これまでの感謝と、未来への願いを込めて、貴銃士たちはパーティーを開く。
マスターとの思い出の扉を、ゆっくり振り返っていこう。
扉の先に待つ、過ぎ去りし物語。楽しい瞬間も、悲しい瞬間もあったかもしれない。
仲間たちと共に思い出の扉を開きに行こう。
そこにはきっと、忘れられない物語が待っているから。
主人公名:〇〇
主人公の一人称:自分
俺に命をくれて、
ありがとう。
──貴銃士たちが企画した、
〇〇のためのサプライズパーティーにて。
マークス | マスター。少しいいだろうか? |
---|---|
主人公 | 【どうした?】 【大丈夫だよ】 |
マークス | マスターへの想いや、感謝の気持を伝えたくて、 その……手紙を書いてみたんだ。 |
マークス | 考えながら話したら、漏れがあるかもしれないだろ。 それに、言葉は言ったそばから消えていって形が残らないから、 紙に書くことにしたんだ。 |
マークス | でも、俺の口から伝えたいから、 ここで読み上げたいと思う。 マスターさえよければ、だが……。 |
主人公 | 【嬉しいな】 【もちろんいいよ】 |
マークス | ありがとう、マスター。 |
マークスは封筒から、丁寧に折りたたまれた便せんを取り出した。
たどたどしいが、一生懸命に書かれた文字が並んでいる。
マークス | 『親愛なるマスターへ』 |
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マークス | 『俺からマスターへの感謝の気持ちを書こうと思う。 この手紙はきっと長くなってしまうだろうが、 それは、マスターがすごくて、俺が感謝しているからだ』 |
マークス | 『まず、いつも銃のメンテナンスをしてくれてありがとう。 マスターの貴銃士が増えて、前よりも忙しくなったのに、 変わらず俺のことを大切にしてくれて、本当に嬉しい』 |
マークス | 『マスターが俺の銃を 丁寧にメンテナンスしてくれているところを見る時間が、 俺は大好きだ』 |
マークス | 『それから、美味しいカレーを作ってくれてありがとう』 |
マークス | 『マスターのカレーは、いい匂いで、優しい味がする。 食べると腹だけじゃなくて、胸のあたりが温かくなる』 |
マークス | 『今度、俺もマスターとカレーを作ってみたいと思っている。 その時にはマスターの足を引っぱらないように全力を尽くす!』 |
マークス | 『それから、勉強を教えてくれたり、一緒に散歩をしてくれたり、 本を読んでくれたり、褒めてくれたり叱ってくれたり…… ともにいてくれて、ありがとう』 |
マークス | 『マスターには、数え切れないほどたくさんのいいところがある。 だが、マスター自身はもしかすると、 気づいていないところもあるかもしれない』 |
マークス | 『だから、俺が思うマスターのいいところを、 これから100個伝える』 |
マークス | 『1、優しい。 2、射撃の腕前がすごい。 3、銃を大切にしてくれる』 |
マークス | 『4、勇気がある。 5、物知りで、俺が知らないことを優しく教えてくれる。 6、時々すごく大胆で行動力がある』 |
マークス | 『48、カレー作りの天才だ。 49、マスターの笑顔を見ると俺も嬉しくなる。 50、俺を信頼して、一緒にいてくれる』 |
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マークス | 『今回の手紙では、以上だ。 もちろん、残り50個が思いつかないとか、そういうのじゃない。 マスターにきちんと感謝を伝える機会を定期的に作りたいんだ』 |
マークス | 『だから残りの50個は、半年後に伝えるつもりだ。 その半年後にも50個伝えて、 そのまた半年後にも50個伝えるつもりだ』 |
マークス | 『マスターのいいところは、一緒にいる時間が増えていくごとに どんどん増えていくから、きっといつまででも続けられる』 |
マークス | 『マスターに、俺から1つ頼みがある。 半年後も、その先も、そのまた先も。 ずっと俺のマスターでいて、俺を愛銃として使ってくれ』 |
マークス | 『あの夜、マスターが俺を頼り、掴んでくれたから今がある』 |
マークス | …………。 |
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マークス | (これは、どういうことだ……? 身体が……いや、今はマスターだ。 マスターに銃口を向けてるやつらを……排除する) |
マークス | ──おい、てめぇら。 俺のマスターに銃口向けてんじゃねぇよ。 |
マークス | (すげぇ……感じてることが、思ってることが、音になってる。 ああ、そうだ……そうだ、俺は──!) |
マークス | 俺は……マスターの銃。 スナイパーライフルUL96A1だ。 |
マークス | ……マスターの敵は、俺がまとめて無力化する! |
マークス | 『──もしあの時、俺が貴銃士になれてなかったら。 そう思うと、ぞっとする』 |
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マークス | 『マスター。 俺に、命をくれて、ありがとう』 |
マークス | 『俺は生まれたばかりで、 生きること、生きていること……生きていくこと。 いまだによくわからないことも多い』 |
マークス | 『でも、マスターのそばにいられて、嬉しい。 マスターを守ることができて……本当に嬉しいと思う』 |
マークス | 『だから、これからも一緒にいてほしい。 これからも俺はマスターを守りたいと思う』 |
マークス | 『俺はいつも、いつまでも、マスターの銃だから。 感謝を込めて……マークスより』 |
マークス | ……以上だ。 |
主人公 | 【本当にありがとう】 →マークス「俺の方こそ、ありがとう。」 【マークスは最高の相棒だ】 →マークス「……ああ! 俺はこれからも、マスターの最高の相棒でいられるよう努力する。」 マークス「マスターこそ、最高のマスターだ。 世界で一番の、俺のマスターだ!」 |
マークスの手紙に聞き入っていた他の貴銃士たち数人が、
温かい拍手を贈る。
十手 | マークス君らしい、まっすぐで素敵な手紙だったね。 なんだかじーんときてしまったよ。 |
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ライク・ツー | 100個とか言い出した時はマジかよって思ったけど、 なんだかんだ最後はいい感じにまとまってたな。意外に。 |
ジョージ | Fantastic……! オレも今度手紙書いてみようかな! |
マークス | ……とういうわけで、追伸ってやつも書いてきた。 |
十手 | む……? |
マークス | マスターとこれからやりたい100のことだ。 |
主人公 | 【……!?】 |
ライク・ツー | はぁ……!? |
マークス | 『1、俺が作ったスパイスとハーブで、マスターとカレーを作る。 2、マスターと──……』 |
ジョージ | Oh……マークスの手紙で半年ごとに本ができそうだな……。 |
マークス | ……ずっと一緒にいられると、嬉しい。 これからもよろしく頼む、マスター。 |
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