エンフィールド | おや、掲示板のスケジュール表が 古いままになっていますね。 貼り替えないと。 |
---|---|
生徒1 | エンフィールドさん、 そういった雑用は我々候補生が……! |
エンフィールド | お気遣いありがとうございます。 でももう貼り替えたので、大丈夫ですよ。 |
生徒1 | さ、さすがです……! |
生徒2 | あの、エンフィールドさん! 授業のことで、相談してもいいですか? |
エンフィールド | ええ、いいですよ! なんでも聞いてください。 |
生徒2 | ここの意味がわからなくて……。 |
エンフィールド | ああ、それは─── |
生徒2 | ───ふんふん、なるほど……! エンフィールドさんは本当に博識ですね……! ありがとうございました! |
エンフィールド | ええ! またいつでも声をかけてくださいね。 |
エンフィールド | ふぅ。 人に親切にするって、気持ちがいいなぁ! |
---|---|
教官 | やぁ、エンフィールド君。 今回の試験も素晴らしい結果だったね。 |
エンフィールド | 恐れ入ります。 大英帝国が誇る名銃として、 結果を出すのは当然のことです。ええ! |
エンフィールド | ですが、僕1人の力ではありません。 先生方のご指導がわかりやすいおかげですよ。 |
教官 | なんと謙虚なんだ……! 君のような素晴らしい貴銃士を生徒に持てて、 恭遠審議官も鼻が高いことだろう。今後も期待しているよ。 |
エンフィールド | ふふっ、ありがとうございます。 |
エンフィールド | お疲れ様です、マスター。 今日は冷えますね。 あたたかいお茶をお持ちしました。 |
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主人公 | 【ありがとう】 【いつも気が利いて、すごいね】 |
エンフィールド | あまり大したことはできていませんが、 お役に立てていれば幸いです。 |
エンフィールド | できる限り、マスターのお役に立ちたいんです。 それは、僕自身が決めたことでもあって。 |
エンフィールド | マスターは以前、 僕のことを改造しないとおっしゃってくださいましたよね。 |
エンフィールド | マスターが僕自身のことを認めてくださったことが…… 本当に嬉しかったんです。 |
主人公 | 【エンフィールドはそのままでいいからね】 【改造なんて必要ないよ】 |
エンフィールド | そう言っていただけると、 今でも救われた気持ちになります。 本当に、ありがとうございます……! |
主人公 | 【こちらこそ、いつもありがとう】 |
エンフィールド | いえいえ。 ……あの、こちらのタオルは畳んでおいてもかまいませんか? |
部屋の中のものを手際よく片づけながら、
エンフィールドがふと視線を上げる。
エンフィールド | ところで、マスター。 お茶はお口に合いましたか? |
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主人公 | 【美味しかった】 【気に入った! なんのお茶?】 |
エンフィールド | それはよかったです。 そろそろ就寝前3時間を切りますから、 リラックスや安眠効果のあるハーブティーにしました。 |
エンフィールド | マスターはこのところご多忙で、 あまり眠れていないようでしたから。 |
エンフィールド | では、おやすみなさい。 |
主人公 | 【(あれ……?)】 【(寝不足だってこと、話したっけ?)】 |
不可解な気持ちで、〇〇は
エンフィールドが去っていった後のドアを見つめた。
エンフィールド | お疲れ様です、ジョージ師匠! 今日は何をいたしましょうか? |
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エンフィールド | 服の洗濯は済んでいますか? それとも、肩をお揉みしましょうか? それとも─── |
ジョージ | おいおい、エンフィールド! |
ジョージ | たしかに、おまえが絶対高貴になれるまでは 師匠になってやるって言ったけどさ……。 |
ジョージ | おまえはもう絶対高貴になれただろ。 わざわざオレの世話を焼かなくてもいいんだぞー? |
ジョージ | いつも、ホント助かってるけどさ、 他のヤツを気遣うばっかじゃなくて、 自分の好きなことをやれよ! |
エンフィールド | お気持ちはありがたいのですが、 ジョージ師匠には恩義がありますので。 |
エンフィールド | 師匠の望むことをすることが、 僕の望みでもあるんです。それに─── |
エンフィールド | ジョージ師匠は色々と危なっかしいので、 僕が見ていないと心配になるんです。 |
ジョージ | HAHAHA! それ、よく言われる! 確かにエンフィールドがいないとダメだよ、 オレってさ! |
エンフィールド | そう言っていただけて嬉しいです。 ジョージ師匠のお世話は、これからも僕にお任せを。 |
エンフィールド | 師匠のお望みならば、なんでも叶えますよ! ええ! |
ジョージ | なんでも……? ホントになんでもいいのかっ? |
エンフィールド | も、もちろんです。 絶対高貴になれたんですから、 大抵のことはできる気がするんです。 |
ジョージ | じゃあさ、逆立ちしてくれよ☆ |
エンフィールド | さ、逆立ち……? まさか、そう来るとは思いませんでした。 |
エンフィールド | 実は、やったことがないのですが……。 いい機会だし、挑戦してみます。 |
ジョージ | そうこなくっちゃな! |
エンフィールド | えっと……こう、ですか? よっと……! |
ジョージ | おお! すげーな! 大成功じゃん!! |
邑田 | ほほほ。 初めての逆立ちにしては見事じゃった。鳥羽よ。 |
ジョージ | おっ、邑田〜! |
エンフィールド | また君か! だから、僕は鳥羽なんていう名前じゃ……。 |
邑田 | まぁ聞くがよい。 ジョージの喜ぶ顔が見たいのなら、 わしに良い案がある。 |
エンフィールド | えっ……? |
邑田 | 噂に聞いたのだが、蓬莱の玉の枝という 素晴らしい宝物があるらしくての。 |
ジョージ | ホーライのタマノエ? なんだそりゃ? |
邑田 | 根が銀、茎が金、実が真珠の木の枝よ。 わしも直接見たことはないのだが、 実に見事な輝きを放っておるそうじゃ。 |
邑田 | どうだ? 鳥羽の力をもってすれば、 見つけられるのではないか? |
ジョージ | Wow! それ、すごそうだな! オレも見てみたい! |
エンフィールド | ホーライのタマノエ……ですね? わかりました! |
エンフィールド | ジョージ師匠のお望みとあらば、 必ず僕が見つけ出してみせる───っ! では、行ってきます! |
ジョージ | おう、気をつけてなー……って、 あいつ、どこに行く気だ? |
邑田 | ほっほっほ。いつ見ても、面白い奴じゃの。 |
ジョージ | なぁ、邑田。そのホーライなんとかは どこに行けば見つかるんだ? だいたいの場所でいいから、エンフィールドに教えないと。 |
邑田 | 蓬莱の玉の枝のことか? そんなものは、いずこにも存在せぬはずだが。 |
ジョージ | えっ……!? |
邑田 | とあるおとぎ話に登場する、架空の宝物じゃ。 いやあ、まさかまったく疑いもせぬとは。 ほっほっほ……!! |
ジョージ | それって、嘘を教えたってことじゃねーか! ダメじゃん! |
ジョージ | エンフィールドー! 待ってくれー! |
シャルルヴィル | エンフィールド……! ちょっといいかな? |
---|---|
エンフィールド | はい。なんでしょうか? |
シャルルヴィル | その……この前、ジョージがね、 君の淹れる紅茶はとっても美味しいって言ってたよ。 |
エンフィールド | えっ? ジョージ師匠がそんなことを? 嬉しいなぁ……! |
シャルルヴィル | それで……ボクも紅茶が好きだから、 どんなフレーバーなのかなって。 |
エンフィールド | なるほど。 では、このあとジョージ師匠と3人で お茶会でもいかがですか? |
シャルルヴィル | いいの!? お茶会なんて素敵だなぁ! |
エンフィールド | では、準備しておきますね。 |
シャルルヴィル | ありがとう。楽しみにしているね。 |
シャルルヴィル | で……ジョージなんだけど、 今日は補習が終わってから来るんだって。 |
エンフィールド | わかりました。 では、先に2人で始めましょうか。 |
シャルルヴィル | うん! |
エンフィールド | 今日はいいお天気ですね。 |
シャルルヴィル | そうだね! |
エンフィールド | ジョージ師匠、遅いですね。 補習がなかなか終わらないのでしょうか。 |
シャルルヴィル | そう……だね。 |
シャルルヴィル | (ジョージの他にも友達にならなきゃって思って、 勢いでエンフィールドに声をかけたんだけど……) |
シャルルヴィル | (どうしよう……会話が続かない) |
エンフィールド | そういえば、 シャルルヴィルさんはどんなお菓子が好きですか? |
シャルルヴィル | やっぱり、マカロンかな。 |
エンフィールド | ああ。美味しいですよね。 |
シャルルヴィル | うん。街に美味しい店があってね! 中でもおすすめのフレーバーは、 木苺とピスタチオかな! |
エンフィールド | へぇ……そうなんですね。 |
シャルルヴィル | あ……ごめん。 ボクの好みとか、あんまり興味ない話題だったよね。 |
エンフィールド | いえ、別にそういうわけでは……。 |
シャルルヴィル&エンフィールド | …………。 |
シャルルヴィル | (また気まずくなっちゃった……。 なんとか共通の話題を見つけて、 ジョージが来るまで間を持たせないと) |
シャルルヴィル | (ボク達の共通の話題といえば……そうだ!) |
シャルルヴィル | そういえば……、この前ジョージが教室の掃除中に バケツをひっくり返して、大変だったんだ。 |
エンフィールド | えっ! そんなことがあったんですか? |
シャルルヴィル | ボクの当番を手伝うために来てくれたのに、 部屋中が水浸しになって、結局全部やり直しで ……思わず笑っちゃったよ! |
エンフィールド | あっはっは……! ジョージ師匠らしいですね……! |
シャルルヴィル | (今度は食いついてくれた! よかったぁ!) |
エンフィールド | 僕もこの前、師匠に料理を手伝ってもらったら、 包丁の使い方が斬新過ぎて驚きました。 |
エンフィールド | 食材を切る時は猫の手にしてくださいと言ったら、 なぜか猫の鳴きマネを始めて……! |
エンフィールド | 料理はロクに進みませんでしたけど、 師匠といると笑いが絶えなくて面白いです! |
シャルルヴィル | その気持ち、すごくわかるよ! ボクもジョージと街に出かけた時─── |
エンフィールド | わかります! 僕も師匠との任務中に色々ありましたから。 例えばこの前の任務では─── |
ジョージ | やっと補習終わったぜー。 2人とも、待たせたなっ! |
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エンフィールド | それで、その後がですね……! |
シャルルヴィル | あはあはっ! |
ジョージ | おっ? 2人ともすげぇ盛り上がってる! 仲良くなったんだな! |
シャルルヴィル | うん! 楽しかったよ、ジョージ! |
エンフィールド | ええ! お疲れ様です、ジョージ師匠! |
エンフィールド | ジョージ師匠の話で、すごく盛り上がりましたよ! 話したいことがたくさんあり過ぎて、 時間が足りないくらいです。 |
ジョージ | オレの話? 何だか恥ずかしいな…… どんな話をしてたのか教えてくれよ! |
シャルルヴィル | (ずっとジョージの話題ばかりだったけど…… エンフィールドと会話が弾んだ) |
シャルルヴィル | (……仲良くなれたってことで、 いいんだよね?) |
ある日の放課後のこと───。
エンフィールド | (授業が終わったけど……。 今日はマスターもジョージ師匠も任務で不在だし、 何をしようかな?) |
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恭遠 | すまないが誰か、今日の授業のプリントと課題を ジーグブルートに届けてくれないか? |
エンフィールド | ああ、自室謹慎でしたね。 それなら僕が届けますよ。 |
恭遠 | エンフィールドか。 いつもありがとう、助かるよ。 |
エンフィールド | お安い御用です。 彼の欠席は度々あることですが、 今回はどうしたんですか? |
恭遠 | ああ、それはだな─── |
エンフィールド | (また一般生徒を殴って自室謹慎になったのか。 これで何度目だろう……?) |
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エンフィールド | ジーグブルートさん! 入りますよ。 |
ジーグブルート | ……あ? 何の用だ、てめぇ。 |
エンフィールド | 授業のプリントと課題を持ってきたんだ。 ほら、受け取って。 |
ジーグブルート | そこに置いとけ。 さっさと帰れよ。 |
エンフィールド | ……! |
エンフィールド | 君さ、その態度はちょっとひどいんじゃない? そもそも、ちゃんと反省しているのかい? |
ジーグブルート | あぁ? 俺が、何を反省するってんだ? |
エンフィールド | もちろん、人を殴ったことについてだよ。 私闘や暴力は禁止だって、 士官学校では何度も教わっているだろう? |
エンフィールド | 君がそんな風だから、 プリントを届ける役目だって、 僕以外、誰も手を挙げてくれないんだよ。 |
エンフィールド | 変わろうという想いが大事だからね。 ちゃんと反省して、 明日から人に好かれる貴銃士になろうよ。 |
ジーグブルート | …………。 |
エンフィールド | ほら、返事くらいしようよ? 僕が君のためを思っているのに無視だなんて、よくないと思うな。 |
ジーグブルート | ……違ぇだろ。 |
エンフィールド | えっ……? |
ジーグブルート | てめぇは俺のことなんて思っちゃいねえよ。 ……たとえばよ。俺がなんで人を殴ったかって理由、 知ってんのか? |
エンフィールド | そっ、それは……。 君が何かにイライラしていて、 相手に八つ当たりしたんじゃないのか……? |
ジーグブルート | ハッ。ほら見ろ。 何も知らねぇくせに偉そうなこと言ってんじゃねーよ。 |
ジーグブルート | お前は俺を利用してんだよ。 『誰にも相手にされない爪弾き者にも構ってあげる優しい僕』 になるためにな! |
エンフィールド | そ……そんなことない! 僕は本当に、君のことを心配して……! |
ジーグブルート | 思ってもねぇ綺麗事なんざヘドが出る。 とっとと失せろ。 |
エンフィールド | …………そう。 |
ジーグブルート | ……? 意外とあっさり出ていきやがったな。 |
エンフィールド | 何も知らねぇくせに……か。 その言葉、そっくりそのままお返しするよ。 僕の気持ちなんて、何もわからないくせに。 |
---|---|
エンフィールド | ……人の善意を受け取れない人って、 かわいそうだね。 |
スナイダー | ───作戦終了。 ふん、つまらん敵ばかりだったな。 |
---|---|
スナイダー | さて、と……。 こんな場所に長居は無用だ。 さっさと撤収─── |
エンフィールド | スナイダー。 |
スナイダー | なんだ、エンフィー…… |
スナイダー | んぐっ!? |
スナイダーが振り向いたとたん、彼の口の中に
エンフィールドがチーズを突っ込んだ。
スナイダー | う……なんだこれは。 |
---|---|
エンフィールド | あ、吐き出しちゃだめだよ? そのチーズはすごく栄養価が高いんだ。 味が無理なら、とりあえず飲み込んでくれ。 |
スナイダー | ……腐った乳の匂いがする……気分が悪い。 |
エンフィールド | そうかい。 じゃあ、次はこっちだよ。 |
スナイダー | ……っ!? なんだ、この草の棒は……! おい、むぐっ……! |
文句を言おうとするスナイダーの口に、
エンフィールドは次々と野菜スティックを
放りこんでいく。
スナイダー | …………。 |
---|---|
エンフィールド | そうそう、よく噛んで。 よく噛まないで飲み込むと、消化に悪いらしいから。 |
スナイダー | ……無理だ、雑草の味がする……。 |
エンフィールド | 雑草なんて食べたことがないだろ。 はい、次はこれ飲んで。 |
スナイダー | その水筒の中身はなんだ……? |
エンフィールド | ただのお茶だよ。 ほら、飲んで。 |
スナイダー | ……ん……普通の茶だな……。 |
エンフィールド | 疑うなんて酷いな。 初めからそう言ってるだろ? |
スナイダー | 次々と口の中に食い物を突っ込まれてみろ。 疑いたくもなる。 ……というか、今のはなんだったんだ……。 |
エンフィールド | 君が倒れてマスターたちに迷惑をかけないよう、 高栄養のものを色々持ってきたんだ。 これで、ここでの僕の仕事は終わり! |
スナイダー | はぁ……? |
エンフィールド | それじゃあ、ジョージ師匠のところへ戻るから、 スナイダーはマスターの言うことをよく聞いて いい子で待機してるんだよ。 |
スナイダー | ……おい待て、エンフィールド。 |
エンフィールド | なんだい? |
スナイダー | ……俺が何体倒したか見ていたか? |
エンフィールド | え? ごめん。見てなかったよ。 ジョージ師匠のフォローをしててさ。 |
スナイダー | …………。 |
エンフィールド | ───あっ! |
ジョージ | あれ? 迷っちまったかなぁ? 誰もいないや……。 |
エンフィールド | ジョージ師匠ーっ! お疲れ様です! 今そちらに行きますね! スナイダー、じゃあね! |
スナイダー | …………。 |
───大規模作戦中。
エンフィールドはジョージと共に戦闘に加わっていた。
アウトレイジャーたち | 殺セ……殺セ……ッ! |
---|---|
エンフィールド | 大英帝国の誇りにかけて、ここは1歩も通さない! |
ジョージ | ああ、行くぞエンフィールド! |
エンフィールド | あ、待ってください! |
ジョージ | なんだ!? 別の敵か!? |
エンフィールド | いえ、ジョージ師匠は実銃の性能が低いので、 戦場では後ろに下がっていてくださいね! |
ジョージ | おう! ……おう? |
ジョージ | いやいや、そんなことないぞ? オレだって絶対高貴で戦えるし! |
エンフィールド | でも、ジョージ師匠は僕より射程距離も短いし、 ライフリングもなくて命中率も低いですし……。 |
ジョージ | うぅっ……! |
エンフィールド | その点は僕が作られた際も、 色々と話題に出ていたらしいですよ。 たとえば……。 |
エンフィールド銃が開発された当時───
エンフィールド銃を制式採用するか、
軍部内でプレゼンテーションが行われていた。
研究員 | こちらのエンフィールド銃の特徴は、 射程距離がこれまでの銃と比べ 飛躍的に向上していることです。 |
---|---|
研究員 | また、こちらのプリチェット弾を使用しているため、 掠めただけでも、大きな負傷を与えることが可能です。 |
軍部関係者1 | プリチェット弾……ミニエー弾と類似のものだな。 |
研究員 | ええ。 この弾は、銃身の内径より小さいため、素早い装填が可能です。 発射時はガス圧で後部が膨らみ、ライフリングと密着します。 |
軍部関係者2 | ほう……。 |
研究員 | それによって弾丸の初速が早まり、 ライフリングによる回転の効果も十分に得られるため、 射程距離も命中率も非常に高水準なのです。 |
軍部関係者1 | フランスのミニエー銃と比べて、 性能は向上しているのだろうな? |
研究員 | もちろんです。 改良を加えましたし、製造はエンフィールド造兵廠。 設計通りの高水準な銃の大量生産が可能です。 |
軍部関係者2 | 工場の技量によっては、 設計はよくとも実際に名銃になるとも限らん。 しかしその点、世界の工場大英帝国であれば問題ない。 |
軍部関係者1 | ……よし。 早速、実戦投入して検証をしたまえ! |
その後、戦場でその性能の高さが認められたエンフィールド銃は、
イギリスの制式銃として活躍することとなったのだった。
軍部関係者3 | エンフィールド・ライフル……。 ブラウン・ベスの名を継いで、 大英帝国の名に恥じぬ銃になるのだぞ……! |
---|
エンフィールド | ……ということがあったに違いないんですよ! いえ、あった気がします……! |
---|
熱く語り終えたエンフィールドが振り向くと……。
すでに戦闘は終わり、撤収が始まっていた。
エンフィールド | ええっ!? そんなまさか……! 僕の活躍を見せる前に終わってしまうなんて……! そうだ! ジョージ師匠は……!? |
---|---|
ジョージ | むにゃむにゃ……ぐう。 |
エンフィールド | なんでこんな場所で寝てるんですか……! もしや、僕の輝かしい開発秘話も聞いてない? 師匠!? 起きてください、師匠一っ! |
───世界帝の圧政が始まる以前。
とある史跡で「エンフィールド銃」の
デモンストレーションが行われていた。
スタッフ | ここに火薬を入れ、狙いを定めて……。 GOD SAVE THE QUEEN! |
---|
レッドコートを着込んだスタッフが撃った弾は、
ものの見事に的に命中し、周囲から拍手が沸き起こる。
少年1 | その銃、すっげーな! 俺も撃ってみたい……! ねぇ、撃たせてよ! |
---|---|
スタッフ | ハハッ、そうだなぁ……。君がもう少し大人になって それでもこのエンフィールド銃のことを覚えていたら いつか撃てるチャンスがあるかもね。 |
少年1 | 覚えてる! 俺、必ず覚えてるよ……! 大人になるまで、そのエンフィールド銃、 絶対に壊さないで大事にしてよ! |
スタッフ | イエッサー! またエンフィールド銃に会いに来てくれよな! |
少年1 | うん! また来るよ……! |
───平和な世界で、史跡のスタッフや観光客に
愛されていたエンフィールド銃だったが……。
革命戦争が始まると、レジスタンスの手に渡り、
スナイダー銃と共に実戦で使われることになった。
レジスタンス2 | おーい! 助太刀にきたぞーっ! |
---|---|
レジスタンス1 | お前……! 気持ちは嬉しいが、ここは戦場だ。 手ぶらじゃ─── |
レジスタンス2 | 大丈夫だ、ちゃんと銃がある。 ほら! |
レジスタンス1 | スナイダー銃じゃないか! そんなもの、どうしたんだ? |
レジスタンス2 | イギリスの博物館からもらったんだ! そういうお前は、どうやって手に入れたんだ? そのエンフィールド銃を。 |
レジスタンス1 | 子供の頃、史跡でデモンストレーションに 使われていた銃があったことを思い出して行ってみたら、 まだあったんだ! |
───こうして、幼い頃に触れたかった
エンフィールド銃を手にした、あの日の少年。
彼はそのエンフィールド銃を、
ただの武器ではなく、宝物のように大事にしていた。
しかし───
レジスタンス1 | おいっ! 前に出るな! 狙われるぞ! |
---|---|
世界帝軍2 | おっと。 レジスタンスの子ネズミが飛び出してきたぞ! ははっ、わざわざ撃たれに来やがって! |
レジスタンス2 | あ……。 |
レジスタンス1 | ───危ないっ!! |
レジスタンス2 | うわっ! |
世界帝軍2 | 死ね死ね死ねーっ! |
レジスタンス1 | ぎゃあっ……! |
エンフィールド銃の持ち主は、
スナイダー銃の持ち主をかばって銃弾に倒れた。
レジスタンス2 | ……っ! な、なんてことだ……。 |
---|---|
レジスタンス2 | しっかりしろ! くそっ、なんでこんなバカな真似をしたんだ……! 俺なんかをかばって撃たれるなんて───! |
レジスタンス1 | 逃げろ……。 そして、お前は……、生きて……、 俺たちの、目指した……新しい世界を───……。 |
レジスタンス2 | おい! 目を開けろっ! なぁ、聞こえてるんだろ? だったら、目を開けてくれ……! |
その後、訪れる平和な世界を見ることなく、
エンフィールド銃の持ち主は仲間に未来を託し、
絶命したのだった……。
エンフィールド | 〇〇さん、授業お疲れ様です! これから報告書作成と聞いて、お手伝いに参りました! |
---|---|
エンフィールド | あ、でもその前に…… マスターが恭遠教官に頼まれていた資料収集は、 僕がやっておきますね! |
主人公 | 【ありがとう】 【助かるよ】 |
エンフィールド | 僕は、マスターの快適な生活を支える お手伝いができれば嬉しいので! |
エンフィールド | 貴銃士として、マスターの手足となる。 それは普通のことですし……。 お礼や遠慮など無用ですよ、ええ! |
───別の日。
エンフィールド | ああ、書類が少し溜まっていますね。 〇〇さんは色々とお忙しいと思いますし、 僕が片づけておきますね。 |
---|---|
主人公 | 【いつもありがとう】 |
エンフィールド | いえ! マスターのお役に立てることが僕の喜びです。 早く片づけてお茶にしましょう! |
───また別の日。
エンフィールド | 〇〇さん! 水分補給はしっかりしていますか? まだでしたらこちらをどうぞ! |
---|---|
主人公 | 【気が利くね】 【ちょうど飲みたいと思ってた】 |
エンフィールド | そう言っていただけて嬉しいです! それで……味はどうですか? スナイダーに飲ませても無反応なのでわからず……。 |
エンフィールド | 蜂蜜を入れたレモン水です! 疲労回復に効果があるとのことですので、 お疲れのマスターに効果的かと思いまして! |
主人公 | 【美味しい!】 【さっぱりしてていいね】 |
エンフィールド | ありがとうございます! では、次はこちらの高栄養の─── |
───1ヵ月後。
エンフィールド | ……マスター、机の上がずいぶんと散乱してますが、 何か探し物ですか? |
---|---|
主人公 | 【爪切りが見当たらなくて……】 |
エンフィールド | それでしたらこの引き出しに─── ああ、ありました。どうぞ! |
差し出された爪切りを受け取ろうとした〇〇だが、
エンフィールドが少し手を引っ込めてしまう。
エンフィールド | 深爪してしまってはいけませんし、 よろしければ、僕が爪を切って差し上げましょうか? 形も綺麗に整えられますよ! |
---|---|
主人公 | 【そこまではちょっと……】 【自分でできるから大丈夫】 |
エンフィールド | ……そうですか……。 |
エンフィールド | それでは、お茶を淹れてきますね。 ……そうだ、爪やすりは窓際のボックスの中ですよ。 忘れずにきちんとかけてくださいね。 |
エンフィールド | お待たせしました! 今日のお茶はリラックスできるよう、 カモミール入りのハーブティーですよ。 |
---|---|
エンフィールド | もちろん、ミルクティーも用意してあります! ミルクと紅茶の配分の好みはありますか? マスターの飲みたい方をどうぞおっしゃってください! |
主人公 | 【いつも世話になって申し訳ない】 【どうしてそんな親身になってくれるの?】 |
エンフィールド | 〇〇さんの支えになれることが 僕の喜びですから! |
エンフィールド | ……ですから遠慮せず、 もっと、もっと頼ってください。 頼られれば頼られるほど、嬉しいんです。 |
エンフィールド | 僕はいついかなる時もあなたのそばにいて、 1番の支えになりますから。 マークスくんにも負ける気はありません。 |
エンフィールド | ええ。そう。いつ、いかなる時も……。 |
エンフィールド | ……なんて、ちょっとしたプロポーズみたいですね。 ふふっ。 |
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