ガンマ | な、んだと……! ぐぐぐぐ愚民がッ! ぐぐぐぐぐ愚民が我が鞭をォッ!! |
---|---|
ガンマ | のぐああああァァァッ!!! |
トルレ・シャフ構成員1 | いたぞ、貴銃士とマスターだ! |
トルレ・シャフ構成員2 | だいぶ弱っている。 好都合だ、このまま連行するぞ! |
マークス | マスター!!!! |
マークス | うおおおおぉっ!!! |
トルレ・シャフ構成員1 | うわぁっ! |
ライク・ツー | 埒が明かねぇ。 逃げるぞ! |
ライク・ツー | おい、ラッセル、腰抜かしてる場合か! 車出すぞ、お前らも乗れっ!! |
マークス | マスター、こっちへ! |
ライク・ツー | よし、乗ったな。 急げ、飛ばすぞ! |
ガンマ | あ!! 愚民が逃げたッ! ぐ、愚民に逃げられただとぉおッ!! |
スケレット | ……う、ぅっ。 |
ガンマ | スケレット、貴様ッ、立てッ! 膝をつくことを私は許可していないッ!! 立てッ! 立つんだァッ!! |
スケレット | ぐっ、……ぁ、 クソったれ……っ! や、やめてくれ、ガンマ! |
ガンマ | あの、愚民ども……ッ! 次に会った時には、骨身に染みるまで── たっぷりと躾をしてやるゥゥゥゥ!! |
山道を走ることしばらく……。
追っ手を完全にまいたことを確認し、
ライク・ツーは車を止めた。
マークス | マスター、大丈夫か? すまない……俺のせいで……! |
---|---|
主人公 | 【なんとか大丈夫……】 【マークスたちの方こそ、怪我は?】 |
ラッセル | 私は問題ない。ライク・ツーも。 マークス、君は? |
マークス | 俺は問題な……っ。 |
マークス | く……ッ……。 |
腹部を抑えるマークスの手をどかすと、
そこは血に濡れていた。
弾が掠って、脇腹から出血したようだ。
主人公 | 【大変だ】 【手当てをしないと……!】 |
---|---|
ラッセル | 備え付けの救急セットがあるはずだ。 今持ってくる! |
マークス | いや、俺のことより、マスターを……ッ。 |
ライク・ツー | ──手当てするなら。 |
ライク・ツー | こうして、手を当てるだけでいい。 |
ライク・ツーが自分の手をとって、
マークスの腹部に当てた。
すると──
ラッセル | なっ……傷が治ってる!? |
---|---|
マークス | ……!? |
ラッセル | 奇跡じゃないか……! これもマスターの力なのか!? |
主人公 | 【よか、っ……た……】 |
マークス | マスター!? マスター……! |
ライク・ツー | 顔が真っ青だ。 体温も低い。 ──まさか! |
ライク・ツー | ──まさか! |
---|---|
マークス | ……!? お、おいマスターに何をする! |
ライク・ツーが〇〇の上着を脱がせ、
シャツの袖を捲り上げると──
右手の薔薇の傷跡を起点として、
茨のような裂傷が腕を這い上がり、
肩のあたりまで達していた。
ラッセル | こ、これは……っ!? |
---|---|
ラッセル | なんだ、こんなの見たことないぞ。 まるで、茨のツタのような……。 |
マークス | マスター、痛いのか!? |
主人公 | 【だ、大丈夫……】 【痛くて、苦しい……っ】 |
マークス | おい、どうする!! こんなに苦しそうにしてるぞ! |
マークス | どうにか修繕できないのか!? |
ラッセル | わ、わからない……。 とにかく一度、カサリステに戻って詳細を……。 |
ライク・ツー | …………。 |
ライク・ツー | ……絶対高貴だ。 |
マークス | なに? |
ライク・ツー | 絶対高貴の力を使える貴銃士なら、 薔薇の傷を癒せるはずだ。 |
ラッセル | 絶対高貴……かつての革命戦争で、レジスタンスの 貴銃士たちが目覚めたという奇跡の力か。 ライク・ツー、なぜ君がそれを知ってる? |
ライク・ツー | んーと、……そんなことを、 ヴィヴィアンが言ってたのを聞いた気がする。 |
マークス | なんでもいい。 それでマスターを修繕できるんだな!? |
ライク・ツー | 治療な。 この世界に、絶対高貴になれる貴銃士はいないのか? |
ラッセル | 絶対高貴といえば、我らがイギリスの女王陛下の 貴銃士ブラウン・ベスだ。 |
ラッセル | ……しかし、王室は私的な面会は許可していない。 |
マークス | 俺だって貴銃士だ。 俺が絶対高貴になればいいんじゃないのか? 絶対非道にはなれたんだから! |
ラッセル | いや。世界帝が連れていた現代銃の貴銃士は、 誰一人として絶対高貴になれていなかったと聞く。 |
ライク・ツー | ……他には? 絶対高貴になれる奴。 |
ラッセル | すぐに思いつくのは、 パリの世界連合本部にいるシャルルヴィル。 |
ラッセル | たしか彼は、傷ついた人々を 絶対高貴で癒やしていると聞いたことがある。 |
マークス | それだ! |
ライク・ツー | じゃ、そいつのところに連れていくしかないな。 |
ラッセル | しかし、シャルルヴィル──彼も有名人だ。 彼のマスターはリリエンフェルト家の次期当主。 |
ラッセル | リリエンフェルトといえば、フランス系大富豪で、 世界の富の半分を所有していると言われるほどの 名門一族だ。当然、ガードも硬い。 |
ラッセル | ツテはあるにはあるが……うーむ……。 |
ライク・ツー | おいおい、迷ってる暇あんのか? こいつの顔色見てみろ、真っ青だぞ。 |
ライク・ツー | 死ぬ気で頼め。 ……得意なんじゃねーの? そーゆーの。 |
ラッセル | ……! |
ラッセル | ……わかった。 |
マークス | マスター……。 |
世界連合──
世界帝府が崩壊した後、世界の平和と秩序を司るべく
誕生した国際機関。
世界の実質的な統治機構として機能しているが、
独裁を招く危険性は慎重に避けており、
各国の代表が集って合議制の政治組織を構築している。
ここは、パリの世界連合本部。
各国から派遣された職員、政治家、
各機関の専門家が働く、世界で最も重要な建物の1つだ。
マークス | 大丈夫か、マスター。 自分で歩けるか? それとも俺がおぶるか? それとも── |
---|---|
ライク・ツー | おい、止まってんな。さっさと行け。 |
マークス | マスターの状態を確認してるんだ。 あんたは黙ってろ。 |
ライク・ツー | 俺なら有無を言わさず抱えて運んでやるね。 そっちの方が合理的だ。 |
ライク・ツー | それとも、そんな貧弱な筋肉じゃできないか? |
マークス | なんだと。 黙って聞いていれば、調子に乗りやがって……! |
ラッセル | ストップ、ストップ! |
ラッセル | 君たち、今は仲間割れをしている時ではないだろ。 少し抑えてくれ。 |
ラッセル | 今は〇〇君の治療が第一だ。 |
マークス | あのな。あんたに言われなくてもわかってる。 |
ラッセル | ならば、言い争いはやめてくれ。 |
マークス | …………。 |
ラッセル | そろそろ、時間だが……。 ……? |
??? | あら、本当に来たのね。 ずいぶん会ってないから、顔も忘れるところだったわ。 |
ラッセル | クラリス! |
ラッセル | いやぁ、久しぶりだね。 相変わらず、元気そうで嬉しいよ。 |
クラリス | 本当に珍しいことがあるものだわ。 シゴト一筋のあなたから連絡なんて。 |
クラリス | あなたがわざわざ連絡してきたってことは、 何か人に言えない頼みでもあるんじゃない? ねぇ? |
ラッセル | おっと……お見通しか。 君に隠し事はできないな。 |
ラッセル | では、単刀直入にいこう。 実は──貴銃士シャルルヴィルに会いたい。 |
クラリス | シャルルヴィル様に? |
ラッセル | ああ。 軍の機密に関わるので、詳しいことは話せないが、 〇〇君を助けるために必要でね。 |
クラリス | 〇〇……って、その子のこと? ひどい顔色じゃない! |
ラッセル | ああ。わけありで通常の治療ができない。 貴銃士の力が必要なんだ。 |
ラッセル | 頼む。 君はシャルルヴィルとは顔見知りだろう。 |
ラッセル | どうにか彼と顔を繋いでくれないかな。 ……昔のよしみで。 |
クラリス | ……はぁ。 まったく、どの口が言うんだか。 |
クラリス | まあ、いいわ。 若い子が苦しんでいるのを見て、 無視っていうのも寝覚めが悪いしね。 |
ラッセル | ありがとう、クラリス! このお礼は必ず。 |
クラリス | 期待しないでおくわ。 じゃあね。 |
ライク・ツー | ……へえ、会うの渋ってた割には、 問題なく終わったじゃん。 |
ラッセル | ん……いや、彼女、 会うたびに俺に見合いを勧めてくるんだ。 あの勢いには少々参っている。 |
ラッセル | ありがたいことだが、今は自分の結婚よりも 任務……生徒たちの育成を優先したいからね。 |
ラッセル | 生徒たちが立派に成長して巣立っていく姿をみるのは、 何よりの生きがいだよ。 |
ラッセル | それに、今受け持っているクラスは、 射撃大会の優勝者である〇〇君を筆頭に とても優秀だからね。 |
マークス | 当然だ。 |
ライク・ツー | いや、なんでお前が威張るわけ? |
ラッセル | それだけに、ヴィヴィアン君のことは 本当に残念だが……。 ヴィヴィアン君の分まで、君の巣立ちを見届けたい。 |
ラッセル | 必ず生きて学校に変えるためにも、 まずは身体を治さなくては、ね。 ──さぁ、行こう。 |
リリエンフェルト家使用人 | 連合軍からおいでの皆様ですね。 シャルルヴィル様からお話は伺っております。 |
---|---|
リリエンフェルト家使用人 | どうぞ、こちらへ。 私がご案内いたします。 |
マークス | …………。 |
ライク・ツー | ……ゴージャスじゃん。 |
ラッセル | 私も話には聞いていたが、実際に来たのは初めてだ。 さすがリリエンフェルト家……。 |
ライク・ツー | 大富豪一族ってわけ? |
ラッセル | ああ。もとはフランスから始まった家系だが、 今や世界中に一族が散っていてね。 |
ラッセル | 各国の民間企業、公的事業のトップに、 リリエンフェルト家出身者が数多くいる。 それこそ、ありとあらゆるところに……ね。 |
ラッセル | 一族で世界の富の半分を所有する、というのも あながち大げさな言い方ではないんだ。 |
ラッセル | 革命戦争の頃から秘密裏にレジスタンスを支援し、 現在は世界連合に対しても、 莫大な出資をしているわけで──。 |
ライク・ツー | ふぅん。 金も出すから、口も出す……ってとこか? |
リリエンフェルト家使用人 | …………。 |
ラッセル | ……この場ではノーコメントだな。 |
マークス | おい。 リリエンなんとかのことはいい。 |
マークス | まだなのか……。 シャルル……絶対高貴になれる貴銃士は。 |
主人公 | 【怒ってる?】 【焦ってる?】 |
マークス | …………。 胸のこのあたりが、ジリジリする。 |
マークス | マスターがつらそうなのに、 俺には何もできないのがムカつく。 俺は、助けてもらったのに……。 |
マークス | …………。 俺が、絶対高貴になれれば……! |
マークス | そうしたら、 すぐにでもマスターを助けられるんだ。 |
マークス | それなのに、俺は……。 |
ライク・ツー | うっざ。 たらればの話しても仕方ねぇだろ。 ……お前にできることの方を考えれば? |
マークス | …………。 |
リリエンフェルト家使用人 | お待たせいたしました。 シャルルヴィル様が部屋の中でお待ちです。 |
??? | はーい、開いてるよー。 |
---|---|
??? | Bienvenue! |
??? | 遠いところからよく来たね! イギリスのマスターと貴銃士さん。 |
シャルルヴィル | ボクはシャルルヴィル。 リリエンフェルト家次期当主、 ロジェ様に呼び覚まされた貴銃士だよ! |
シャルルヴィル | リリエンフェルト家の祖先が 戦場で使用した由緒正しいマスケット銃さ。 よろしくねっ! |
マークス | こ、こいつが……? |
ライク・ツー | うわ……久々だなこのキラキラした感じ。 むしょーに腹が立つ……。 |
ラッセル | ふ、2人とも何を言っているんだ!? シャルルヴィル様! お時間をとっていただき、ありがとうございます。 |
ラッセル | 世界連合軍のラッセル・ブルースマイル曹長です。 突然の訪問、申し訳ございません。 |
ラッセル | 実は折り入って相談させていただきたいことが……。 |
マークス | おい! |
マークス | あんた、絶対高貴で人間を癒やしているってのは、 本当なんだろうな? |
ラッセル | ちょ! だから……っ! |
シャルルヴィル | あれ、ボクの挨拶を無視? ふーん……ま、いいけど。 |
シャルルヴィル | その質問の答えは、「Oui!」だね。 絶対高貴でみんなを癒やすのが、ボクの役目さ。 |
マークス | そうか。 じゃあ話は早いな。 |
マークス | マスターを助けてくれ、すぐに! 右手から胸まで……とにかく酷い傷なんだ。 |
ラッセル | 薔薇のツタのような、特徴的な傷です。 貴銃士の絶対高貴なら癒せると聞いて お願いに上がりました。 |
シャルルヴィル | ああ……そうだね。これは辛そうだぁ。 |
マークス | もう、立っているのもやっとなんだ。 今すぐ絶対高貴になって、治療を── |
シャルルヴィル | だけど……ボクの治療は 1年先まで予約でいっぱいなんだよねぇ。 |
マークス…… | ……えっ? |
シャルルヴィル | ボクの絶対高貴で癒やされたいっていう人は フランス中、いや世界中にたくさんいてさ。 常に順番待ちなの。 |
シャルルヴィル | わざわざ来てもらったのに、 役に立てなくて本当にごめんね。 |
マークス | ……は? よ、予約? ……んなこと知るかよ! |
マークス | 今やればいいだろ、今! |
シャルルヴィル | うーん、それも無理。 ボクのマスター……ロジェ様って、 すっごくソクバクが激しくってさ。 |
シャルルヴィル | 勝手に絶対高貴の力を使うなって、 しつこく言われてるんだ。 |
シャルルヴィル | だから、ごめんね? |
マークス | ……! |
マークス | ふざけるな! マスターにこのまま死ねってことか!? |
シャルルヴィル | …………。 |
シャルルヴィル | ううん、ボク、そんなこと言ってないよ。 |
マークス | ……? |
シャルルヴィル | ボクが絶対高貴で治療してあげるのは無理だけど、 方法はいくらだってあるさ。 |
シャルルヴィル | ──絶対高貴がないなら、 貴銃士を増やせばいいじゃない! |
全員 | ……はぁ? |
シャルルヴィル | どーぞ。 ここが武器の収蔵庫だよ! |
---|---|
シャルルヴィル | 世界中の剣、盾、槍……それに古銃。 なんでもあるよ。すごいでしょ。 |
シャルルヴィル | ボクもここでずーっと眠ってたんだ。 |
ラッセル | これはすごいですね! 壮観だ……。 |
収蔵庫にある武器は、ほとんどが古美術品のようだ。
大きなガラスケースの中には、
古銃がずらりと並んでいる。
士官学校で使用する現代銃とは、
まったく違う扱われ方だ。
保管されているというより、飾られている。
そういう表現が似合うだろう。
シャルルヴィル | ここは武器のコレクションルームだけど、 他にも絵画、工芸品、彫刻……なんでもあるよ。 |
---|---|
ラッセル | シャルルヴィル様。 風の噂に聞いたことがありますが、 もしかしてこのコレクションは──。 |
シャルルヴィル | クレマン・ド・リリエンフェルト── ロジェ様のお祖父様のコレクションさ。 |
シャルルヴィル | 文化芸術を愛していたクレマン様は、 こうやってあらゆる美術品を収集しては 戦火から守ってたんだって。 |
シャルルヴィル | 世界帝の統治時代も、ね。 |
ライク・ツー | このピストル……ダイヤが埋め込まれてる。 |
シャルルヴィル | ここの収蔵庫の他にも美術館と、……えーっと。 美術振興財団? っていうのがあるみたい。 |
ラッセル | これほどの規模だが、 ここはあくまで私的な収蔵庫ということか……。 |
ラッセル | 目の当たりにすると、凄まじい財力だな。 |
マークス | マスター、大丈夫か? 辛そうだ……。 |
主人公 | 【……なんとか】 【大丈夫……】 |
マークス | …………。 |
マークス | ……マスター。 俺に掴まってくれ。 |
主人公 | 【ありがとう】 【助かるよ】 |
シャルルヴィル | …………。 君たち、仲いいんだ。 |
マークス | ああ、当然だ。 |
シャルルヴィル | ふぅん……。 |
シャルルヴィル | ……さて! この中から、好きな古銃を選びなよ。 この辺はドイツ……いや、プロイセンの古銃かな。 |
シャルルヴィル | こっちはフランスの古銃だよ。 この2挺は名前を聞いたことがあるかな? シャスポーとタバティエール。 |
シャルルヴィル | どちらも革命戦争で活躍した貴銃士と同じ銃だね。 ああ、もちろん、ここにある銃は貴銃士にならない、 ただの──同じ型の古銃だけど。 |
ライク・ツー | 革命戦争で貴銃士になった本物の奴らは どこへ行ったんだ? |
シャルルヴィル | 確か……銃の中でも、 量産銃は今もレジスタンスの元マスターが 大事に持ってる、って噂だよ。 |
シャルルヴィル | ただ、そのマスターが今どこにいるかは、 誰も知らないんだって。 |
シャルルヴィル | 世界帝が倒れて、新しい政府に移るゴタゴタの中で、 ふっと姿を消したらしいよ。 |
シャルルヴィル | ただ、一品銃は、借りていた元の美術館や 国に返していったんだ。 |
ラッセル | 量産銃は、 同じ型で大量生産された銃だからな。 個人が所有していても問題はない。 |
シャルルヴィル | そう。代わりならたくさんいるから。 君たちイギリスのブラウン・ベスとか、 ボク、シャルルヴィルもそうだね。 |
ラッセル | だが一品銃は、世界にたった1つだけのもの……。 一挺しか作られていない、希少な古銃だからな。 重要な文化財として、国が保有するべきだ。 |
シャルルヴィル | そう。革命戦争後、ナポレオンの愛銃だった 一品モノのフリントロック式の銃4挺は、 フランスに返還されたんだ。 |
シャルルヴィル | ナポレオンに、ラップ、 ……2丁拳銃のニコラとノエル。 |
シャルルヴィル | フランスのフォンテロープ宮殿に 厳重に保管されてるよ。 |
シャルルヴィル | あ、一品モノがいいなら、 今からフォンテロープ宮殿行く? ボクのコネで頼んであげるよ。 |
マークス&ライク・ツー | いや、フランス銃は嫌だ!! |
ラッセル | 君たち、初めて意見が合ったな……。 |
マークス | 正直、マスターを助けてくれるなら なんでもいいんだが……。 |
マークス | フランスの銃以外なら。 |
シャルルヴィル | ボクも一応フランス銃なんだけど……。 |
マークス | 他にいい銃はないのか? 奥にも何かありそうだが……。 |
マークス | このケースだけ布が掛かってるな。 ……これは……? |
収蔵庫の奥の方に押し込められるようにされ、
布を掛けられたケースがある。
マークスの手によって布が取り払われると、
現れたガラスケースの中には
一挺の古銃が、大事そうに保管されていた。
ラッセル | む、これは……ブラウン・ベス! イギリス初の制式マスケット銃じゃないか。 |
---|---|
マークス | イギリスの銃か。いいな。 マスター、これを── |
シャルルヴィル | そ、それはダメだっ!! |
主人公 | 【えっ?】 【どうして?】 |
シャルルヴィル | あ、いや……えっと。 それは、その、ロジェ様の大事なものだから。 |
シャルルヴィル | ……だから、勝手に持ってったら怒られる。 |
ライク・ツー | はぁ? |
ライク・ツー | 知るかよ、そんなの。 ……おらっ! |
──ガシャン!!
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