イギリス編:第37話~第41話

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第37話:ライク・ツーの交渉1

マークスいつまでもここにいるわけにはいかない。
こいつを連れて上に戻ろう。
マークス急いでお前らのマスターを探して薔薇の傷を癒やせば、
エンフィールドは銃に戻る。
その後でまた召銃すれば、もとに戻るはずだ。
スナイダーそうすると、俺も銃に戻るわけだが……。
おい、〇〇。
俺たちを召銃する気はあるか?
主人公【あなたたちが望むなら】
【召銃するつもりでいる】
スナイダーならいい。任せたぞ。
マークスマスターの決定なら仕方ない……。
とにかく、エンフィールドがまた暴れないように
拘束しとかないとな。なんか縛るもんあるか?
スナイダー縄がある。これを使え。
ジョージじゅ、準備がいいな……。
なんであるのかは聞かないでおこう……。
マークス……これでよし。
じゃあ、エンフィールドを運ぶか。
ジョージ城の人たちに見つからないように、こっそりな!

ライク・ツーすげー寂れたとこだな。
あいつらのマスターはこんなとこに潜んでんのか?
つーかあのおっさん、どこまで行くんだよ。
ライク・ツー……ん?
…………。
ライク・ツー止まった。
目的地はあの小屋か。

男はそっと小屋の中の様子を窺うと、
ポケットから小さな細い金具を取り出して、
素早く鍵を開け、ドアノブに手をかける。

ライク・ツー……手慣れてんな。プロか?
…………。
ジェイコブひぃぃいいっ!

男が入ってすぐに、怯えた悲鳴が聞こえてくる。
ライク・ツーは小屋に近づき、聞き耳を立てた。

こんなところに隠れていたのか。
だが、かくれんぼはもう終わりだ。
ジェイコブた、助けてくれ──!
ライク・ツー(やっぱりか。大臣が持ってたあの新聞で、
この小屋の場所を知らせたってわけだな)
命乞いなどするだけ無駄だ。
もっとも、俺が手を下すまでもなく、
その傷で死にそうだがな。
それじゃあ苦しいだろ。
今、楽にしてやるよ。
ジェイコブい、嫌だ……!
ライク・ツー(あの男、薔薇の傷が悪化してる……!)
ジェイコブ俺のことは放っておいてくれ……!
ど、どうせ、この傷にのまれて死ぬんだ!
最後くらい1人で静かにいさせてくれ……!
そうはいかない。
万が一生き延びられては面倒だ。
お前は今日ここで死ぬんだよ。
ライク・ツー(やっぱり、マスターを消してたのは
大臣の手先だったか……)
残念だったな。
……ああ、そうそう。大臣サマから伝言だぜ。
「お前はもう不要だ、消えろ」ってな。
ライク・ツー…………!
???……あなたはもう不要です、ライクツー。
ライク・ツー……いや、お前、不要って何様だよ。
ライク・ツーウザ。
──用済みなのは、お前の方だっての。
な、なんだ貴様……ぐあっ!
ライク・ツー雑魚が雑魚くさい台詞吐いて退場とか、
マジでダッサ。
ジェイコブい、嫌だ……殺さないでくれ……!
ジェイコブあんな石に触れなければ……
マスターになんてならなければ……。
こんなことにならなかったのに……。
ジェイコブあ、あいつらが悪いんだ……!
絶対高貴にならないあいつらが……!
ライク・ツー…………。
ライク・ツー……あー、はいはい。
貴銃士を絶対高貴にできなかったマスターは、
お役御免であの世行きってことだな。
ジェイコブい、嫌だ……俺は死にたくない……
マスターなんて引き受けなければよかった……!
ライク・ツー……あのさ。
お前、マスターをやめたいのか?
ジェイコブヒッ!!
ライク・ツーいちいちビビんなよ、うぜぇな。
俺はお前を殺すほど暇じゃねぇ。
いいから、とっとと質問に答えろ。
ジェイコブあ、当たり前だ!
マスターなんてもう懲りごりだ……!
ライク・ツーふぅん。
なら──その力、消してやるよ。
ジェイコブなっ……!
そ、そんなことができるのか……?
ライク・ツーああ、できる。俺についてこい。

第38話:ライク・ツーの交渉2

アッカーソン……遅い。
なぜ、連絡がない?
アッカーソンもうあの用済みを消し去った頃だというのに──
アッカーソンさっさと貴銃士たちを銃に戻して、
新たなるマスターを立てねばならん。
次こそは絶対高貴に目覚めさせられるマスターを……!
アッカーソンフィルクレヴァートのマスターを取り込み、
彼奴に召銃させるか、控えの候補者を使うか……。

──コンコン

アッカーソン……っ、なんだ。
ライク・ツー邪魔するぜ。
アッカーソンお、おや、ライク・ツー殿。
一体どういったご用向で──
ジェイコブ…………。
アッカーソンなっ……!
お前、なぜここにいる!?
ライク・ツー“殺したはずなのに”──ってか?
答えは、俺が助けたからだ。
アッカーソン…………!
ライク・ツーまさかお前が、貴銃士を絶対高貴に導けないマスターを
殺すように命令していたなんて、な。
明日の新聞の一面は確定だな?
アッカーソンわ、私は国のために──!
ライク・ツーへぇ。なら何もやましいことはねぇだろ。
大きく報道してもらって、国民に知らしめねぇと。
アッカーソンそ、それは……っ!
ライク・ツーははっ、マズいことをやってるっていう自覚、
ちゃーんとあるじゃねぇか。
アッカーソン……何が望みだ。
ライク・ツーそうそう。見苦しい言い訳なんてやめて、
最初からそう言っとけばよかったんだよ。
ライク・ツー俺はお前の悪事を知っちまったわけだけど、
3つの条件を呑めば、永遠に口を閉ざすと約束しよう。
アッカーソン……聞こう。
ライク・ツー1つ。こいつの薔薇の傷を治療して完全に消し、
貴銃士のマスターとしての力を無くすことに同意しろ。
ライク・ツーそれから、こいつに対して、
一切の危害を加えたりしないこと。
アッカーソンだが、そいつを生かしておいては……!
ライク・ツー余計なことを喋れば殺されるとわかってて、
ベラベラ喋るアホがいると思うか?
ジェイコブ秘密は守ります! 神に誓って!
アッカーソンむ、むう……。
ライク・ツー次の条件だ。
ライク・ツーエンフィールドとスナイダーは、
俺のマスター──〇〇の貴銃士にする。
ライク・ツーあいつらが〇〇のもとで
絶対高貴に目覚めたら、ここにも時々派遣してやるよ。
ライク・ツー悪い話じゃないだろ?
あの2人を絶対高貴にするために危ない橋を渡って
何人もマスターを殺すより、断然合理的だと思うが?
アッカーソン…………。
ライク・ツーどうする? 〇〇には“実績”がある。
案外すぐに、あいつらも絶対高貴になるかもな?
アッカーソン……わかった。その条件も呑もう。
ライク・ツーだいぶお利口になってくれて、助かるぜ。
アッカーソン……最後の条件はなんだ。
ライク・ツー身構えるなよ。簡単なことだ。
世界帝軍が所有していたイギリスの現代銃に関して
知っている情報をすべて開示しろ。
アッカーソンそれはいったい、なぜ──?
ライク・ツー余計なことを知ると、お前も身を危うくするぞ。
アッカーソンわ、わかった!
ちょっと待っててくれ!
アッカーソン私が持っている資料はこれだけだ。
持って行け。
ライク・ツーこれで全部か?
隠しているものは?
アッカーソン誓って、これで全部だ!
ライク・ツーよし、じゃあもらっておく。
ライク・ツーさて、取引成立だな。
もし破った時は、イギリスどころか全世界で、
お前の企みが報じられると思っとけよ。
ライク・ツーついでに、面倒極まりないが、
お前のことを始末しに来てやるよ。
アッカーソンヒッ、やめろ……! ま、守るから!
約束は必ず守る!!
ライク・ツーその言葉、忘れるなよ。
……じゃあな。

第39話:霧が晴れるとき

マークスよし、エンフィールドはここに寝かせておくか。
マスターは離れてろ、万が一暴れたら危ない。
ジョージ早くこいつらのマスターを見つけないとな。
主人公【ライク・ツーは?】
【何か連絡は来てる?】
マークスいや、まだだと思うが……。
まさかあいつ、ヘマしてねぇだろうな?
ライク・ツー誰が何したって?
ジョージライク・ツー!
おかえり……って、そいつエンフィールドたちの
マスターじゃねぇか!
ジェイコブど、どうも……。
ジョージGreat! これで役者がそろったぜ!
主人公【よかった!】
【ありがとう!】
ライク・ツー……どーいたしまして。
スナイダーほう、ずいぶん元気そうじゃないか。
ジェイコブひっ、スナイダー……!
ライク・ツーあ? なんでスナイダーにそんなビビってんだよ。
一応まだ、お前の貴銃士だろ。
ジェイコブう、うぅ……!
ライク・ツーはぁ……お前、何したんだ?
スナイダーさて。思い当たる節はないが。
マークスまあ、なんとなくは察することができる。
好き勝手戦って、勝手に絶対非道に目覚める
ようなやつだからな……。
ライク・ツーはあっ!? 古銃がなんで絶対非道に?
……まあ、そのあたりの話は後だ。
ライク・ツージョージ、こいつの傷跡を治してやってくれ。
……完全に、な。
ジョージえっ、いいのか?
ライク・ツーああ。もう話はついてる。
……さっき、大臣とも話してきた。
ジョージええっ! マジで!?
ライク・ツーあいつの悪事を暴露しないかわりに、
こいつの傷を治して、エンフィールドとスナイダーは、
〇〇の貴銃士にする許可を得た。
ライク・ツー手段はどうあれ、大臣のお墨付きだ。
〇〇や俺たちが咎められることはねぇ。
ジョージおお……おまえ、すげーな!
ライク・ツー異論のある奴がいなければ……
ジョージ、やってくれ。
ジョージOK! 任せろ!
ジョージ絶対高貴──!
ジェイコブああ……、呪われた傷跡が、消えていく……。
エンフィールド……ぅ、マス……ター……?
ジョージっ、エンフィールド!
正気に戻ったのか!?
エンフィールドここは……一体、どうなって……?
ジョージおまえらのマスターの傷を癒して、
マスターとしての力を消すことになった。
ジョージでも安心しろよ、〇〇が
新しいマスターになるからさ!
エンフィールドそう……だったんですね……。
エンフィールドああ、僕は、なんてことを……。
理想に囚われて……狂気に呑まれて。
アウトレイジャーなんかに成り果ててしまった……。
ジェイコブエンフィールド……。
エンフィールドマスター、絶対高貴になれず、
あなたの危機を救えず……
駄目な貴銃士で申し訳ありません。
エンフィールド皆さんにもご迷惑をおかけしました。
いつの日か絶対高貴の力をこの手につかめるように……
反省を胸に刻み、精進します。
エンフィールドジョージ師匠も、本当にすみませんでした。
みっともなく八つ当たりなんてして……。
どうか、許してください……。
ジョージいや、オレもちょっと言い過ぎたよ。
……ごめんな。
エンフィールドジョージ師匠、僕からもお願いします……。
マスターの傷を……癒してあげてください……。
ジョージああ、任せとけ。
──高貴を!
エンフィールドああ、温かい光だ……。
スナイダーマスター、それなりに世話になったな。
せいぜい死なないように足掻くことだ。
スナイダー……〇〇。
俺はまだまだ戦い足りない。
おまえは俺を満足に使ってみせろよ。
ジェイコブ2人とも、ありがとう。
そして、不甲斐ないマスターですまなかった……。
ジェイコブ〇〇さん、
エンフィールドとスナイダーを頼みます。
主人公【わかりました】
【お任せを】
ジェイコブ……ありがとう。
マークス……呪われた傷跡、か。
ジョージマークス?
マークスいや、なんでもない。

 

第40話:兄弟銃の学校生活1

エンフィールドマスター!
エンフィールド少し伺いたいのですが、
スナイダーを見かけませんでしたか?
主人公【見てない】
【いないの?】
エンフィールドそうですか……。
まったく、授業をサボってどこに行ったんだか……。
エンフィールドちょっと、外を見に行ってみます。では!
スナイダー……やれやれ、行ったか。
主人公【……!?】
【いつからそこに!?】
スナイダーさてな。
スナイダー……しかし、エンフィールドの奴はしつこいな。
授業を受けろだの食事を摂れだの、
何かと騒がしいんだ、あいつは。
スナイダー……なぁ、マスター。
おまえはエンフィールドをどう思う。
スナイダーあいつはここでの暮らしにすぐ慣れたようだ。
“優等生だ”などと言われていて……笑えるな。
スナイダー俺を監禁していたことを教えてやったら、
あいつを褒めそやしている連中はどんな顔をするのか。
……さぞ見ものだろうな。
恭遠……やれやれ、こんなところにいたのか。
恭遠今日こそは授業に出たもらうぞ。
でないと、座学系は全て補習になるからな。
スナイダー……おい、〇〇。
スナイダー俺は、戦い続けるためにおまえの貴銃士になった。
ここで下らん授業とやらを受けるためでは──
エンフィールドああっ! スナイダー!
スナイダーエンフィールド……おまえ、
外に行ったんじゃなかったのか?
エンフィールド君がよくいる木陰にいなかったから、
もう一度校舎内を確認しに来たんだ。
エンフィールドほら、行くよ。
君も、補習にまで参加するのは嫌だろう?
午後の授業にはちゃんと出席するんだよ。
スナイダー……はぁ。

──ぐぅ

エンフィールド……んん?
今の音は……スナイダー、また食事を抜いたのかい?
スナイダー水なら飲んだ。
エンフィールド何度も言ってるだろう?
それじゃ、栄養は摂れないんだって!
エンフィールドはぁ……仕方ない。
スコーンを焼くからおいで。
少しでもいいから、食事をとらないと。
スナイダー……わかった。だが、ジャムはいらない。
エンフィールドわかってるって。
スコーンもちゃんと味気ないやつにするから。
スナイダーそれならいい。余計な味がするものは好かん。
エンフィールドはぁ……。
せっかくなら、美味しいものを作りたいのに……。
恭遠ははは……エンフィールドの言うことなら、
渋々でもなんとか聞いてくれるんだな。
マークスおーい、マスター!
ライク・ツーおい、〇〇。
ラッセルにスナイダーとエンフィールドを探せって
言われたんだけど、見てねぇか?
ライク・ツーこいつの勘はあてになんなぇからな。
さっきから的外れな場所ばっか探しやがって。
マークス……なんだと?
あんたこそさっきから探す気あるのか?
ライク・ツー馬鹿みてぇに走り回って効率が悪ぃんだよ。
頭使えよ、頭を。
マークスいいだろう。
俺の頭突きの威力を教えて──
ライク・ツー頭の使い方違うし、頭ぶつけたら余計バカになるだろ。
マークスんだとっ!?
恭遠おいおい、2人とも落ち着いてくれ。
本題からずれているだろう。
マークスああ、そうだった。
エンフィールドたちを探しているんだ。
マスター、あいつらのことを見なかったか?
主人公【見たよ】
【スコーンを焼きに行った】
恭遠スナイダーはまた食事を抜いていたみたいでね。
エンフィールドがスコーンを焼くと言って、
連れて行ったよ。
ライク・ツーへぇ、仲がよろしいことで。
マークスわからねぇ……。
ついこの間、殺し合いまがいのことをしてたのに、
あいつら、結局、仲がいいのか……?
ライク・ツー……兄弟喧嘩だったんだろ。壮大な。
マークス兄弟喧嘩っつーのは、相手を改造したり、
監禁したり、アウトレイジャーになったり、
絶対非道でぶちのめしたりするのが普通なのか?
ライク・ツーどれも普通じゃねぇよ、あいつらだけだっての。
マークス……それってつまり、仲はどうなってるんだ?
ライク・ツー俺に聞くなよ。
あいつら兄弟の間のことなんて、
本人たちにしかわかんねえだろ。
ライク・ツーでもまあ、他の銃よりずっと親(ちか)しい存在だし、
遠慮のなさはあるんじゃねーの。知らねぇけど。
マークスそんなもんか?
ライク・ツー……お前にはわからないかもしれないな。
マークス……?
じゃあ、あんたにはわかるのか?
ライク・ツー……さあな。

第41話:兄弟銃の学校生活2

エンフィールドジョージ師匠!
絶対高貴になるための秘訣、教えてください!
十手おや、またやっているのか。
いいねぇ、稽古熱心な若者ってのは!
マークス懲りないな。
ジョージだからさ。
何度も言うけど、高貴さをぐわっと集めて、
それから……ドカンってカンジだ!
ジョージエンフィールド、おまえにとっての高貴さを
めいっぱい爆発させるんだ!
エンフィールドわかりました、師匠!
僕にとっての高貴……大英帝国生まれの銃として、
誇り高くあることでしょうか。
エンフィールドブラウン・ベス先輩やジョージ師匠のように……
改造に怯えず、僕自身のままで強さを誇りを胸に──
エンフィールド──あれ?
なんだろう、このこみ上げてくる力は……。
エンフィールド──絶対高貴。
ジョージできたじゃねぇか!
エンフィールドこれが……絶対高貴……?
僕は、ついに絶対高貴に……?
エンフィールドははっ、やった! やったぞ!!
絶対高貴になれたんだ!
スナイダーふん。高貴さにこだわってなんになる。
スナイダー大切なのは強さだ。
そして、俺は強い。それだけで十分だろう?
スナイダー……ん? なんだ、この力は──
エンフィールドえええっ……!?
スナイダー、君、なんで
そんなので絶対高貴になれるんだ?
スナイダー知らん。
なれたものはなれた。
エンフィールドり、理不尽だ! っていうか、
僕と全然、志が違うじゃないか……!
スナイダー絶対高貴は貴銃士それぞれ違うものだと、
おまえの敬愛する師匠とやらが言っていただろう。
エンフィールドそれはそうだけど……。
ジョージHAHAHA☆
おまえら、本当に仲がいいなぁ!
マークス……仲がいい、のか?
やっぱ、ワケわかんねぇ。
十手仲良きことは美しきかなって言うけどなぁ。
十手……うん?
そういえば、ライク・ツー君の姿が見えないな。
ジョージマスターのとことかじゃねーの?
あいつも、ああ見えてマスターのこと割と好きだしな!
マークス抜け駆けか! 許さねぇ……!
十手わわ、マークス君!?
おーい、廊下をそんなに走ったら危ないぞ!

ライク・ツー……これで、
あの大臣からもらった資料はすべて、か。
ライク・ツー…………。
ライク・ツー『世界帝が貴銃士として使役していたUL85A1、
コードネーム:ラブ・ワンについての報告』
ライク・ツー『UL85A1は、イギリス本国へ送還され、
厳重保管される予定だったが──』
ライク・ツー『輸送中に武装集団の襲撃を受け、奪取されている』
ライク・ツー『イギリス政府は、世界帝の信奉者もしくは
本銃に恨みを持つ者の犯行と見て調査を行ったが、
依然として行方は掴めていない』
ライク・ツーラブ・ワンらしい貴銃士が出現したっていう情報も、
今のところ特に入ってない……。
ライク・ツー奪われたあと、
銃のままでどこかに保管されているのか……
どこかで密かに召銃されているのか……。
ライク・ツーあるいは──既に破壊されたのか。
ライク・ツー…………。
ライク・ツー──お兄ちゃん……。

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