オーストリア編:第16話~第20話

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第16話:真夜中の訪問

───数時間後。

〇〇たちは、
事前に忍び込む準備をしておいたルートを進み、
カールの部屋へと向かっていた。

マークスよし。見張りはいないな。
シャルルヴィルカールさんの部屋は、ここだったよね。
……入ろう。
シャルルヴィル失礼しまーす……。

カールの部屋は真っ暗で、静寂に包まれていた。
〇〇は暗闇に目をこらすが、
ベッドにもどこにも人影はない。

マークスあんなに眠そうだったのに、寝てないのか?
部屋は……間違えてないよな。
シャルルヴィルうん……。
どこに行っちゃったんだろう?
シャルルヴィルあ、チョコレートがちょっと残ってる。
ナイト・チョコレートを食べたってことは、
寝る直前だったんだと思うけど……。
マークス歯磨き……? いや、洗面所にもいないな。
シャルルヴィル近くの部屋も探してみよう。

廊下に出た3人は、付近の部屋をそっと見て回る。
だが、やはりカールの姿はない。

シャルルヴィル……ボク、ちょっと心当たりあるかも。
ついて来て。

マークスここは……春っぽい名前の部屋だったか。
シャルルヴィル『常春の間』だよ。
この部屋には、カールさんの大切な仲間がいるから、
もしかしたら……って。
マークスシャルルヴィル……あんた、すげぇな。
本当にいたぞ。
カール…………。

『常春の間』の片隅にあるカウチで、
カールはぐっすり眠っていた。

シャルルヴィル……会いたいんだね、きっと。
主人公【起こさない方がよさそうだね】
【おやすみなさい、カールさん】
シャルルヴィル……ん?
あれ……なんだ、か……うう……っ、ねむ……。
マークスおい、どうした。
シャルルヴィルごめん……すっごく眠い。
マークス、おんぶしてくれる……?
マークスはぁ? 何を言ってるんだ。
寄りかかるな! 自分で歩け!
シャルルヴィル無理……もう、ほんと眠い……。
今ここで寝る……ぐぅ……。
マークスこんな場所で寝るな!
おい、起きろ!!
主人公【……! 誰か来る!】
マークス見回り……いや、声に気づかれたか?
隠れよう、マスター。こっちだ。
マークスクソ、こいつ本当に寝てやがる……!

マークスはシャルルヴィルを担いで、
物置の中に隠れる。

幸い、足音は部屋の前を素通りしていき、
〇〇たちは見つからないうちに
客室へ戻ることにした。

マークスおい、起きろ。
部屋に戻るぞ、シャルルヴィル。起きて歩け!!
主人公【自分がおんぶしようか?】
→マークス「それなら俺がマスターをおんぶする!」

マークス「……いや、コイツを置いていくわけにもいかないか。
仕方ない、俺が担ぐ。」

【運んであげてくれるかな】

→マークス「了解した、マスター。
俺に任せてくれ。」

マークスは、シャルルヴィルを肩に担ぐようにする。
肩当ての防具がみぞおちにめり込んでいた。

主人公【その担ぎ方は痛そう……】
【肋骨大丈夫かな……】
マークス安心してくれ、マスター。
俺たちは銃だし、痛かったら起きるはずだ。

結局、シャルルヴィルは部屋に戻るまで眠ったままだった。

マークスおやすみ、マスター。
何かあったら俺を呼んでくれ。
1秒で駆けつける。
主人公【おやすみ、マークス】
【また明日】
マークスああ。

マークスは、貴銃士用の客室に入ると、
シャルルヴィルをベッドへと放り出した。

マークスよっ、と。
シャルルヴィル…………。

だが、シャルルヴィルはすぅすっと寝息を立てて
眠り続けている。

マークスこいつ……ここまで雑にしても起きないなんて……。
俺は今、ちょっとあんたを尊敬したかもしれない……。

第17話:信じるべき人は誰?

───翌日。

マークスマスター、3軒目はこの店だ。
ケーキがなんでも美味いらしい。
早速入ってみよう。

マークスなあ、マスター。
次はどこに行く?
主人公【どこにしようか】
【マークスはどこに行きたい?】
マークス俺は、マスターが行きたいところに行きたい。
主人公【シャルルヴィルにお土産を買おうか】
【焼き菓子を売っているお店に寄ろう】
マークスああ、そうだな!

───今朝。

マークスおい、シャルルヴィル。いつまで寝てんだ。
今日はスイーツを食いに行くんだろう。
シャルルヴィル……すぅ……。
マークス全っ然起きねぇな……。
マスターを待たせるわけにはいかない。
起きないと置いていくぞ!
マークスハッ!
待てよ……?
マークスこいつを置いていけば、俺とマスターの2人きりだ!
でも、優しいマスターは、自分も行かないと言うかもしれない。
どうしたら納得してくれるだろうか……?
シャルルヴィルむにゃ……ショコラ……ふふっ……。
マークス……そうだ、置いていくかわりに土産を買って帰ればいい。
それならば、マスターも罪悪感がなくなるはずだ……!

主人公【シャルルヴィルは大丈夫かな】
【起きないなんて、疲れが溜まっているのかも】
マークスよく寝て起きれば大丈夫だろう。
それに、土産のスイーツを食えば絶対に元気になる。
マークスん……? なんだ、あいつらは。

マークスの視線の先を〇〇も見てみる。
そこには、護衛らしき数人に囲まれた初老の男女と、
ローレンツ、ザラの姿があった。

店員ようこそいらっしゃいました。
お席へご案内いたします。
ローレンツこちらはカール様もお気に召されている名店で、
特にチョコレートを使ったケーキは国内屈指……。
ローレンツ中将閣下ご夫妻はチョコレートがお好きと伺いましたので、
ぜひ召し上がっていただこうと、ご案内しました。
連合軍中将なんと気遣いに溢れた素晴らしい貴銃士だ……!
マスターであるザラ君も誇らしいだろうね。
ザラええ。お褒めにあずかり光栄でございます。
マークスあ、ローレンツとそのマスターだ。
一緒にいるのは中将……偉い奴か。
主人公【理事長と同じくらい偉い人だよ!】
【挨拶しないと!】

〇〇は、慌てて立ち上がって敬礼をする。

ローレンツおや?
〇〇殿とMr.マークスもここに来ていたのか。
いい選択だ。
ローレンツ紹介しよう。
こちらは明日の式典へご出席される
連合軍中将エーリッヒ閣下ご夫妻だ。
エーリッヒ中将おお……君が〇〇君か。
会えて嬉しいよ。
隣は、UL96A1の貴銃士、マークス君だね。
マークスジイ……中将。
あんた、マスターや俺のことを知ってるんだな。
エーリッヒ中将無論だ。
君たちは連合軍の中でも非常に特殊で重要な立場にいる。
コペール中将からの報告を興味深く見ているよ。
ローレンツ貴銃士や〇〇殿に関する報告……
それは、ぜひとも見てみたいものです。
ローレンツ先日はMr.マークスの協力のもと、思考変化実験を行い、
見事語尾をピョンにすることに成功したのですよ。
エーリッヒ中将ピョン……?

ローレンツと中将が話している隙に、
〇〇はザラに小声で話しかけてみる。

主人公【薔薇の傷は痛みませんか?】
→ザラ「痛むといえば痛む。
だが、私のバイオリンの音色が曇ることはない。」

【カールさんの体調は大丈夫ですか?】

→ザラ「さあ……。マスターといえど主ではない。
かの貴き銃に報告など義務付ける立場にない。」
マークスよくわかんねぇ奴だな。
主人公【(この人はどこまで知っているんだろう)】
【(マスターでないこの人の協力は望めない)】

フリッツ・ザラは表向きのマスターであり、
本当のマスターは数多の死刑囚だと語っていたカール。

ザラは自らをマスターだと思い込んでいるのか、
それとも、すべて知った上でマスターの役を演じているのか。

後者なら、自分の貴銃士ではないカールやローレンツのために
動いてくれるのか否か……現時点では、何もわからない。


恭遠……いや、不安にさせてすまない。
だが、ただ1つだけ確かなことがある。
恭遠それは……。
何があろうと、カールのことは信じていい! ということだ。
恭遠これだけは、今の段階で断言できる。
君が何か判断に迷うことがあれば、俺の言葉を思い出してくれ。

マークスマスター、大丈夫か?
苦い実をかじってしまったみたいな顔をしている。
主人公【……大丈夫】
→マークス「そうか……?
何かあるなら、俺に話してくれよ。」

【心配してくれてありがとう】

→マークス「ふふっ。俺がマスターを心配するのは当然だ。
俺にできることがあるなら……いや、できるかわからなくても、
なんでも話してくれると嬉しい。」
マークスはぁ……。偉い奴らが早くいなくなればいいのにな。

第18話:眠気の正体

〇〇とマークスが昼過ぎに宮殿へ戻ると、
ようやくシャルルヴィルが起きており、
ソファに座ってぼんやりしていた。

シャルルヴィルん……おはよ……。
今何時……?
マークス14時48分だ。
シャルルヴィルじゅう……よ……。14時……!?
ウソでしょ、スイーツ名店巡りは……!?
マークスもう終わった。帰ってきたところだ。
シャルルヴィルそそそ、そんなぁ……!
うう……!
マークス俺は何度も起こしたぞ。
起きなかったあんたが悪い。
それに、土産なら買ってきた。
主人公【大丈夫?】
【どこか調子が悪い?】
シャルルヴィルうーん……寝すぎたせいだと思うけど、
ちょっと頭が重いかな……。
シャルルヴィルあと、なんだかお腹のあたりが痛くて見てみたら、
気持ち悪い色になってたんだよね。
なんなんだろう、これ……。
マークスん……? 覚えてないのか?
あんた、カールを見つけたあと、
いきなり眠いとか言い出して寝ただろ。
マークス起きないから、
俺が担いでこの部屋まで戻ってきたんだぞ。
シャルルヴィルええっ……ありがとう……?
でも、担いだって……まさか左肩の方で!?
それは痛いはずだよ! おんぶにしてほしかった……!
主人公【やっぱり何かおかしい】
【痣になるほどの痛みなら、普通は起きるはず】
シャルルヴィルそうだよね。
ボク、そんなに熟睡するタイプじゃないし。
むしろ、慣れないところだと寝るまで時間かかる方だし……。
シャルルヴィルなんか変だよね……?
昨日のボクに何があったんだろう。
主人公【睡眠薬でも飲んだ……?】
シャルルヴィルううん、ボクは飲んでないよ。
盛られた可能性はあるのかなぁ……?
でも、だとしたら、なんでボクだけ?
マークスどこかに置いてあった誰かの薬を、
砂糖菓子か何かと間違えて食ったんじゃないか?
甘そうなもんなら、あんたはなんでも食うだろう。
シャルルヴィルそんなことしないよ!
もう、失礼だなぁ……!
シャルルヴィル……あっ。
マークスなんだ。やっぱり食ってたのか。
主人公【何か心当たりが?】
【何か思い出した?】
シャルルヴィルえっと……その、呆れないでほしいんだけど……。
マークスもったいぶらずにさっさと言え。
シャルルヴィル……ボク、チョコレートを食べちゃったんだ。
マークスそれがどうした。
節制すると言いながら食ってるのはいつものことだろう。
シャルルヴィルもう! そうじゃなくて!
ボク───……お、音楽が聴きたい気分だな〜!
マークスはぁ?

音楽を流し始めたシャルルヴィルは、
〇〇とマークスを手招きして、小声で話し始めた。

シャルルヴィルボク……昨日、カールさんの部屋に行った時に、
チョコレートを食べちゃったんだ。
シャルルヴィル残ってたから、もう食べないのかな〜、
もったいないな〜って思ってつい、1つだけ……。
シャルルヴィルボクだけ眠くなったってことは、ボクだけが口にしたものでしょ?
ボクと2人はだいたい同じものを食べてたから、例外の何か。
タイミング的に考えて、あのチョコレートが一番怪しいと思う。
マークスチョコレートに、睡眠薬が入ってたってことか。
シャルルヴィルそうだと思う……。
ほら、だって、カールさんも異常に眠いって言ってたよね?
シャルルヴィル不完全な召銃のせいかもって話だったけど、
それと眠気とは関係なかったんだよ……!
シャルルヴィルカールさんは、レジスタンスにいた頃から
倒れるように眠っちゃうことがあるって言ってたし……
犯人はそれを利用してたんだ、きっと。
マークス……意味がわからないな。
誰が薬を盛っている? あいつを眠らせて何がしたいんだ。
シャルルヴィルわからない。
けど、このままじゃダメだ。
シャルルヴィルまた忍び込んで、チョコレートを食べないように……って、
もう寝てたら教えられないよね。
マークスあいつと話そうにも、政府や宮殿のやつらが邪魔をする。
チョコレートを全部隠して食えないようにするか?
シャルルヴィルそれもダメだよ。
チョコレートを隠したのがボクたちだってバレなかったとしても、
誰かが異常に気づいたことが犯人に知られちゃう。
主人公【チョコレートをすり替えるのはどうだろう?】
シャルルヴィル……それならいいかも!
問題は、カールさんがいつも食べてるのと
同じチョコレートを用意できるかだけど……。
マークスチョコレート……これはどうなんだ?
あんた用の土産に買ってきたやつだ。
カールが気に入ってる店のらしい。
シャルルヴィルそうなの?
開けてみるね。
シャルルヴィルあ……このデザイン!
同じ店のだ!
シャルルヴィルどうにかしてこれを、カールさんのところに運ばれる
ナイト・チョコレートと入れ替えよう。
マークスそうしたら、あいつは眠くならない。
今夜こそ話せるな、マスター。
主人公【やろう!】
【2人とも、力を貸してほしい】
マークスああ、マスター!
シャルルヴィルうん……!

 

第19話:すり替え作戦

───その日のディナーは、ローレンツが公務で不在、
カールは体調不良とのことで、
〇〇たちが彼らと顔を合わせることはなかった。

シャルルヴィルが給仕係から入手した情報によると、
カールのところヘチョコレートが運ばれるのは
夜8時半頃とのことだった。

シャルルヴィルそれで、どうしようか。
廊下で待ってれば、給仕係の人が通りかかるはずだけど……。
マークスあんたが何かうまく言えばいい。
シャルルヴィル無茶だよ……!
とりあえず、怪しまれないように美術品鑑賞しとく……?
???ぷくくっ……あひゃひゃ!
シャルルヴィルあれ……この声って、まさか……。
ベルガーやったぜ、アルパチーノ!
お前、やっぱサイコーのスパイだな!
シャルルヴィルネズミと喋ってる……?
スパイって、まさか彼、ネズミの言葉がわかるの……?
主人公【何か知ってるかも】
【話しかけてみよう】
マークスあいつは危険だ、マスター。
俺が探りを入れる。

マークス……おい。
あんた、ここで何をしている。
ベルガーんぁ?
ベルガーおぉ〜っ!?
……んー……?
マークス……?
ベルガーあっ!
お前ら、クソメガネのナカマだろ!
ベルガー俺はキモキモ野郎のローレンツが大ッキライなんだよ。
ぜっっってぇあそこには戻んねぇからな!!!
マークス俺もあいつは好まない。
俺に変な機械をつけて変にしやがったし、
マスターにモルモット2号になれだとか言いやがる。
ベルガーだっろぉ!? お前、まーまー話せるヤツじゃねぇか。
アルパチーノが人がいねぇ道を教えてくれっからぁ、
外に出てぇならコーク2ダースでヒキトリ成立だぜ。
シャルルヴィルひき……取引?
マークス取引はしない。
あんた、そのネズミをスパイとして使ってるのか?
ベルガーアルパチーノは俺のトモダチだ。
超おもしれぇ漫画に出てくるすっげースパイと同じ名前なんだぜ!
ベルガー俺は今度こそ外に出て、アルパチーノとジューに暮らすっ!
あっひゃっひゃ!
マークスあんた……馬鹿そうだが、どうやって暮らすんだ。
ベルガーああ? そのへんにお財布クンが歩いてんだろ。
チョーダイっつってオハナシするかぁ、殴ればオッケー!
ぎゃははは! 俺ってば天才!?
マークスマスター……。
こいつは檻の中にいた方がいいんじゃないか?
ベルガーはぁ? ふっざけんなよ!
俺はぜってぇ逃げてやる!!!
マークス待て!

廊下を走るべルガー。
その足が何かを踏んで、カチッと音がする。
次の瞬間、壁からロボットの腕がいくつも出てきた。

ベルガーぎょわぁぁぁっ!?
ぎゃはは、あひゃ、やめ、くすぐってぇ……!
シャルルヴィル何あれ、くすぐりマシーン!?
〇〇、マークス! 気をつけて!!
ローレンツさぁ……実験の時間だ。
ベルガーやめ、ひぃ!! あひゃひゃひゃっ!
くすぐってぇぇぇっ、しぬぅ!
ローレンツ泣くほど苦しいのか……!
その思い、俺も分かち合おう!
なぜなら君は、俺の大事なモルモットなのだから……。
ベルガーひっ……!
ワケわかんねーこと言ってねーで、止めろよぉ!
うひゃっ、あひゃひゃひゃ……!
ローレンツひっ、ふっふふふ、ははははっ……!
マークスな……なんなんだ、あいつらは……。
使用人1うわあああっ、なんだこれ!
使用人2きゃあっ! くすぐったい……!

カール用のチョコレートを運んでいた使用人もトラップにかかり、
くすぐったさに身をよじった彼女はトレーを放り投げてしまう。

使用人2ああっ……! チョコレートが……!
マークス俺に任せろ!

マークスがトレーをキャッチし、
チョコレートも見事に皿の上に着地させる。

主人公【今がチャンス!】

シャルルヴィルがチョコレートを素早くすり替えた。
使用人たちはまだトラップから抜けられておらず、
まったく気づいていない。

マークス……よし。
主人公【大丈夫ですか!?】
【今助けます!】

3人はトラップから使用人を助け出した。

使用人1ぜぇ……はぁ……。
使用人2ふぅ……助かりました……。
マークスチョコレートはちゃんと落とさずにキャッチしたぞ。
シャルルヴィルいやぁ、ナイスキャッチだったね、マークス。
はい、どうぞ。
今度は落とさないようにね♪
使用人2あ……りがとうございます。

使用人は、すり替え終えたチョコレートを持って立ち去った。

兵士1いたぞ! 笑い疲れているうちに捕獲しろ!
兵士2はっ!
使用人1……申し訳ありませんが、そろそろ各棟封鎖時間となりますので、
お客様方はお部屋へお戻りください。
ご案内いたします。
シャルルヴィルううん、大丈夫。
道はわかるし、ボクたちだけで戻れるよ。

───封鎖時刻が過ぎ、消灯された頃。
〇〇たちは再び部屋を抜け出して、
カールの部屋を目指した。

マークス……マスター、駄目だ。
部屋の前に見張りがいる。
なんでだ。昨日はいなかったのに……。
シャルルヴィル昨日、カールさんが別の部屋で寝てたからかな……。
マークス……あんたを起こそうとして、
少しでかい声を出したせいかもしれない。
シャルルヴィルう……それはゴメン。
主人公【お陰でチョコレートがおかしいとわかった】
【でも、結果的にファインプレーだったよ】
シャルルヴィルありがとう、〇〇。
シャルルヴィルでも、これじゃあ話せないね……。
窓からはさすがに忍び込めないし、
明日の金鷲勲章授与式の会場で話すしかないかな……。

第20話:再会

───その日の深夜。

カール…………。
……あ……、?……。
カール……? 外が暗い……まだ夜中か。
こんな時間に目を覚ますのは初めてだな。
悪夢よりはマシかもしれんが……。

───カタッ

カール……!
カール(誰かが入って来た……?
寝たふりをしておいた方がよさそうだ)

寝たふりをしているカールを、誰かが抱えて車椅子へと乗せる。
そして、どこかへ運ばれ始めた。

カール(この足音と、かすかな化粧品の匂い……
1人は、僕付きの使用人か。
他にも……2人、おそらく男がいるな)
カール(僕はどこへ連れていかれている?
スロープを下った……地下か)
カール(僕を運んでいる連中の動きには迷いがない。
慣れている様子だな。
寝ている間にこうしてどこかへ運ぶのは、初めてではないのか?)
カール(それどころか……頻繁に、だとしたら。
僕がこれまで起きなかったのはなぜだ?
逆に……今日はなぜ、起きている?)
カール(……わからない。判断するための材料が不足している。
このままこの連中のしたいようにさせて、より多く情報を得たい)

やがてカールは、
周囲の空気がじっとりと重く濁ったのを肌で感じた。

カール(まだ進むのか。目的地はどこだ?)
嫌だ……やめろ……やめてくれぇ……!
カール(男の叫び声……拷問でもきれているのか?)
???───破壊しろ。
───すべてを、壊せ。殺せ。
───お前を利用する者どもに罰を与えろ……!
??? カール! パーティしようよ♪
カールうぅ……っ。
謎の男おい、急げ。
始まるぞ。
カール(何が始まる……?
ああ、まやかしの声が邪魔で、思考が進まない……!)

まもなくして、移動が終わる。
カールをベッドか何かに寝かせたあと、
3人の足音は遠ざかっていった。

カール(……行ったか……)
カール(知らない部屋だな……。
運ばれていた時間と感覚からして、
ヴァイスブルク宮殿の地下で間違いないとは思うが)
カール(……! 足音……今度は1人だけか)

キィ───

再び寝たふりをしたカールのそばに、誰かが佇む。

???カールちゃん……。
カール……!!
カール……フルサト……!?
フルサト……!
どうして起きているノ?
チョコレートは───……!
カールチョコレート……そういうことか。
だが、わからない。
説明してくれ。なぜ君がここにいる!?
フルサトシーッ! いけないワ、人が来てしまう!
それに、もうすぐ───。
カール……ぐっ!?
あ、あ……っ、な、ん……だ、コレ……ハ……ッ!!
フルサトカールちゃん……!!
カールウゥ……。

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