──ウィンズダム宮殿滞在6日目。
ジョージ | ──で、追いかけて廊下を曲がったら その先には誰もいなかったんだ! |
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ジョージ | 見た目の特徴的にはスナイダーっぽいんだけど、 生きてるスナイダーなのか、幽霊になってるのか、 特徴がかぶってるだけの別人なのかわかんなくて……。 |
ライク・ツー | ……ふぅん。 |
ジョージ | ちょっ、反応薄くないか!? |
ライク・ツー | 実際見てればなにかわかったかもしんねーけど、 俺はそいつのこと見てねぇし。 つーかなんで俺だけ呼ばなかったんだよ。 |
マークス | それは、てめぇがビヨー?がなんとか言って、 起きなかったからだろ。 |
ライク・ツー | は? なんだそれ。 |
マークス | こっちが聞きたい。 |
ジョージ | よし、幽霊のことに話を戻そう! |
主人公 | 【ライク・ツーはどう思う?】 【意見を聞かせて】 |
ライク・ツー | お前らが見たのがなんにせよ、 少なくともそいつが城の中にいて、 話もできることははっきりした。 |
ライク・ツー | そうとくれば、 捕まえて直接話を聞くのが一番手っ取り早いだろ。 |
ライク・ツー | そいつは、“テューダー・ローズの先にいる” って言ったんだよな? |
ジョージ | ああ。そう言ってた。 |
マークス | テューダー・ローズってなんだ? 聞いたことがないが、薔薇の品種か? |
ジョージ | いや、薔薇の名前じゃなくて、 赤い薔薇と白い薔薇を組み合わせた紋章のことだよ。 |
ライク・ツー | へぇ、よく知ってんな。 つまり、城の中でその紋章を探せばいいってことか。 |
ジョージ | ……よし! それじゃあ今日は、昨日のヤツを探そう! |
ライク・ツー | 張り切るのはいいけどよ、お前、探せんのか? |
ジョージ | バカにすんなよー! オレだってそれくらい── |
ライク・ツー | いや、そうじゃなくて。 お前には“あいつ”がいるだろ。 |
ジョージ | “あいつ”? |
そのとき、扉をノックする軽快な音が響いた。
エンフィールド | ジョージ師匠、皆さん、おはようございます! 入ってもよろしいですか? |
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ライク・ツー | ……噂をすれば、だな。 |
ジョージ | Oh……! |
ジョージ | ……ゴホン。 入っていいぞー。 |
エンフィールド | おはようございます、皆さん。 おや、〇〇さんも こちらにいらしたんですか。ちょうどよかった! |
エンフィールド | もうすぐ朝食の用意が整うので、 そろそろ移動をお願いしますね。 |
ジョージ | おう、わかった! 呼びに来てくれてありがとな、エンフィールド。 |
エンフィールド | いえいえ! ジョージ師匠のお役に立てたなら何よりです。 |
エンフィールド | さぁ、早速行きましょう! こちらですよ、ジョージ師匠! |
ジョージ | うおっ、ちょっ……! |
マークス | ……なぁ、マスター。 エンフィールドに昨夜のこと、話すか? スナイダーを見つけたかもしれない、と。 |
ライク・ツー | やめとけ。話さない方がいい。 |
マークス | どうしてだ。 |
ライク・ツー | はぁ……お前、バカなのか? よく考えてみろよ。 |
ライク・ツー | あいつは、スナイダーがいないことを隠してた。 どこまで本当のことを言ってて、 どこから嘘なのかわからない。 |
ライク・ツー | 手放しで信用していい奴じゃねぇ。 与える情報は慎重に選ぶ必要がある。 |
ライク・ツー | ……ま、ジョージを与えときゃご機嫌で、 暴走はしなさそうだけどな……。 |
マークス | いざとなったらジョージを囮にして、 エンフィールドの目を盗んで探すか。 |
ライク・ツー | よし、その作戦でいこう。 |
ジョージ | うう……食いすぎた。 エンフィールドのやつ、オレの皿に盛りすぎ……。 |
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主人公 | 【胃薬飲む?】 【部屋で横になる?】 |
ジョージ | いや、大丈夫だ……。 薬キライだし、横になると余計に苦しそうだし、 のんびり歩き回ってる方がマシな気がする……。 |
ライク・ツー | ……ん? 向こうにいるの、あの胡散臭ぇ大臣だな。 |
アッカーソン | …………。 |
マークス | あんなに急いで、どこに行くんだ? |
ライク・ツー | ……追ってみるか。 |
アッカーソン | ──進捗があったというのは本当か。 |
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捜索隊隊長 | はっ。郊外で菜園を営む老夫婦が目撃していました。 食料を売ってほしいと持ちかけられたそうです。 |
捜索隊隊長 | 潜伏場所もその近くではないかと見て捜索したところ、 怪しい箇所がいくつかあり……。 こちらが、そのリストです。 |
アッカーソン | よくやった! だが、捜索隊は引き上げさせろ。 警戒されて逃げられてはかなわんからな。 |
アッカーソン | あとはこちらで対処する。 |
捜索隊隊長 | かしこまりました。 |
ライク・ツー | ……見つかったみたいだな。 |
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ジョージ | 前におまえが言ってたことが当たってたら、 ヤバいんじゃないのか……? |
ライク・ツー | ああ。俺が考えていた通りなら、 今度こそ消されるかもな。 |
ライク・ツー | ま、だとしても、俺らにはあんまり関係ない話だけど。 |
ジョージ | いやいや、止めないとだろ! |
マークス | だが、スナイダー探しはどうする? |
ライク・ツー | 二手に別れればいい。 俺は大臣の動きを追う。 お前ら3人はスナイダー探しだ。 |
ライク・ツー | つっても、ジョージはエンフィールドの足止め係で、 実質スナイダーを探せるのは 〇〇とマークスの2人だけどな。 |
マークス | エンフィールドは任せたぞ。 今日も付きまとわれてこい。 |
ジョージ | ええっ!? う、うう……。 |
ライク・ツー | んじゃ、俺は行く。 |
主人公 | 【気をつけて】 【そっちは頼んだ】 |
ジョージ | ……よし、それじゃあこっちも行動開始だな。 この城にいられるのは、今日を含めてあと2日だけだ。 急がないとな。 |
マークス | ああ。 |
ライク・ツー | (大臣のあとをつけて来たが…… こんなところでのんびり新聞読んで、何してんだ?) |
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ライク・ツー | (“あとはこっちで対処する”つってたのに、 何もしてねぇじゃねーかよ……) |
ライク・ツー | (もしかして、俺が尾行していることに気づいて、 カモフラージュしているのか?) |
やがて、大臣は新聞をベンチに置いて立ち去った。
ライク・ツー | 今度はどこ行く気だよ……。 |
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尾行を続けようとするライク・ツーだったが、
大臣が座っていたベンチに別の男がやって来て、
新聞を手に取ったことに気づき、足を止める。
パラパラと新聞を確認した男は、
周囲へさっと視線を走らせると、
新聞を小脇に抱えて立ち上がった。
ライク・ツー | (なんだ? 今の動き……。 捨てられた新聞をパクるのに、 そんなに警戒する必要あるか?) |
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ライク・ツー | (もしかして……。 あの新聞で何かやり取りをしているのか?) |
ライク・ツー | 大臣じゃなくて、あの男を尾行してみるか……。 |
ジョージ | ……おい、チャンスだ! |
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マークス | 何がだ? |
ジョージ | 今日はエンフィールドが来るのが遅いなーと思って、 その辺にいた人に聞いてみたんだ。 そしたら、大臣に呼ばれてどっか行ったって! |
ジョージ | 今のうちに、昨日のやつを探しに行こう! |
ジョージ | 昨日の夜、スナイダーっぽいやつが消えたのは このあたりだよな……? |
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マークス | ああ。あの肖像画に見覚えがある。 この角を曲がった先で、あいつは消えた。 |
ジョージ | そうそう、そうだった! |
ジョージ | どうする? もう1回、このあたりの部屋から調べてみるか? |
主人公 | 【そうしよう】 |
ジョージ | よし、まずはこの部屋からだな。 |
マークス | はぁ……これで何部屋目だ? |
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ジョージ | まだ5部屋目だって。 城には確か、800部屋ぐらいあるんだから、 まだまだ先は長いぞー。 |
マークス | 800!? あと2日で全部調べるのは、どう考えても無理だろ。 |
ジョージ | 文句言ってねーで、どんどん探さないと! |
マークス | はぁぁ……。 |
ジョージ | テューダー・ローズ、テューダー・ローズっと……。 |
マークス | ……おい! このキャビネット、薔薇の紋章が入ってるぞ。 |
ジョージ | Wow! 手がかりになりそうなものは入ってそう? |
マークス | いや、使われてないみたいで、中は空だ。 |
ジョージ | テューダー・ローズの先にいるって言っても、 この棚の中にいるわけないしなぁ……。 |
ジョージ | はっ! もしかして……この裏に秘密の部屋への入口が あったりして!? |
マークス | そんな大層な仕掛けがあるか? ……まあ、一応動かしてみよう。 |
マークス&ジョージ | せーのっ! |
マークス | ……くっ! 全っ然動かないぞ!? 壁に固定されてんのか? |
ジョージ | うーん、あいつが消えたあたりの部屋だし、 テューダー・ローズの紋章もあるし、 何かあると思ったんだけどなぁ……。 |
マークス | つーか、あの幽霊野郎、 思わせぶりなこと言ってねぇで、 居場所をズバッと教えろよ! 面倒くせぇな! |
苛立ったマークスが、キャビネットの
テューダー・ローズのあたりを拳で殴る。
すると……ガコン!という音とともに、
紋章の部分が凹んでしまった。
マークス | うわっ!? |
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ジョージ | おまえ、なに高そうな家具壊してるんだよ! |
マークス | そ、そんなに強く叩いてねえよ、 もとからボロかったんだろ! |
主人公 | 【ちょっと待って】 【壊れてないかも】 |
ジョージ | ん……? あれ、本当だ。 |
壊れたのであれば、木の繊維がささくれ立ったり、
木目に沿って亀裂が入るはずだが、
綺麗に紋章のところだけが凹んでいた。
ジョージ | ……もしかしてこれ、紋章がボタンみたいに 押せるようになってるのか……? |
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マークス | ってことは、俺が壊したんじゃないのか? |
ジョージ | ああ! むしろお手柄だ! |
マークス | そ、そうか……。 |
ジョージ | 棚に仕掛けがあるのはわかったけど、 紋章を押したからって特に変化はないよな? |
主人公 | 【でも、絶対に怪しい】 【もう1回動かしてみよう】 |
マークス | そうだな。 おい、ジョージ。手を貸せ。 |
マークス&ジョージ | せーのっ! |
ジョージ | うおっ! 動いた!! さっきはびくともしなかったのに……! |
マークス | マスター、見てくれ! キャビネットの裏に隠し扉があるぞ! |
隠されていた扉を開けると、狭く暗い空間があった。
暗闇に目を凝らすと、
地下へ階段が続いているのが見える。
マークス | すげぇ……なんだこれ……。 |
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ジョージ | 王城だからさ、やっぱり敵の襲撃とかに備えて、 秘密の抜け道とか隠し部屋とかがあるんだよ、たぶん! |
ジョージ | この先に何があるのか…… すっげーわくわくするな……! |
マークス | 入ってみよう。 何があるかわからないから、 マスターにはここで待っていてほしいんだが……。 |
主人公 | 【自分も行く】 【2人といる方が安心】 |
マークス | ……わかった。 マスターは俺から離れないように、 後ろをついてきてくれ。 |
マークス | 暗いな……。 入り口は開けてくればよかったか? |
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ジョージ | いや、もし誰か来たら、 忍び込んだことがバレちまうだろ? 閉めてきて正解だって。 |
ジョージ | ほとんど何も見えないし、 ひんやりジメッとしてて不気味だけど……。 |
ジョージ | うわぁああぁっ! 今、首になんか冷たいのが!! |
マークス | なにっ! 大丈夫か、ジョージ! |
ジョージ | ……あ、ただの水滴だった。 上から垂れてきたみたいだな。 |
マークス | ったく、人騒がせな奴だな。 ……マスター、足元に気をつけてくれ。 湿っていて滑りやすい。 |
主人公 | 【了解】 【気をつける】 |
ジョージ | ……お、おい! |
マークス | 今度はなんだ。 |
ジョージ | 奥の方! うっすら光が漏れてるぞ! |
マークス | ……本当だ。 奥にまた扉があるみたいだな。 |
マークス | 準備はいいか? 慎重に行くぞ。 |
ジョージ | おう。 |
マークスの手によって、
軋んだ音を立てながら、地下室の扉が開かれる。
マークス | ……! 誰かいる。 マスター、下がってろ。 |
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部屋の中央に置かれた椅子に、
誰かがぐったりと座っていた。
??? | …………。 |
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マークス | あの服装、紫の髪……。 昨日見た奴だ! |
ジョージ | な、なんかぐったりしてないか……? 昨日見たのは、やっぱり幽霊だったりして……。 |
マークス | 確認してみよう。 |
マークス | 奴が安全だとは限らない。 俺が行くから、マスターはここでジョージと待機だ。 |
マークス | ……おい、あんた。 生きてんのか? |
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ジョージ | 死んでたら返事できないって! ……いや、でも幽霊ならそうとも限らないかな? |
マークス | ジョージ、今は黙ってろ。 |
??? | ……っ、ん……。 |
ジョージ | い、生きてた! |
主人公 | 【しっかり!】 【大丈夫?】 |
マークス | マスター! 待ってろって言っただろ! |
??? | おまえ、たちは……。 |
ジョージ | その顔……やっぱり昨日の! |
??? | 来たのか……。 |
マークス | あんたが中途半端に、 よくわかんねーこと言って消えたからな。 仕方なく探しに来てやったんだ。 |
??? | …………。 |
ジョージ | なぁ、おまえがスナイダーなのか? |
スナイダー | ……ああ、そうだ。 |
ジョージ | おまえ、なんでこんなところにいるんだよ……! |
スナイダー | 俺が、好き好んでここに身を潜めているとでも? ……これを見ろ。 |
スナイダーが手足を動かすと、
床に鎖で繋がれた手枷と足枷が、
重い金属音を響かせる。
マークス | 監禁されてたってわけか。 でも、一体誰が……? |
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ジョージ | もしかして、アッカーソンっていう 大臣のおっさんか!? |
スナイダー | いや……。 |
スナイダー | …………。 |
マークス | 黙ってたらわかんねぇだろ。なんか言えよ。 |
ジョージ | 覚えてないとか? 顔隠してたとか? |
スナイダー | ……いや。 |
マークス | あんた、ちゃんと犯人知ってるんだろ? なんで言わねぇんだ。 |
スナイダー | …………。 |
主人公 | 【言いたくない?】 【犯人をかばってる?】 |
スナイダー | ……っ! |
マークス&ジョージ | ……!! |
マークス | あんたが庇うっつったら…… 考えられるのは2人しかいねぇ。 |
マークス | マスターか、エンフィールドか。 |
スナイダー | …………。 |
スナイダー | ……──だ。 |
スナイダー | ……エンフィールドに、やられた。 |
ジョージ | そんな……っ! |
マークス | やっぱりか。 |
スナイダー | 昨夜、あいつの目を盗んで抜け出してみたが、 結局見つかって……このザマだ。 |
スナイダー | もう2週間ほどこうしている……。 そろそろ俺も、ゴホッ……限界に近い……。 |
ジョージ | ウソ、だろ……。 |
ジョージ | あいつはちょっと熱心過ぎるところもあるけど、 絶対高貴になりたいって、あんなに一生懸命で、 真っ直ぐに頑張ってるヤツなんだぞ? |
ジョージ | こんな場所に閉じ込めるなんてひどいこと、 本当にあいつが……? |
スナイダー | あいつは……絶対高貴になれない俺のことが、 許せないと言っていた……。 |
スナイダー | 人前になど、恥ずかしくて出せないと……。 |
ジョージ | そんな……! |
──ズズ……
マークス | 今の音……! 誰かが上でキャビネットを動かしたようだな。 |
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スナイダー | ……ここに来るのはあいつだけだ。 食事を持ってきたんだろう。 おまえたちは、さっさと隠れろ。 |
ジョージ | で、でも……! |
スナイダー | 早くしろ! |
主人公 | 【スナイダーの言う通りに】 |
ジョージ | ……わかった。 |
スナイダー | …………。 |
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エンフィールド | スナイダー、食事を持ってきたよ。 できるだけ味が薄いものを選んできたから ちゃんと食べて── |
スナイダー | 食事なんてどうでもいい。 それより、俺をここから出せ。 |
エンフィールド | それだけは断る。 ここから出したら、君はまた勝手なことをするだろう? ……絶対に、出してやらないよ。 |
ジョージ | ……っ、本当にあいつが……! くそっ! |
マークス | 待てっ、ジョージ! |
ジョージ | 離せっ! |
エンフィールド | ……この声は……! |
ジョージ | おい、エンフィールド! |
エンフィールド | ジョージ師匠っ!? どうしてここに……!? |
マークス | 俺たちもいる。 |
エンフィールド | マークスさんに〇〇さんまで、なぜ……。 |
ジョージ | エンフィールド! おまえ、スナイダーに何してんだ! |
エンフィールド | ご、誤解です! これには深い理由が── |
ジョージ | 誤解って、この状況で何が誤解なんだよ! スナイダーをこんなとこに監禁して……! |
ジョージ | おまえがこんなことするやつだとは 思わなかったよ……。 |
エンフィールド | ジョージ師匠……。 |
マークス | スナイダーはあなたの弟なんだろ? なんでこんなことしてんだ。 |
エンフィールド | ……弟だからこそ、ですよ。 |
エンフィールド | スナイダーは僕の弟なので、 兄である僕がこうして仕置きをしているんです。 |
エンフィールド | 弟には、そうされるだけの理由があるんですよ! 僕を信じてください! |
マークス | 信じろって言われても、この状況じゃな……。 |
エンフィールド | マークスさん! |
マークス | 何か理由があったにしろ、ここまでやるか? 鎖つけて地下に監禁……? よっぽどあんたがいかれてると思うぜ。 |
エンフィールド | そんな……! ジョージ師匠は、信じてくれますよね? 僕は── |
ジョージ | …………。 |
エンフィールド | ジョージ、師匠……。 |
ジョージ | わっかんねぇよ……。 |
ジョージ | エンフィールド……おまえは、 ちょっと危なっかしいところはあるけど、 一生懸命ないいヤツだと思ってた。 |
ジョージ | だけど……それは、間違いだったのか……? オレには、もう……おまえがわからない。 |
エンフィールド | そんな……! ジョージ師匠──! |
ジョージ | …………。 |
エンフィールド | い、嫌だ……僕をそんな目で見ないでください……! 僕は、僕は……っ! |
スナイダー | ……エンフィールド。 |
エンフィールド | スナイダー……君のせいだ……! |
エンフィールド | こんなことになったのは、 全部、全部君が悪い! 君のせいだ! |
ジョージ | ……っ、おい! なんでスナイダーのせいになるんだよ。 |
エンフィールド | うるさいっ! ……なぜなんですか、ブラウン・ベス先輩……。 |
エンフィールド | 強くて、恐ろしくて…… 視界にも入れたくないと思うことすらあるのに、 どうしても壊すことができない……。 |
エンフィールド | そんなモノが『弟』として存在する僕の苦悩を、 なぜ、ブラウン・ベス先輩は 理解しようともしてくれないのですか……! |
ジョージ | ……オレはジョージだよ。 けど、オレだろうとブラウン・ベスだろうと、 考えることは、たぶん一緒だと思う。 |
ジョージ | 後輩が間違ったことをしてるなら、それを止める。 |
エンフィールド | 勝手なことを言うなっ!! |
エンフィールド | あなたはブラウン・ベス先輩じゃない! だからなんだ! だから、そうやって僕を責めるんだ! |
エンフィールド | ──お前もあいつと同じ、偽物なんだ!! |
エンフィールド | 偽物め! 偽物めぇーーっ!!! |
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