メインストーリーⅠ:第11話~第15話

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第11話:マークスとライク・ツー1

ラッセル山の麓には、タントケールという廃村がある。
ラッセルいまは無人のはずだが、
そこを拠点にしている可能性も考えられる。
ラッセル複数のアウトレイジャーが潜伏しているかもしれない。
十分に注意して──
UL85A2御託はいいから、さっさと行かせろ。
おい、もっとスピード出ねぇのか!
運転手ヒッ……!
す、すみません!
ラッセル君、無茶を言うな。かなりの悪路だぞ!
これでもできる限り速度は出させている。
ラッセルすまなかったな。
運転に集中してくれ。
運転手はいっ!
UL85A2……ったく、雑魚どもが……。
で? あと、どれくらいで着くんだよ。
ラッセル……2時間だ。
UL85A22時間……!?
UL85A2はぁ~っ、やってられねぇ!
この狭苦しいショボい車内で、2時間か。
UL96A1なぁ、男。
ラッセル男、ではない。私の名前はラッセルだ。
UL96A1……どうでもいい。
ラッセルどうでもよくない!
UL96A1とにかくだ。
俺はできればマスターの隣に座りたい。
UL96A1俺はマスターの銃だ。
もちろん、マスターさえよければ……だが。
ラッセルほう?
どうする、〇〇君。
主人公【そうしたいなら、どうぞ】
【もちろん、いいよ】
UL96A1ありがとう、マスター。
ラッセルマスターの銃、か。
ラッセル〇〇君。
君は本当に、彼を……
UL96A1を大事にしていたんだな。
ラッセルしかし──彼らの名前は少し呼びづらいな。
主人公【ニックネームが必要かもしれません】
【呼び名を作りましょう】
UL96A1マスターが、俺に名前をつけてくれるのか?
主人公【UL96A1のプロトタイプにちなんで……】
【マークス、なんてどう?】
マークス……マー、クス。
マークスマークス。
今から俺の名前は、マークスだ。
マークスありがとう、マスター。
UL85A2けっ。
ラッセル君の方はどうする?
UL85A2どーでもいい。
ラッセルUL85A2は先の革命戦争中は、
「ライク・ツー」と呼ばれていたそうだが……。
UL85A2…………。
ラッセル世界帝軍の貴銃士と同じというのは、
さすがに縁起が悪い。
ラッセル別の名前に変えた方がいいな。
UL85A2……いや。
そのままの方が、都合がいい。
UL85A2トルレ・シャフってのは世界帝派の組織なんだろ?
UL85A2俺の名前を──「ライク・ツー」の名前を聞いて、
向こうから接触してくるかもしれない。
UL85A2まあ、ノコノコやってきたところを、
ボッコボコにしてやるけどな。
ラッセルしかし、いいのか?
逆に連合軍からは誤解される可能性もある。
ライク・ツーああ、構わない。
俺の名前は、ライク・ツーだ。
ラッセル……そうか。
ともかく、これで決まりだな。
ラッセルそれじゃあ、マークス、それにライク・ツー。
ラッセル俺はラッセル・ブルースマイル。
世界連合軍の曹長。
そして、フィルクレヴァート連合士官学校の教官だ。
ラッセル改めて、よろしく!
マークス&ライク・ツー…………。
ラッセル…………。

第12話:マークスとライク・ツー2

ラッセルが差し出した手は宙に漂い、
車内には沈黙が流れた。
……ラッセルの笑顔が凍っている。

主人公【ほら、握手して】
【教官に失礼だよ】
マークス…………。
よろしく。
ライク・ツーよろしくおねがいしまーす。
……チッ。
ラッセルあ、ありがとう……。
ハハハ……。
全員…………。
ラッセル……とにかく。
アウトレイジャーは危険だ。
現地に着く前に、できる限り対策を講じたい。
ラッセルマークス。
アウトレイジャーと戦った時の状況を教えてくれ。
マークス……はっきりとは覚えていない。
マスターに呼び覚まされてすぐ、
目の前の敵を無力化するために動いた。
マークスだが、奴に俺の銃弾は──効かなかった。
何か特殊な膜で防衛しているような……
そんな感じだった。
マークス手間取っているうちに、
奴らのうちの1人を取り逃がした。
そいつがマスターへ銃口を向けて──
アウトレイジャー──殺ス。
マークス(しまった! このままだと、マスターが──)
マークス(いや、だめだ! 絶対にそうはさせない。
何をしても、どんな手を使っても、
目の前の敵を──殺す!)
マークスそう決意したとき、声がしたんだ。
地鳴りっつーのか……? そういう、
低くて歪でぞっとする声──そいつが俺に言った。
マークス「どんな手段を使っても、
どんな代償を払っても、
何かを成し遂げるだけの力が欲しいか」……って。
マークスどこから聞こえたのかわからない。
それが正しかったのかもわからない。
だけど、俺は無我夢中でその力に手を伸ばした。
マークス──『絶対非道』。
マークス……で。
そっから先は、マスターも見ていてくれた通りだ。
ライク・ツー……絶対、非道……。
ラッセルふむ……
マークス、1つ質問をしていいか。
ラッセルなぜ君は、そこまで〇〇君を
大事に思っているんだ?
マークス……? 質問の意味がわからない。
マークス俺はマスターのために貴銃士として生を得た。
マスターのためにならなくて、なんになる?
マークスマスターは、俺を手にしたその日から、
俺のことを本当に大切にしてくれた。
メンテナンスを一日だって欠かしたことはない。
マークス時にはマスター自身よりも
俺のことを大事にしてくれていたんだ。
マークスだから、俺はマスターを守りたい。
どんな手段だろうと、何をしてでも、絶対に。
マークスそのために、俺は誰も信用しない。
アウトレイジャーも、カサリステも。
マークス……お前らもな。
ラッセル…………。
マークスカサリステに手を貸すことは、マスターが決めた。
だから、俺はそれに従う。
マークスだが、俺とマスターの邪魔にならないように動けよ。
いいな?
ライク・ツーはぁー……。
ラッセル……ははは。ご忠告どうも。
なるほどね。よくわかったよ。
ラッセルライク・ツー、君にも聞いておきたい。
君にとって一番大事なものはなんだい?
〇〇君ではなさそうだが……。
ライク・ツー…………。
…………めーよばんかい?
ラッセル……えっ?
ライク・ツー……なんでもない。
そんな話、今はどーだっていいだろうが。
ライク・ツー……とりあえず、そうだな。
ライク・ツーこいつみたいに暑苦しいこと言うつもりはないけど、
少なくとも、マスターを死なせることはねぇよ。
ライク・ツーこいつが死ねば、俺も消えることになるからな。
マスターと貴銃士ってのはそういうもんだ。
ライク・ツー──それに。
ライク・ツー俺が今からぶっ殺しに行くのは、
こいつの親友の仇なんだからな。
ライク・ツーきょーりょくかんけー、ってやつだ。
だろ?
主人公【そうだね】
【ありがとう】
ラッセル協力関係、いい言葉だな。
私にもかつてそういう仲間が……。
ライク・ツーあ、そういうのいいんで。
ライク・ツー俺、聞かれたことには答えたし。
はい、無駄話はおしまーい。
ラッセルう……。
ラッセルこれでも一応、校内では
人望のある方だと思っていたんだが。
ラッセルさすが、貴銃士様というべきか……。
ラッセル今のは……!?
ライク・ツーおい、外を見ろ。
あれは……。
アウトレイジャー…………。
マークス──アウトレイジャーだ!

第13話:仕組まれた罠

マークス──アウトレイジャーだ!
ラッセルなんだって!
運転手お前ら、手を挙げろっ!
ラッセル……!?
ど、どうして私たちに銃を向ける!?
そ、そんな、どういうことだ……。
ライク・ツーおらっ!
運転手ぐはっ!?
ラッセルライク・ツー!
た、助かった。
ライク・ツー……はーぁ。
これだから雑魚は。
最初から、こいつがグルだったんだよ。
ラッセルなに!?
ライク・ツー外、見てみろよ。
道が一本ズレてんだろ。
ラッセルなっ!?
……ほ、本当だ。
ライク・ツーさっきの分かれ道で、
タントケール行きの標識を無視して走ってただろ。
ライク・ツーまさかとは思うが、気づいてなかった
……とか言わないよな?
マークス……くそっ。
俺としたことが……!
ラッセル…………。
ライク・ツー……ハァ。
なんでこんな雑魚どもと一緒に……。
おら、とっとと外の奴ら片付けんぞ。

 

第14話:ガスマスクの襲来1

マークス──絶対非道!

マークスの放つ力が、アウトレイジャーたちを
無力化していく。

右手に、あの激痛が走る。

まるで、突き刺されるような──
激しい苦痛が全身を蝕むような感覚に、
思わず腕を押さえる。

マークスのまとう絶対非道が禍々しさを増すたびに、
力を吸い取られているような、意識が遠くなるような、
そんな感覚に陥っていく。

ラッセルな、なんだこの戦いは……っ!
ありえない、俺の理解を超えている!
マークスマスターに危害を加える奴は、全員俺が──
ライク・ツー待て、やめろ!
ライク・ツー〇〇の様子がおかしい。
薔薇の傷跡が開いて……出血してる!
マークス…………!
ライク・ツーどんな手段を使っても、
どんな代償を払っても……そういうことか。
ライク・ツー絶対非道の代償は、マスターの生命力だ。
マークスなっ……!?
ライク・ツー自分の主人であるマスターの命を削ってでも、
この瞬間を乗り切りたい……
それが絶対非道っつーわけ……。
マークスそ、それじゃ、俺は……。
主人公【自分のことは、気にしないで……】
【大丈夫……!】
マークスだ、だがマスター、俺は……。
俺は、マスターを傷つけるわけには……ッ!
アウトレイジャーたちぐッ!?
な……ぁ……っ!
ライク・ツー&マークス!?
マークスいったい誰が……!
ラッセルっ、あれを見ろ!
???…………。
???よォ~、コンニチハぁ。
???……貴様らが我らが秘宝を盗んだ罪人か。
ライク・ツー貴銃士……。
ラッセル貴銃士!?
さっきのもこいつがやったのか!?
???……愚かな。
???愚かなァァァァッ!!
???我らトルレ・シャフの邪魔だてをするとは!
これだから愚民というものは駄目なのだ。
???他人の不幸を想像もせず、
無知を恥じらうこともせずのうのうと生を貪るばかり!
???出た、出た。
ガンマ様の時間の無駄トーク。
???殺せばいいんだよォ~、ゴミなんて。
ラッセルな……なんだこいつらは!?
常軌を逸してるぞ!
ガンマ痛みを知らぬ愚民には躾をしなくてはァッ!
唸れ、我が鞭よ!
ガンマ我が名はガンマッ!
偉大なる世界帝、羊飼いの──鞭ッ!
ガンマ行くぞ、スケレット!
スケレットへいへい。
ガンマ躾ッ、躾だ!!
スケレットちょろちょろ逃げんなよ~ウジ虫ども!

第15話:目覚め

全員……!?
マークスこいつ……強いぞ!
ラッセル聞いたことがある……。
トルレ・シャフの構成員は杖、笛、鞭という3つの
役職に分かれており、鞭はその中でも戦闘部隊……!
ラッセル貴銃士とマスターのペアで行動し、
有事の際にはその強い殺傷能力で
目標を完全に破壊し尽くすという……!
ライク・ツーじゃあ、敵の中でもやる気のある奴ってことかよ!
こんな時にラッキーだなぁ、おい!
スケレットだーかーら、逃げんなって!
かかって来いよオラぁ!!
はっはっはァ!!
マークスぐあっ!
ライク・ツーマークス!
ライク・ツーチッ。おい、なんだよこの状況。
こんなところで終わるわけにはいかねぇっつーの!
ライク・ツー貴銃士になった目的を、俺はまだ……
何も……!

──ガ──シイカ──

ライク・ツー……っ!

──ドンナ手段ヲ使ッテモ、
ドンナ代償ヲ払ッテモ──

何カヲ成シ遂ゲルダケノ力ガ欲シイカ──

ライク・ツーお前か……待ってたぜ。
ああ、そうだ……力が欲しい。
どんな手を使ってもいい。
ライク・ツー〇〇、耐えろよ!
ライク・ツーどんな手段を使っても、俺は……、
僕は二度と、負け犬にはならないっ!
ライク・ツー──絶対非道!

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