞳の奥にある魅力に、
私はニンフに誘惑されたヒュラスのような衝撃を受け、
一瞬にしてあなたの虜になったのです!
ラッセルゆ、ユニコーン……?
ニンフ……?
主人公【(お、おう……)】
【(すごい世界だ……!)】
シャルルヴィル……そ、そうだったんだね。
創作のお役に立てたみたいでよかった。
アランの秘書皆様、話を続けてよろしいですか?

アランの隣りにいる秘書が、突然口を開いた。

アランの秘書というわけで、シャルルヴィル様をモデルにした香水を、
我がJHANELの新作として売り出したいのです!
ラッセルななっ……!
あのアラン・デュボアが、シャルルヴィルの、香水を……!?
シャルルヴィルボクの香水……って──
シャルルヴィル&ラッセルええええっっ!!!

Ep2. UNICORN

アランとの再会から数日後──
シャルルヴィルと〇〇は、
フランスにあるJHANELの本社を訪れていた。

JHANEL従業員Bonjour!
シャルルヴィル様、〇〇様。
本日はお越しいただきありがとうございます。
JHANEL専属モデルまぁ、素敵な貴銃士様……!
今日はステージでファッションショーがあるので、
ぜひ見にいらしてください!
シャルルヴィルMerci!
素敵なお誘いありがとう♪
主人公【なんだか緊張する……】
【すごいところに来ちゃった……】
シャルルヴィル大丈夫だよ、マスター。
今日はボクが、君のパートナーをしっかり務めるからね。

アランこちらが完成した香水です。
どうぞお試しください……!
アランJHANELの新作、『UNICORN』
──テーマは「清廉な誘惑」。

ムエットを差し出されて、2人は香水の匂いを嗅いだ。

シャルルヴィル…………!
シャルルヴィル……っ、すごくいい匂い……!
上品だけど、どこかエキゾチックで……!
主人公【すばらしい完成度!】
【シャルルヴィルに似合いそう!】
JHANEL従業員トップノートはベルガモットをメインに清廉なイメージで始まり、
ミドルノートはジャスミンとミュゲで高貴な上品さを。
JHANEL従業員ラストノートはホワイトムスクをベースに、
ガーデニアとチューベローズで官能的な誘惑を表現いたしました。
シャルルヴィル官能的な誘惑……。
ボク、そんなセクシーなタイプじゃないけど、
大丈夫かなぁ……。
アランシャルルヴィル様、あなた以外に適任者などいません!
気品に溢れているからこそ、官能的な美を表現できるのです。
この世界の憂いを知る貴銃士シャルルヴィル様だからこそです!
シャルルヴィルそ、そうかな……?
アラン精錬の象徴として、香水の瓶のデザインには
ユニコーンを採用しました。
アラン清らかな美しさがありながらもどこか蠱惑的なオーラを纏う
一角獣は、まさしくシャルルヴィル様に相応しい……。
JHANELそして……。
我々はこの作品の広告モデルに、ぜひシャルルヴィル様を
起用したいと考えております。
シャルルヴィルええっ!?
今まで大女優が務めてきた広告のモデルに、ボクが……!?
アランただのモデルではありません。
大空を華麗に舞い、地上の人間たちを誘惑する
ユニコーンとなっていただけませんか?
シャルルヴィルユニコーンに……!
…………。
シャルルヴィルアランさんがこれだけ熱心に作り上げてくれた作品なんだ。
ボクも、その気持ちに応えたいけど……。
シャルルヴィルでも、そこまでできる自信がないよ……。
主人公【シャルルヴィルならできる!】
【自分も協力するよ!】
シャルルヴィルマスター……。
主人公【絶対高貴になった時を思い出して】
シャルルヴィルそっか……! そうだよね。
ボクはマスターの貴銃士なんだから。
シャルルヴィルありがとう、〇〇。
君のおかげで勇気がわいてきた。
アランでは……引き受けていただけますか?
シャルルヴィルはい、喜んで!
JHANELのイメージモデルとして、精一杯頑張ります。
主人公【頑張って!】
【応援してる!】
アランMerci beaucoup!
ああ、今すぐ白百合の舞う丘を駆け抜けたい!!
アランシャルルヴィル様、私にとってのあなたは
どんな宝石よりも輝く大天使だ!
シャルルヴィルふふっ、大袈裟だなぁ。
でも、喜んでもらえて嬉しいです!
シャルルヴィル(ボクは、ユニコーンになるんだ……!)

Ep3. あの頃の自分に伝えたいこと

そして迎えた、広告写真の撮影日。

シャルルヴィルうわ~! すごい……!!
タバティエールへぇ。
ずいぶん凝ったスタジオセットだな。
シャスポーあのメリーゴーランド、よく見たら馬じゃなくて、
全部ユニコーンの乗り物になってる……!
アランこの作品の世界観を、セット全体で表現しました。
シャルルヴィル様にはこちらの衣装を……!
シャルルヴィルえっ!?
これが衣装……!?

用意されたのは、胸元が大きく開いた黒のジャケットに
セクシーなネックレス、ボディチェーンに派手なエクステだった。

グラースへぇ、センスいいじゃねーか。
僕なら、もっとセクシーな衣装でも着こなせるけど?
シャスポーお前が着るんじゃないだろ。
シャルルヴィルど、どうしよう……!
こんなの着こなせないよっ!
主人公【シャルルヴィルなら大丈夫】
【意外と似合うと思うよ】
タバティエール〇〇ちゃんの言う通りだ。
普段は控えめなシャルルくんだからこそ、
着こなせる衣装なんじゃないか?
シャルルヴィルマスター、タバティさん……!
シャルルヴィルありがとう。
うん……着てみる!
グラースやる気になっちまったか。
僕が代わりに着てやろうかと思ってたのに。
シャスポーだから、お前が着ると「清廉な誘惑」にならないだろ。

シャルルヴィルの準備が完了し、
ほどなくして撮影が始まった。

カメラマンシャルルヴィル様、もう少し表情を憂いのイメージに……!
シャルルヴィル(どうしよう……。緊張で、うまく表情が作れない……!)
アランシャルルヴィル様。
今のあなたは貴銃士でも撮影モデルでもなく、
地上に舞い降りたユニコーンなのです。
シャルルヴィルえっ……?
アラン月光の下で私と出会った、あの時の気持ちを思い出してください。
この儚くも美しい世界で感じた、憂いを……!
シャルルヴィル(ああ。絶対高貴になれなかった、あの時のことか……)
シャルルヴィル(あの時は疲れ切って……心細くて……。
ボクの救いはベスくんだけだった……)
シャルルヴィル(そうだ……! 夜空を照らす星のように……。
ベスくんが、ボクを見ていてくれた……)

その瞬間、シャルルヴィルの顔つきが変わった。
憂いを帯びながらも強い意志を感じさせる瞳が、
どこか蠱惑的なオーラを放っていた。

アランTrès bien……!
これこそが、清廉な誘惑……!

撮影終了後。
一同はJHANELのスタッフが用意したスイーツを囲みながら、
お茶会を楽しんでいた。

タバティエール撮影お疲れさん、シャルルくん。
主人公【あの表情、すごくよかった!】
【いい広告になりそうだね!】
シャルルヴィルありがとう。
マスターたちが励ましてくれたおかげで、ボクも頑張れたよ。
グラース確かにいい写真だったけど。
なんで選ばれたのが僕じゃなくて、シャルルヴィルなんだ?
グラース僕は寝るときはいつも、JHANELのNo.5をまとってる。
この僕ほどセクシーな逸材はなかなかいないだろ?
タバティエールそれ、単に裸で寝てるってだけだろ。
シャルルヴィルふふっ。
グラース、JHANELが大好きなんだね。
シャスポーとにかく、無事に終わったんですから。
ご褒美のスイーツを楽しんだらいかがですか?
シャルルヴィル先輩。
シャルルヴィルうん、そうだね……。
主人公【大丈夫?】
【疲れた?】
シャルルヴィルううん!
撮影は思ったより楽しかったし、ボクは大丈夫!
シャルルヴィルちょっとだけ、考え事してたんだ。
シャルルヴィルフランスにいた時、ボクは絶対高貴になれないし、
自分には何もできない──
誰の役にも立てていないと思ってた。
シャルルヴィルだけど……アランさんのスランプを救えていたってわかって。
そのことが、嬉しくて……。
主人公【あの時から、多くの人を救ってたんだね】
シャルルヴィル……あは、ゴメン!
湿っぽいこと言っちゃって。
シャルルヴィル香水、楽しみだな!
〇〇にも、ボクの香りをプレゼントさせてね♪

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