【Chèvre élégante】シャスポー

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解説

カード解説

不思議な扉をくぐった先は、魔法に溢れた奇妙な世界。
こんなお伽話みたいな…と首を捻るシャスポーもこう言われちゃ敵わない。
「銃の化身も、魔法みたいな存在でしょ?」
さあ、めくるめく魔女のお伽話を楽しもう!

心銃解説:シェーブル・ストンプ

シェーブル、魔法羊。古来、山羊は欲望と快楽の象徴とされた。
……奔放な弟じゃあるまいし、どうして僕が? ねぇマスター?
──どうしてだと思う?

カードストーリー

主人公名:〇〇
主人公の一人称:自分

 

Ep1. 飛び出せ芸術!

ハロウィンの準備をしていた〇〇たちは、
倉庫にあったワードローブから、
不思議な世界へ迷い込んでしまった──。

そこで出会った魔女エリンに、元の世界に戻るには、
大魔女ブリギッドを若返らせなければならないと教えられる。

〇〇は若返りの儀式に必要な13人目として、
シャスポーたちはその使い魔として、
エリンの力で変装し、儀式まで待つことになった。

エリン儀式は皆既月食とともに始まるの。
準備もあるし、お茶でも飲んで少し待っていてね。
ローレンツ異世界のお茶か……ふむ、興味深いな。
味、成分、効能は普通の茶と異なるのか……検証のし甲斐がある。
主人公【どんな味なんだろう】
【飲んでみよう】
シャスポーちょっと待って、〇〇。
危険かもしれないから、僕が先に飲んでみるよ。
シャスポー…………。
シャスポー……うん。大丈夫みたいだ。
なかなか上質な紅茶の味がするよ。
主人公【本当だ】
【美味しいね】
シャスポーふふ、〇〇と一緒に飲むお茶は
どんな場所でも美味しく感じるよ。
ローレンツところで……Mr.スナイダーの姿が見えないが、
どこに行ったのだ?

3人があたりを見回していると、
物凄い速さでスナイダーとフクロウが
〇〇たちの横を通り過ぎて行った。

スナイダー俺の銃を返せ……!
フクロウほう? 追ってきおったか。
しかし、わしに追いつけるかな? ホッホッホ。
シャスポー…………。
シャスポー……ええと、あちらの壁にある女性の肖像画は誰だろうね?
この屋敷の女主人なのかな……。

シャスポーが壁の肖像画を見ていると、
突然、絵の中に絵描きの男性らしき人物が現れた。

シャスポーえっ!?
画家ううむ、華やかさが足りない……。
もう少し頬を赤くしてみるか。
シャスポーそんな、まさか……絵が、動いた?
僕は夢でも見ているのか……?
画家ん? 何やら視線を感じると思ったら……。
君も描いてみるかい?
シャスポーえっ?
でも……僕は絵を描く道具を持ってきていないし、
そもそもその絵の中に入ることもできないだろう……?
画家難しく考えなくてもいいのさ。
道具は君の目の前にあるだろう? ほら。
シャスポーわっ!

画家がシャスポーに向かって絵具と筆を投げると、
それらはキャンバスを飛び出し、
実物となってシャスポーの前に現れた。

画家さあ、それで描けるだろう?
シャスポーいや、絵具と筆だけもらっても……どこに描けばいいんだい?
画家おや、私としたことが失礼したね。

シャスポーの前にキャンバスが現れる。

画家準備は整った。
心の赴くままに、描いてみなさい。
シャスポーええ……?
そう言われても……。

周囲に視線を走らせたシャスポーは、
ジャック・オー・ランタンに目を留めた。

シャスポーとりあえず、これを描いてみるか。

シャスポー…………。
シャスポーよし、こんな感じかな……?
〇〇。僕の絵を見てみてくれる?

〇〇がキャンバスに近づこうとした時、
ジャック・オー・ランタンが絵の中から飛び出した。

シャスポーな……っ!? どういうことだ!?
主人公【ジャック・オー・ランタンが逃げた!?】
【どこかに行ってしまった……】
画家何を驚いているんだね?
絵から出ていくことも、絵の中に入ることも自由じゃないか。
シャスポー絵の中に入れる、だって……!?
シャスポー……そうだ、いいことを思いついた!

Ep2. 幻のデート

シャスポーや再び絵を描き始める。
儀式の準備を手伝いに行った〇〇たちが戻って来ても
キャンバスに向き合ったままだった。

シャスポー…………。
主人公【上手だね】
【パリの街並み?】
シャスポーああ、〇〇。
いいところに来てくれたね!
シャスポーこの絵はね、君のために描いたんだ。
ほら、一緒に行こう!

シャスポーは〇〇の手を引き、絵の中に飛び込んだ。


──絵の中のパリは春のようで、花が舞っていた。

シャスポーパリと言えば、花の都。
その名の通りの街並みを表現してみたんだ。
シャスポーさぁ、僕の愛する綺麗なパリを、馬車に乗って回ろう。

シャスポーの合図で、どこからともなく馬車が現れる。

シャスポー馬車に乗るには少しコツがいるんだ。
〇〇お手をどうぞ。
主人公【ありがとう】
【偉い人になったみたいだ】
シャスポーふふっ、車で案内というのも考えたんだけれど、
やっぱり、馬車のほうがロマンチックでいいよね。
シャスポーほら、窓の外を見てごらん。
セーヌ川の水面、花に彩られた凱旋門……。
どれも綺麗でしょう?
主人公【街行く人たちも楽しそう】
【明るくて活気がある街だね】
シャスポーああ、こだわったところに気づいてくれて嬉しいな。
僕は、パリジャン・パリジェンヌたちが
活き活きと暮らしている姿がとても好きなんだ。

〇〇は、シャスポーと共に街の景色をしばし眺める。

シャスポー……そろそろ目的の場所に着く頃かな。
せったくの〇〇とのデートだからね。
とっておきの場所でティータイムができるように用意したんだ。
シャスポー少し揺れるかもしれないから、気をつけて。
君たち、頼んだよ。
主人公【馬がペガサスに……!?】
【空を飛んでる!】
シャスポーふふっ、気に入ってくれたかい?
パリを一望できるエッフェル塔の上でのティータイム……
素晴らしいだろう?
シャスポー現実ではあり得ないけれど……
絵の中ならこんな風に、空の上に絨毯を引くことだってできる。
シャスポーティーセットだって、僕が描くだけで用意しなくて済むんだよ。
この絵の中は、自由な世界なんだ……!
シャスポーそれを、〇〇も楽しんでくれたら嬉しいな。

空飛ぶ馬車が止まり、扉が開く。

シャスポー見ていて、〇〇。
シャスポー……ほら、空の上の絨毯に降り立っても
僕は落ちたりしないだろう?
主人公【すごいね】
【夢みたいだ】
シャスポーさあ、僕の手を取って。
一緒に空のティータイムを楽しもう。

シャスポーが〇〇の手を取り、
エスコートしようとしたその時──

エリンあれっ? どこに行ったの!
もしかして、この絵の中……!?
準備ができたから早く戻ってきて!
シャスポーえっ!?
いいところだったのに……時間切れみたいだ。
また今度一緒にデートしようね、〇〇♥

シャスポーと〇〇は、
エリンによって強制的に絵の外へと戻されたのだった。

Ep3. 本当に描きたかったもの

〇〇たちが不思議な世界へ迷い込んだ……
かもしれない、不思議なハロウィンから数日後。

シャスポー違う……っ!
シャスポーこうじゃない、僕が表現したいのは……!
シャスポー(僕と〇〇の完璧なデートを描きたいのに……。
頭の中に鮮明に残っている映像が、どうしても表現できない!)
シャスポーはぁ……。
美術部生徒1あっ……!
シャスポーさん、また絵を破いちゃった。
美術部生徒2すごく素敵な絵だったのに……。
さっきから何枚も破ってるよね……もったいないなぁ。
ペンシルヴァニア……何がもったいないんだ?
美術部生徒1あっ、ペンシルヴァニアさん!
さっきからシャスポーさんが絵を描いては
すぐに破ってしまっていて……。
ペンシルヴァニアそうか……。
ペンシルヴァニアシャスポー。
シャスポー……なんだい? 僕は今手が離せないんだ。
要件があるなら手短に頼むよ。
ペンシルヴァニアシャスポーは何を描こうとしているんだ?
シャスポー……〇〇との、夢のような時間だよ。
シャスポー花の都で、柔らかな日差しを浴びて駆けていく馬車……。
パリの街並みを一望する空のティールームで、
2人だけのティータイムをするところだったのに……!
ペンシルヴァニア……?
シャスポーあと少しというところで、邪魔が入ってしまったんだ。
はぁ……あの時、引き戻されなければ……っ!
ペンシルヴァニアよくわからないが……
つまり、〇〇とのデートを描きたい、のか?
シャスポーああ、そうだとも!
ペンシルヴァニア…………。
ペンシルヴァニア……俺に考えがある。ついて来てくれ。

ペンシルヴァニアに着いて行くと、辿り着いたのは公園だった。

シャスポーなんで公園……?
君、本当に僕の話を聞いていたのかい?
僕の描きたいのは、こんな平凡な景色じゃないんだ。
ペンシルヴァニアいや……別に、ここでデッサンをするわけじゃないんだ。
ちょっと待っていてくれ。
シャスポー…………?

──しばらくしてシャスポーのもとにやって来たのは
ペンシルヴァニアではなく〇〇だった。

シャスポーえっ、〇〇!?
どうしてこんな場所に?
主人公【ペンシルヴァニアに呼ばれて】
【ここでシャスポーが待ってるって聞いて】
シャスポー(ペンシルヴァニアのやつ、何を考えてるんだ……?
〇〇と一緒に過ごせるのは嬉しいけど、
あいつの考えがわからない……)
シャスポー……あれ? 〇〇、何を持ってきたの?
主人公【ピクニックセットだよ】
【サンドイッチとかいろいろ!】
主人公【一緒に気分転換をしよう】
【ゆっくり食べながら話そう】
シャスポー〇〇……。
ありがとう。そうしよう!

2人は芝生の上にレジャーシートを敷いて、
バスケットに入っていたサンドイッチや果物、
飲み物などを並べていく。

シャスポーふふっ、〇〇と2人で
ピクニックができるなんて、なんだか幸せだな。
君といると、どこだって特別になるんだね。
シャスポー……! あ……っ。
シャスポー(そうだ……僕が描きたかったのは、幻想のパリじゃない。
〇〇と過ごす、温かくて優しい時間──
あの時感じた幸せを、描きたかったんだ)

〇〇とのピクニックを楽しんだシャスポーは、
寮ではなく、美術室へとまっすぐに向かう。


ペンシルヴァニア帰ってきたな。……描けそうか?
シャスポーああ、もちろん。
素敵な時間をくれてありがとう。
シャスポー僕はシーンやシチュエーションに囚われすぎていた。
でも、大事なのはそこじゃないって気づけた。
今の僕なら、理想の絵が描ける……!

──数時間後。

美術部生徒1わぁ……温かくて綺麗な絵!
見ているだけで幸せな気持ちになれる……。
美術部生徒2不思議な魅力がある作品ですね。
目が話せなくて……ずっと見ていられそうだ。
シャスポーふふっ……愛に包まれた幸福な時間……。
そのイメージがどんどん溢れてきて……
こんなに描くことが楽しいなんて初めてだったよ。
シャスポー我ながら、いい絵が描けた。
グラースあいつ、目覚めたな……。
タバティエール俺には絵の価値はわからねぇが……
ま、シャスポーがあんだけ満足してるからには、
いい絵なんだろうな。

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