シャルルヴィル | カールさんには会えなかったけど、作戦は成功してよかったね。 |
---|---|
マークス | ああ。 これで明日、あいつの眠気が消えていたら、 まともな状態で会話ができる。 |
シャルルヴィル | うん。 あとは、犯人が誰なのかわかればいいんだけど……。 |
シャルルヴィル | ふぁ……。疲れたら眠くなってきちゃった。 今日はちゃんとリラックスしてよく眠りたいな。 |
マークス | あんた、昨日も散々ぐーすか寝てただろ。 |
シャルルヴィル | それは薬のせい! 枕も使わずに、この服のまま長い時間寝てたせいで、 起きた時身体が重かったんだよ。 |
シャルルヴィル | だから、今日はよく休んで明日に備えるの。 ……あ、そうだ。あれ使おーっと! |
マークス | あれ? |
シャルルヴィル | じゃーん! キャメルの毛布! 温かいのに蒸れないんだ。 |
マークス | キャラメル? ベトベトするだろ。 あんた、いくら甘いものが好きだからって、 食い物を毛布にするのはどうかと思うぞ。 |
シャルルヴィル | キャラメルじゃなくてキャメル! ラクダだよ。砂漠にいる動物、知ってるでしょ? |
マークス | いや、俺は砂漠には行ったことがない。 そんなに有名なのか? |
シャルルヴィル | え……知らないの? 本当に? 士官学校に戻ったら、図書館で図鑑を見てみてよ。 |
シャルルヴィル | ラクダって毎年、春になると自然と毛が抜け落ちてね。 それを使って毛布に─── |
───ドォンッ!!
マークス&シャルルヴィル | ……!? |
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マークス | 爆発……? 敵襲か!? |
マークスとシャルルヴィルは、〇〇がいる隣の客室へと駆け込む。
マークス | マスター! |
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主人公 | 【今の音は一体……!?】 【宮殿本館の方から爆発音が……!】 |
マークス | マスターは窓から離れてくれ。 俺たちが外を確認する。 |
マークスとシャルルヴィルが、少しだけカーテンを開けて
宮殿の方向を確認する。
マークス | ……人影はないな。 襲撃ではない……のか? |
---|---|
シャルルヴィル | でも、見て! 1階からちょっと煙みたいなの出てない……? |
主人公 | 【救助に行かないと!】 【避難を手伝おう!】 |
マークス | 了解だ、マスター! |
シャルルヴィル | 行こう! |
マークス | 扉に鍵が閉まってる……。撃てば開くか? |
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シャルルヴィル | 開くと思うけど…… 向こうに人がいたり、跳弾したりしたら危ないよ。 |
シャルルヴィル | ちょっと待ってて、ボクが叩き壊すから! |
マークス | おお……頼んだ! |
シャルルヴィルが、銃床部分を使ってドアを叩き壊し、
3人は宮殿本館の中へ入った。
マークス | 煙臭くはないな。 火事にはなっていないのか。 |
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シャルルヴィル | 今のうちにみんなを避難させないと……。 カールさんは大丈夫かな? 薬は切れてるはずだし、爆発音に気づいてちゃんと起きてるよね? |
マークス | 寝てたら、この間のあんたみたいに担いでいけばいい。 |
シャルルヴィル | それはだめだよ! あれ、めちゃくちゃお腹痛くなるんだから─── |
??? | なんということだ……! 一体何が起きている!? カール様……俺の実験室……! |
マークス | おい、ローレンツ! |
ローレンツ | ……! 君たち、どうやって───いや、今はそんなことどうでもいい。 カール様を見なかったか? |
シャルルヴィル | 見てないよ。 これから部屋に行こうとしてたんだけど……いないの? |
ローレンツ | ああ。常春の間も見てみたんだが、いらっしゃらなかった。 夜食でも召し上がっているのか─── |
───ドォン!!
シャルルヴィル | うわぁっ! まただ! |
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マークス | 今の音……地下からだったな。 |
ローレンツ | 地下には俺の研究室が……! モルモット1号もいるというのに! |
ローレンツ | ───ハッ! まさか……モルモット1号が脱走を試みているのか!? |
マークス | 宮殿を壊す気かよ!? |
シャルルヴィル | とにかく、地下に急ごう! |
ローレンツ | 地下室への近道はこっちだ! |
---|
───ドォン……ッ!!
マークス | うおっ!? 大丈夫か、マスター。 |
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主人公 | 【大丈夫!】 【先を急ごう!】 |
3人は、ローレンツを先頭にして、地下室へ続く階段へ向かう。
使用人 | この揺れは一体……!? |
---|---|
シャルルヴィル | 危ないから、みんなは外に避難して! まだ寝てる人がいたら起こしてあげて! |
使用人 | は、はい! |
───ドォンッ!!
マークス | 揺れが大きくなってるぞ……! |
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ローレンツ | いや。 我々が震源に近づいているのだ、Mr.マークス。 |
ローレンツ | だが……妙だな。 これまでにもモルモット1号は何度も脱走を図り、 時には絶対非道を用いて暴れてきた。 |
ローレンツ | しかしそのいずれの場合でも、 ここまでの大きな衝撃は生み出していなかったはずだ。 |
ローレンツ | モルモット1号には、己の力を弱く見せておいて 周囲を油断させるなどといった、 忍耐力が必要な計画の実行は不可能……。 |
マークス | おい、何をごちゃごちゃ言ってる。 |
ローレンツ | つまり、モルモット1号が未知の要因で力を増したか─── あるいは、何かしらの兵器など、 彼以外によって生み出された揺れである可能性がある。 |
───ドゴォンッ!!
一同 | うわっ!! |
---|
地下へ続く階段が見えてきたその時、
ひときわ強い揺れが起きる。
壁が崩落し、粉塵が舞う中、1つの影が現れた。
??? | ………………。 |
---|---|
マークス | ベルガー……じゃ、ない! |
ローレンツ | あれ、は───。 |
カール | ……ウゥ……。 |
ローレンツ | カール、様……!? |
シャルルヴィル | ……っ、そんな、なんで……! |
マークス | アウトレイジャー化してる……! |
ローレンツ | な、何を言ってるんだ。 カール様が、アウトレイジャーになるなど……! |
カール | ……破壊、スル……。 |
カール | 破滅ヲ……! |
主人公 | 【危ない!!】 【避けて!!】 |
アウトレイジャーと化したカールが放った攻撃は、
壁や天井を貫き、宮殿の廊下が一部崩壊する。
〇〇は咄嗟に貴銃士たちを安全圏へ押し出そうとし、
マークスとシャルルヴィルも、マスターを庇おうと手を伸ばす。
3人の頭上から、瓦礫が降り注いだ。
マークス | マスターッ!! うっ……!! |
---|---|
シャルルヴィル | くっ……! |
シャルルヴィル | 〇〇!! マークス!! そんな、嘘だ……しっかりして……! |
シャルルヴィル | (2人とも、破片が頭に当たったんだ……! 大きい傷はないけど、脳震とうかも……!?) |
カール | …………。 |
ローレンツ | カ、カール……樣……? 俺は、悪い夢でも見ているのか……? |
天井崩落地点から少し離れていたローレンツは、
怪我こそないが、敬愛するカールの変わり果てた姿に呆然とし、
ガクリと膝をつく。
シャルルヴィル | ローレンツさん……うっ……、しっかりして! ボクたちでカールさんを止めないと……! |
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ローレンツ | ……っ、あ……、まずい。ひどい怪我だ。 早く医者を……。 |
ローレンツ | ……でも、カール様が……。 お、俺は……こんな事態には……! |
シャルルヴィル | (……そういえば、オーストリアでは アウトレイジャーがほとんど出ないって話だったっけ) |
シャルルヴィル | (ローレンツさんはまだ絶対高貴が使えないみたいだし、 アウトレイジャーとの実戦経験がないはず……。 ボクが……ボクが、なんとかしないと……!) |
シャルルヴィルは、片足を引きずりながら銃を構える。
シャルルヴィル | (さっきの瓦礫で片足は……たぶん骨が折れてるし、 全身痛い、けど……腕は使える。銃も無事だ。 ボクはまだ、戦える!) |
---|---|
カール | ……消ス……! |
シャルルヴィル | カールさんに、これ以上誰も傷つけさせない!! |
カール | …………ウゥ…………。 |
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シャルルヴィル | はぁ……はぁ……。 |
シャルルヴィル | (強い……! カールさんの銃を傷つけたくないけど、 手加減してて太刀打ちできるような相手じゃない……!) |
シャルルヴィル | (どうしよう…… 全力でかからないと、ボクたちの方が消し飛ばされそうだ。 だけど、もし銃が壊れちゃったら、カールさんはもう……) |
??? | シャルルちゃん……! 心銃ヨ! |
シャルルヴィル | ……!? あなたは、フランスにもいた───!? |
??? | ……ダイジョウブ。 |
---|
??? | 話している時間はないワ。 絶対高貴のチカラで、カールちゃんを浄化するノ。 さあ、ワタシと力を合わせて───! |
---|---|
シャルルヴィル | は、はい! |
シャルルヴィル&??? | 心銃───!! |
カール | ウ……、ウウ……。 |
シャルルヴィル | カールさん……!! |
カールは、貴銃士としての姿を失っていく。
床へ落ちかけた銃を、謎の貴銃士が受け止めた。
シャルルヴィル | カールさんは!? 銃は無事ですか!? |
---|---|
??? | ……ええ。 |
カールの銃を手にしたまま、謎の貴銃士は立ち去ろうとする。
ローレンツ | ……! カール様……! |
---|---|
シャルルヴィル | 待って! カールさんの銃をどこに持っていくんですか!? あなたは一体何者なんですか!? |
??? | おっと! ここは通行止めだぜェ〜? |
シャルルヴィル | ……っ、誰……!? |
マークス | う……っ、お前らは───! |
シャルルヴィル | マークス! 動いちゃダメだよ。酷い怪我なんだから! |
マークス | 怪我なんか、関係ねぇ。 そいつらから、マスターを守らないと……! |
スケレット | おーおー、怪我してるくせにご主人サマを守ろうとすんのか。 健気なワンちゃんだなァ〜。ブハハッ!! |
マークス | 黙れ……ッ! |
シャルルヴィル | ガスマスク……赤髪の貴銃士、って……。 まさか、トルレシャフの“鞭”……!? |
スケレット | おっ、そこの金髪とはハジメマシテだったか。 以後お見知りおきはしなくていいぜ? つまんねぇヤツは消してやるからよォ。 |
ガンマ | スケレット。 無駄口を叩いている暇があったら働け。 |
スケレット | へいへい。 ガンマ様は気が短くてやんなっちゃうねェ。 |
スケレット | ズタボロの犬っころとお坊ちゃんに、腰抜けメガネかよ。 はぁ〜あ、つまんなそー。 さっさとぶっ殺して、スケレットガールズとエンジョイすんぜ! |
マークス | マスターに、手出しさせるかよ……! |
シャルルヴィル | マークスは無茶しないで、援護お願い。 ローレンツさん、動ける? |
ローレンツ | ……っ、ああ……! 俺は優秀な官製ローレンツ。やれる、やれる。 この窮地をしのいで、カール様を取り戻すんだ……! |
スケレット | ブハハハッ! 健気な虫ケラ。あばよ〜……! |
ローレンツ | ……っ! |
ベルガー | ひゃっほーいっ!! 俺は自由だ〜〜〜!!! |
一同 | ……! |
ローレンツ | モルモット1号! |
スケレット | モルモットぉ? ウサギじゃん。 なんかバカそ〜ぷぷっ! |
ベルガー | んだとてめぇ! バカっていう奴の方がバカなんだよヴァ───カ!!! |
ベルガー | おーし。 てめぇムカつくからぶっ潰一す! |
ローレンツ | モルモット1号……いや、Mr. ベルガー! 今こそカール様のお役に立つ時だ。 ともに戦うぞ! |
ガンマ | 愚民どもが邪魔をするな! やれ、スケレット!! |
スケレット | はいよォ、ガンマ様! |
ベルガー | 絶対非道ッ! |
---|---|
シャルルヴィル | 心銃───! |
ガンマ | ぐぅっ!! ……ぐあああああ!!!! |
ガンマ | あ……あ! 私のマスクが! あの方からいただいたマスクが……ッ!! |
ガンマ | わ、割れた!!! |
スケレット | ちょちょ、ガンマ様頭からクソ血出てる! |
ガンマ | ぐっ……ぐぐぐぐぐ愚民め!!! 許せん! 許せん! 許せん! 許せん許せん許せんッ!! 許せん許せん許せんッ!! |
ガンマ | 躾だ、躾をしてやるゥ───…… |
スケレット | おいウッソだろ!? チッ……しゃあねぇ、一旦引くしかねーな! |
スケレットは、負傷したガンマを抱え上げ
扉の向こうへ消えようとする。
ベルガー | ああ? 逃げんのかよザコ!! |
---|---|
シャルルヴィル | ちょっ……! 刺激しない! |
スケレット | 気が向いたら、今度はその減らずロブチ抜いてやるよ。 じゃーな。 |
ベルガー | ふぃ〜! 暴れたらすっきりしたぜ。 あー、ハラ減ったァ。コークでも探してくっか! |
シャルルヴィル | ……ベルガーのおかげで、助かった……。 |
ローレンツ | Mr.シャルルヴィル……。 くっ……。 |
シャルルヴィル | ローレンツさん! |
ローレンツ | モルモット1号ならしばらく放っておいても問題はない。 こういう場合に備えて、睡眠薬入りのコークを仕込んである。 食糧庫でスナックとコークをあさったのち、眠りにつくだろう。 |
シャルルヴィル | 睡眠薬……そうだ、これ! |
シャルルヴィルは、ポケットの中に入れっぱなしだった
すり替え済みのチョコレートを取り出した。
シャルルヴィル | これの解析をしてほしいんだ。 カールさんのために、大至急。 |
---|---|
ローレンツ | ……? よくわからないが、承知した。 だが、まずはカール様の銃を持ち去った貴銃士を追おう。 〇〇殿とMr.マークスの容態は……? |
主人公 | 【自分は、大丈夫】 |
マークス | マスター! 大丈夫か!? 俺がそばにいながら……! すまない……俺は役立たずだ……! |
主人公 | 【マークスは悪くない】 【2人とも、ありがとう】 |
意識がはっきりしてきた〇〇は、
マークスとシャルルヴィルの怪我を治療する。
シャルルヴィル | ありがとう、〇〇。 |
---|---|
マークス | マスター……。 本当に大丈夫なのか? |
主人公 | 【問題ないよ】 【大丈夫だから、フードの貴銃士を追おう】 |
マークス | ならいいが……お願いだ。 無理はしないでくれ。 |
ローレンツ | 先ほどのフード姿の貴銃士は、俺の記憶が正しければ、 階段の方へ消えていった。 一部崩れているから足元に注意してくれ。慎重に進もう。 |
地下へ下りた一行は、周囲を警戒しながら歩いていく。
ローレンツ | なんだ、この穴は……。 |
---|
立ち止まったローレンツの視線の先には、
廊下の壁にあいた、人が余裕で通れるほどの大きな穴があった。
マークス | 穴の向こう側にも廊下があるぞ。 この間は案内されなかったところだよな。 |
---|---|
ローレンツ | 案内するも何も……俺も初めて目にする。 モルモット1号用のトラップを仕掛けるにあたって、 宮殿の図面は何度も確認したが、こんな空間はなかった……。 |
シャルルヴィル | 歴史ある宮殿だし、図面に残ってない増改築もあるのかも。 この破壊のあとが、カールさんが来た道のはずだし…… 行ってみよう。 |
図面にないという廊下を進んでいくと、
ドアが破壊された部屋があった。
ローレンツ | カール様はここにいらしたのか……? ここで……カール様の身に、何か恐ろしいことが起きた。 |
---|---|
マークス | ……! 誰か来る。 |
??? | おい、急げ! 封鎖して補強だ! |
衛兵1 | ……ローレンツ様、皆様! ここは崩落の恐れがあり大変危険です。 即刻退避してください! |
ローレンツ | だが、カール様が……! |
衛兵2 | ……っ! 危ない! |
そこかしこにあいた大穴のせいで、
地下室のあちこちからパラパラと破片が落ち、
時折大きな剥離物が落下する。
マークス | ……マスター。あいつらの言う通り、ここは危険だ。 いつ大きく崩れるかわからない。 |
---|---|
ローレンツ | …………。 客人は俺が安全な場所へと案内する。 君たちも気をつけて職務に当たるといい。 |
衛兵たち | はっ。 |
その後、〇〇たちは1階へと戻り、
宮殿の外なども捜索したが、謎の貴銃士の足取りは掴めず……。
本館は危険なため、
ローレンツも客室で夜を明かすことになったのだった。
ローレンツ | ……Mr.シャルルヴィル。 君はあの貴銃士を知っている様子だったな。 |
---|---|
マークス | 俺も知ってるぞ。 フランスで、マスターの傷を治してもらった。 |
シャルルヴィル | カトリーヌさんの傷も治してくれて……。 おかげで、シャスポーを止められたんだ。 今日だって、カールさんの銃を傷つけずに止めてくれた。 |
シャルルヴィル | だから、悪い貴銃士じゃないだろうし、 カールさんの銃は無事だと思うんだけど……。 敵なのか味方なのか、何を目的に動いてるのか、全然わからない。 |
シャルルヴィル | ボクからも質問していいかな。 今日みたいなことは、これまでなかったんだよね? |
ローレンツ | ああ。俺の知る限りでは、当然ない。 ……もしもあったとしたら、 ヴァイスブルク宮殿は原型を留めていないだろう。 |
マークス | 確かにな。 |
シャルルヴィル | ……明日の金鷲勲章授与式典、どうなっちゃうのかな。 カールさんがいないと始まらないよね。 |
ローレンツ | 国内外から賓客が集う重要な式典だ。 オーストリア政府としては決して、 当日キャンセルなどという失態は犯したくないだろう。 |
ローレンツ | カール様の影武者でも立てるか…… 適当な理由をつけて延期するか。 |
シャルルヴィル | っていうかボクたち…… 色々と見ちゃいけないものを見ちゃったこと、 絶対気づかれてるよね……? |
シャルルヴィル | カールさんのアウトレイジャー化に謎の貴銃士、 宮殿に現れたトルレ・シャフの鞭、図面にない地下室……。 |
マークス | わけがわからねぇ。 オーストリアで何が起きてるんだ……? |
ローレンツ | 俺の頭脳をもってしても不明だが、1つだけ言えることがある。 |
マークス | なんだ。 |
ローレンツ | ……無事に夜明けを迎えられるよう、 交代で警戒をした方がよさそうだ。 |
マークス&シャルルヴィル | …………。 |
ローレンツ | (カール様……どうか、どうかご無事で……!) |
───翌日。
シャルルヴィル | ひとまず、無事に朝を迎えられてよかったね。 あとは、士官学校か連合軍に連絡が取れたらいいんだけど……。 |
---|---|
使用人 | 失礼いたします。 |
使用人 | 本日の金鷲勲章授与式典は、 午前10時より開場し、受付を開始します。 |
使用人 | 9時30分に皆様のお迎えに上がりますので、 お時間までにご準備をお願いいたします。 ……それでは。 |
マークス | は……? 予定通りやるつもりなのか? |
シャルルヴィル | 肝心のカールさんがどこにいるかもわからないのに? それとも……オーストリア政府は、 カールさんの行方を把握してるのかな。 |
ローレンツ | 式典が予定通り行われるからには……その可能性が高いな。 昨夜現れた古銃の貴銃士がオーストリア政府と繋がっていて、 カール様の銃を持ち去り、届けたという線もありうる。 |
主人公 | 【とにかく行ってみよう】 【参加すれば何かわかるはず】 |
マークス | ああ……そうだな、マスター。 |
───金鷲勲章授与式典の会場付近には、招待客らしき人々や、
彼らやカールの姿を一目見ようと集まった民衆が、
既に数多く集まっていた。
シャルルヴィル | わぁ……すごい人! |
---|---|
ローレンツ | 金鷲勲章授与式典は、歴史こそ今年で2回目と浅いが、 非常に有意義で名誉があり、注目度も高いイベントだからな。 |
ローレンツ | 革命戦争の功労者や、戦後の復興に大きな貢献をした人、 学者や芸術家、スポーツ選手、起業家など、様々な分野の人々へ、 英雄であるカール様から勲章が手渡される。 |
ローレンツ | 諸外国からのゲストも豪華だ。 君───Mr.シャルルヴィルも人気者のようだぞ。 |
シャルルヴィル | えっ? |
カメラマン | シャルルヴィル様! お写真よろしいでしょうか! |
カメラマン | こちらにも目線をいただけますか!? ローレンツ様とお2人のバージョンも……! |
シャルルヴィル | Oui! わかったから、順番に落ち着いて、ね? |
シャルルヴィルたちが写真撮影に応じていた時、
大通りの方で歓声があがる。
市民1 | おお! 金鷲の馬車だ! ついにカール様がいらしたぞ! |
---|---|
市民2 | 一目だけでもお姿を拝見したいわ……! |
カール | …………。 |
ローレンツ | ……! カール様……!? |
馬車はゆっくりと会場へ進んでいる。
その窓から、カールの姿がはっきりと見え、
各国の記者やカメラマンたちが一斉に馬車を追う。
ローレンツ | 間違いない。本当にカール様だ。 ご無事だったのか……! ああ……! |
---|---|
マークス | ということは……やっぱり、召銃し直されたのか? |
シャルルヴィル | だとしたら、ローレンツさんが言ってた通り、 あの貴銃士はオーストリア政府と何か関係があるのかな。 |
シャルルヴィル | でも、フランスにも来てたし……。 誰の指示で、なんの目的で動いてるんだろう。 |
主人公 | 【……彼は、優しい貴銃士だと思う】 【少なくとも、敵対する気はなさそうだ】 |
シャルルヴィル | うん……ボクも同感。 ほんのちょっとしか喋ってないけど……。 カールさんの銃を持つ手つきだって、慈しむように優しかった。 |
ローレンツ | ……オーストリア政府にカール様の銃を渡すという行為は、 カール様や俺たちの利益と相反している。 |
ローレンツ | こちらを積極的に害する気はないと考えてよさそうだが、 過度の信頼は禁物だろう。 |
マークス | 当然だ。 あいつがマスターに危害を加えるなら、俺は迷わず撃ち抜く。 |
マークス | ……もう始まるみたいだな。 行こう、マスター。 |
司会 | ───ただいまより、第2回金鷲勲章授与式典を執り行います。 勲章は、オーストリアが誇る革命戦争の英雄、 貴銃士カール様より授けられます。 |
---|---|
カール | …………。 |
司会 | まずは、文化勲章の発表を行います。 コンラート・ハイダー氏。 オーストリア国内外で50を超える小学校の再建に携わり───…… |
司会者が氏名と功績を発表し、各人の短いスピーチのあと、
カールから勲章が授けられる。
昨夜の騒動が夢か幻だったかのように、
式典はつつがなく進行していった。
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