そして──……
ミュンヘン奪還作戦が幕を開ける。
ドライゼ | 諸君! |
---|---|
ドライゼ | 本日、これよりミュンヘン奪還作戦を開始する。 ミュンヘン基地の奪還は我々の悲願であった。 |
ドライゼ | ここまでは決して平坦な道ではなかった。 多くの功績があり、多くの犠牲があった。 ……その1人である貴銃士、ジーグブルートはここにはいない。 |
ドライゼ | マスターを同じくするゴーストも、本作線への参加はない。 だが……〇〇の尽力のおかげで、 多くの貴銃士が我々に力を貸してくれる。 |
ドライゼ | 多くの犠牲と健診に報いるためにも、我々は必ずや! ミュンヘンを取り返す! ミュンヘンに平穏を取り戻す! |
ドライゼ | 諸君の日頃の鍛錬は、今日この日のためである。 健闘を祈る……ドイツに平和を! |
ドイツ支部兵士たち | Jawohl!! |
ライク・ツー | いよいよだな……。 |
十手 | ああ……正念場だ! |
ミュンヘンへ向けて進軍が始まる。
ミュンヘン基地が近づくにつれて、アウトレイジャーの数が増え、
次々に襲い掛かってきた。
ライク・ツー&グラース | 絶対非道……──心銃! |
---|---|
アウトレイジャー | グアアァ!! |
ドライゼ | 〇〇たちがアウトレイジャーを制圧している! 各部隊、侵入経路を開け! |
十手 | 援護は俺たちに任せてくれ、絶対高貴! |
アウトレイジャー | 殺ス……破滅、ヲ……! |
タバティエール | ──心銃! |
ドイツ支部兵士たち | ドライゼ特別司令官! 各隊、ミュンヘン基地を包囲しました! |
主人公 | 【アウトレイジャーも減ってきた】 【あと少しだ!】 |
ドライゼ | 一気に前進! |
ドイツ支部兵士たち | うおおお!! |
アウトレイジャー | 殺ス……破壊、スル……! |
ドライゼ | ……絶対高貴! |
エルメ | ──絶対非道! |
ドライゼ&エルメ | 心銃! |
ドイツ支部兵士1 | アウトレイジャーの消滅を確認! 新たなアウトレイジャーも確認できません! |
グラース | ……! 見ろよ、基地から敵が白旗を上げて出てきた! |
親世界帝派組織の構成員たちがミュンヘン基地を放棄し、
次々と投降してくる。
ドライゼ | 各班、基地内の確認を! |
---|---|
無線 | A班、残党を認めず! |
無線 | Alles klar! 基地の奪取に成功しました! |
ライク・ツー | ……これで本当に終わりか? |
マークス | 案外あっさり終わったな……。 |
エルメ | 斥候部隊から不確定情報として伝えられていたけれど、 戦力がかなり削れていたようだね。 |
ドライゼ | 下振れを期待せず万全の戦力で臨んだからこその成果だ。 皆、よくやってくれた。 |
ドライゼ | ……本時刻をもって、ミュンヘン基地奪還作戦を完了する。 |
ドイツ支部兵士たち | うおおおおーーっ!! |
ドイツ支部兵士1 | これでドイツの内乱が終わるんだ! |
ドイツ支部兵士2 | ベルリンに戻れるぞ! 祝勝だ!! |
主人公 | 【おめでとう!】 【ついにやりとげたんだ……!】 |
ドライゼ | ああ、ありがとう。マスター。 ……それに、皆も。君たちの助力のおかげだ。 |
エルメ | 俺たちは……諸々の処理で、しばらくかかりきりになりそうだ。 まだ油断できないしささやかなものになるけど、 祝勝会が行われるはずだから、君たちは先に楽しんでいて。 |
ドライゼ | 皆、喜びはひとしおだろうが、 再度の基地占拠を狙う残党がいないとも限らない。 油断せず、ほどほどに楽しんだあとは十分に休養を取るように。 |
ドイツ支部兵士たち | Jawohl!! |
エルメ | ……ああ、その前に。 〇〇、ちょっといい? |
マークス | おい、なんだ。 俺にも聞かせろ。 |
エルメ | すぐに終わる話だよ。 ────……、……………………。 |
主人公 | 【…………】 【……わかった】 |
ドライゼ | それでは、のちほど。 ……マスター、いろいろと迷惑をかけたな。すまない。 |
ジョージ | おーい、〇〇! みんな! |
シャスポー | もう戦闘は終わったのか……! 駆けつけるのが遅くなってごめんね、〇〇。 あちらを手薄にするのも心配で、増援を待っていたんだ。 |
タバティエール | 正しい判断だったと思うぜ。 こっちは案外スムーズに終わったしな。 |
グラース | あっけないくらいにな。 そっちも特に問題はなかったのか? |
ジョージ | ああ、駆けつけてすぐ薔薇の傷は治したぜ。 それで……これ、持ってきた。 |
ジョージが〇〇に、
透明な結晶を手渡した。
主人公 | 【ありがとう】 【2人のお陰でなんとかなった】 |
---|---|
シャスポー | ……ねぇ、〇〇。 こちらは快勝だったんだよね……? 彼らはどうして浮かない顔をしてるんだい? |
ジョージ | え? |
シャスポーが見つめる先に、
深刻そうな顔で話し込んでいるドイツ支部の兵士たちがいた。
ドイツ支部兵士1 | なあ、聞いたか。ジーグブルートさんの処分……。 『不名誉除隊処分』だけど……貴銃士だから、破壊だって。 |
---|---|
ジョージ | ……!? 破壊って!? それ、詳しく聞かせてくれ! |
──その頃、ドライゼとエルメは、
近隣の工場にDG36を持ち込んでいた。
ドライゼ | ……やってくれ。頼む。 |
---|
係員が頷き、切断機にDG36の銃身が乗せられる。
プシュッ、プシュッという音とともに油圧プレスが降りると、
DG36の銃身はあっけなく切断された。
ドライゼ&エルメ | …………。 |
---|
ミュンヘン基地では、ささやかな祝勝会が行われていた。
だが、ジーグブルートについての噂が広まっているようで、
兵士たちの中には複雑そうな表情の者もいる。
ジョージ | ドライゼとエルメは、 ジーグブルートをどうするかの話し合いに呼ばれてんのかな。 早く直接確かめないと……。 |
---|---|
エルメ | ……マスター、お待たせ。 祝勝会は楽しめている? |
ジョージ | ドライゼ、エルメ!! ジーグブルートのこと、本当なのか!? |
エルメ | なんのこと? |
シャスポー | 破壊されると噂になっている。 本当なのか? |
ドライゼ | ……本当だ。そして、既に処理は終わっている。 |
ドライゼが抱えていた箱を開いて見せた。
中には切断されたDG36の残骸が入っている。
シャスポー | うっ……! |
---|---|
ジョージ | そ、んな……!! |
エルメ | 度重なる規律違反とミュンヘン奪還を前にした脱走、 さらにはアウトレイジャー化して作戦直前の基地に現れ、 軍の重大な作戦を妨害した……。 |
エルメ | 大きな戦果はあげているが、 それを差し引いても処分が必要だと上層部は判断した。 ジーグブルートも、こうなるとわかっていただろう。 |
ジョージ | でも……こんな……! |
十手 | け、経緯はわからないが……! 俺が目にしたドライゼ君とジーグブルート君は、 思いをぶつけ合って、わだかまりが解けつつあったように思う。 |
十手 | それに、やり直せると言っていたじゃあないか。 なのに……その機会を与えなかったというのかい。 それは、あんまりじゃないか……っ。 |
ドライゼ | ……これまでも、貴銃士だからと寛大な処置が取られていた。 それを精算する時が来たというだけだ。 |
主人公 | 【皆に話しても?】 |
エルメ | …………。 そうするべきだと思ったなら、 〇〇の判断を尊重するよ。 |
ドライゼ | ……ああ。 |
主人公 | 【皆、こっちに来て】 【……大事な話がある】 |
〇〇はジーグブルートの処分について聞き
どよめく兵士たちを背に、
貴銃士たちと別室に移動した。
──翌日。
〇〇たちはベルリンに戻った。
街は戦勝ムードでお祭り騒ぎになっている。
〇〇がベルリンの一角にある家の戸を叩くと、
ダンロー・ユリシーズが出迎えてくれた。
ダンロー | やあ、久しぶりだね。 ミュンヘンでの活躍は聞いているよ。 |
---|---|
主人公 | 【会いたかったです!】 【お久しぶりです】 |
ダンロー | 元気そうで何よりだ。 君も、君の貴銃士たちも。 |
ダンロー | ……誰かにつけられてはいないな? さあ、入って。 |
ダンローの家は、すべてのカーテンが閉め切られていた。
シャスポーが手にしていたトランクを、テーブルの上に置く。
シャスポー | ……これを。 |
---|
トランクの中に入っていたのは、壊れていないDG36だった。
〇〇が銃身に触れる。
ジーグブルート | …………っ。 |
---|---|
ジーグブルート | ……ここは……? 俺は……そうだ、たしか、アウトレイジャーになって……。 |
主人公 | 【無事でよかった】 【やっと、ちゃんと話せるね】 |
ジーグブルート | ……俺はどうなったんだ? |
ダンロー | ……君にはドイツ支部上層部から破壊命令が下った。 |
ダンロー | だが、内密にドライゼ殿とエルメ殿から私に依頼があった。 ……すり替えて保管してある君の銃を、 改めて〇〇君が召銃する場を提供してほしいと。 |
主人公 | 【破壊されたのは、壊れた別の銃だ】 【これからよろしく】 |
ジーグブルート | ……じゃあ俺は、あいつらに助けられたってことか? |
ジーグブルート | ふざけんな、こんなの……生き恥を晒すだけじゃねぇか! どうして助けた! 何故ぶっ壊さなかった……! |
ジーグブルート | 無様にもアウトレイジャーになりかけて…… 何もなかったフリしてまた貴銃士をやれってのかよ!! |
主人公 | 【彼らがジーグブルートを壊せるはずがない】 【2人ともジーグブルートを大事に思っている】 |
ジーグブルート | …………。 んなこと、言われたって……。 |
ダンロー | 複雑な思いはなかなか消えないだろう。 ……私には、それがよくわかる。 |
ダンロー | ……過去の罪を贖うために、自分の罪の意識から逃れるために、 私は〇〇君を支援していた。 |
ダンロー | 罪は消えない。しかし顔向けできないと思いつつ、 湧き上がる愛情も愛着も消せはしなかった。 支えたいのに自分が支えられてもいて……。 |
ダンロー | 過去は不変だが、その上に積み重ねていく未来は未知数だ。 君たちは、新しい、明るい未来への一歩を 踏み出し始めたのではないかな。 |
ダンロー | それを、過去を理由にして頭ごなしに否定するのは、 とてももったいないことのように思えるよ。 |
ジーグブルート | …………。 |
ジーグブルート | 一番俺を認めてねぇのは、俺自身……か。 くそ、でくのぼうのくせに……痛いとこ突きやがって……! |
ジーグブルートが落ち着いたのを見計らって、
〇〇は声をかける。
主人公 | 【街で会ったあと何があった?】 【基地に現れるまでに何が?】 |
---|---|
ジーグブルート | ……俺が間抜けな馬鹿野郎だったってだけの くだらねぇ話さ。 |
ジーグブルート | トルレ・シャフの貴銃士のおべっかに乗せられて、 気の合うダチだと思い込んでた。 |
マークス | トルレ・シャフの貴銃士……!? |
ジーグブルート | ああ、スケレットってやつだ。 |
ジョージ | そいつって……! |
主人公 | 【トルレ・シャフの『鞭』の貴銃士だ】 【彼らと以前に戦ったことがある】 |
〇〇はジーグブルートに、
ガンマとスケレットとの戦いについて情報を共有した。
ライク・ツー | マスターと貴銃士のペアで動く トルレ・シャフの戦闘部隊『鞭』……その一員だ。 |
---|---|
ライク・ツー | 幹部級であるスケレットが組織を抜けるとは考えにくいぜ。 |
ジーグブルート | はっ……あいつの言葉通り、 最初から全部ウソだったのか。 |
ジーグブルート | 本当に……俺は馬鹿だ。 |
ジーグブルート | 俺のことを認めさせてぇっていう弱い心につけ込まれた。 破壊されたことになってんのもちょうどいい。 ……俺は出ていく。どこか遠くへ。 |
主人公 | 【フィルクレヴァートに来ればいい】 【一緒にやり直そう】 |
ジーグブルート | 何言ってんだ。 こんな貴銃士を引き取っても、なんもメリットはねえぞ。 |
主人公 | 【ジーグブルートの力が必要だ】 |
〇〇は、自分が戦う理由を話した。
世界帝軍に両親が殺されたことや、ヴィヴィアンの死、
今までの戦いのこと……そして、ダンローとのことなど。
ダンロー | 私が言うべきことではないかもしれないが……。 人はいつからでも、どこからでもやり直せる。 |
---|---|
ダンロー | それを私に教えてくれたのが、〇〇君だ。 |
ジーグブルート | …………。 |
ジーグブルート | だが……アウトレイジャーになりかけた貴銃士なんざ……。 |
シャスポー | ……聞き捨てならないな。 そんなことは、自分の弱さから逃げる理由にはならない。 |
シャスポー | どん底まで落ちたからこそ、ちゃんと向き合ってやり直せ。 ……それとも、DG36というのはそれができない銃なのか? |
ジーグブルート | それは……。 |
ジョージ | それにさ、お前のこといいやつだって、オレたちは知ってるよ。 またお菓子作ろうぜ☆ |
ジーグブルート | こんな……俺でも……。 |
ジーグブルート | ……わかった。 俺の力が必要なら協力してやる。 |
主人公 | 【これからよろしく!】 【ありがとう!】 |
ジーグブルート | ……おう。 |
〇〇たちはジーグブルートとともに、
ベルリン駅に向かった。
最初から同行しているジョージとシャスポー以外は、
一足先にフィルクレヴァート士官学校へ戻るのだ。
マークス | マスター! 俺も残りたいんだが!! |
---|---|
ライク・ツー | お前は授業受けないとまた補習になるぞ。 |
マークス | くっ……! |
主人公 | 【それじゃあまた何日か後に!】 【みんな、道中気をつけて!】 |
ジーグブルート | ……おう。 |
ジーグブルートたちが乗った列車を見送ってから、
〇〇たち3人は、
ベルリンにある世界連合ドイツ支部の本拠地に向かった。
ドライゼ | マスター。 ……例の件は、どうなっただろうか。 |
---|
〇〇はジーグブルートを召銃できたこと、
士官学校の仲間として他の貴銃士とともに帰還したことを
ドライゼとエルメに伝えた。
エルメ | そう。手間をかけたね。 これからはジグのこともよろしく。 |
---|---|
ドイツ支部通信兵 | ドライゼ特別司令官! 各国首相から戦勝の祝電が届いております! |
ドイツ支部通信兵 | リリエンフェルト家、ロドデンドロン家を始めとする 連合軍の支援者・支援団体からも続々と……! |
シャスポー | 世界中の大ニュースだ。 ミュンヘン奪還は、ドイツの悲願だったものね。 |
ジョージ | ドライゼたちはそれをやり遂げたんだな! よっ、ドイツのヒーロー! |
ドライゼ | やめてくれ、英雄などと呼ばれるべき存在ではない。 だが……こうして祝われると、 ようやくここまで来たのだと実感が湧いてくるな。 |
ドライゼ | 一段落はついたが、各地にはまだ親世界帝派の残党がいる。 新たな蜂起・武力行使が行われないよう、 今後も目を光らせる必要がある。 |
エルメ | そうだね。油断せずに警戒を続けよう。 |
主人公 | 【ドライゼ、エルメ、ひとまずお疲れ様】 |
ドライゼ | ……ああ。 |
ドライゼ | エルメ……俺たちは、できるだけのことはしたな。 |
エルメ | うん。君がいなければこの成果はなかったよ。 本当に、お疲れ様。 |
ドライゼとエルメは、固く握手を交わした。
人払いをしたあと、ドライゼとエルメとともに、
〇〇は今後のことについて会議をした。
ドライゼ | まず、ジーグブルートの件についてだが……。 『奴の銃本体は完全に破壊した』。 |
---|---|
ドライゼ | 〇〇は作戦参加中、 負傷兵が手にしていたDG36に触れたところ、 その銃から『第二のDG36の貴銃士』が目覚めた。 |
ドライゼ | それが、フィルクレヴァートに行った『ジーグブルート』である。 この旨は既に上層部を通じて連合軍や連合本部にも伝達済みだ。 |
シャスポー | そうか。 |
エルメ | ジグがああなった責任の一端は俺たちにある。 俺たちのやり方には……間違いがあったみたいだから。 |
ドライゼ | ……勝手な行動の裏に焦りがあることに気づかずにいた。 違った接し方をしていれば、何かが変わっていたかもしれない。 |
エルメ | 俺たちはもっと……ジグと話をしないといけないのかもね。 |
ジョージ | そう思ったんなら、きっと大丈夫だ! いつか超仲良しになれるぜ☆ |
エルメ | 超仲良し……はないだろうけど、 まあ……今よりはいい関係になれる可能性はあるかな。 |
シャスポー | ああ。君たちが彼に期待をかけていたからこそ、 という部分も伝わればいいんじゃないか? 期待していたからこそ、厳しくなりすぎた部分はあるだろう。 |
ジョージ | あと、ジーグブルートのことがキライじゃなくて、 ちゃんと大事だってことも伝わるとGOODだ! |
ドライゼ | む……大事でないとは言わないが…… 伝えると言っても、どうやって……? |
エルメ | 難題だね……。 何かプレゼントをしてみるとか……? |
ドイツ支部中将 | 失礼、少しよいかな。 |
ドライゼ | 中将殿。 |
その場にいた全員が敬礼で中将を迎える。
ドイツ支部中将 | 間に合ったようで何よりだ。 〇〇候補生に、私からも一言伝えたくてね。 |
---|---|
ドイツ支部中将 | ……〇〇君、 ミュンヘン奪還作戦でも力を尽くしてくれたこと、礼を言う。 戦場で君が触れたDG36が貴銃士として召銃されたそうだな。 |
ドイツ支部中将 | ドイツ支部では破壊命令を下したばかりで、 制式採用についても一部見直しを進めている……。 |
ドイツ支部中将 | そういった背景もあって、フィルクレヴァート所属のDG36に 任務の依頼をする機会はないかもしれないが、 君のDG36が活躍することを祈っているよ。 |
主人公 | 【ありがとうございます】 |
主人公 | 【ゴーストはどうなりましたか?】 【DG11は再召銃されたのでしょうか】 |
ドイツ支部中将 | その件だが……誰か、DG11を持ってきてくれ。 |
中将の手元にゴーストの本体らしき銃が運び込まれる。
中将は銃を、机の上にそっと置いた。
ドイツ支部中将 | ……現状、ドイツ支部においてゴーストの再召銃の予定はない。 異変を感じて自ら牢にこもっていたが、 アウトレイジャー化の兆候があったというからな。 |
---|---|
ドイツ支部において | ……以前はドライゼ特別司令官に同様の兆候が見られたが、 君のところではなんら問題なく過ごしているだろう? |
ドイツ支部中将 | ドイツ支部としては…… ゴーストも君に再召銃してもらいたいと考えている。 エルメ特別司令官補佐の話では、本人も希望していたとか。 |
ドイツ支部中将 | 〇〇君、君の意思を確認したい。 |
主人公 | 【承ります】 【お任せください】 |
〇〇は薔薇の傷が刻まれた手で、
そっとDG11に触れた。
ゴースト | ワッ……お、俺は……? |
---|---|
エルメ | 望み通り、〇〇が君の新しいマスターになったよ。 これまではジグと同じマスターで苦労もあっただろうけど、 これからは状況が変わるだろうね。 |
主人公 | 【これからよろしく!】 【自分がマスターでいいかな】 |
ゴースト | ありがとう、嬉しい……よ。 よろしくな……! |
ドイツ支部中将 | ん……? 〇〇君、私に何か言いたいことがあるのかね。 |
〇〇は、アウトレイジャーとトルレ・シャフの
関係について、何か掴んでいる情報はあるか尋ねた。
一同 | …………。 |
---|---|
ドイツ支部中将 | …………。 |
ドイツ支部中将 | 現在、調査中だ。 ミュンヘン奪還を成し遂げた今、 そちらの調査にもリソースを割けるだろう。 |
主人公 | 【何かわかったら教えていただきたいです】 【調査が進むことを願っています】 |
ドイツ支部中将 | ……ああ。 |
イギリスに出立する〇〇たちを、
ゴーストが見送りに来ていた。
ゴースト | それじゃ、また……な。 |
---|---|
ジョージ | うん、また! っていうか、ゴーストは一緒に士官学校には行かないのか? |
ゴースト | まだドイツ支部でやることがある……んだ。 そのうち俺も、ちゃんと士官学校に顔を出すから。 |
主人公 | 【待ってる!】 【いつでもおいで】 |
ゴースト | ありがとう、マスター。 ……本当に優しい……な。 |
ジョージ | See you! またパスタ食わせてくれよ! |
シャスポー | そうだね、シュペッツレだっけ? それも楽しみにしているよ。 |
ゴースト | ああ。 次に会うのは、士官学校……だな。 |
〇〇たちはイギリス行きの列車に乗り込んだ。
ゴースト | …………。 |
---|
??? | ゴースト、指令だ。 〇〇の貴銃士になれ。 |
---|---|
ゴースト | ……っ!? は……? |
??? | 〇〇が少数の貴銃士とともにドイツへ来たのは 絶好のチャンス……導きをかける予定だったが、 ドライゼとエルメが張りついていて隙がない。 |
??? | アプローチを変える必要がある。 ……頼まれてくれるな。 |
ゴースト | でも、〇〇の貴銃士になってしもうたら、 〇〇の薔薇の傷を治すまでは あの人の貴銃士には戻れへん。 |
ゴースト | あの人のとこに行くのが、これ以上遅くなるのは御免やで……! |
??? | 大丈夫だ、心配ない。 |
??? | 我々には『導き』がある。 近い未来、〇〇は我々のもとに降(くだ)る。 |
ゴースト | …………。 ……せやな。 |
ゴースト | ほんなら……わかった。 |
ゴースト | これでいいはず……これで……。 |
---|
トルレ・シャフ『杖』 | 輝きが集まりつつありますな。 ミュンヘンはもう用済み……。 |
---|---|
トルレ・シャフ『杖』 | もはや戦力を無駄に展開する必要もなし。 戦況はいくらでもひっくり返せることですし……ははは。 |
??? | ああ、この結晶さえあれば……! |
??? | …………。 |
??? | とはいえ、例の候補生には注意せねばならない。 ……奴は、勘がいい。 |
??? | そして、権力を恐れない。 故に突飛な行動を取ることもある。 厄介な手合いだ。 |
トルレ・シャフ『杖』 | しかし……どんなに頑なな心を持っていようが、 問題にはなりますまい。 |
??? | ああ……奴に『導き』を与えたならば、な。 |
スケレット | ふんふんふーん……♪ |
---|
車のボンネットに座って鼻唄を歌うスケレット。
そこへゆっくりと近づいてくる人影があった。
ガンマ | ……もう少しわかりやすいところに迎えに来んか、愚図めッ! |
---|---|
スケレット | あ、ガンマさん。遅かったすねー! 待ち長くて帰っちまおうかと思いましたよ~! |
ガンマ | ならば何か有意義な時間の使い方を考えろ! 私の出張中、何をしていたんだ!! |
スケレット | えー? 適当に暇潰ししてただけっすよォ。 |
スケレット | 俺はガンマさんと一緒に虫ケラぶっ潰すのが、 やっぱ1番性に合ってて楽しいし♥ ブハハハハッ!! |
士官学校にジーグブルートがやってきてしばらく経った頃。
ドライゼとエルメが士官学校を訪れた。
ジーグブルート | ったく、イギリス唯一の陸軍士官学校っていうから期待してたら、 生ぬるいもんだったぜ。 |
---|---|
ジーグブルート | 演習も座学も半端で拍子抜けだ! |
エルメ | ……そういうジグは宿題は終わってるのかな? |
ジーグブルート | うおっ……!? うるせぇな! 言われなくてもやってるっつうの!! |
ジーグブルート | そんなことよりお前……あの件、調べてんだろうな。 |
エルメ | もちろん。でも、どこに敵が潜んでいるかわからない。 慎重にならなきゃ……君はとにかく、ここで 掃除を頑張っていて。 |
ジーグブルート | はぁ? |
ドライゼ | 掃除当番がジーグブルートだと聞いたぞ。 ドイツ支部仕込みの掃除術で、塵、曇り1つない輝きを作り出せ。 |
ジーグブルート | 言われなくてもピカピカにしてやる! |
ドライゼ | そうか。では……励むように。 |
ジーグブルート | 監視なんざいらねぇ! |
主人公 | 【なんだか懐かしいやり取りだ】 【ここにも慣れてきた?】 |
ジーグブルート | まあな。 腑抜けた奴らを見ると苛つくが。 |
ジーグブルート | ……なあ、〇〇。 |
ジーグブルート | ちゃんと言ってなかった気がするから、 この機会に言っとく。 ……その、ありがとな。 |
主人公 | 【どういたしまして】 【こちらこそ、ありがとう】 |
ジーグブルート | ……おう。 |
ジーグブルート | なあ、〇〇。 トルレ・シャフの『鞭』スケレットと、ガンマだったか。 ……そいつの情報が入ったら、俺に知らせろ。 |
ジーグブルート | (あいつを……スケレットの野郎をぶっ殺すまで、 俺は死ねない……!) |
ジーグブルート | あいつとの決着をつけなきゃいけねぇんだ。 |
主人公 | 【了解】 【一緒に頑張ろう】 |
ジーグブルート | ……ああ。 |
〇〇とジーグブルートは拳をぶつけ合った。
ジーグブルート | これから、よろしく頼む──マスター。 |
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