無表情の兵士たちから数多の銃口を向けられ、
スプリングフィールドは身をすくめる。
スプリングフィールド | ……っ! |
---|---|
ケンタッキー | おい、何してんだよ! まだ俺たちを壊す気なのか!? |
大統領 | いや……ペンシルヴァニア、ケンタッキー。 キミたちを破壊するという決定は取り下げよう。 絶対高貴に目覚めた貴銃士は、アメリカに必要不可欠な存在だ。 |
大統領 | だが……スプリングフィールドについては、 決定を覆すには足りない。 |
大統領 | アウトレイジャー化する可能性のある貴銃士の存在を、 政府としては認めるわけにはいかないよ。 |
スプリングフィールド | ……ぼ、僕は……! |
元マスター | くそっ……この、疫病神が……! |
---|
スプリングフィールド | (僕は……どこに行っても、駄目なんだ。 最初のマスターが言っていたみたいに、疫病神で……) |
---|---|
主人公 | 【スプリングフィールドは自分の貴銃士です!】 【破壊すると言うなら、自分も撃てばいい!】 |
スプリングフィールド | えっ……! マスター……そんなことしたら、ダメ、です……! |
〇〇は、うろたえるスプリングフィールドの腕を
しっかりと掴み、絶対に離さないと視線で訴えかける。
ペンシルヴァニア | スプリングフィールドを害すれば…… 俺たちは、アメリカ政府には従わない。 それが不満なら……俺たちも撃つか? |
---|---|
ケンタッキー | その覚悟がねぇなら、さっさと銃を下ろせ! |
スプリングフィールド | ペンシルヴァニアさん、ケンタッキー……。 |
マークス | ……おい、てめぇら。いつまでマスターに銃向けてんだよ。 俺は、マスターのためならなんだって消してやる。 大統領だろうがなんだろうが、関係ない。 |
ジョージ | オレも……〇〇やみんなが撃たれるのを、 黙って見とくわけにはいかないな。 悪いけど……痛い目見る覚悟してくれよ! |
大統領 | ……覚悟、か。 そんなものもなく、貴銃士に銃を向けているとでも? |
ケンタッキー | ……っ! おい、本気なのかよ……! |
大統領 | アメリカという巨大な国をまとめ、リードしていくには、 情に流されず、時に厳しい決断をしていく必要がある。 ……ああ、 そうとも。私はこの上なく本気さ。 |
大統領 | ……スプリングフィールド。 キミはここに来てから、私に何も訴えないが…… 何か言うべきことはあるかな。 |
スプリングフィールド | 僕、は……。 |
ケンタッキー | ……っ、おい、スーちゃん! |
スプリングフィールドは、
自分を庇うように立つ面々の手をそっと離して前に出る。
そして、大統領と対峙した。
スプリングフィールド | 破壊するなら……僕だけに、してください。 |
---|---|
ケンタッキー | 何言ってんだよ! |
スプリングフィールド | ケンタッキー……もう、いいんだよ。 |
スプリングフィールド | 大統領……僕は、みんなが僕によくしてくれる理由が、 ずっと、わかりませんでした……。 なんで、僕なんかを気にかけてくれるんだろう、って……。 |
スプリングフィールド | でも……ケンタッキーが言ってくれたことが、 さっき、手を繋いだ時……ちゃんとわかった気がしたんだ。 |
スプリングフィールド | 2人の手……すごく、あったかかった。 僕の手も、同じように……2人に温かさを伝えられたなら……。 |
スプリングフィールド | 僕は、短い間でも、ちゃんと貴銃士として生きていた。 僕にも、少しは……生きた理由があった。 それが、わかったんだ。 |
スプリングフィールド | だから……もう、十分すぎるくらいなんです。 |
スプリングフィールド | マスター、マイケルさん……。 僕を、貴銃士にして……大切にしてくれて、 ありがとうございました。 |
スプリングフィールド | ペンシルヴァニアさん、ケンタッキー、ジョージさん…… 僕に、ぬくもりや……いろんなことを教えてくれて、 ありがとうございました。 |
スプリングフィールド | 大統領……兵士のみなさん……。 壊すなら、僕だけにしてください。 マスターやみんな───僕の仲間を、絶対に傷つけないで……。 |
大統領 | ───いいだろう。 |
ケンタッキー | んなこと言われて、スーちゃんが傷つけられるのを 黙って見てられるわけねーだろ!! |
ペンシルヴァニア | ……ああ! |
ジョージ | おう! |
3人がスプリングフィールドを庇おうと、手を伸ばす。
それと同時に、大統領が衛兵に合図を出し───
スプリングフィールド | ───ッ!! |
---|---|
ジョージ | ……? |
ケンタッキー | あ……れ? 空砲……? |
ジュディス | ハーイ、カット! |
マークス | は……? |
大統領 | どうだい? しっかり撮れたかな☆ |
兵士1 | はい! アングルも完璧かと! |
ジョージ | ヘっ……? アングル……? |
ラッセル | あの……? |
ケンタッキー | え、っと……? |
大統領 | おっと、すまない! もう終わったから、みんな楽にしてくれ。 |
主人公 | 【楽にしてくれと言われても……】 【一体何が起きているんでしょうか……?】 |
大統領 | そうだね、一言で表すなら…… 一芝居打たせてもらったのさ☆ |
恭遠 | し、芝居と言うと……一体どこから……? |
大統領 | 3挺の破壊命令を下したところかな。 いやぁ、Mr.グランバードとMr.ブルースマイルも、 奮闘していたね! |
ラッセル | なっ、わ、私の動きを、ご存じで……。 |
大統領 | HAHAHA! もちろんさ! 悪いけど、君たちが逃げている間のことは、 全部スパイからのカメラ映像で見ていたよ! |
ラッセル | ……ッ!! |
ジョージ | うわ、ラッセルが倒れた! |
ジュディス | Wow! 医務室に運んで差し上げてくださーい! |
兵士たち | はっ! |
主人公 | 【3挺の破壊命令は嘘だったんですか?】 【なぜこんなことを……?】 |
大統領 | いや……破壊命令自体は、嘘ではない。 だけど、私には、彼らを破壊するつもりはなかった。 |
大統領 | ペンシルヴァニア、ケンタッキー。 キミたちがアメリカを思う心は、よく知っていたし、 スプリングフィールドも、市民とマイケルを守ろうとしていた。 |
大統領 | それが、なぜアウトレイジャー化してしまったのか……。 なんらかの理由やメカニズムはあるにしても、 あれがキミたちの意思であるはずはない。そう思ったんだ。 |
大統領 | アウトレイジャー化に、キミたちの意思ではない、 何か別の力が大きく働いている……。 私はそう信じた。 |
---|---|
ジョージ | …………。 |
大統領 | だが、だからといって、 私と同じように信じてくれと叫ぶだけでは話にならない。 政治の世界というのは一筋縄ではいかないものだからね。 |
大統領 | キミたちを破壊するべき、という意見を 強硬に無視することはできなかった……。 |
大統領 | キミたちを強くかばったところで、 また何か起きるように仕向けられて、 今度こそ市民に取り返しのつかない被害が出たら───。 |
大統領 | 私は大統領の座から引きずり降ろされ、 貴銃士たちも、原因究明を待たずに破壊されてしまうだろう。 そして二度と、アメリカには貴銃士が誕生しないかもしれない。 |
大統領 | そういった事態を避けるために─── ペンシルヴァニアとケンタッキー、キミたちに、 どうしても絶対高貴に目覚めてほしかったんだ。 |
大統領 | だから、〇〇君に賭けて…… 3挺を持ち出す隙を作り、しばらく頑張ってもらうことにした。 |
大統領 | キミが召銃した貴銃士は、既に何挺も絶対高貴に目覚めている。 そして、アウトレイジャー化した貴銃士もいない。 これは何か、キミの方にも秘訣がありそうだったしね。 |
大統領 | しかし……いやぁ、 まさかこれほどの短期間で見事成し遂げてくれるとは! 仲間を思うキミたちの心が、崇高だったということかな☆ |
ケンタッキー | 事情は……まぁ、一応わかったっすけど! だからって、スーちゃんだけ壊す! みたいなこと言う必要はなくねーっすか!? |
ジュディス | ノンノン! あれも、必要だったからなんでーす。 |
ジュディス | Mr.Presidentに敵対する勢力すらも納得させるには、 スプリングフィールドが安全だと わかりやすく示さなくてはいけませんから……。 |
大統領 | 自分の身に危険が及んでも、 絶対非道で兵士たちを傷つけることなく、 ただ仲間の身を案じるYouの姿は、強い説得力になるだろう。 |
大統領 | とはいえ……傷つけるようなことを言ってすまなかった。 スプリングフィールド。 |
大統領 | Youが、突然公園に現れたアウトレイジャーから市民を守ろうと 必死で戦ったことは、目撃者の証言でわかっているよ。 ……ありがとう。 |
スプリングフィールド | あ……、僕は……。 |
ペンシルヴァニア | こういう時は……どういたしまして、と言えばいい。 |
スプリングフィールド | どう、いたしまし、て……。 |
大統領 | Great! さて。キミ自身が行動で示してくれたことで、 破壊を求めていた勢力も抑え込めるだろう。しかし……。 |
ケンタッキー | え……、なんっすか? まだ問題が? |
大統領 | うーん。世界的に依然、現代銃に対する風当たりは強いからね。 スプリングフィールドの存在はまだ公になっていないけれど、 公表すると、また足を引っ張ろうとする勢力が出てきかねない。 |
大統領 | もちろん、キミ自身を見てもらえれば、 そういう声をなくしていくことも可能だろうけれど……。 |
大統領 | なにせ、アメリカは大きな国だから…… 時間も労力も相当にかかるし、辛い思いをすることもあるだろう。 そんな負担を、キミに強いるのは心苦しい。 |
大統領 | だから私は、スプリングフィールドを、 アメリカ政府管轄の貴銃士にしない方がいいと思っているんだ。 |
主人公 | 【スプリングをどうするつもりですか?】 【ということは……?】 |
大統領 | よくぞ聞いてくれた! そこで、Youの出番というわけさ、〇〇! |
大統領 | スプリングフィールドは、アメリカへ旅行にやって来たキミが、 色々とあって召銃した貴銃士ということにする、 というのはどうだい? |
大統領 | アメリカ政府とは無関係な貴銃士だから、 キミがどこで何をして過ごそうと自由だ。 政治の面倒なあれこれに巻き込まれる必要なんてない。 |
主人公 | 【名案です!】 →ジョージ「HAHAHA☆ さすが、〇〇は決断が早いな〜!」 ジョージ「スプリングも、いいよなっ! オレ、おまえが士官学校に来てくれたらスッゲー嬉しい!」 スプリングフィールド「は、はい……!」 【それでいいかな、スプリングフィールド】 →スプリングフィールド「僕は、はい……。 マスターや、皆さんさえよろしければ…… お世話になっても、ご迷惑でないでしょうか。」 恭遠「迷惑なんかじゃないぞ、スプリングフィールド。 俺は、大歓迎だ。」 ジョージ「オレもオレも!すっげー嬉しいぜ☆」 |
大統領 | ……ということで、決まりだね! ふぅ、なんとか丸く収まりそうでよかったよ。 |
大統領 | かのMr.グランバードに、 世界連合軍で今や注目度No.1の〇〇君…… キミたちとHeartfulなつながりを持てたことも心強い! |
大統領 | スプリングフィールド……キミは、貴銃士になってから、 アメリカにいい思いを抱いていないかもしれない。 だけど……気が向いたら、いつでも来ておくれ。 |
ジュディス | またPartyしましょー♪ |
ケンタッキー | へへ、よかったな! スーちゃん! ほんとに……よかった……っ! |
スプリングフィールド | ケンタッキー……泣いてる……? |
泣き笑いのケンタッキーが、
スプリングフィールドを抱きしめる。
その様子を、ペンシルヴァニアが優しく見守っていた。
ペンシルヴァニア | ……ありがとう、〇〇、マイケル、ジョージ。 それから、恭遠にマークス、ラッセルも……。 |
---|---|
ペンシルヴァニア | 皆が俺たちのことを諦めないでいてくれたから、 この“今”がある。 本当に……ありがとう。 |
───数日後。
マイケル | やあ、ようこそ我が家へ! 待ってたよ、さあ上がって! |
---|---|
主人公 | 【お邪魔します】 【なんだかいい匂いが……!】 |
マイケル | ちょうど、ダイアモンド家自慢の ご馳走が焼き上がったところなんだ。 |
マイケル | 肉担当は俺! 母が得意料理を色々作ってくれて、 デザートはフィアンセが担当したんだ。 スプリングの門出を祝う、スペシャルなメニューだぞー! |
スプリングフィールド | ありがとうございます……僕なんかのために……。 |
ケンタッキー | スーちゃん、そういうの禁止だって! 俺たちは、スーちゃん“なんか”なんて思ってねぇんだから。 |
スプリングフィールド | うん……。 ありがとうございます、皆さん……。 僕……嬉しい、です。 |
マイケル | You’re welcome! |
マイケル | そういえば……スプリングフィールドは、 〇〇たちと一緒に士官学校に行くとして、 ペンシルヴァニアたちはどうするんだ? |
ペンシルヴァニア | 俺たちも……アメリカでの公務の合間に、 士官学校に顔を出すことになっている。 |
ペンシルヴァニア | 往復には……少々時間がかかるが。 士官学校も、面白そうだな。 |
ケンタッキー | こいつの放浪癖が、アメリカとフィルクレヴァートとの往復で 少しはおさまりゃいいんっすけどね。 |
ケンタッキー | っつーか、俺はしばらく1人で仕事してたんだしよ、 俺がスーちゃんとマスターと先に士官学校行っとくから、 その間お前1人で公務してみたらいいんじゃねーの? |
ペンシルヴァニア | あの量を……俺1人でか……。 いや、ケンタッキーにさせてしまったからな……。 |
ケンタッキー | ……ったく、冗談だっての。 お前1人置いとくのも不安だし、俺も残ってやるよ。 |
ケンタッキー | そういうわけで、マスター! 俺たちが行くまで、スーちゃんをよろしくっす! |
主人公 | 【もちろん!】 【任せて】 |
ジョージ | いっぱい楽しいことしような、スプリング! |
スプリングフィールド | は、はい……! |
ジョージ | ふぅ〜! 腹いっぱい! どれも美味かった〜! |
---|---|
マイケルの母 | うふふっ、みんな食べっぷりが良くて、 色々作った甲斐があったわ! |
マイケルのフィアンセ | それじゃあ、最後はデザートね。 スプリングフィールドくんのために、 マイケルにも手伝ってもらって、とっておきのを作ったのよ。 |
マイケルとそのフィアンセが、キッチンから
こんがりと焼けたパイが乗った大きなお皿を運んでくる。
スプリングフィールド | これは、なんでしょうか……? |
---|---|
主人公 | 【パイみたいだね】 【サクサクした美味しいお菓子だよ】 |
切り分けられた断面からは、
蜜色の果物がたっぷり覗いている。
ジョージ | おお、アップルパイだ! よかったな、スプリング! おまえの好きなリンゴだぞ〜! |
---|---|
スプリングフィールド | リンゴ……? これが……? |
ケンタッキー | あー、そっか! 煮たリンゴは見たことねぇのか。 アップルパイってのは、煮たリンゴをパイ生地で包んで、 サクッと焼いたお菓子なんだ。 |
ケンタッキー | シナモンをかけてみたり、 熱々のにアイスを添えて食べるのも美味いぜ! |
マイケル | お、アイスを添えるのはNiceだな! 持ってくるよ。 |
1ピースのアップルパイにバニラアイスを添えて、
マイケルがスプリングフィールドへお皿を差し出す。
主人公 | 【スプリングも食べよう】 【いただきます!】 |
---|---|
スプリングフィールド | いた、だきます……。 |
〇〇を真似するようにして、
スプリングフィールドがフォークで一口分のパイとアイスを取り、
そっと口元へ運ぶ。
スプリングフィールド | ……っ! ん、んん……!? |
---|---|
スプリングフィールド | ……おい、しい……! 甘くて、温かくて、冷たくて……わ……! |
ケンタッキー | ……ぷっ! あははは、スーちゃん! 今の、すげぇいいリアクション! |
マイケル | まったくだ。……ははは! アップルパイの広告になれそうな、いい表情だったな! |
スプリングフィールド | すごく、美味しくて……びっくりして……。 ……ふふっ。 |
ジョージ | ……わっ! |
ケンタッキー | スーちゃんが……笑った! |
スプリングフィールド | え……? |
ペンシルヴァニア | スプリングのそういう笑顔は、初めて見たな……。 お前が心から笑えるようになれて……俺も、嬉しい。 |
マイケル | スプリングのスマイル記念日だ……! よーし、乾杯しないとな! みんな、飲み物を持ってくれ。 |
マイケル | せーのっ、乾杯! |
一同 | 乾杯! |
ペンシルヴァニア | ところで…… マイケルは今後、どうするんだ? マスターの任は終わったわけだが……。 |
マイケル | 俺かい? どうするって、前に戻るだけさ。 |
ケンタッキー | 前……? |
マイケル | おいおい、忘れたのかい? 登山家だよ! 1人の人間として山に向き合って、高みを目指す。 俺のライフワークさ。 |
ペンシルヴァニア | 山か……。 森には馴染みがあるが、 獲物が少ない高度までは行ったことがないな。 |
マイケル | いつか一緒に登ろうぜ、ペンシルヴァニア。 次の旅は、友達としてさ。 |
マイケル | ケンタッキーも、スプリングも…… 俺の貴銃士じゃなくなっても、大事な仲間だ! |
マイケル | いつでも遊びに来てくれよ。 もちろん、〇〇たちも! アップルパイ目的でもいいからさ☆ |
スプリングフィールド | ……っ、はい……! |
───〇〇たちはアメリカ滞在を終え、
フィルクレヴァート士官学校へ帰還する日を迎えた。
ケンタッキー | マスター、ちょっとお邪魔してもいいっすか? |
---|---|
主人公 | 【どうぞ】 【入っていいよ】 |
ケンタッキー | 急にすんません! マスターがイギリスに戻られる前に、 お話ししておきたいなと思って……。 |
ペンシルヴァニア | 〇〇……改めて、俺たちから礼を言わせてほしい。 本当に……ありがとう。 |
ケンタッキー | あっ、おい! 俺が言う前に言うなっての! |
ケンタッキー | マスター……マジのマジで、心の底から、あざっした!!! |
主人公 | 【……?】 【何のお礼だろう】 |
ケンタッキー | 俺たちが絶対高貴になれたのは、マスターのおかげっす。 ほら、あん時の山小屋で…… 俺らなら絶対高貴になれるって、言ってくれましたよね。 |
ケンタッキー | 俺、必ず絶対高貴になってやる! って思ってはいたけど、 どんなに頑張ってもなれなくて…… どうすればいいのか、わからなくなりかけてたんだと思います。 |
ペンシルヴァニア | 俺も……ケンタッキーに仕事を任せて アメリカの大地をあちこちへ旅してみても、 絶対高貴への糸口すら掴めずにいた。 |
ペンシルヴァニア | 本当に絶対高貴になる力が自分の中にあるのか…… 自分のことを、信じきれなくなっていたような気もする。 |
ケンタッキー | けど……マスターは、俺らなら絶対なれる! って、 慰めとか励ましとかじゃなく、心の底から信じてくれたっすよね。 マイケルさんも、ジョージも、俺らを全然疑ってなかった! |
ペンシルヴァニア | ああ……。 危険を冒してでも俺たち3挺を守ろうとしてくれた、 マスター、マイケル、ジョージ、マークス、恭遠、ラッセル……。 |
ペンシルヴァニア | それに、Mr. Presidentたち。皆の信頼と期待に応えて、 大切な人たちを守る力を得られたことが、本当に嬉しい。 俺たちを信じ、導いてくれて……ありがとう。 |
主人公 | 【こちらこそありがとう】 【2人のおかげで最良の結果が得られた】 |
ケンタッキー | マスター……恐縮っス! 俺らは、ここでもうちょっと仕事片付けてから行くんで。 |
ケンタッキー | サポってた分ペンシルヴァニアをガンガン働かせて、 なるべく早く士官学校に顔出します! |
ケンタッキー | なので……ちょっとだけ、 スーちゃんと一緒に待っててください! ッス! |
ペンシルヴァニア | はは……頑張るよ。 お前も、力を貸してくれると嬉しい。 頼むぞ……ケンタッキー。 |
ケンタッキー | ……ふん。どうしてもって言うんなら、 仕方ねーから手ェ貸してやるよ! |
マークス | マスター、こっちの準備は終わった。 そろそろ出発─── |
マークス | おい、俺のマスターと何を勝手に話している。 |
ケンタッキー | はぁ!? お前だけのマスターじゃねぇし! |
マークス | 俺の! マスターだ!! |
スプリングフィールド | ふ、2人とも……。 |
ジョージ | HAHAHA☆ すっげー打ち解けてんじゃん! |
ペンシルヴァニア | そうだ……〇〇、出発の前にこれを。 |
賑やかに言い合うマークスとケンタッキーを気にすることなく、
ペンシルヴァニアは〇〇の前へ歩を進めると、
ポケットから小さな何かを取り出した。
主人公 | 【自分に?】 【これは?】 |
---|---|
ペンシルヴァニア | アメリカ中を旅していた時に狩った、鹿の角で作った笛だ。 いざという時に吹けば……ケンタッキーが駆けつけるだろう。 |
ケンタッキー | 俺かよ! もちろん、マスターがピンチなら駆けつけますけど! |
ケンタッキー | あ、マスター! 自分からも、プレゼントお渡ししていいっすか!? |
ケンタッキー | まずはこれ! 定番のカップケーキっす。 カラフルで見た目もイカしてるんっすけど、 味も最高なんで、ぜひ食べてくださいっ! |
ジョージ | Wow! 美味そう! あれ? それ、〇〇も買ってたよな。 |
ケンタッキー | えっ、マジっすか!? |
主人公 | 【たぶん、同じ店だ】 |
ケンタッキー | うおお、俺のイチ押しに目を付けるとは、 マスター……さすがっすね! |
ケンタッキー | んじゃあ、これはどうっすか? ジャジャン! 馬毛ブラシっす! |
ケンタッキー | ケンタッキー州といえば馬っすからね。 革製品のお手入れにもってこいのいい品なんで、 使ってみてほしいな〜と思いまして! |
マークス | ……それも、マスターが買っていたな。 |
ケンタッキー | ええっ!? じゃ、じゃあこれは……!? ナチュラルマルチバーム! 木、革、人用の3つセットっす! |
ケンタッキー | 基本の成分は同じで、お気に入りのアイテムを磨いたり、 手とか髪のケアに使ったり、色々できる優れものなんっす。 |
主人公 | 【実は、それも……】 |
ケンタッキー | ええええ〜!! まさかこれも、マスター購入済みっすか!? 知る人ぞ知る、俺の秘密のオキニがっ! |
ケンタッキー | ってか……これって、マスターと俺のセンスが バッチバチにガッチリ超ハマってるってことっすよね!? いやぁ、まさかの3連続かぶりとか感激っす……! |
マークス | くっ……俺だって、マスターと通じ合えている! マスターの一番の相棒だからな! |
いよいよ出発の時間が近づき、
〇〇たちは、ペンシルヴァニアとケンタッキーと、
しばらくの別れの時を迎えようとしていた。
ケンタッキー | それじゃあ……マスター、お気をつけて! スーちゃん、ちゃんとメシ食って元気でいろよ〜? |
---|---|
スプリングフィールド | う、うん……! |
ペンシルヴァニア | 星たちが、〇〇たちの出発を祝福している。 ……マスター、ジョージ。 スプリングをよろしくな。 |
ジョージ | おう! |
主人公 | 【もちろん】 【任せて】 |
スプリングフィールド | 2人とも……本当に、ありがとうございました。 士官学校で、お2人のこと……待ってますね。 |
ケンタッキー&ペンシルヴァニア | おう! |
Protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.
まだコメントがありません。