ドイツ編Ⅰ:第35話~第39話

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第35話:未来の約束

ライク・ツーはぁ……本当にいいのか?
もっと色々細かく条件つければよかったのに。
ダンロー確かに……さっきの話では、
「戦況が予断を許さない」など理由をつけて、
協力要請を断られる可能性もありそうだ。
ライク・ツーエルメの方は、何考えてるかわかんねぇところがあるけど……。
あの2人、戦力としては、かなり心強いのによ。
主人公【ライク・ツーたちがいるから】
ライク・ツーそれは……どーも。
ライク・ツー……今の言葉、
マークスが聞いてたら恨まれそうだな。
マークス……俺がなんだ?
ライク・ツーいたのかよお前!?
マークス当然だ。補習なんて邪魔なやつがなければ、
マスターが行く場所には必ず俺がいる。
ライク・ツーこえーよ、お前……。
ダンローはっはっは。君の周りはずいぶんと賑やかだな。
マスターになった君のことを心配していたが、
杞憂だったようで安心したよ。
主人公【あっ、そうだ……】
【これをお返しします】

〇〇は、ドイツに来た初日に預かった、
小切手入りの封筒をダンローへと差し出す。

ダンローは死を覚悟していたからこそ
これを渡したのだろうが、
あれから状況は大きく変わった。

ライク・ツーええ……返すのかよ。
主人公【もう十分助けてもらいました】
【このお金は、ダンローおじさんのものです】
ダンロー……私にもわかってきたよ。
君が頑として意思を曲げない時の目が。
ダンローこのお金は、君に役立ててもらいたかったんだが……
私も引退することだし、弔いの旅に使うとしようか。
ライク・ツーおっさん、引退すんのか。
ダンローああ。もともと、軍の中ではかなりの老いぼれだしね。
傷は絶対高貴のおかげで治ったが……年のせいか
体力は落ちて、現役を続けるのは厳しそうだ。
ダンローそれに……私はきちんと、謝罪も弔いもできていない。
自分の過去と向き合って、失われた多くの命のことを日々思い、
弔い暮らそうと思うんだ。
ダンローそれで、その……〇〇。
また、手紙を書いても構わないかい?
主人公【はい!】
【こちらからも手紙を送ります】
ダンローありがとう。
君がこれからも、息災であることを祈るよ。

第36話:エルメの好奇心

──数時間後。

エルメやあ、荷造りははかどっているかい?
少し話をしたいんだけど……いいかな。
主人公【もちろん】
【どうぞ】
エルメありがとう。
君とは長い付き合いになりそうだし、
あの時のことを話しておくのが誠実かなと思ってね。
エルメあ、なんのことって顔をしているね?
きっと、君も知りたかったことだよ。
エルメ──あの時、どうして俺が
ドライゼを挑発するようなことを言ったのか。
主人公【気になっていた】
【教えてほしい】
エルメうんうん、素直でよろしい。
さて……どこから話そうか。
エルメ前にも話したけれど、俺は、
貴銃士は考える鉄だと認識している。
エルメでも……ドライゼって、すごく人みたいなんだ。
革命戦争のドライゼに憧れて、
不器用ながら、彼なりに一生懸命真似をしていた。
エルメどうすれば彼のようになれるのか、
ドイツに再び栄光を取り戻せるのか、兵士が強く育つのか。
とっても努力家で、がむしゃらに頑張ってたよ。
エルメそんなドライゼが、
俺は……なんだかとても気に障った。
エルメ貴銃士のくせに、所詮鉄なのに、
どうしてそんなに立派な“人”になろうとするのか。
エルメだからドライゼを、銃らしい存在に……
俺の側に引き込んでみたかったんだ。
エルメ極度に自分を律して、潔癖で敬虔で……。
そんなドライゼが人としての在り方を捨てて、
冷徹にトリガーを引く「銃」になったら。
エルメ一体どんな貴銃士になるのか……
君も、興味が湧かない?
主人公【…………】
【よくわからない】
エルメふふ。俺の話は難しいかな。
それとも、理解しがたい?
エルメだから、俺は……ドライゼがどこまで、
清廉潔白な「貴銃士ドライゼ」を貫けるのか。
試しつつ見ていたんだ。
エルメそうしたら、ああなったわけなんだけど。
エルメやっと、やっとドライゼが堕ちてくれたんだ。
俺は万歳でもしたい気分だったよ。
……だけど。
エルメ……アウトレイジャーに堕ちてまで、
ドライゼはドライゼで、高潔さを保ち続けた。
エルメ目論みが外れたのに、俺はあの時、
なんだかホッとして、笑いたくなったんだ。
エルメああ、そうだ。俺の知るドライゼはこうだ。
これでいいんだ……ってね。
エルメねぇ、ドライゼが銃に戻る時に言ったこと、
〇〇は覚えてる?
主人公【確か……】
【後は任せた、と】

ドライゼエル……メ、あとは、任せ、た……。

エルメあれを聞いて、俺は完敗を悟ったね。
エルメドライゼは、最後の最後で恨みごとを言うでもなく、
俺に託したんだ。心血を注いできた軍と、国の未来を。
エルメたぶん……ドライゼは、部下とか他者がいると
なおさらちゃんとしないとって、
高潔さに磨きがかかるヤツなんだ。
エルメつまり、ドライゼを堕とそうとしていた俺すらも、
結局はドライゼの高潔さの土台にいたんだ。
エルメそれを、あの瞬間理解できてしまって……
これでいいんだと思えるようになったよ。
主人公【納得できたならよかった】
【もう、あんなことはしないでほしい】
エルメふふ、大丈夫だよ。
もう答えは出たから、あれっきりさ。
エルメふぅ……人とこんなに長く話すのは、初めてだな。
なんだか疲れたけど、悪い気分ではないね。
話すことで、思考が整理された気がするよ。
主人公【これまでのマスターと会話は?】
エルメ会話……必要事項の伝達くらいかな。
人間みたいな交流は不要だと思ったし……。
エルメマスターは俺たちの動力源。
いずれ限界がくれば挿げ替えられるパーツ……。
エルメドイツ支部ではそういう認識だったから、
なおさら交流しようなんて思わなかったよ。
エルメだから……君と、君の貴銃士たちの在り方は、
まったく違っていて興味深いね。
エルメ彼らは君のことを気にかけ、君にかかる負担を
最小限にしつつ、最大限の力を発揮している。
すごく効率的で、見習うべき点がある。
エルメ俺も君の貴銃士になったわけだし……
多少は君たちのやり方に寄せてみようかと思うよ。
エルメそういうわけで……
改めてよろしくね、マスター。
主人公【こちらこそ】
【よろしく、エルメ】
エルメうん。
……それじゃあ、気をつけて帰るんだよ。

第37話:獣の記憶1

エルメが退室しかけるが、
1つ気になっていたことがあり、
〇〇は彼を呼び止めた。

主人公【そういえば、ジーグブルートは……?】
エルメ ああ、ジグなら銃のままで謹慎中だよ。
規律違反が20回を超えたし、
撤退命令を無視して戦い続けるのはあんまりだったね。
エルメ……あ。
ドライゼ…………。
主人公【ドライゼ特別司令官!】
ドライゼ……その呼び方はやめてくれ。
俺はもう、あなたの貴銃士であって
上官ではないのだからな。
エルメそれじゃあ、俺はこれで。
ごゆっくり。
ドライゼエルメと……何を話していたんだ?
主人公【主にドライゼのことを……】
【気になっていたことについて】
ドライゼそうか……。
俺も、今のうちに、あなたに話したいことがある。
ドライゼこれは、とある銃を手にした男の話だ──。

軍隊に入隊したばかりのその青年は、
繊細で優しく、とても兵士には向いていなかった。
人を撃つことができなかったのだ。

上官貴様! それでも軍人か!
そんな銃の構え方で敵を倒せると思うのか!
青年す、すみなせん……っ!
兵士1ハッ! お前のような軟弱者に使われると、
高性能な銃でも役立たずになっちまいそうだな。
青年…………。
青年だって……人の命を奪うなんて恐ろしいこと、
僕にはできない……。

周囲に根性なしとののしられていたが、
それでもなお、青年は軍で懸命に訓練に励んだ。

やがて……戦争が始まり、青年も戦場へと赴く。
だが、そこでもやはり人を撃つことができなかった。

だが……そんな青年の運命が、大きく変わる夜がくる。
その日、彼がいる小隊は、作戦途中のアクシデントで
山で遭難してしまった。

数日が経ち、食料が尽きたところで、
小隊は山賊と鉢合わせ、戦闘になり──。

山賊1返せ! そいつは俺らの食いモンだ!
隊員1うるさい! どうせ強奪してきたものだろうが!
山賊1ぐぁ……ッ!
隊員2──おい、ちょうどいい練習台じゃねぇか。
お前、こいつを殺してみろよ。

仲間の1人が、怪我をして動けなくなっている山賊を、
青年の前へと放り出した。

山賊2何しやがる! 離せ、クソ野郎が!
青年ぼ、僕には無理です……っ!
そんな、こ、殺す……なんて……っ!
隊員2無理じゃねぇ、これは命令だ──殺せ。
戦闘になった時も、殺せねぇって喚く気か?
隊員2こいつはクズだ。人から物や、
もしかすると命まで奪って生きてきたような連中だ。
お前がやることは、正しいことなんだよ。
隊員1おい、さっさとやれよ。
青年……ッ!
隊員2照準を合わせて引き金を引くだけ。
それくらい、簡単だろう?
隊員1ほら、早くしろ!
青年あ、あ、ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……ッ!

──青年は、初めて人を殺した。

青年僕は、やった……やったんだ、僕が……!
僕だってできるんだ、
は、はは、ひゃはははははは……!

そこから、優しかった彼は、人が変わった。
人を撃つことを一切ためらわず、
敵を撃ち殺しては笑い──

青年ははっ、ひゃはははは……!

歯向かえば、捕虜も殺した。
すぐに、周囲は彼が異常だと気づくようになった。

少しずつ、青年が軍隊から浮き始めたある日──

青年うるさい、うるさい……!
僕に指図するな、黙れ……ッ!!
隊員2ぐ、ぅっ……! おま、え……。

ふとした口論から、青年は仲間を殺してしまった。

青年ハァ……ッ、ハァ……ッ!
ぼ、僕は……なんてことを……っ!
青年仲間を殺したのに……っ!
どうして、こんなに嬉しいんだ!
青年はははは!
笑いが、止まらない……っ!

──青年は、高らかに笑いながら
自らに銃を向け……。

青年は、は、ははははははっ!
ひゃはははははははははははははは……!!

──命を絶った。

 

第38話:獣の記憶2

ドライゼ俺は……彼が命を断つ間際の言葉を、
ずっと忘れられないでいる。
ドライゼあのときはただの銃の身だったのに……
浴びた血しぶきと共に、
俺の身に沁みついているような気がする言葉だ。
ドライゼ『僕はずっと……心に、獣を飼っていた』
ドライゼ……俺も変わってしまうのかもしれない。
あの、かつての持ち主の男のように……。
そんな恐怖が、ずっと付きまとっていた。
ドライゼ俺はレジスタンスのドライゼとは違い、
どんなに研鑽を重ねても、絶対高貴に至れなかった。
ドライゼ俺もまた、心に獣を飼っているから
絶対高貴になれないのだろうと思うと……
俺はいつ獣になり果てるのかと、恐ろしかった。
ドライゼだが、いざアウトレイジャーに──
理性をなくした獣になりかけると、わかった。
ドライゼ怒りと憎悪と失望に呑まれかけても、
俺の中には、彼のような獣になることへの恐怖が、
なお強くあり続けたんだ。
ドライゼその恐怖が俺を押しとどめ……
せめて俺が少しでも俺であるうちに、
仲間に託して貴銃士としての生を終えたいと願った。
主人公【恐怖が理性の一部になっていたということ?】
【だから、アウトレイジャー化が止まった?】
ドライゼそうだと言えるかもしれない。
ドライゼ俺は、獣になることをずっと恐れていた。
しかし……その恐れが俺の中に強くある限り、
俺は獣にならずに済むのではないかと思う。
ドライゼ矛盾しているようにも思えるが、
これが、俺の場合の真理なのだろう。
ドライゼ……俺は、レジスタンスにいたドライゼと同じ種類の銃だが、
別個の存在で、彼のようにはなれないだろう。
ドライゼしかし……俺は俺なりに、この手に掴んだ高貴を磨き、
1歩ずつ着実に歩んでいけたらと思う。
ドライゼそれから……挨拶が遅れたが、
これからよろしく頼む。マスター。
主人公【こちらこそ】
【よろしくお願いします】
ドライゼ……少し話し過ぎてしまったな。
俺は訓練へ戻る。
ドライゼ戦況が落ち着いている時期は、
時折士官学校へも顔を出そう。
その時は、あなたの話を聞かせてくれ。
主人公【喜んで】
【楽しみにしてる】
ドライゼ……では、また。

──トルレ・シャフ本部にて。

ゴースト……今回は、ワイの出番はなかったな。
ゴーストジグのアホ……ドライゼやらエルメがなんぼ言うても
バカスカ絶対非道使いよって……。
ゴーストあいつのせいでワイも知らん間に何回も銃に戻って、
ホンッマに最悪やわ……。
ゴーストこの間なんか、よっしゃースパゲッティ食べよ
思た瞬間に銃に戻って……。
ゴーストもういっぺん召銃された時には、
せっかくの美味そうなスパゲティが
冷え冷えのパリパリやったわ。呪ったる……。
???……デモ、目的のものは回収できたワ。
それでいいデショ。
ゴーストせやなぁ。
……しかし、あのドライゼが絶対高貴か。
かなわんなぁ、呪いたくなってまうわ。
ゴーストレジスタンスにおった別の自分の亡霊追っかけて、
なーんも知らんで健気~にドイツのためやて頑張って、
憐れな奴やなぁって思っとったのに……。
???…………。
じゃあ、ワタシは行くワ。
ゴーストおう、ワイも……じゃない。
……そろそろ……俺も行く、よ。
ゴーストドイツ支部への……潜入任務に、な。

第39話:鉄の日

ドライゼマスター、いるか。
主人公【ドライゼ】
【こっちに来たんだ】
ドライゼああ。ドイツの状況が一段落したからな。
こちらの任務にも手を貸せるようになってきた。
ドライゼこれはマスターに、ドイツの土産だ。
主人公【白いソーセージ?】
【美味しそう!】
ドライゼこれは、ヴァイスヴルスト。
ミュンヘン伝統のソーセージだ。
ドライゼ甘口のマスタードも持参した。
ぜひとも、これをつけて食べてほしい。
ドライゼ鮮度を保つの難しいヴルストなんだが、
綿密な運搬計画に基き、
特にトラブルもなく輸送できたから、味は保証する。
ドライゼミュンヘンは……今はまだ、反乱軍の手に落ちている。
しかし近いうちに必ずや奪還し、
人々の日常を取り戻してみせるとも。
主人公【ミュンヘンか……】
【その時は行ってみたい】
ドライゼああ。ぜひ来てみるといい。
旧市街地や美術館、博物館は見ごたえがあり、
オクトーバーフェストの時期は特に賑わう。
ドライゼビールとヴルスト、そしてバンドの演奏。
見知らぬ人々と歌い、踊り、乾杯をする……。
主人公【楽しそう】
【美味しそう】
ドライゼだろう。
だが、あなたが士官学校の生徒のうちは、
アルコールは禁止だぞ。
ドライゼ……さて、せっかくだから、
これからヴァイスヴルストを調理しよう。
最高の状態でマスターに口にしてもらいたい。
主人公【……そういえば、エルメは?】
ドライゼああ、エルメか。
到着するなり、滞在する部屋に直行していたが……。
ドライゼむ……。まさか……。

〇〇はドライゼとともに
エルメが滞在している寮の部屋へと向かうが、
ノックをしても返事がない。すると──。

ドライゼうむ、これは……。
ついに、この日が来てしまったか……。
ドライゼ……マスター。
あなたは、俺たちのマスターになったわけで……。
真実を、伝えておきたいと思う。

ドライゼが重々しく話を切り出し、
〇〇は何事かと身構えた。

ドライゼエルメについて、マスターはどう思う?
ドライゼおそらく、人当たりもよく、優秀な軍人……。
完璧な男に見えているのではないだろうか。
ドライゼそれは、正しい。
ドライゼ正しいのだが……エルメはあの完璧さを保つために
月に数日、『鉄になる日』が必要なんだ。
主人公【鉄になる日?】
【どういうこと?】
ドライゼあなたがドイツに来た時も、一度あっただろう?
周囲には、1人になり集中するための
重要な時間だのと説明しているが……。
ドライゼ……実際は、これでもかとダラダラする日だ。
主人公【……???】
ドライゼ……マスターがそういう顔をするのも理解できる。
まさか、あのエルメがと思うだろう。
ドライゼだが、『鉄の日』のエルメは、
普段の彼とはまったくの別人だ。
ドライゼ顔も洗わず、服もろくに着ず、食事もせずに、
ひたすらゴロゴロとベッドに転がっている。
ドライゼ……いや、ベッドで寝ていればマシな方だな。
この前の『鉄の日』には、全裸で床に転がっていた。
主人公【なぜそんなことを……?】
ドライゼ本人曰く、人間的活動の一切を放棄して
無になることで、己が銃、鉄塊であることを再確認し、
ヒーリング効果を得ている……らしい。
ドライゼただ、エルメは完璧を信条としているから、
当然そんな姿は誰にも見せたくないようでな。
俺が食事などの面倒を見ているんだが──
エルメ……ド、ドライゼ……。
エルメ……君、一体、なんの話をしているのかな!?
ドライゼなっ……エルメ!?
なぜ起きている。
てっきり、部屋の中で転がっているものかと……。
エルメいや。窓から見える連合軍旗が、
少しズレているのが気になってね……。
手直ししに行ってたんだ。
エルメ……それで、なんの話をしていたんだい?
エルメ俺が部屋の中で転がっているかもって、言っていたけれど……
まさか、〇〇に話したわけ……?
ドライゼ…………。
エルメドライゼ!!!
ドライゼす、すまない……!
主人公【誰にも言わないから!】
【絶対に秘密にするから!】
エルメ〇〇……絶対だよ。
あれは、俺が完璧でいるために必要な儀式なんだ。
決して、ただぐうたらしているわけでは……。
エルメ……コホン!
それより、俺に何か用だったのかな。
ドライゼそうだった。
マスターへの土産に持参したヴァイスヴルストを
お前も食べないかと思って誘いに来たのだった。
エルメへぇ。それ、ドライゼが作ったの?
君が作るヴルストは絶品だって、
ドイツ支部の兵士たちの間で噂になってたけど。
ドライゼいや、これはミュンヘンの名店のものだ。
今は避難先の仮店舗で営業をしているのだが、
人気は健在だった。
ドライゼこれで味の研究をして、
俺のヴルスト作りにも役立てたいと思っている。
エルメなるほどね。
それじゃあ、どんなものか、いただいてみようかな。
エルメああ、そうだ……。〇〇。
この間は俺が色々と話したから、
今日は君のことを聞かせてよ。
エルメマスターと貴銃士の新しい関係を築くにあたって、
情報は重要だからね。
エルメ……よろしく、マスター?

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