【1周年を君と】カール

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解説

カード解説

マスターと貴銃士、その在り方。銃と共に生きる限り、安寧の運命はきっとない。
けれど、前を向いて歩み続けよう。
暗い夜を裂いて、空に輝く陽が昇るように──終わらぬ絶望はないのだから。

心銃解説:ほろ苦いチョコレート講義

どんな未来が待っていても、君となら立ち向かえる。絶対に。

カードストーリー

主人公名:〇〇
主人公の一人称:自分

 

★4覚醒後のカードイラストに表示されるメッセージ

PLUS ULTRA
僕が共にある限り、
君に敗北はない。

Ep1. ほろ苦いチョコレート講義

貴銃士の勇敢さを称える記念行事、
ブレイブ・マスケッターズ・デー。

その一環として開催された食事会に、
〇〇は貴銃士たちとともに参加していた。

カールはむもぐ……! もぐ……!
もぐもぐ……! はむ……
カール──んぐッ!!
カール………………!
カール──ごくん。
カールもぐ……はむもぐ……!
カール……ん?
視線を感じると思ったら〇〇じゃないか。
いたのならば、声をかけてくれたまえ。
主人公【夢中で食べてるから】
【すごい食べっぷり!】
カールいや、このステーキがあまりに美味しくてねー。
もう5回もおかわりしてしまった!
カール今日はとんでもなく充実した日だったからな。
いつも以上に腹が減ってしまったのだ。
カールま、それだと君は僕の倍くらいは腹が減っているだろうけどねー。
カール……今回の件ではフリッツが世話になった。
「我がマスター」を救ってくれたこと、心から感謝しよう。
カール交流面談では、たっぷりとおもてなしをするつもりだ。
労をねぎらわせてくれたまえよ、〇〇。

──交流面談当日。
〇〇はカールに案内され、高級ラウンジ内にある
個室のVIPルームにいた。

主人公【VIPルーム……】
【(高そう……)】
カールノンアルコールドリンク、スイーツ、軽食……。
どれも僕の選りすぐりのお気に入りのものを用意させたぞ。
さぁ、午後の優雅なティータイムといこうじゃないか。
スタッフチョコレートでございます。
お好きなものをお選びください。

スタッフが持ってきた大きめの箱には、
ずらりと30個以上のチョコレートが、黒から白へと
グラデーションを描くように美しく並べられていた。

主人公【すごくたくさん!】
【味が違うのかな!?】
カールうむ。カカオの原産国によって、風味や酸味などが
絶妙に違うのだよ。カカオの含有量によっても変わっていくから、
その組み合わせは無限大さ!
カールさらに、ワインやコーヒー同様、その年によっても出来が違うと
チョコレートの味も変わるのだ。
その中で、自分好みを見つける……贅沢な嗜好品だねー!
カールさぁ、色々試してみよう、〇〇!
主人公【えっと……】
【じゃあ、これを……!】
カールなに、それだけか? 遠慮しなくていいんだよー。
僕はこれとこれと……こっちと……!

カールと〇〇は、様々なチョコレートと
紅茶を満喫した。

カールふー、堪能した。
しかし、君はまだこういう場所では緊張するようだねー?
主人公【高級すぎる!】
【緊張を見抜いてたんだ】
カール普段ならば、目を輝かせて説明を聞くのに、
僕の説明をうわの空で聞いていたようだったからね。
ここは社会見学だと思いたまえ。
カール将来、君自身も僕のようにこういう場所で
VIP扱いされることになるかもしれないからねー。
主人公【それはない】
【まさか……】
カール……ふむ。

カールは口元に運んでいたカップを置き、
〇〇を見上げる。

カール君は既にこの世界の要人だ。それは自覚しているのかね?
主人公【え……?】
【…………】
カール『まさか』と思っているのかい?
なら、それはすぐに改めた方がいい。
君は今、一国をも滅ぼすことができる兵力を手中に収めている。
カール……そう。我々、貴銃士のことだ。
カール君は貴銃士を──絶対高貴、絶対非道の力に目覚めさせれば、
一騎当千と言っても過言ではない兵力を、
両の手ではとても足りないほど『所有』しているのだよー?
主人公【…………】
カール……君には既に話したけれども。
革命戦争の英雄、『レジスタンスのマスター』は今現在、
名も姿も伏せて世界のどこかに隠れ住んでいる。
カールそれは、そうしなければ『レジスタンスのマスター』は
2度と『人間』としての幸せを手にすることができない……
そう、本人と、周囲の人が判断したからだ。
カールそして、時が流れ……。
君は……彼らとは別の時代の『英雄』としての道を
歩まされ始めている。
カール我々といる限り、きっと君はいつか『英雄』になる。
『人間』ではない、『英雄』だ。
カールそして、世界には僕の前に積み重なっている
ケーキ皿のように、まだまだ問題が山積みだ。
カール君も成長してわかってきたかもしれないが、
悲しいかな、現実というものは『悪に見えるものを
気持ちよく倒して終わり』ではないのだよ。
カールハッピーエンドを迎えても、その先にまだまだ世界は続く。
この世に『悪』がある限り、『英雄』は求められ続け、
どちらも絶えることはない。
カールそれと同様、絶対的な正義も存在しない。
悪と思って立ち向かった先も、また別の正義なのさ。
カール……そんな世の中で、このままならきっと君は
『英雄』として判断を下すことになるだろう。
そしてそれは、必ずしも無邪気で『善』にはなりえないだろう。
カール善意は人を殺すことだってあるのだから……。
カール……君にその覚悟ができているかね?
カールもし、覚悟がないのなら……僕たち貴銃士という存在を
手放すしかないだろう。
君が、『英雄』になる前に。

〇〇は、カールの顔を見返す。
カールもまた、〇〇の顔を見返した。

カール……ふふ、少し苦いチョコレートを食べてしまったようだねー。
ザッハ・トルテをいただいて、口直しをしようかね!

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