第21話:ミュンヘン奪還作戦

そして──……
ミュンヘン奪還作戦が幕を開ける。

ドライゼ諸君!
ドライゼ本日、これよりミュンヘン奪還作戦を開始する。
ミュンヘン基地の奪還は我々の悲願であった。
ドライゼここまでは決して平坦な道ではなかった。
多くの功績があり、多くの犠牲があった。
……その1人である貴銃士、ジーグブルートはここにはいない。
ドライゼマスターを同じくするゴーストも、本作線への参加はない。
だが……〇〇の尽力のおかげで、
多くの貴銃士が我々に力を貸してくれる。
ドライゼ多くの犠牲と健診に報いるためにも、我々は必ずや!
ミュンヘンを取り返す! ミュンヘンに平穏を取り戻す!
ドライゼ諸君の日頃の鍛錬は、今日この日のためである。
健闘を祈る……ドイツに平和を!
ドイツ支部兵士たちJawohl!!
ライク・ツーいよいよだな……。
十手ああ……正念場だ!

ミュンヘンへ向けて進軍が始まる。
ミュンヘン基地が近づくにつれて、アウトレイジャーの数が増え、
次々に襲い掛かってきた。

ライク・ツー&グラース絶対非道……──心銃!
アウトレイジャーグアアァ!!
ドライゼ〇〇たちがアウトレイジャーを制圧している!
各部隊、侵入経路を開け!
十手援護は俺たちに任せてくれ、絶対高貴!
アウトレイジャー殺ス……破滅、ヲ……!
タバティエール──心銃!
ドイツ支部兵士たちドライゼ特別司令官!
各隊、ミュンヘン基地を包囲しました!
主人公【アウトレイジャーも減ってきた】
【あと少しだ!】
ドライゼ一気に前進!
ドイツ支部兵士たちうおおお!!
アウトレイジャー殺ス……破壊、スル……!
ドライゼ……絶対高貴!
エルメ──絶対非道!
ドライゼ&エルメ心銃!
ドイツ支部兵士1アウトレイジャーの消滅を確認!
新たなアウトレイジャーも確認できません!
グラース……!
見ろよ、基地から敵が白旗を上げて出てきた!

親世界帝派組織の構成員たちがミュンヘン基地を放棄し、
次々と投降してくる。

ドライゼ各班、基地内の確認を!
無線A班、残党を認めず!
無線Alles klar! 基地の奪取に成功しました!
ライク・ツー……これで本当に終わりか?
マークス案外あっさり終わったな……。
エルメ斥候部隊から不確定情報として伝えられていたけれど、
戦力がかなり削れていたようだね。
ドライゼ下振れを期待せず万全の戦力で臨んだからこその成果だ。
皆、よくやってくれた。
ドライゼ……本時刻をもって、ミュンヘン基地奪還作戦を完了する。
ドイツ支部兵士たちうおおおおーーっ!!
ドイツ支部兵士1これでドイツの内乱が終わるんだ!
ドイツ支部兵士2ベルリンに戻れるぞ! 祝勝だ!!
主人公【おめでとう!】
【ついにやりとげたんだ……!】
ドライゼああ、ありがとう。マスター。
……それに、皆も。君たちの助力のおかげだ。
エルメ俺たちは……諸々の処理で、しばらくかかりきりになりそうだ。
まだ油断できないしささやかなものになるけど、
祝勝会が行われるはずだから、君たちは先に楽しんでいて。
ドライゼ皆、喜びはひとしおだろうが、
再度の基地占拠を狙う残党がいないとも限らない。
油断せず、ほどほどに楽しんだあとは十分に休養を取るように。
ドイツ支部兵士たちJawohl!!
エルメ……ああ、その前に。
〇〇、ちょっといい?
マークスおい、なんだ。
俺にも聞かせろ。
エルメすぐに終わる話だよ。
────……、……………………。
主人公【…………】
【……わかった】
ドライゼそれでは、のちほど。
……マスター、いろいろと迷惑をかけたな。すまない。
ジョージおーい、〇〇! みんな!
シャスポーもう戦闘は終わったのか……!
駆けつけるのが遅くなってごめんね、〇〇。
あちらを手薄にするのも心配で、増援を待っていたんだ。
タバティエール正しい判断だったと思うぜ。
こっちは案外スムーズに終わったしな。
グラースあっけないくらいにな。
そっちも特に問題はなかったのか?
ジョージああ、駆けつけてすぐ薔薇の傷は治したぜ。
それで……これ、持ってきた。

ジョージが〇〇に、
透明な結晶を手渡した。

主人公【ありがとう】
【2人のお陰でなんとかなった】
シャスポー……ねぇ、〇〇。
こちらは快勝だったんだよね……?
彼らはどうして浮かない顔をしてるんだい?
ジョージえ?

シャスポーが見つめる先に、
深刻そうな顔で話し込んでいるドイツ支部の兵士たちがいた。

ドイツ支部兵士1なあ、聞いたか。ジーグブルートさんの処分……。
『不名誉除隊処分』だけど……貴銃士だから、破壊だって。
ジョージ……!? 破壊って!?
それ、詳しく聞かせてくれ!

──その頃、ドライゼとエルメは、
近隣の工場にDG36を持ち込んでいた。

ドライゼ……やってくれ。頼む。

係員が頷き、切断機にDG36の銃身が乗せられる。
プシュッ、プシュッという音とともに油圧プレスが降りると、
DG36の銃身はあっけなく切断された。

ドライゼ&エルメ…………。

第22話:DG36の行方

ミュンヘン基地では、ささやかな祝勝会が行われていた。
だが、ジーグブルートについての噂が広まっているようで、
兵士たちの中には複雑そうな表情の者もいる。

ジョージドライゼとエルメは、
ジーグブルートをどうするかの話し合いに呼ばれてんのかな。
早く直接確かめないと……。
エルメ……マスター、お待たせ。
祝勝会は楽しめている?
ジョージドライゼ、エルメ!!
ジーグブルートのこと、本当なのか!?
エルメなんのこと?
シャスポー破壊されると噂になっている。
本当なのか?
ドライゼ……本当だ。そして、既に処理は終わっている。

ドライゼが抱えていた箱を開いて見せた。
中には切断されたDG36の残骸が入っている。

シャスポーうっ……!
ジョージそ、んな……!!
エルメ度重なる規律違反とミュンヘン奪還を前にした脱走、
さらにはアウトレイジャー化して作戦直前の基地に現れ、
軍の重大な作戦を妨害した……。
エルメ大きな戦果はあげているが、
それを差し引いても処分が必要だと上層部は判断した。
ジーグブルートも、こうなるとわかっていただろう。
ジョージでも……こんな……!
十手け、経緯はわからないが……!
俺が目にしたドライゼ君とジーグブルート君は、
思いをぶつけ合って、わだかまりが解けつつあったように思う。
十手それに、やり直せると言っていたじゃあないか。
なのに……その機会を与えなかったというのかい。
それは、あんまりじゃないか……っ。
ドライゼ……これまでも、貴銃士だからと寛大な処置が取られていた。
それを精算する時が来たというだけだ。
主人公【皆に話しても?】
エルメ…………。
そうするべきだと思ったなら、
〇〇の判断を尊重するよ。
ドライゼ……ああ。
主人公【皆、こっちに来て】
【……大事な話がある】

〇〇はジーグブルートの処分について聞き
どよめく兵士たちを背に、
貴銃士たちと別室に移動した。


──翌日。
〇〇たちはベルリンに戻った。
街は戦勝ムードでお祭り騒ぎになっている。

〇〇がベルリンの一角にある家の戸を叩くと、
ダンロー・ユリシーズが出迎えてくれた。

ダンローやあ、久しぶりだね。
ミュンヘンでの活躍は聞いているよ。
主人公【会いたかったです!】
【お久しぶりです】
ダンロー元気そうで何よりだ。
君も、君の貴銃士たちも。
ダンロー……誰かにつけられてはいないな?
さあ、入って。

ダンローの家は、すべてのカーテンが閉め切られていた。
シャスポーが手にしていたトランクを、テーブルの上に置く。

シャスポー……これを。

トランクの中に入っていたのは、壊れていないDG36だった。
〇〇が銃身に触れる。

ジーグブルート…………っ。
ジーグブルート……ここは……?
俺は……そうだ、たしか、アウトレイジャーになって……。
主人公【無事でよかった】
【やっと、ちゃんと話せるね】
ジーグブルート……俺はどうなったんだ?
ダンロー……君にはドイツ支部上層部から破壊命令が下った。
ダンローだが、内密にドライゼ殿とエルメ殿から私に依頼があった。
……すり替えて保管してある君の銃を、
改めて〇〇君が召銃する場を提供してほしいと。
主人公【破壊されたのは、壊れた別の銃だ】
【これからよろしく】
ジーグブルート……じゃあ俺は、あいつらに助けられたってことか?
ジーグブルートふざけんな、こんなの……生き恥を晒すだけじゃねぇか!
どうして助けた! 何故ぶっ壊さなかった……!
ジーグブルート無様にもアウトレイジャーになりかけて……
何もなかったフリしてまた貴銃士をやれってのかよ!!
主人公【彼らがジーグブルートを壊せるはずがない】
【2人ともジーグブルートを大事に思っている】
ジーグブルート…………。
んなこと、言われたって……。
ダンロー複雑な思いはなかなか消えないだろう。
……私には、それがよくわかる。
ダンロー……過去の罪を贖うために、自分の罪の意識から逃れるために、
私は〇〇君を支援していた。
ダンロー罪は消えない。しかし顔向けできないと思いつつ、
湧き上がる愛情も愛着も消せはしなかった。
支えたいのに自分が支えられてもいて……。
ダンロー過去は不変だが、その上に積み重ねていく未来は未知数だ。
君たちは、新しい、明るい未来への一歩を
踏み出し始めたのではないかな。
ダンローそれを、過去を理由にして頭ごなしに否定するのは、
とてももったいないことのように思えるよ。
ジーグブルート…………。
ジーグブルート一番俺を認めてねぇのは、俺自身……か。
くそ、でくのぼうのくせに……痛いとこ突きやがって……!

ジーグブルートが落ち着いたのを見計らって、
〇〇は声をかける。

主人公【街で会ったあと何があった?】
【基地に現れるまでに何が?】
ジーグブルート……俺が間抜けな馬鹿野郎だったってだけの
くだらねぇ話さ。
ジーグブルートトルレ・シャフの貴銃士のおべっかに乗せられて、
気の合うダチだと思い込んでた。
マークストルレ・シャフの貴銃士……!?
ジーグブルートああ、スケレットってやつだ。
ジョージそいつって……!
主人公【トルレ・シャフの『鞭』の貴銃士だ】
【彼らと以前に戦ったことがある】

〇〇はジーグブルートに、
ガンマとスケレットとの戦いについて情報を共有した。

第23話:残酷な真実

ライク・ツーマスターと貴銃士のペアで動く
トルレ・シャフの戦闘部隊『鞭』……その一員だ。
ライク・ツー幹部級であるスケレットが組織を抜けるとは考えにくいぜ。
ジーグブルートはっ……あいつの言葉通り、
最初から全部ウソだったのか。
ジーグブルート本当に……俺は馬鹿だ。
ジーグブルート俺のことを認めさせてぇっていう弱い心につけ込まれた。
破壊されたことになってんのもちょうどいい。
……俺は出ていく。どこか遠くへ。
主人公【フィルクレヴァートに来ればいい】
【一緒にやり直そう】
ジーグブルート何言ってんだ。
こんな貴銃士を引き取っても、なんもメリットはねえぞ。
主人公【ジーグブルートの力が必要だ】

〇〇は、自分が戦う理由を話した。
世界帝軍に両親が殺されたことや、ヴィヴィアンの死、
今までの戦いのこと……そして、ダンローとのことなど。

ダンロー私が言うべきことではないかもしれないが……。
人はいつからでも、どこからでもやり直せる。
ダンローそれを私に教えてくれたのが、〇〇君だ。
ジーグブルート…………。
ジーグブルートだが……アウトレイジャーになりかけた貴銃士なんざ……。
シャスポー……聞き捨てならないな。
そんなことは、自分の弱さから逃げる理由にはならない。
シャスポーどん底まで落ちたからこそ、ちゃんと向き合ってやり直せ。
……それとも、DG36というのはそれができない銃なのか?
ジーグブルートそれは……。
ジョージそれにさ、お前のこといいやつだって、オレたちは知ってるよ。
またお菓子作ろうぜ☆
ジーグブルートこんな……俺でも……。
ジーグブルート……わかった。
俺の力が必要なら協力してやる。
主人公【これからよろしく!】
【ありがとう!】
ジーグブルート……おう。

〇〇たちはジーグブルートとともに、
ベルリン駅に向かった。

最初から同行しているジョージとシャスポー以外は、
一足先にフィルクレヴァート士官学校へ戻るのだ。

マークスマスター! 俺も残りたいんだが!!
ライク・ツーお前は授業受けないとまた補習になるぞ。
マークスくっ……!
主人公【それじゃあまた何日か後に!】
【みんな、道中気をつけて!】
ジーグブルート……おう。

ジーグブルートたちが乗った列車を見送ってから、
〇〇たち3人は、
ベルリンにある世界連合ドイツ支部の本拠地に向かった。


ドライゼマスター。
……例の件は、どうなっただろうか。

〇〇はジーグブルートを召銃できたこと、
士官学校の仲間として他の貴銃士とともに帰還したことを
ドライゼとエルメに伝えた。

エルメそう。手間をかけたね。
これからはジグのこともよろしく。
ドイツ支部通信兵ドライゼ特別司令官!
各国首相から戦勝の祝電が届いております!
ドイツ支部通信兵リリエンフェルト家、ロドデンドロン家を始めとする
連合軍の支援者・支援団体からも続々と……!
シャスポー世界中の大ニュースだ。
ミュンヘン奪還は、ドイツの悲願だったものね。
ジョージドライゼたちはそれをやり遂げたんだな!
よっ、ドイツのヒーロー!
ドライゼやめてくれ、英雄などと呼ばれるべき存在ではない。
だが……こうして祝われると、
ようやくここまで来たのだと実感が湧いてくるな。
ドライゼ一段落はついたが、各地にはまだ親世界帝派の残党がいる。
新たな蜂起・武力行使が行われないよう、
今後も目を光らせる必要がある。
エルメそうだね。油断せずに警戒を続けよう。
主人公【ドライゼ、エルメ、ひとまずお疲れ様】
ドライゼ……ああ。
ドライゼエルメ……俺たちは、できるだけのことはしたな。
エルメうん。君がいなければこの成果はなかったよ。
本当に、お疲れ様。

ドライゼとエルメは、固く握手を交わした。

第24話:これからのこと

人払いをしたあと、ドライゼとエルメとともに、
〇〇は今後のことについて会議をした。

ドライゼまず、ジーグブルートの件についてだが……。
『奴の銃本体は完全に破壊した』。
ドライゼ〇〇は作戦参加中、
負傷兵が手にしていたDG36に触れたところ、
その銃から『第二のDG36の貴銃士』が目覚めた。
ドライゼそれが、フィルクレヴァートに行った『ジーグブルート』である。
この旨は既に上層部を通じて連合軍や連合本部にも伝達済みだ。
シャスポーそうか。
エルメジグがああなった責任の一端は俺たちにある。
俺たちのやり方には……間違いがあったみたいだから。
ドライゼ……勝手な行動の裏に焦りがあることに気づかずにいた。
違った接し方をしていれば、何かが変わっていたかもしれない。
エルメ俺たちはもっと……ジグと話をしないといけないのかもね。
ジョージそう思ったんなら、きっと大丈夫だ!
いつか超仲良しになれるぜ☆
エルメ超仲良し……はないだろうけど、
まあ……今よりはいい関係になれる可能性はあるかな。
シャスポーああ。君たちが彼に期待をかけていたからこそ、
という部分も伝わればいいんじゃないか?
期待していたからこそ、厳しくなりすぎた部分はあるだろう。
ジョージあと、ジーグブルートのことがキライじゃなくて、
ちゃんと大事だってことも伝わるとGOODだ!
ドライゼむ……大事でないとは言わないが……
伝えると言っても、どうやって……?
エルメ難題だね……。
何かプレゼントをしてみるとか……?
ドイツ支部中将失礼、少しよいかな。
ドライゼ中将殿。

その場にいた全員が敬礼で中将を迎える。

ドイツ支部中将間に合ったようで何よりだ。
〇〇候補生に、私からも一言伝えたくてね。
ドイツ支部中将……〇〇君、
ミュンヘン奪還作戦でも力を尽くしてくれたこと、礼を言う。
戦場で君が触れたDG36が貴銃士として召銃されたそうだな。
ドイツ支部中将ドイツ支部では破壊命令を下したばかりで、
制式採用についても一部見直しを進めている……。
ドイツ支部中将そういった背景もあって、フィルクレヴァート所属のDG36に
任務の依頼をする機会はないかもしれないが、
君のDG36が活躍することを祈っているよ。
主人公【ありがとうございます】
主人公【ゴーストはどうなりましたか?】
【DG11は再召銃されたのでしょうか】
ドイツ支部中将その件だが……誰か、DG11を持ってきてくれ。

中将の手元にゴーストの本体らしき銃が運び込まれる。
中将は銃を、机の上にそっと置いた。

ドイツ支部中将……現状、ドイツ支部においてゴーストの再召銃の予定はない。
異変を感じて自ら牢にこもっていたが、
アウトレイジャー化の兆候があったというからな。
ドイツ支部において……以前はドライゼ特別司令官に同様の兆候が見られたが、
君のところではなんら問題なく過ごしているだろう?
ドイツ支部中将ドイツ支部としては……
ゴーストも君に再召銃してもらいたいと考えている。
エルメ特別司令官補佐の話では、本人も希望していたとか。
ドイツ支部中将〇〇君、君の意思を確認したい。
主人公【承ります】
【お任せください】

〇〇は薔薇の傷が刻まれた手で、
そっとDG11に触れた。

ゴーストワッ……お、俺は……?
エルメ望み通り、〇〇が君の新しいマスターになったよ。
これまではジグと同じマスターで苦労もあっただろうけど、
これからは状況が変わるだろうね。
主人公【これからよろしく!】
【自分がマスターでいいかな】
ゴーストありがとう、嬉しい……よ。
よろしくな……!
ドイツ支部中将ん……?
〇〇君、私に何か言いたいことがあるのかね。

〇〇は、アウトレイジャーとトルレ・シャフの
関係について、何か掴んでいる情報はあるか尋ねた。

一同…………。
ドイツ支部中将…………。
ドイツ支部中将現在、調査中だ。
ミュンヘン奪還を成し遂げた今、
そちらの調査にもリソースを割けるだろう。
主人公【何かわかったら教えていただきたいです】
【調査が進むことを願っています】
ドイツ支部中将……ああ。

 

第25話:貴銃士ゴースト

イギリスに出立する〇〇たちを、
ゴーストが見送りに来ていた。

ゴーストそれじゃ、また……な。
ジョージうん、また!
っていうか、ゴーストは一緒に士官学校には行かないのか?
ゴーストまだドイツ支部でやることがある……んだ。
そのうち俺も、ちゃんと士官学校に顔を出すから。
主人公【待ってる!】
【いつでもおいで】
ゴーストありがとう、マスター。
……本当に優しい……な。
ジョージSee you!
またパスタ食わせてくれよ!
シャスポーそうだね、シュペッツレだっけ?
それも楽しみにしているよ。
ゴーストああ。
次に会うのは、士官学校……だな。

〇〇たちはイギリス行きの列車に乗り込んだ。

ゴースト…………。

???ゴースト、指令だ。
〇〇の貴銃士になれ。
ゴースト……っ!? は……?
???〇〇が少数の貴銃士とともにドイツへ来たのは
絶好のチャンス……導きをかける予定だったが、
ドライゼとエルメが張りついていて隙がない。
???アプローチを変える必要がある。
……頼まれてくれるな。
ゴーストでも、〇〇の貴銃士になってしもうたら、
〇〇の薔薇の傷を治すまでは
あの人の貴銃士には戻れへん。
ゴーストあの人のとこに行くのが、これ以上遅くなるのは御免やで……!
???大丈夫だ、心配ない。
???我々には『導き』がある。
近い未来、〇〇は我々のもとに降(くだ)る。
ゴースト…………。
……せやな。
ゴーストほんなら……わかった。

ゴーストこれでいいはず……これで……。

トルレ・シャフ『杖』輝きが集まりつつありますな。
ミュンヘンはもう用済み……。
トルレ・シャフ『杖』もはや戦力を無駄に展開する必要もなし。
戦況はいくらでもひっくり返せることですし……ははは。
???ああ、この結晶さえあれば……!
???…………。
???とはいえ、例の候補生には注意せねばならない。
……奴は、勘がいい。
???そして、権力を恐れない。
故に突飛な行動を取ることもある。
厄介な手合いだ。
トルレ・シャフ『杖』しかし……どんなに頑なな心を持っていようが、
問題にはなりますまい。
???ああ……奴に『導き』を与えたならば、な。

第26話:新しい居場所

スケレットふんふんふーん……♪

車のボンネットに座って鼻唄を歌うスケレット。
そこへゆっくりと近づいてくる人影があった。

ガンマ……もう少しわかりやすいところに迎えに来んか、愚図めッ!
スケレットあ、ガンマさん。遅かったすねー!
待ち長くて帰っちまおうかと思いましたよ~!
ガンマならば何か有意義な時間の使い方を考えろ!
私の出張中、何をしていたんだ!!
スケレットえー?
適当に暇潰ししてただけっすよォ。
スケレット俺はガンマさんと一緒に虫ケラぶっ潰すのが、
やっぱ1番性に合ってて楽しいし♥ ブハハハハッ!!

士官学校にジーグブルートがやってきてしばらく経った頃。
ドライゼとエルメが士官学校を訪れた。

ジーグブルートったく、イギリス唯一の陸軍士官学校っていうから期待してたら、
生ぬるいもんだったぜ。
ジーグブルート演習も座学も半端で拍子抜けだ!
エルメ……そういうジグは宿題は終わってるのかな?
ジーグブルートうおっ……!? うるせぇな!
言われなくてもやってるっつうの!!
ジーグブルートそんなことよりお前……あの件、調べてんだろうな。
エルメもちろん。でも、どこに敵が潜んでいるかわからない。
慎重にならなきゃ……君はとにかく、ここで
掃除を頑張っていて。
ジーグブルートはぁ?
ドライゼ掃除当番がジーグブルートだと聞いたぞ。
ドイツ支部仕込みの掃除術で、塵、曇り1つない輝きを作り出せ。
ジーグブルート言われなくてもピカピカにしてやる!
ドライゼそうか。では……励むように。
ジーグブルート監視なんざいらねぇ!
主人公【なんだか懐かしいやり取りだ】
【ここにも慣れてきた?】
ジーグブルートまあな。
腑抜けた奴らを見ると苛つくが。
ジーグブルート……なあ、〇〇。
ジーグブルートちゃんと言ってなかった気がするから、
この機会に言っとく。
……その、ありがとな。
主人公【どういたしまして】
【こちらこそ、ありがとう】
ジーグブルート……おう。
ジーグブルートなあ、〇〇。
トルレ・シャフの『鞭』スケレットと、ガンマだったか。
……そいつの情報が入ったら、俺に知らせろ。
ジーグブルート(あいつを……スケレットの野郎をぶっ殺すまで、
俺は死ねない……!)
ジーグブルートあいつとの決着をつけなきゃいけねぇんだ。
主人公【了解】
【一緒に頑張ろう】
ジーグブルート……ああ。

〇〇とジーグブルートは拳をぶつけ合った。

ジーグブルートこれから、よろしく頼む──マスター。

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