解説

カード解説

非道だろうが高貴だろうが、敵を屠れればそれでいい。
ただ、高貴であることにこだわる兄に背中を預けて戦うならば、そちらの流儀に合わせてやってもいい。
そう考えて、彼は絶対高貴を放った。

心銃解説:THE TOWER

運命が指し示すは力の手札。
何故わからない。お前の赦しはいらない。求めるものは力だけ。
白き花が降り注ぐ。意味するものは希望か、それとも死か。

カードストーリー

主人公名:〇〇
主人公の一人称:自分

 

Ep1. ペンデュラムの行方

──波乱のクリスマスが終わって、しばらく経ったある日。

エンフィールドスナイダー!
また勝手に戦いに行っていたのかい?
スナイダーそれがどうした。心配なら無用だぞ。
エンフィールドえ? 別に心配はしてないよ。だって、君は強いし。
僕は、〇〇さんに迷惑をかけるのはよくないって──
スナイダー……下らん。
エンフィールドあっ、ちょっと、スナイダー!
まだ話は終わってないぞ!!
ライク・ツーへぇ。催眠が解けたってのは本当だったんだな。
この間まで、気持ち悪ィくらい甲斐甲斐しく世話焼いてたのに。

──クリスマス・イブに、暴れまわるベルガーを止めようと
不思議なペンデュラムで催眠術を試みたエンフィールドは、
アクシデントで自分で自分に催眠をかけてしまった。

『まっさらになり、言われたことを素直に聞くようになる』暗示で
スナイダーを『自慢の弟』だと言い、ジョージにするように
世話を焼いていたエンフィールドだが……。

スナイダーが改造を迫ったことをきっかけに催眠が解け、
今やすっかり元通りになっていた。


スナイダー(……つまらんな。
またアウトレイジャーでも追って、戦いに行くか……)
スナイダー……ん?
ローレンツMr.エンフィールド!
エンフィールドローレンツさん。
どうしたんですか?
ローレンツ1点、尋ねたいことがある。
君がクリスマスに使ったペンデュラムだが、
あれは今どこにあるんだ?
エンフィールドうっ……。
あのペンデュラムは、鍵をかけた小箱にしまいました。
エンフィールドあんな大騒動を引き起こしてしまいましたし、
視界に入れるとなんだか悪寒がして……。
しかし、大切な貰い物ですから捨てることもできず……。
ローレンツなるほど……。あのペンデュラムの効果は非常に興味深い。
俺の研究テーマに取り入れたかったが……
確かに、扱いには慎重になる必要があるな。
エンフィールドええ……。
あのような惨事を繰り返してはいけませんからね。
スナイダー…………。

──その日の夜。

エンフィールドはぁ……鳥羽じゃなくてタワーだし、
僕はエンフィールドだって言ってるのに──……
エンフィールド……って、なんだよ、これ……!

談話室から自室へ戻ってきたエンフィールドは、
室内が荒らされていることに気づいた。

エンフィールドめちゃくちゃだ……!
一体、誰がこんなことを……!?
エンフィールド強盗、いや、空き巣……?
でも、士官学校の寮なのにどうやって……って、
それより、まずは被害を確認しないと……!
エンフィールドええっと……弾薬はあるし、財布も無事だ。
紅茶や買ったばかりの茶器も盗られてない……。

片づけをしながら、欠けている私物がないか確認していく
エンフィールドだが、散らかされているだけで、
なくなっているものはない。

エンフィールド変だな……。
何も盗られてないみたいだけど……あっ。
エンフィールドあの小箱は……!?

ペンデュラムを封印していた小箱が気になり、
隠し場所付近などを探し回るが、
唯一小箱だけが中身ごと消え去っていた。

エンフィールドお金や貴重品はそのままなのに、
ペンデュラムが入った箱だけ忽然と消えるなんて……。
スナイダー……おい、うるさいぞ。
何を騒いでいる?
エンフィールドああ、スナイダー……。
実は、部屋が荒らされていて……
空き巣かと思ったけれど、妙なんだ。
スナイダーほう……? 妙とは?
エンフィールドペンデュラムを入れていた箱だけが消えてるんだ。
きっとこれは、ペンデュラムの怒りのせいなんだよ……!
エンフィールドおばあさんが譲ってくれた大切なものなのに、
クリスマスの大混乱の責任を押し付けて、
僕が封印するようなことをしたから……!
エンフィールドうん、間違いない。
きっと、ペンデュラムはおばあさんのところに戻ったんだ。
スナイダー……ペンデュラムとは勝手に動くのか?
エンフィールドうっ……普通は動かないけど……。
妖精が作ったっていう謂れがあるものだし、
実際、すごい力があったじゃないか!
エンフィールドはぁぁ……無事におばあさんのところに戻れて、
怒りを鎮めてくれるといいんだけど……。
スナイダー…………。

──その日の深夜。

エンフィールドう……、んん……。
スナイダー……さぁ、じっくりと見ろ。
このペンデュラムを……エンフィールド……。
エンフィールドスナイダー!
い、一体、何を……!?
スナイダーおまえは俺に改造されたくなる……。
改造を自ら懇願するようになる……。
エンフィールドや、やめろ……!
スナイダーさあ……おまえも俺になれ。
エンフィールドい、嫌だ……!
エンフィールドうわぁあああっ!!
エンフィールド……はぁっ、はぁ……。
……あ……?
エンフィールド……こ、こは……?
僕の……部屋……?
エンフィールドなんだ、今のは夢か……。
……よかった。
エンフィールドまったく、夢でまでスナイダーに
改造させろと迫られるなんて……。
エンフィールドふう……。ベッドに戻って、もう一度寝よ──
スナイダー…………。
エンフィールド……ッ、スナ──

──ドスッ!!

エンフィールドう……。

──翌朝。

エンフィールドう……。
エンフィールドんん……? 僕はなんで床で寝てるんだろう?
うーん……? 思い出せないなぁ……。
エンフィールドあれ、机に何か置いてある……。
これは……ご婦人のもとに戻ったはずのペンデュラム!?
エンフィールドうっ……痛たたた……。
エンフィールドな、なんで……?
みぞおちが、とても痛い……!!

よろよろと起き上がったエンフィールドは、
机の上にペンデュラムだけでなく、
メモが置いてあることに気づいた。

メモ──使えないから返す。
エンフィールドなんなんだ……?
はぁ……ペンデュラムの怒りは怖いなぁ……。

Ep2. スーパープレー

任務の途中、スナイダーの銃を手に
どこかへ向かい始めたエンフィールドを、
〇〇とスナイダーは尾行していた。

スナイダー……森から出た。
どこに行くつもりだ?
主人公【士官学校への道じゃない】
【様子がおかしいのも気になる】
スナイダー……足が速まったな。
追うぞ。

エンフィールドは通りを抜け、公園へと入る。

スナイダー……公園?
ここで誰かと待ち合わせているのか?
子供1サムー! パス! ぱぁあすっ!!
子供2オッケー!
主人公【子供しかいない……】
【ここで何かをするとは思えない】
スナイダー先を急いでいるようだしな。
通り抜けるだけかもしれん。
エンフィールド……ん?

その時、エンフィールドがふと後ろを振り返った。

スナイダー……!

スナイダーはフットボールをする子供たちの間に
さっと割り込むと、彼らが蹴っていたボールを奪い取る。

子供2わっ!?
何するんだよ!
スナイダー……ふん。

〇〇はスナイダーから蹴られたボールを
足で受け止める。

スナイダーそのまま続けろ。

言われたとおり、〇〇はゴールに向かって
ボールを蹴った。

子供3うわああ、ナイッシュー!!
子供4ポストプレーだ!
すげぇええええ!!
子供5ぼ、ぼくにもやり方……おしえて……?

〇〇は、プレーを見て目を輝かせる子供たちに
取り囲まれてしまった。

エンフィールド視線を感じたように思ったけど……。
気のせいか。

エンフィールドは用心深く辺りを見回し、
また急ぎ足で歩み始める。

スナイダーおい、ヤツが動いた。
続くぞ。

スナイダーと〇〇は、
再びエンフィールドを追おうとしたが──

エンフィールド……んん?
やっぱり、視線を感じるような……。

また足を止めたエンフィールドの目を誤魔化すように、
〇〇はボールを蹴った。

主人公【シュート、かっこよく決めて!】
【いけー!】
スナイダー……っ!

今度はスナイダーが〇〇のパスを受け止める。

スナイダーちっ……。

腹立ちまぎれといった様子でスナイダーが蹴ったボールは
鋭くゴールに突き刺さる。

子供たちうおおおぉぉぉ!!
エンフィールド……やっぱり、気のせいか。
スナイダー行くぞ、〇〇。
子供3かっこいー!
子供4にーちゃんもしかしてプロ!?
スナイダーおい、騒ぐな。
俺は急いで──
子供1ねーねー!
次はオーバーヘッドキックして!!
子供2ヘディングでゴール決めてー!!
スナイダー……面倒なことになった。
くそっ、エンフィールドのせいだ。

Ep3. いつも身近に

──スナイダーとエンフィールドの大喧嘩が、
共闘によって幕を下ろしてからしばらく。

スナイダー…………。
………………。
スナイダー……ない。

スナイダー…………。
グラースん……?
あいつ、あんなに俯いて歩くようなヤツだったか?

下を見たままゆっくり歩いているスナイダーを不審に思って
立ち止まったグラースのところへ、
スナイダーはどんどん近づいてくる。

グラースおい、お前。
もしかして、何か探してんのか?
スナイダー…………。
グラース無視かよ? ムカつく野郎だな、本当に……!

シャルルヴィル頑張って、ジョージ!
きっと今度こそうまく当たるよ!
ジョージThanks!
次はど真ん中を撃ち抜いてやるぜ☆
ジョージあれ? スナイダー?
スナイダー………………。
ジョージさっきもどっかに歩いて行ってたよなぁ。迷子か?
シャルルヴィルそれはないと思うけど……どうしたんだろう?

ジーグブルートはぁ……クソ、エルメの野郎……!
ムシャクシャするぜ。
ダンプフヌーデルでも作るか……。
ジーグブルート──うおっ!?
スナイダー……っ、前を見て歩け。
ジーグブルートああ? てめぇこそな!!
スナイダー騒がしい。
ジーグブルートつーかてめぇ、さっきから同じとこウロウロして気味悪ィな。
うざってぇからどっか別のとこに行きやがれ。
スナイダー……銃に戻れば、おまえも少しは静かになるか。
ジーグブルートやれるもんならやってみろ。
スナイダー今度気が向いたらな。
ジーグブルートはぁ!?
スナイダー…………。
ジーグブルートなんだ? あいつ……。
ったく、調子狂うぜ。

タバティエールさて、と。
補習も終わったし、ちょっと教室片付けてから帰るかねぇ。
タバティエールあーあ。花瓶の花がしおれちまってるかねぇか。
昨日の当番はグラースだったか……。
やれやれ、こいつは花ごと交換だな。

花瓶を手にしたタバティエールは、
その陰に何か光るものが落ちていることに気づいた。

タバティエールん……? こいつは……鍵型のチャーム?
主人公【タバティエール】
【どうかした?】
タバティエールああ、〇〇ちゃん。いいところに来てくれた。
このチャームの持ち主を知っているかい?
主人公【スナイダーのじゃないかな】
→タバティエール「へえ、スナイダーくんのか。
よかったら、〇〇ちゃんから
返しておいてくれるかい?」

【うん、返しておこうか?】

→タバティエール「助かるぜ。
俺はまだやることがあるもんでね。」
タバティエールそれじゃ、頼んだよ。

スナイダー……やはり、ない。
どこで落とした……?
主人公【探し物はこれ?】
スナイダー〇〇……!
どこでそれを。

〇〇は、教室でタバティエールが見つけたのだと
スナイダーに伝えた。

スナイダーそうか、でかした。
主人公【大事にしているんだね】
→スナイダー「……別に。
あいつがうるさいから持っているだけだ。」

【見つかってよかったね】

→スナイダー「ああ。
これ以上、労力を無駄にしなくて済む。」
スナイダーまた、探す羽目になるのは面倒だ。
どうにかしろ、〇〇。

考えた末、〇〇は
スナイダーの鞄にチャームを縫い付けることにした。

スナイダー……まぁ、いいか。
邪魔にはならんしな。
スナイダー…………。

スナイダーはチャームを縫い付ける
〇〇の手元をじっと見つめる。

主人公【あまり見られると勝手が悪い】
【心配しなくてもちゃんと付けるよ】
スナイダーなんだ、緊張しているのか?

少しぎこちない動きになりつつも、
〇〇はなんとかチャームを縫い付け終える。
鞄を受け取ったスナイダーは、満足気に目を細めた。

スナイダーほう……悪くないな。
礼を言ってやろう。
主人公【どういたしまして】
【もうなくさないといいね】
スナイダー……ああ。

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