メインストーリーⅣ：第7話～第12話

司祭に連れられて教会の中を進んでいくと、
男女と子供の家族らしき2組が目に入る。

〇〇は、先日のカウンセリングで
ロッシが話していたことを思い出した。

村人たちから渡されたのは、ドロッとした薄茶色のペーストと、
野菜と肉らしきものが少し入ったスープだった。

リゾットらしきものを一口食べた十手は、怪訝な顔で固まった。

〇〇も一口食べてみる。
リゾットもスープも薄い塩味があるのみで、
士官学校の食事と比べるとかなり味気ない。

タバティエールの視線の先では、
避難中の2世帯が、平然と食事を口に運んでいた。

7人は言葉少なに夕食を終え、
村民のところへ食器を返しに行こうと外に出る。

村人の案内で一行が向かった先には、
肩のあたりを怪我してうずくまる老人の姿があった。
全身が土と落ち葉まみれで、擦り傷なども多くある。

斜面を上り、ぬかるんだ地面に残された
アウトレイジャーのものらしき足跡をたどる。

しかし、再び──今度は土砂降りの雨が振り始める。
大雨の中夜の森を歩くのは危険なため、
5人は追跡を断念し、プラトー村へ戻ることになった。

──その日の夜。

──パァンッ！！

──ドゴォン！！

〇〇は、十手と共に教会を出る。
街灯の灯りがないため、周囲は真っ暗だ。

十手が指差す通りに見上げると、
そこには空いっぱいに無数の星が輝いていた。

2人はしばらく無言で星空を見ていた。
〇〇は、士官学校に残してきた貴銃士を想う。

──久々の任務参加が決まり、
〇〇と十手はライク・ツーの部屋を訪れた。

少しドアを開けて室内を見ると、
毛布が人型に膨らんでいるのがわかる。

ドアが閉まり、2人の足音が遠ざかる。

──最初は嘘でも、今から本当にすればいい。
ヴィヴィアンの遺志を〇〇とともについでほしい。
その願いを聞いて、たしかにライク・ツーは頷いていた。

その時──かすかな足音に気づき、
十手は〇〇を引っ張って教会の陰へ身を隠す。

2人は暗闇に目を凝らして、銃を手に持つ。
やや足早に教会へ近づいてくる足音。
やがて、足音の主の姿が、月明かりのもと明らかになる。

手に大きめの紙袋を持ったロッシが、
足音を忍ばせて教会へと入っていった。

──翌日。
日の出とともに起きた一行は、軍の携帯食で朝食を摂ったあと、
アウトレイジャー討伐に出発した。

───ぐぅ。

早朝から出発する一行のために、
村人が昼食を持たせてくれた。

思い思いの場所に座った7人は、
昼食の包みを開く。

カトラリーは笑顔でサンドイッチを口にするが……
そのまま、ぎくりと固まる。

マークスは、微妙な顔でもそもそと咀嚼する。

サンドイッチは硬くてごわっとした味気ないパンと、
わずかな葉物野菜、薄切りされた塩漬け肉でできていた。
肉の塩分以外に味はほとんど感じられない。

その後も一行は夕方まで山中を歩き回ったが、
アウトレイジャーが現れることはなく、
木の実や山鳥などを持って村へ戻ることとなった。

───プラトー村に戻った〇〇たちは、
今日は“武装襲撃犯”が見つからなかったこと、
引き続き任務にあたることなどを村人に伝えた。

───翌朝。

子供たちが、新しそうなぬいぐるみを持って駆けていく。

ロッシが治療をしている間、
〇〇たちは子供たちと遊んだり、
家事の手伝いをしたりして過ごした。

マークスに呼ばれて、〇〇は家の外に出た。

マークスに呼ばれて、〇〇は家の外に出た。

〇〇は、村に来た初日のことを思い出す。
ロッシが紙袋を手に、深夜にそっと戻ってきた様子を、
十手と共に目撃したのだとマークスに伝えた。

夜にどこかへ消えているロッシ。
見つからないアウトレイジャー、基地での惨劇。
いろいろなものがよぎり、〇〇はゆっくりと頷いた。

──その夜。
眠ったふりをしていたあると貴銃士たちの耳に、
かすかな物音が届く。

目を開けて様子を窺うと──
ロッシが紙袋を手に、借り家を出ようとしていた。

ロッシを拘束したマークスに尋ねられ、
タバティエールは紙袋を開く。
その目が見開かれた。

タバティエールが紙袋から出したのは、
作り途中のぬいぐるみだった。

タバティエールは、袋の中身をテーブルに並べてみる。
うさぎ、熊、カエルなどの可愛らしいあみぐるみが
次々と出てきた。

──滞在4日目。
〇〇たちは朝からアウトレイジャーを捜索していた。

その時──異様な空気の震えを感じて、一行は立ち止まる。
ゴゴゴ……と地鳴りのような音が響き、
地面が小刻みに揺れた。

〇〇たちが駆けつけると、
プラトー村の様子が一変していた。

村を囲むようにそびえる山の斜面。
その一部が大きく崩れ、流れ出した大量の土砂が、
斜面に近い家を飲み込んでしまっている。

村人に案内されて、7人は土砂崩れの現場へと駆ける。

〇〇、マークス、タバティエール、
カトラリー、十手、ゴーストの二手に分かれて救助を手伝う。

水を吸ってずっしりと重い土砂を掘り起こし、
瓦礫を取り除いていくと、かすかにすすり泣く声が聞こえてきた。

救出された子供は、足に怪我を負ったものの、
幸いにして命に別状はなかった。

他の人の救助を手伝おうと立ち上がった3人は──
地面に並べられた数人を見て、硬直する。

──日が暮れるまで続いた捜索では9人が生還したが、
死者4人、行方不明者7人という大きな災害になった……。

カトラリーの視線の先には、救助された人たちの姿がある。
うち3人は子供だ。

〇〇たちが救助した子供は両親ときょうだいの
4人家族だったそうだが、残る3人はまだ見つかっていなかった。

カトラリーたちが救助したのは、
遊んでいた3人のきょうだいのうち2人で、
1人はまだ見つかっていない。

1人ぼっちになった男の子が、司祭に呼ばれる。
司祭のそばには、夫婦らしき男女の姿があった。

サムは、ベンジャミン夫妻と手をつないで教会を出ていった。
〇〇はなんとも言えない違和感を覚えて、
その後ろ姿を目で追ってしまう。

───サムは気丈な子なのかもしれない。
しかし、それにしたってあっさりしすぎているのではないか。