シャスポー | ……いた! 〇〇!! |
---|---|
ケンタッキー | 大丈夫っすか、マスター!! |
主人公 | 【大丈夫だけど……】 【どうしたの、みんな】 |
マークス | マスターを訪ねてきたヤツが、 トルレ・シャフの手先だったって聞いたんだ! 大丈夫か? 何もされてないか!? |
主人公 | 【大丈夫】 【無事だよ】 |
シャスポー | よかった……。 ほら、〇〇、こっちに来て。 |
シャスポー | 僕たちは……ライク・ツー。 君に、聞かなきゃいけないことがあるんだ。 |
シャスポーに腕を引かれ、〇〇は
彼やマークス、ケンタッキーがいる方へと移動する。
マークス | ライク・ツー……あんた、 街でトルレ・シャフのUL85A1に声をかけられたらしいな。 |
---|---|
マークス | それで、ラッセルが連れてったおっさんは、 あんたが──マスターの親友が持ってた銃は、 世界帝のものだったはずだって言ってた。 |
シャスポー | これは、ただの偶然なのか? 1日のうちに、君にまつわる不穏な出来事が連続しているのに、 僕はただの偶然だと楽観視して片付けることはできない。 |
主人公 | 【……どういうこと?】 【街で何があったの?】 |
シャスポー | ライク・ツーの兄…… ラブ・ワンだと名乗るやつが接触してきたんだ。 そしてそいつは、トルレ・シャフの貴銃士だと言っていた。 |
シャスポー | ライク・ツーは……そいつはただの不審者で、 きっと貴銃士でもなんでもないと言うから、 僕も一度は納得して士官学校に帰ってきたんだけど……。 |
ケンタッキー | あのおっさんは明らかに様子がヘンっすけど、 全部が全部妄想で片付けていいのかって言われると……。 だから、はっきりさせようぜ、ライク・ツー。 |
ケンタッキー | お前は……あいつらの話に、心当たりあるのか? 嘘はナシだ。本当のこと、話せよ。 |
ライク・ツー | …………。 |
ライク・ツー | 知らねぇよ、俺は。 あんな不審者も、ヴィヴィアンの親父のわけわかんねぇ話も。 |
ライク・ツー | 不審者の方は何が目的かわかんねぇけど、 デレクの方は完全にイッちまってる感じだっただろ。 |
ライク・ツー | 俺が「ライク・ツー」って名乗ってるから、 世界帝軍にいたやつとごっちゃになって、 意味不明な妄想でも始めたんだろ。 |
ライク・ツー | ……俺がこの名前を名乗ったのは、 のこのこ近づいてきたトルレ・シャフを ボッコボコにして捕まえるためだ。 |
ライク・ツー | ハッ……そういう意味じゃあ、 デレクは作戦大成功だな。 |
シャスポー | ……? 彼についてはそうかもしれない。 けどそれなら、ラブ・ワンを名乗るやつはなんで放っておいた? |
ライク・ツー | ……! |
ライク・ツー | いや、それは……俺はUL85A1が貴銃士になったら どんなやつなのか知らねぇし……。 |
ライク・ツー | あいつがそうなのか?って一瞬信じたのに、 トルレ・シャフとかいきなり言い出すから、 悪趣味ないたずらで……相手にするだけ無駄だと思って……。 |
ケンタッキー | (こいつがこんなに歯切れ悪ィの、珍しいな……。 それに……スナイパーの勘が、何かに引っかかってる) |
マークス | ……あんたは、ムカつくくらい冷静で、 やべぇ状況でも素早く合理的な判断をする。 それは……俺も認めてる。 |
マークス | そのあんたが、街中で不審者に会ったくらいで、 最善なのか微妙な行動を取ったのが……。 このへんのパーツが歪んだみてぇに、しっくりこない。 |
マークスは落ち着かない様子で、
喉のあたりをさする。
ケンタッキー | ……そうか。俺の違和感もそれだ。 |
---|---|
ライク・ツー | はっ……なんだよそれ。 俺だって、動転することくらいあるっての……。 |
ライク・ツー | つーか……くだらねぇ言いがかりばっかでうぜぇ。 俺は寮に戻るから。じゃあな。 |
シャスポー | あっ……おい! |
ケンタッキー | あいつ……なんかおかしくないっすか? マスター……。 |
主人公 | 【(ライク・ツーは、何かを隠してる……?)】 【(ライク・ツーのことは信じてるけど……)】 |
ライク・ツーを追いかけられたはずなのに、
〇〇の足は動いてくれなかった。
マークス | マスター……俺たちも寮に戻ろう。 |
---|---|
ケンタッキー | お墓、マスターの大事なダチのなんっすよね。 俺とこいつで綺麗にしときますんで。 |
シャスポー | 死者の安寧のためにも、きちんと整えるから…… 君は安心して、少しでも休んで。 いろいろあって疲れただろうから。 |
主人公 | 【……ありがとう】 【……ヴィヴィアンをお願い】 |
──数時間後。
ラッセル | 〇〇君、呼び出してすまないね。 あんなことがあったあとで……君も気になっているだろうから、 リントンロッジ氏についての現状を共有しようと思う。 |
---|---|
ラッセル | 彼の身柄は拘束して、連合軍イギリス支部に引き渡した。 彼が口走っていたことについて、どこまでが本当なのか……。 |
ラッセル | ヴィヴィアン君のこともあって半分錯乱したような状態だから、 信憑性については慎重に精査する必要があるが…… 兎にも角にも、聴取をしなければいけないからね。 |
ラッセル | それで……彼の話について、 ライク・ツーは何か言っていたかい? |
主人公 | 【嘘だと言っていました】 【デレク氏の妄想だと……】 |
ラッセル | ……そうか。私としてもそうであってほしいが…… 街で接触してきたという自称ラブ・ワンの件もあるし、 ライク・ツーの周辺がどうもきな臭い。 |
ラッセル | 彼の名前に反応したトルレ・シャフが、 何かを画策している可能性もある。 君も、十分に注意してくれ。 |
主人公 | 【わかりました】 【気をつけます】 |
ラッセル | しかし……はぁ。大変な1日だったね。 まさか、リントンロッジ氏の来訪からこんなことになるとは。 |
主人公 | 【ヴィヴィアンの父があんな人だったとは……】 【なんでお墓にあんなことができるんでしょう】 |
〇〇は、困惑を吐き出すように、
ぽつりぽつりと話し始めた。
記憶にある〇〇の両親は、
多少美化してしまっているかもしれないけれど、
優しく、愛情を注いでくれていたように思うこと。
世界帝軍がやってきた時も、
真っ先に〇〇を隠してくれた。
そうして──2人は見つかり、処刑されたこと。
主人公 | 【彼は、銃の方が気になっているみたいでした】 【娘より世界帝崇拝の方が大事なんでしょうか】 |
---|
明るく、優しくて、負けず嫌いで、努力家。
そんなヴィヴィアンの父があんな人だとは信じられないと、
〇〇は呟く。
ラッセル | …………。 生物学的な父親になら、誰でもなれる。 父親としての資質や資格、覚悟がなくても。 |
---|---|
ラッセル | …………。 |
ラッセル | ……君のご両親は、立派な人たちだったんだね。 君を見ていればわかるさ。間違いない。 |
ラッセル | ただ、残念なことに、 世の中のすべての親が子供思いで善人というわけではない……。 |
ラッセル | ……俺の、父親のように……。 |
ラッセル | ……さ、この話はおしまいだ。 寮に戻ってゆっくりやすみなさい。 |
──翌日。
恭遠 | ……えっ!? では、昨日貴銃士たちが見たというのは……。 |
---|---|
ラッセル | ええ、本人だったのでしょうね。 急な受け入れ要請で、恭遠審議官には申し訳ない……。 ご苦労をおかけします。 |
恭遠 | いえいえ、気にしないでください。 貴銃士特別クラスの教官として呼ばれている以上当然の仕事です。 それに、任務周りを担当するラッセル教官こそ大変でしょう。 |
ラッセル | はは……お気遣い痛み入ります。 では、“彼”のこともよろしくお願いします。 |
恭遠 | みんな、席についてくれ。 今日は、みんなに紹介したい人たちがいるんだ。 |
---|---|
ジョージ | Oh……? その言い方って……恭遠、まさかケッコンするのか!? |
十手 | おお……! 俺たちにも紹介してくれるなんて、嬉しいなぁ! |
恭遠 | ハハ……違うぞ。 クラスで朝に「紹介」といえば、転入生だ。 |
ケンタッキー | 転入生? このクラスにってことは、貴銃士ッスよね。 |
恭遠 | ああ、もちろん。 早速紹介しよう。 ……2人とも、どうぞ。 |
??? | やっほ~~★ |
一同 | ……!! |
ラブ・ワン | おいらはラブ・ワン。 UL85A1の貴銃士だよーん★ んで、ライたんのお兄ちゃん。よろしくゥ! |
ライク・ツー | は……? |
マークス | ライ……たん……? |
ライク・ツー | ………………。 |
シャスポー | ……っていうか、君! 昨日、トルレ・シャフの貴銃士を名乗ってた不審者だろう!? |
ラブ・ワン | ええっ、おいらそんな風に思われたわけ!? ショックー!! |
ラブ・ワン | トルレ・シャフの貴銃士なんて、 連合軍ジョークに決まってんじゃーん? |
ラブ・ワン | 真に受けるとか……ぷぷっ、ピュアすぎてかわウィ~! フゥ~~~! |
シャスポー | なっ……! |
十手 | ええっと……混乱しているんだが、君は不審者じゃなくて 本当にライク・ツー君のお兄さんで、トルレ・シャフではなく、 連合軍の貴銃士……で合っているかい? |
ラブ・ワン | そっ。そゆことお★ |
ラブ・ワン | んで、こっちがおいらのマスター。 エヴァちんだよん。 |
エヴァンズ | あー……ゴホン。 私はハドソン・エヴァンズ。 専門は国際法で、他の士官学校で教鞭をとっていた。 |
ジョージ | んっ!? この先生見たことある! |
タバティエール | ……確か、ブレイブ・マスケッターズ・デーのときに、 作法の講師をされてた……? |
エヴァンズ | その通り。その節は、様々な……様々な苦労があったが、 式典は無事成功した。 |
シャスポー | 苦労……主に女王を口説こうとする奴とか、 勝手に戦いに行こうとする奴の世話だな。 |
エヴァンズ | ゴホン! そこでの働きが評価されたこともあり……。 |
エヴァンズ | 昨今のアウトレイジャーによる被害拡大を受け、 連合軍所属のマスターを試験的に増やすことになり、 私が適任であるとして選ばれたのだ。 |
エヴァンズ | 諸君も既に気づいているだろうが、 貴銃士を絶対高貴に導くことは容易ではない。 マスターの資質による部分も大きい可能性が出てきた。 |
エヴァンズ | よって、〇〇君と連携しやすく、 貴銃士に詳しい恭遠審議官もいらっしゃる本校に赴任したのだ。 |
ファル | ……なるほど。 傷が悪化しても、フィルクレヴァートにいれば、 〇〇さんの貴銃士に治してもらえて便利だと。 |
エヴァンズ | ……連合軍の思惑としては、そういうことだ。 とはいえ、私自身貴銃士には並々ならぬ思いを抱いている。 きっかけは、そう──革命戦争時代のことで……。 |
エヴァンズは、革命戦争時代、
レジスタンスに助けられた思い出などをとうとうと語るが、
貴銃士たちは早々に飽きてラブ・ワンの方へ注意を向ける。
ジョージ | おまえ、マジでライク・ツーの兄ちゃんだったんだな! トルレ・シャフの貴銃士とか言うからびっくりしたぜ。 |
---|---|
ラブ・ワン | いやぁ~、メンゴメンゴ☆ わざわざライク・ツーを名乗るってことは、世界帝軍意識っしょ? だから、そこは乗っといた方がいっかなーと思ってさぁ。 |
ラブ・ワン | そしたらライたん、マジでドン引きすんだもん。 おいら傷ついちった~! |
ライク・ツー | …………。 はぁ……悪かったな。 自分の兄銃がこんなヤツだって信じたくなかったもんで。 |
ラブ・ワン | わぁお、弟が辛辣ゥ!だがそこもいい☆ |
シャスポー | なんというか……すまなかった、ライク・ツー。 兄弟銃がこんな感じとは……同情するよ。 |
ライク・ツー | ……ああ。 |
エヴァンズ | ──私は途方に暮れていた。その時、とある村で 援助を受けることができて──そこで出会ったのが、かの── |
エンフィールド | ラブ・ワンさん。はじめまして、僕はエンフィールドです! 僕はイギリス生まれの銃、そして士官学校生活の先輩ですから、 わからないことがあれば遠慮なく聞いてくださいね。 |
ラブ・ワン | Thank you~! 頼りにさせてもらうよん★ |
エヴァンズ | ……ゴホン! 君たち、私語は慎みなさい! 上官の話を聞かないとは、何事か! |
エヴァンズ | まったく……。 〇〇候補生は一体どんな統率をしているんだか。 私が一から叩きなおさねばなるまいな! |
マークス | マスターは、すごい統率をしている! |
ケンタッキー | おう。こんだけたくさんの貴銃士をまとめてんだぞ! なんか文句あんなら言ってみろや! |
エヴァンズ | ……はぁ。 では、恭遠審議官。あとはよろしくお願いします。 |
恭遠 | ええ。 |
恭遠 | それじゃあ、ラブ・ワンの席を決めようか。 どこか希望はあるかい? |
ラブ・ワン | おいらはやっぱり、ライたんの横希望★ 消しゴム借りたりとか、 教科書見せ合いっことか、してみたいよね~ん☆ |
ライク・ツー | はぁ? 助けねぇから、自分でなんとかしろよ。 ……つーか、こいつが隣とか、授業中うるさそうだし却下。 |
ラブ・ワン | 却下を却下~!! フゥ~~!! |
ライク・ツー | うっぜぇ……。 |
恭遠 | はは、早速打ち解けてくれたようでよかったよ。 それじゃあ、当面はライク・ツーの隣の席を使ってくれ。 |
ラブ・ワン | フゥ! 了解★ |
──ラブ・ワンが加わった貴銃士特別クラスで、 早速授業が始まった。
恭遠 | では、教科書の102ページを開いてくれ。 |
---|---|
ラブ・ワン | はーい、はいはーい! |
恭遠 | ん? どうしたんだ、ラブ・ワン。 |
ラブ・ワン | え? 授業ってこうやって手挙げるんでしょ? おいらばっちり予習してきたよん★ |
ライク・ツー | はぁ……用もねぇのに手挙げるなっての。 大人しくしとけよ。 |
ジョージ | でも、Niceな挙手だったぜ! |
十手 | うんうん。 授業に積極的に参加しようとする姿勢は素晴らしいと思うよ! |
ライク・ツー | おい、てめぇら……甘やかすな! |
恭遠 | ──さて、ここまでの公式をつかって、 発展問題を解いてみよう。 |
---|---|
グラース | …………ぐぅ。 |
シャスポー | ……おい、起きろ、グラース! 次の板書は君の番だろう……! |
グラース | んん……? |
恭遠 | そろそろ解けただろうか。 では、グラース。数式と答えを書いてくれ。 |
恭遠 | ……グラース? |
グラース | えっと……パスだ、パス! 僕にはもう魅力が多すぎるからな。 計算までできたら完璧すぎて大変だろ? |
ラブ・ワン | ははっ、面白いこと言うじゃーん。 んじゃ、代わりにおいらが解いてあげよっかな★ |
マークス | あんたがか? ……あんたは、ライク・ツーとは違って、 頭のパーツが足りてない感じがするが……。 |
ラブ・ワン | ちょちょっ……! まっすぐな目で言われるとグサッと来ちゃうんだけど!? |
ラブ・ワン | ま、見てなって★ |
ラブ・ワンは黒板前に進み出ると、
無駄のない計算式を迷いなく書き、答えを導き出した。
恭遠 | おお……すごいな。正解だ! |
---|---|
ケンタッキー | ……マジかよ。 ひねってあって結構難しい問題なのに……意外とやるな。 |
ラブ・ワン | フゥ! おいらってば、もしかして天才?!? |
カトラリー | (僕、割と真面目に聞いててわからなかったのに…… 馬鹿なくせに微妙に賢いなんて、ムカつくやつ……!) |
恭遠 | 午前最後の授業は家庭科だ。カレーを作るぞ。 今日のみんなの昼食になるから、 各班でこだわって美味しい一品を作ってみてくれ。 |
---|---|
ラブ・ワン | ほぇ~、士官学校ってお料理も授業でやっちゃうの! よぉーし、テンションぶち上げてぇ、 おいら特製ジャムジャムボンバーカレー作っちゃうよ?ん! |
ライク・ツー | はぁ……。余計なことすんなよ、マジで。 |
エンフィールド | だ、大丈夫でしょうか……。 |
エンフィールド | ……って、スナイダーがいない! |
マークス | 俺は……マスターが作ったカレーが食べたいのに……。 |
スプリングフィールド | イギリス班のみなさん、大丈夫でしょうか……。 |
ケンタッキー | あいつらにまとまりがないのはいつものことだし、平気だって。 俺らは俺らで、激ウマなカレー作ろうぜ! |
ジョージ | おーっ! |
ペンシルヴァニア | それじゃあ……俺は、鹿肉のストックを持ってこよう。 |
ラブ・ワン | じゃっじゃーん! ジャムジャムボンバー★スターライトカレー完成! |
---|---|
ライク・ツー | なんでもいいからとっとと食おうぜ。 |
マークス | んん……! 舌を攻撃してこない……。 安全で美味しい方のカレーだ……! |
エンフィールド | ええ! 甘口ですし、この可愛らしい人参……! 子供たちも喜んで食べそうな優しいカレーですね。 |
タバティエール | どうなることかと思ってたが、 あっちもちゃんと美味しくできたみたいだな。 |
シャルルヴィル | うん、なんかホッとしたよ……。 でも、人参が可愛いってどういうことなんだろう……? |
ケンタッキー | ……うおっ、すげぇ……。 なんだこのイカした人参……! |
スプリングフィールド | きれいな星型ですね……! |
ラブ・ワン | センキュー! ブチ上がるカレーってことでぇ、おいらのこだわり★ 初めてにしちゃ、なかなか上手く切れてるっしょ? |
ケンタッキー | これで初めてぇ!? お前、手先器用なんだな。見直したぜ……。 |
──放課後。
ジーグブルート | ……うっそだろ……! |
---|---|
エルメ | おや……今のはジグの声かな。 また揉め事じゃないだろうね。 |
ドライゼ | まったく、あいつは……行くぞ、エルメ。 |
ドライゼ | おい、ジーグブルー……ト……? |
談話室に踏み込んだドライゼとエルメが目にしたのは、
オセロ対戦中の〇〇とラブ・ワンだった。
ジーグブルート | なんだよ。 てめぇらもあいつと一戦交えに来たのか? |
---|---|
ジーグブルート | なら、覚悟しろ。 ……あいつは相当手強いぞ。 今のところ全戦全勝だ。 |
ラブ・ワン | あっ、そうだ! せっかくだしさぁ、〇〇っぴ。 “罰ゲーム”してみない? |
マークス | ……おい、マスターに何をさせるつもりだ! |
主人公 | 【自分が負ける前提!?】 【まだ負けが決まったわけでは……】 |
ラブ・ワン | 危ないことはさせないって★ そうだな……一曲披露するとかどう? |
主人公 | 【Deal!】 【それでいいよ】 |
──その後、粘った〇〇だったが、
勝負はラブ・ワンの勝利で幕を下ろした。
主人公 | 【……では、校歌を……】 |
---|---|
エンフィールド | だ、大丈夫ですか? 〇〇さん。 僕も一緒に歌いますね……! |
マークス | 校歌は知らないが、マスターが歌うなら俺も歌うぞ! |
ジョージ | 知らない曲をどうやって歌うんだよ、マークス……!? |
ちぐはぐな校歌の合唱が始まる。
1日であっという間に馴染んだラブ・ワンを、
ライク・ツーは少し離れたところから見ていた。
ライク・ツー | (言ってた通り、トルレ・シャフってのはただの冗談で、 別の個体なのか……?) |
---|---|
ライク・ツー | (あんなことを言ってきたのが連合軍の指令だとしたら、 連合軍が俺のことを怪しんでる可能性もある。 だが、あいつの独断なら……?) |
ライク・ツー | (待てよ、行方不明の銃を連合軍が召銃できるはずねぇよな。 ……いや、でも……記録上は行方不明で処理していたなら……? クソッ……何もわからねぇ……) |
──ラブ・ワンが士官学校に来てからしばらく経ったある日。
恭遠 | 次の時間は射撃訓練だ。 すまないが、俺は連合本部との会議があって、 最初の20分ほど立ち会えない。 |
---|---|
恭遠 | その間の監督はドライゼに頼むから、 みんな、彼の指示をよく聞いて、安全第一で訓練をしてくれ。 |
シャスポー | ちょっと待った。 なんでドライゼが監督なんだい? |
エルメ | おや、わからない? ドライゼは連合軍ドイツ支部で特別司令官の役職を得ている。 |
エルメ | 連合軍の施設であるここで、 貴銃士の中で誰か1人が恭遠審議官の代理を務めるとしたら、 ドライゼが適任でしょ。 |
恭遠 | ああ。 それに、君たち貴銃士の監督は、教官職の人たちからすると なかなか荷が重いらしくてね……。 |
恭遠 | ドライゼなら公平かつ遠慮なく、みんなにストップをかけられる。 そういうわけで、協力を頼むよ。 |
シャスポー | はぁ……まあ、理にはかなっているし、わかったよ。 |
ラブ・ワン | んで、射撃訓練ってどんなことしてるわけ? |
---|---|
エンフィールド | その時々によって違いますね。 全員で同じ課題に取り組んだり、 それぞれの銃の特性に合わせたメニューにしたり……。 |
ラブ・ワン | なるほどなるほど。 ドラらん、今日のおすすめメニューは~? |
ドライゼ | ……その奇っ怪な呼称はよもや、俺を指しているのか……? |
ラブ・ワン | そだよーん★ あ、もしかしてドラピの方がよかったカンジ? おいら的にはドラちんもあり! |
ドライゼ | ドライゼと呼ぶ選択肢はないのか……。 ……とにかく、訓練だな。 |
ドライゼ | それぞれに課題として認識しているものがあるだろう。 その克服へ向けて必要だと思う内容を行うように。 自ら考え、行動するのもまた立派な訓練だ。 |
ラブ・ワン | オッケェェェイ!! んじゃ、俺は……連射連射~! |
ラブ・ワンは的を目掛けて連射を始めた。
しばらくは銃声がリズムよく響いていたが……。
ラブ・ワン | アウチッ! ヘイヘイ、My Gun!? このタイミングでジャムるぅ!? |
---|---|
十手 | じゃむ……時々マークス君も言っているね。 銃に何か起きたのかい? |
ラブ・ワン | 十手丸ざむらい~! おいらの銃さ、排莢不良 起こしやすいんだよねぇ。ほら、空薬莢が薬室に弾き戻されて…… ふんっ! あー、だめだ、全然取れなーい! |
ラブ・ワン | 工場送りはカンベンだってのに……フゥ! 参ったぜ。 |
ライク・ツー | ……貸してみろ。 |
ラブ・ワン | おおっ、ライたんが取ってくれんの? |
ライク・ツー | 取れるかは知らねーけど。 だめだったら即工場送りな。 |
ライク・ツーは、ラブ・ワンの銃を受け取ると、
詰まってしまった空薬莢の状態を確認する。
ライク・ツー | (……! この銃……) |
---|---|
ライク・ツー | ……フンッ! ほら、取れたぞ。 |
ラブ・ワン | ワァオ! ライたん爆裂かっちょうぃ~!! フゥ~~~!! |
ライク・ツー | ……ウザ。 |
ライク・ツー | …………。 |
──その日の夕方。
ラブ・ワンが談話室でババ抜きに興じているのを確認し、
ライク・ツーは彼が使っている部屋へと密かに入る。
ライク・ツー | (銃はどこだ……?) |
---|
机やベッドの上には、ガンケースは見当たらない。
ライク・ツー | (意外と、鍵付きロッカーにちゃんと入れてたりするかもな。 鍵がなかったらどうするか……) |
---|
ライク・ツーがロッカーへと手を伸ばした時だった。
ラブ・ワン | あっれー? ライたん、いらっしゃい★ |
---|---|
ライク・ツー | ……!! |
ライク・ツー | あー、勝手に入って悪ィ。 トイレかどっかならすぐ戻るかと思って、中で待ってた。 |
ラブ・ワン | OK、全然気にしてないよん★ あ、そうだ。タバちんからソイバーってお菓子?もらったんだ。 一緒に食べようぜ~。 |
ラブ・ワンがコーヒーを淹れ、
2人だけのコーヒーブレイクが始まった。
ライク・ツー | ……意外と美味い。 |
---|---|
ラブ・ワン | でっしょ~? おいらはコーヒーの違いがわかる貴銃士だからね★ |
ラブ・ワン | ところでさ、ライたんはいつトルレ・シャフに来るの? |
ライク・ツー | ……っ、ゲホッ。 |
ライク・ツー | は、はぁ……? そのクソつまらねぇ連合軍ジョークはもういい。 |
ラブ・ワン | ライたんこそ。 “違うライたん”のフリ、俺相手に通じると思ってるわけ? もういいよ。 |
ラブ・ワン | はぐらかさないで、逃げないで。ちゃんと話そうぜ、ライたん。 ……ライたんも、気づいてるんだろ? 俺が“本物”だって。 |
ライク・ツー | ……! |
ライク・ツー | (こいつが、本物……? でも、こいつの銃は──……) |
ラブ・ワン | 俺、すぐにわかったよ。 ライたんは、あのライたんだってね。 |
ラブ・ワン | トルレ・シャフが持ってたUL85A2が違うってことも、 俺は一目見ればわかった。 |
ラブ・ワン | トルレ・シャフの奴らは、ライたんが目覚めないのは、 罰を恐れてるからだ~とか喚いてたけど、 的外れもいいとこだよね。 |
ラブ・ワン | だって、世界帝に呼び覚まされてたUL85A2── 世界帝軍特別幹部のライク♥ツーは、 こんなところにいるんだもん。 |
ライク・ツー | は……お前、意味わかんねぇことばっかり──…… |
---|---|
ラブ・ワン | え、まだ続ける? その設定。 俺もう飽きちゃったからいいよ。 |
ラブ・ワン | はぁ~あ、「おいら」は悲しいっ! ライたんはどうしてここにいるわけ? 何がしたいの? |
ラブ・ワン | おいらはね、あの頃みたいに愉快にやりたいのさ。 でもほら、おいらジャムっちゃうのがチャームポイントだし? やっぱライたんが一緒じゃないとダメっていうか★ |
ラブ・ワン | だから……ライたんもトルレ・シャフにおいでよ。 また一緒に、楽しくやろうぜ。 |
ライク・ツー | 意味わかんねぇって言ってんだろ。 お前は連合軍のエヴァンズに呼び覚まされたんだろうが。 それがトルレ・シャフの?って、吐くならもっとマシな嘘にしろ。 |
ライク・ツー | 全っ然話の筋が通ってねぇっての。 連合軍がヴィヴィアンの親父の噂か何か聞きつけて、 俺に一応探り入れようとでも思ったのか? |
ライク・ツー | (そうだ。だって、こいつは本物じゃない……!) |
ラブ・ワン | おおっ、ライたんが取ってくれんの? |
---|---|
ライク・ツー | 取れるかは知らねーけど。 だめだったら即工場送りな。 |
ライク・ツー | (……! この銃……) |
ライク・ツー | (あの銃は、違う……! 戦場で使用されていた形跡がない、新品だった……!) |
---|---|
ラブ・ワン | あー、やっぱ、おいらがエヴァちんと一緒にここに来たから 混乱しちゃってる? |
ラブ・ワン | いや~、おいらも正直よくわかんない部分が多いんだけどさ。 イギリス支部で貴銃士召銃しよー★ってなって、 いろいろ試した中においらも混ざってたみたい。 |
ラブ・ワン | そっからして、トルレ・シャフか世界帝信奉者の仕業だろうね。 んで、召銃されて割とすぐ、トルレ・シャフが接触してきてさ。 あの人──世界帝のところに連れて行かれたってわけ。 |
ライク・ツー | ……元世界帝は、処刑されただろ。 |
ラブ・ワン | え? 生きてたよ? 元気ピンピン★ おいらたちが知ってる頃より、今の方が元気なくらい。 |
ライク・ツー | …………。 |
ラブ・ワン | あっちにはアイちんにエフちん、モーゼルもいる。 あの人は、また世界を支配するために準備してるんだ。 おいらも、その手伝いのために呼ばれたっぽいよん★ |
ラブ・ワン | トルレ・シャフではライたんを召銃しようとしてたみたいだけど、 反応ナシで困っててさぁ、 その時ついでにおいらが銃を見ることになったんだよね。 |
ラブ・ワン | そしたらあらビックリ! あいつらがライたんだって言う銃、ライたんじゃないんだもん。 |
ラブ・ワン | 献上してきたヴィヴィパパを問い詰めたら、 『娘だ! 娘が盗んだに違いない!』とか言い始めてさ?。 |
ラブ・ワン | まあ確かに? ヴィヴィっぴが死んだのと同じ頃、 親友の〇〇ちんがUL85A2を召銃してるし、 まったくありえない話でもないかってなったわけ。 |
ラブ・ワン | 会いに行ってみたらビンゴ! いやぁ、おいらあの時、最高にテンションブチ上がったよん★ |
ライク・ツー | (……ヴィヴィアンの親父のことを聞いて 辻褄を合わせた話をしてるのかもしれねぇけど……) |
ライク・ツー | (今になって血相を変えて士官学校に乗り込んできたあたり、 信憑性は高い、か……) |
ラブ・ワン | ライたんがライたんだってわかったから、 早く士官学校に行きたいっ!って言っておいら参上フゥ! そんなこんなで今に至りまーす。 |
ラブ・ワン | こんな感じでわかった? |
ライク・ツー | …………。 お前の主張は、とりあえず理解した。 |
ラブ・ワン | オッケェェイ! ……っていうか、わかんないのはこっちもだよ。 ライたんは連合軍をスパイしてるってことでOK? |
ライク・ツー | だからなんでそうなるんだよ。 |
ラブ・ワン | ライたんのことだから、 ここにいるのには何か理由とか目的があるんだよね? |
ライク・ツー | あったとして、それをお前に言う必要があるか? |
ラブ・ワン | ワォ、ドライッ!! |
ラブ・ワン | ライたん、昔の優しかったライたんと違いすぎるよぉ~……。 おいら泣いちゃうっ! ぴえーんっ。 |
ライク・ツー | だから別人だっつーの! |
ラブ・ワン | まあいいや。 ライたんガード硬すぎるし、おいらが先に情報あげちゃう。 ……トルレ・シャフは、秘密の最終兵器を持ってるんだよ。 |
ライク・ツー | 最終兵器……? ミルラとかいうやつか? |
ラブ・ワン | ノンノン。あれはもう時代にそぐわないっしょ? 詳しくは内緒だけど、ここだけの話…… 親世界帝派が勢力を拡大してるのにも、大きく関わってる。 |
ラブ・ワン | ライたんの目的も、秘密兵器があれば簡単に叶うかもよ? こうやって、本当のことを隠して、 慣れない場所で孤独に頑張るよりも簡単な近道がある。 |
ラブ・ワン | ライたんがやりたいことはなに? それを達成するために、ここにいるのとおいらと来るの、 どっちが合理的で効率がいいと思う? |
ライク・ツー | …………。 |
ケンタッキー | ──おーい、ラブ・ワン! いるか? |
ラブ・ワン | お、タッキーだ。 いるよーん! |
ケンタッキー | よっ! ……って、ライク・ツーもいたのか。 ラブ・ワン、ちょっとグラウンド行こうぜ! |
ラブ・ワン | オッケーイ★ ってわけで行ってくるね、ライたん。 |
ライク・ツー | ……おう。さっさと行け。 |
ラブ・ワン | ……あ、そうそう。 おいらの銃はロッカーの中だよ。 メンテは大歓迎だからね、ラブ♥ツーたん! |
ライク・ツー | ……っ!! |
ラブ・ワン | じゃあね~。 |
スプリングフィールド | こんなことをして……怒られないでしょうか……。 |
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ペンシルヴァニア | ……大丈夫なんじゃないか? 脱がすのはよくないかもしれないが、着せているだけだ。 むしろ……いいことかもしれない。 |
スプリングフィールド | そうですかね……? |
ジョージ | お、来た来た! おーい、ケンタッキー、ラブ・ワン! |
ラブ・ワン | やっほー★ 何してんの? |
エヴァンズ | 恭遠審議官。 貴銃士特別クラスは問題ないでしょうか。 |
エヴァンズ | 特に……ラブ・ワンがご迷惑をおかけしていないかと心配で。 軽薄で騒々しいですし……。 |
恭遠 | ラブ・ワンは、ご覧の通りすっかり馴染んでいますよ。 迷惑だなんて、まさか! |
恭遠 | 彼は賑やかですが、暴力行為などもありませんし、 頭の回転が早くて、さすがライク・ツーの兄だなと思わされます。 問題なく優秀な成績を収められるでしょう。 |
恭遠 | 〇〇君の貴銃士たちにとっても、 士官学校で他のマスターの貴銃士と交流する機会は貴重ですし、 いい経験になっているのではないかと思いますよ。 |
恭遠 | 〇〇君の手応えとしてはどうだろう? |
主人公 | 【仲良くしてくれてありがたいです】 【みんな楽しそうで何よりです】 |
恭遠 | ああ、本当だな。 |
エヴァンズ | しかし、〇〇君の貴銃士もラブ・ワンも、 英雄である貴銃士としてどうかと思うような行動も ままありますな。 |
恭遠 | そうでしょうか? |
エヴァンズ | 今だって、あそこでこそこそと何をしようとしているんだ── |
エヴァンズ | ああああっ!! な、なんという……! |
エヴァンズが悲鳴じみた声を上げつつ指さした先には、
彫刻や銅像に派手な服を着せて遊ぶ貴銃士たちの姿があった。
ラブ・ワン | フゥ~~~!! 最高にオシャじゃん!? ナイスゥー、タッキー★ |
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ケンタッキー | お前のセンスもなかなかイカしてんな! ま、花火柄着こなすヤツだし、俺が見込んだ通りだぜ! |
エヴァンズ | なっ、何をしているんだ、君たち!! 神聖なる初代学長の像に、おかしな服を着せるとは!! |
ラッセル | 悲鳴が聞こえましたが、何か……って、なんだ、あれは……。 |
騒ぎを聞きつけてやってきたラッセルも加わり、
4人は貴銃士たちを止めに入った。
ラッセル | こっちのは古代ギリシャの有名な彫刻のレプリカだ。 服はいらないだろう……!? |
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ペンシルヴァニア | だが、全裸のままというのも…… 像とはいえ、どうなのかと思ってな。 |
ラブ・ワン | 彩りも鮮やかになっていーじゃん? |
ケンタッキー | ついでにさ、像に名前つけようぜ! これから新作お披露目のマネキンになってもらうわけだしな。 |
ラブ・ワン | おっ、それいいねぇ。 |
エヴァンズ | な、なんたる不躾な……っ! まったく……常識がないにもほどがある! なんと嘆かわしい……。 |
主人公 | 【貴銃士は発想が自由でユニークなだけです】 【人の常識に囚われないのも彼らの良さかと】 |
〇〇は、驚くことも度々あったけれど、
彼らのまっすぐな思いや言葉、行動に、
何度も力をもらったことを伝えた。
マークス | 俺は、どんなことがあろうとマスターを守る。 マスターの敵はすべて、俺が撃ち抜いてやる。 |
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マークス | いや……、むやみに狙撃をするという意味じゃない。 マスターが命じた奴だけだ。 ただ、その……とにかく……だから! |
マークス | ……マスターの、力になりたいんだ。 |
ライク・ツー |
誰にでも曲げられないことはあるし…… どうしても、何かを貫かなきゃなんねぇ時もある。 |
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ライク・ツー | 今回は、ダンローって奴に会いに行くのが、 お前にとっての曲げられないことだったんだろ。 |
ライク・ツー | この場には俺しかいねぇし、 ここまで来させられたからには、 最後まで付き合ってやるよ。仕方なくな! |
ジョージ | 絶対高貴、いつかなれるように努力する。 必ず、なってみせる。 |
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ジョージ | オレはさ、 マスターみたいに苦しんでいる人を助けたいんだ! |
ジョージ | その日が来るまで…… いや、絶対高貴になったそのあとも、 マスターに忠誠を誓うよ。 |
十手 | 〇〇君……。 俺は……俺の正義を信じてみる。 |
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十手 | 君が俺を信じてくれたように、 俺も自分を信じて、足掻き続けてみるよ。 |
十手 | だから……俺の歩みを、君に見届けてほしい! |
貴銃士たちは人の肉体を得てまだまもなく、
迷ったり悩んだりすることも多い……。
そのため、いろんなことを間違いもするけれど、
〇〇は何度も助けられていて、
彼らを信頼していることを、エヴァンズに伝える。
ラッセル | 〇〇君……立派なマスターの顔になっているね。 |
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エヴァンズ | ふむ……統率力に未熟なところがあれど、 多くの貴銃士を召銃し、さらには絶対高貴に導いているだけある。 彼らと信頼関係は十分に築けているのだな。 |
エヴァンズ | しかし……絶対高貴……正真正銘の、奇跡の力。 あの力を持つ古銃の貴銃士はやはり、格が違うのでしょうな。 私も早く召銃したいものだ……。 |
主人公 | 【(……古銃にこだわりが……?)】 【(でも、絶対高貴は……)】 |
本物のアリノミウム結晶がとてつもなく危険である可能性から、
エヴァンズが触れたのは人工結晶だろう。
これまでの推測通りなら、古銃を召銃しても絶対高貴に導けない。
気になった〇〇は、
ラッセルへ密かに尋ねることにした。
主人公 | 【……今後も召銃の予定があるんですか?】 【……古銃の召銃も検討しているんですか?】 |
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ラッセル | …………。 |
ラッセルは、訓練場の方を見つめてぼうっとしている。
主人公 | 【ラッセル教官?】 |
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ラッセル | ……っ、ああ、すまない。 懐かしい名前が聞こえたもので……少しぼんやりしていた。 |
主人公 | 【懐かしい名前……?】 【昔のご友人とかですか?】 |
ラッセル | いや……妹だ。 ……もう、ずいぶん昔に死んでしまったけれど……。 |
ラッセル | …………。 |
ラッセル | ……ええと、連合軍の召銃の予定だったか。 そうだな……まだ具体的ではないが、 君の報告を踏まえて慎重に、現代銃を中心にして── |
ライク・ツー | …………。 |
主人公 | 【(ライク・ツー……?)】 |
彫刻や銅像を前に盛り上がっている一団には目もくれず、
うつむいて、どこかへ足早に向かうライク・ツー。
その様子が気になり、〇〇の視線は彼を追う。
主人公 | 【(この間は言えなかった気持ちを伝えよう)】 【(信頼してるって、ちゃんと言わないと)】 |
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