貴銃士ストーリー:シャルルヴィル

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第1話:ノブレス・オブリージュ

シャルルヴィルマドモアゼル・シャルロットは
マスパンのお鼻〜歯はシロップ漬けで〜♪
……ん?
生徒1はぁ……。
シャルルヴィル君、大丈夫?
ずいぶん落ち込んでいるみたいだけど。
生徒1あ……! い、いえ……。
先ほどの訓練で、私の落ち度で
班のメンバー全員の得点が下がってしまって……。
生徒1あの時のミスがなければ……と思うと、
悔しくて、悔しくて……。それで……。
シャルルヴィルなるほどね……でも、そんなに自分を責めないで。
そうだ、この花をあげる。
シャルルヴィルちょうど、教室に飾ろうと思って
摘んできたところだったんだ。はい、どうぞ。
生徒1これは、カモミールですか……?
シャルルヴィルそう。カモミールの花言葉は、逆境に負けない強さ。
逆境の中で咲く花は、どの花よりも貴重で美しい。
シャルルヴィル大丈夫!
君はもっと強くなれるよ。
生徒1あっ、ありがとうございます!
私、これからもっと頑張ります……!
シャルルヴィルDe rien!
主人公【すごいね】
【花言葉をよく知ってるね】
シャルルヴィルあ、マスター! もしかして、今の見てた?
褒められるのは嬉しいけど、
ボクはやるべきことをやっただけだよ。
シャルルヴィルロジェ様に教わったんだ。
高貴なる者はいついかなる時でも、
相応の義務を果たすべきだって。
シャルルヴィルノブレス・オブリージュだね。
困っている人を助けるのは当然だよ。
シャルルヴィルそうだ、マスター。
この後、ちょっとだけ付き合ってくれないかな?

シャルルヴィル今の時期は、綺麗なユリが
たくさん咲いているね。
主人公【本当だ】
【綺麗だね】
シャルルヴィル色によって、花言葉も違うんだ。
白いユリは無垢。赤いユリは清らかさ。
黄色いユリは、愛の誇り。
シャルルヴィル……リリエンフェルト家の庭園には、
本当にたくさんの花があった。
シャルルヴィル花壇に咲く花や贈られてくるブーケの花言葉、
全部覚えたんだ。
ロジェ様が望む、完璧な貴銃士であるために。
シャルルヴィル色々なことがあったけど……。
初めてロジェ様にその努力を認めてもらえた時は
本当に嬉しかったな。
シャルルヴィルふふ……過去を穏やかに思い返せるようになったのは、
〇〇やみんなのおかげだね。
あの時手を差し伸べてくれて……本当にありがとう。
シャルルヴィル……マスターはさ、「完璧な貴銃士」って
どんな貴銃士だと思う?
シャルルヴィル気高さとか、高貴な振る舞いは当然として───
自分でも考えてみたんだけど、
何かが足りない気がして。
シャルルヴィルボクはマスターが望む貴銃士になりたいんだ。
君が考える「完璧な貴銃士」、教えてよ。
主人公【シャルルがなりたいものになって】
【完璧じゃなくていいから自由に生きて】
シャルルヴィルそれって……。
ボクが好きに決めるってこと?
シャルルヴィル〇〇の望む貴銃士が、
ボクのなりたいものなんだけど……。
シャルルヴィルごめん、君のこと困らせちゃったみたいだ。
今の話は気にしないで。
シャルルヴィル今日は楽しかったよ。
ありがとう、〇〇。

第2話:新たな挑戦

シャルルヴィルジョージ。
今日の授業が終わったら、街に行かない?
ジョージああ、いいぜ! どこ行く〜?
シャルルヴィル気になってるお店があるんだ!スイーツの美味しい店で、クレープの種類がたくさんあるんだよ。

数日後───。

シャルルヴィルジョージ。
今度の週末、出かけない?
ジョージもちろんOKだぜ!
今度はどこ行く?
シャルルヴィル今週はいつものお店で、
スイーツビュッフェをするみたい。
新作はフォンダン・オ・ショコラで───

1週間後───。

シャルルヴィルジョージ。
今週末、またあのカフェに行かない?
ジョージOK!
ついでにバーガーも食べようぜ!
シャルルヴィルうん、いいよ。
ジョージは、本当にハンバーガーが好きだね。
ジョージおう! 何回食べてもあれは美味い!
あっ、でも、シャルルが連れてってくれる店の
マカロンも美味いよな。
シャルルヴィルマカロンは色々なバリエーションがあるから
飽きないよね。
ボクの最近のお気に入りはピスタチオで───

さらに数日後───。

シャルルヴィルねぇジョージ。今日は何する?
ジョージあ、悪い。
今日はスナイダーと約束があるんだ。
シャルルヴィルえっ!? スナイダーと?
何をするの?
ジョージああ、一緒に屋根に上るんだ!
いいだろ。シャルルも来るか?
シャルルヴィル……や、屋根に……!?
ボクはいいよ。
楽しんできてね。
ジョージそっか!
シャルルもオレとばっかりじゃなくて、
たまには他の奴と遊べよ〜!
シャルルヴィルほ、他の友達……?
ジョージおう。シャルルにだっているだろ?
オレはライク・ツーとトランプしたり、
十手と買い物に行ったりしてるぜ。他にも───
シャルルヴィルそう……。
ジョージって、友達多いんだね。
ジョージあいつらとは任務で一緒になる時も多いけど、
休みの日に遊ぶと、意外なところが
わかっておもしれーんだよな。
ジョージこの前なんか、マークスの奴が……って、
やべっ! もうこんな時間だ。
スナイダーに置いていかれる……!
ジョージ悪い、シャルル。
またな!
シャルルヴィル……他の友達、かぁ。
そういえばボク、ジョージ以外の友達っていないかも……。
シャルルヴィルお屋敷にいた頃は人付き合いも限られていたし、
社交界は表面的な会話ばかりだったし……。
難しいな……。
シャルルヴィルボクも新しい友達を作ってみた方がいいのかな?
〇〇も「自由に」って言ってたし。
シャルルヴィルもしかしたら〇〇は、
そういう貴銃士を望んでいるのかも……!
それなら、少しずつ頑張ってみよう。

第3話:思わぬ収穫

ジョージに他の友達と遊んではどうかと言われた
シャルルヴィルは、ある休日の朝、
スプリングフィールドの部屋を訪ねてみた。

スプリングフィールド何か、僕にご用でしょうか……?
シャルルヴィルうん! あのね……
えっと、よかったら街に遊びに行かない?
移動遊園地が来てるんだって。
スプリングフィールド……移動遊園地……。
シャルルヴィルうん! ボクも行ったことはないんだけど、
すごく楽しいって話題なんだ。
ね、行こうよ! きっと楽しいよ!
スプリングフィールド僕は……遠慮しておきます。
シャルルヴィルえっ……。

シャルルヴィル…………。
はぁ……。

───ドサッ!!!

シャルルヴィルうわあぁぁっ!?
ペンシルヴァニア……おっと。
シャルルヴィルペ、ペンシルヴァニアさん……!?
今、上から降ってきましたか!?
ペンシルヴァニアすまない……。
木の上で昼寝をしていたら、
ついうっかり落ちてしまった。
シャルルヴィルひ、昼寝!
木の上なんかでよく眠れますね……!?
ペンシルヴァニア俺の昔の持ち主は、開拓民だったからな。
野宿には慣れている……。
シャルルヴィルそ、そうなんですか……。
シャルルヴィル(野宿……?
木の上で寝るのは野宿なのかな……!?)
ペンシルヴァニア……本当にすまなかった。
驚かせてしまったお詫びをさせてほしい。
ペンシルヴァニアこれ、食べるか? キイチゴだ。
森に自生しているもので、美味しいぞ?
シャルルヴィル……あ、ありがとうございます。
じゃあ、少しだけ……んむっ!
シャルルヴィル(すっ、すっぱ〜!)
ペンシルヴァニアふふ。すっぱいか?
シャルルヴィルいえ、そんなことは……って、すっぱいって
わかっててボクに渡したんですか!?
ペンシルヴァニアははっ、悪かった。
今度ジャムにしてみるよ。
シャルルヴィルはぁ……ぜひそうしてください。
ペンシルヴァニア───なぁ、少しだけ話をしてもいいか?
ケンタッキーのこと、なんだが……。
シャルルヴィルケンタッキーですか。
彼はペンシルヴァニアさんの弟分なのに、
いつも態度がこう……トゲトゲしていますよね。
ペンシルヴァニアああ……そうなんだ。
俺にとってケンタッキーは、
可愛い弟分なわけなんだが───
ペンシルヴァニアこの前、一緒に狩りに行こうと誘ったら
「気安く話しかけるな」と言われてしまってな……。
ペンシルヴァニアどうもいつも俺に対して反抗的で……
仲良くなりたいんだが、どうやって
距離を縮めたらいいのかわからないんだ……。
シャルルヴィルそうなんですか……。
シャルルヴィルその気持ち、少しわかります。
ボクも、スフィー……スプリングフィールドのことを
弟みたいに思っていて……。
シャルルヴィルだから、本当はもっと仲良くなりたいんですが、
どうもすれ違ってる感じで……。
シャルルヴィル今朝も遊園地に遊びに行こうと誘ったんですが、
断られてしまって。
ペンシルヴァニアそうか……。
お前も、俺と同じようなことで悩んでいたんだな。
ペンシルヴァニアだが、スプリングフィールドは
お前を嫌ってるわけじゃないさ。
ペンシルヴァニアあいつはたまに落ち込む癖があるんだ。
楽しい時間を、自分のせいで台無しにしたくないって
思ってるのかもしれないぞ。
シャルルヴィルそっか……。
スフィーは優しい性格ですからね!
シャルルヴィルそれを言うなら、
ケンタッキーだって、ペンシルヴァニアさんを
嫌っているわけじゃないと思います。
シャルルヴィル素直になれないだけで、本当は
同じスナイパーであるあなたを
尊敬しているのが伝わってくる。
シャルルヴィルそうだ。「一緒に行こう」じゃなくて、
「狩りの勝負をしよう」とか言ったら
素直に乗ってくるんじゃないですか?
ペンシルヴァニアなるほど……その手があったな。
今度、実行してみるか。
ペンシルヴァニアシャルルヴィル。
お前もスプリングフィールドと
ゆっくり話してみたらどうだ?
ペンシルヴァニア急に遊びに誘われて、あいつも戸惑ったのかもしれない。
そのあたりをじっくり聞いてみたらどうだ。
シャルルヴィル……なるほど。そうですね。
シャルルヴィルじゃあ、お互いに実行して、
また結果報告し合いましょうか!
ペンシルヴァニアああ、そうしよう。
じゃあ、また報告する。
シャルルヴィルボクも楽しみにしています!

第4話:カエルは食料?

シャルルヴィルこのメンバーで遠征って、なんだか珍しいね。
シャルルヴィルフランス出身、イギリス出身の貴銃士たちだけの編成なんて。
ジョージも一応、生まれはイギリスだし。
グラース……ふん。
〇〇から頼まれなきゃ
こんな面倒くせぇ任務、即行断ってたぞ。
シャスポーああ、僕も同意だな。
ただでさえ面倒な遠征なんだから、
足を引っ張らないでくれよ。君たち。
エンフィールドまぁまぁ、たまにはこういう任務も
結束が深まっていいんじゃないですか?
な、スナイダー。
スナイダー……興味ない。
俺は俺の力を試せるならばそれでいい。
エンフィールドはぁ、また君ってやつは。
勝手な行動は慎んでくれよ!
ジョージなぁなぁ〜! オレ、腹減ったんだけど。
街はまだなのか?
バーガーが恋しいぜ……。
シャルルヴィル地図では、まだまだ先みたいだなぁ。
でも確かに、お腹が空いたね……。
エンフィールドジョージ師匠、申し訳ありません……!
僕がもっと気を利かせて、食糧を持ってきていれば!
スナイダー食い物なら、そこにあるだろう。

そう言ってスナイダーが指差した草むらには、
───1匹のカエルがいた。

シャルルヴィルかっ、カエル……!?
ジョージえっ? カエルって食えるのか?
スナイダーフランスではカエルを食うと聞いた。
俺はいらないから、おまえらに譲ってやる。
シャスポーはぁっ!?
ちょっ……カエルを投げるなっ!
君、無礼な言動も大概にしたまえ!
シャスポーいいかい? フランスにグルヌイユ料理はあるけど、
あれはきちんと飼育された食用のカエルだ!
グラース僕のような上流階級の貴銃士が
こんな得体の知れないその辺のカエルを
食うわけねぇだろ! バカめ!
シャスポーまったく……君みたいな野蛮なイギリス銃にこそ、
このカエルがふさわしいんじゃないのか。
グラースほら、食ってみろよスナイダー。
そのへんの痩せガエルでも、
イギリスの貧相な食事よりはマシな味かもな。
スナイダー……ほう? 喧嘩が望みか。
かかってこい、再起不能にしてやろう。
シャスポー&グラースそれはこっちの台詞だっ!
エンフィールドけっ、喧嘩はやめてくださ……っ!
エンフィールドウグゥッ!!

スナイダーとグラースが突き出した拳が、
仲裁に入ろうとしたエンフィールドの
みぞおちを運悪く直撃してしまう。

ジョージエンフィールド! 大丈夫かっ!?
エンフィールドジョージししょ、う……。
食べ物の恨みは……恐ろしい……です、ね。
シャルルヴィルそういう問題じゃない気がするけど!
とにかく止めなきゃ……!
ジョージWait! おまえらやめろっ!
街に着いたら、オレがバーガー奢ってやるから〜!

数分後、どうにか騒ぎをおさめた
シャルルヴィルとジョージは、
ぼんやりとその場に座り込んでいた。

ジョージふぅ……。
どうにかおさまってよかったぜ。
シャルルヴィルうん……おさまったのはいいけど、
今度はみんなで食糧を探しに行っちゃったね。
「どっちが多く獲れるか勝負」って……。
ジョージHAHAHA! まぁいいんじゃねーか?
エンフィールドもついてるし、
変なことにはならねぇだろ。
シャルルヴィルだといいけど。
イギリスとフランスはずっと前から
いがみ合ってはきたけど、喧嘩しすぎだよ……。
ジョージまぁ……色々あったからな。
あいつらもだけど……オレたちも。

第5話:腐れ縁

シャルルヴィル昔の話、か。
確かに、フランスとイギリスは
長い歴史の間で何度も争ってきたからね。
ジョージただ海を挟んでるだけの隣国だってのに、
なんであんなに仲悪いんだろうな?
シャルルヴィルうーん、なんて言えばいいのかな。
単に仲が悪いっていうだけじゃなくて、
不思議な関係だよね。
シャルルヴィルかれこれ100年以上も戦争を続けた間柄だけど、
今は一応穏やかなものだし……
敵っていうより、ライバルって言う方がしっくりくるかも。
ジョージWhat!?
100年以上も戦争やってた時代もあったのか。
シャルルヴィルうん。百年戦争のことだよ。
アメリカ独立戦争の前だから、
ジョージは知らないんだね。
シャルルヴィル島国のイギリスは大陸への領土拡大を目指して戦い、
フランスはイギリスの勢力拡大を阻止しようとした。
シャルルヴィルクレシーの戦いから始まって、
カスティヨンの戦いが終わるまで、
途中で休戦しながらも116年かかったんだよね。
ジョージ116年……! Unbelievable!
オレだったら途中で飽きちゃいそうだよ。
シャルルヴィルその後も領土や王室、外交問題なんかから、
両国は何度も争っていたわけだけど───
シャルルヴィルフランスとイギリスはその後、
また100年続く戦争をするんだよね。
ジョージまたか!
そこまでくるともう、腐れ縁ってヤツだな。
シャルルヴィルそんな戦争の中でボク───
シャルルヴィル・マスケットが開発されるんだ。
ボクはフランス初の制式銃として採用されて……。
シャルルヴィルそのちょっと後にベスくんがイギリスで制式採用されて
あちこちで活躍してたから、
ボクたちは何度も戦場で相まみえた。
ジョージもはや敵っていっても顔見知りだな!
ジョージそんなブラウンとシャルルが、今度は遠く離れた
アメリカの地で一緒に戦うことになるなんて、
「まさか!」って感じだよな。
シャルルヴィルアメリカ独立戦争だね……。
フランスはアメリカ側に加勢することになったから、
やっぱりイギリスとは敵対した。

イギリス領アメリカ市民1イギリスめ……!
これ以上の重税にはもう耐えられない。
領主国だからといって、あまりにも横暴だ。
イギリス領アメリカ市民2代表なくして課税なし、だ。
税はおさめろ、国政には口を出すな……そんなのは
断じて認めてはおけない。
イギリス領アメリカ市民3今こそ、イギリスから独立する時だ。
チャンスは今しかない……!

シャルルヴィル当時、イギリスの植民地だったアメリカは、
イギリス本国による課税の強化に苦しんでいた。
シャルルヴィル独立機運が高まるアメリカに手を差し伸べたのが、
当時のフランスだった。
彼らの主な目的は、イギリスの弱体化だった。
シャルルヴィルあの頃のボクが、今みたいに人の姿をしていたら……。
シャルルヴィル「またイギリスか」
「またブラウン・ベスが相手か」って、
毎回ぼやいていたかもね。
ジョージそしたらブラウン・ベスも同じように、
「またフランスのヘラヘラ野郎が相手か」
「いい加減飽きた」とか言いそうだな。
シャルルヴィルそれなら今度はボクが、
「それはこっちのセリフ!」って返してやる。
ジョージはははっ!
子供の喧嘩みたいだな、それ!
シャルルヴィルふふっ。本当にそうだね。
さっきのスナイダーとグラースみたいな
殴り合いしたりして。
ジョージお、やるか?
シャルルヴィルあはは、やめてよ。ジョージってば。
シャルルヴィル……でも、アメリカ独立戦争は……。
「ブラウン・ベス」に大きな傷を負わせたよね……。

 

第6話:ブラウン・ベス

シャルルヴィルでも、アメリカ独立戦争は、
「ブラウン・ベス」に大きな傷を負わせたよね……。
シャルルヴィルイギリスとアメリカ双方の主力装備として使われたのが、
ブラウン・ベスだったから……「大英帝国を築いた銃」として、
ベスくんはものすごく複雑だっただろうね。

アメリカ兵士1これがブラウン・ベス……!
本国のマスケット銃か。
アメリカ兵士2いい感触だ。これで戦うぞ!
自由と独立へ向けて、一歩前進だ!
アメリカ兵士3しかし、イギリスの武器でイギリスと戦うっていうのは、
皮肉なもんだぜ。
フランス兵士1なんの、ブラウン・ベスがすべてじゃない。
こっちには我らがフランスの制式銃、
シャルルヴィル・マスケットがあるんだからな。
フランス兵士2イギリス最大の植民地の歴史もこれで終わりだ。
この戦い、既に我々が勝ったも同然……!

ジョージ…………。
シャルルヴィルベスくんはイギリスの銃として長らく活躍してきた。
そのイギリスの兵士に銃口を向ける……
もしボクが彼だったら、どんな気持ちになっただろう……。
ジョージブラウンはクソ真面目だからなぁ。
そこも、あいつのいいところだけど……。
シャルルヴィルベスくんのことを考えてると、ふと思うんだ。
ジョージが生まれたことで、
苦しんでいたベスくんはすごく助けられたんじゃないかって……。
ジョージ……ああ、そうだといいな。
何もかも正反対だけど、
オレ、あいつのこと好きなんだ。
シャルルヴィルうん、ボクもだよ。
ジョージだから……ブラウンのためになれることが、
何より嬉しいんだ!
シャルルヴィル…………。
ジョージは本当に真っ直ぐだね。
誰かのために、一生懸命で……。時々、羨ましくなる……。
シャルルヴィルボクは、自分のことばかり考えてしまうもの。
ジョージそんなことないだろ。シャルルだって
つらい時があったじゃん。
それでも、フランスの人たちのために一生懸命尽くしてきた!
シャルルヴィルそれって……フランス革命のこと?

第7話:革命の歴史

シャルルヴィルフランス革命か……。
確かにあの時は……うん、結構こたえたなぁ……。
シャルルヴィルアメリカ独立戦争は、
フランスにも確実に爪痕を残した。
それは───アメリカへの出兵による財政の悪化。
シャルルヴィル国庫が危うくなったことで、アメリカと同じく
重税に苦しむようになったフランス市民が蜂起して
王権を拒絶した。
シャルルヴィル課税や特権階級の在り方に不満を抱いていた人々が、
ついに革命を起こしたんだ。

パリ市民1みんな、前へ進め……!
もう後戻りはできない。
銃を手に取り、戦うんだ。
パリ市民2旧体制(アンシャンレジーム)を打ち破ろう。
これからは自由と平等の時代だ!

フランス軍関係者1まずい、まずい!
パリ市民の群衆が、廃兵院の小銃を奪ったらしい!
その数約3万挺にのぼるとか!
フランス軍関係者2シャルルヴィル・マスケットか!
あの市民たちが武装して押し寄せてくるなんて……!
これは大変な革命になるぞ!
フランス軍関係者3い、いっそ我々も、革命に加わるのはどうだ?
大砲を用意し、国王を倒す……!

シャルルヴィル軍隊の一部も革命に加わって……
バスティーユ牢獄を襲撃した時には、
民衆も軍隊並みの装備で戦ったんだ。
シャルルヴィルもちろん、マスケット銃であるボクも、
フランス軍とパリ市民、両陣営の武器として
多くの戦場で使われた。
ジョージ辛いよな……
自分が生まれた国の人たち同士で、争うことになるなんて。
シャルルヴィル自国民同士の争いを見ているのは
確かに悲しいことだけど、長い目で見れば、
必要な歴史だったのかな……と思う。
シャルルヴィル絶対王政は、いつまでも続かない。
パリの人々の強い意志は、
銃であるボクにも伝わってきたから……。
ジョージそっか。
にしても、こうやって考えてみると、
オレたちは本当にどこまでも縁があるよな。
シャルルヴィルそうだね。
ボクたちの縁は戦争の歴史でもあるけれど……。
悪い思い出ばかりじゃなかった気がするよ。
エンフィールドジョージ師匠!
シャルルヴィルさん!
食糧が手に入りました〜!
ジョージおっ。あいつら、やっと帰ってきたな。
ジョージこれからは楽しくやろうぜ!
たまには喧嘩してもいいけど、仲直りしてさ。
シャルルヴィルうん、そうだね。
これからの未来のことを、ボクも考えてみるよ。
ジョージおーい!
メシってなんだよ、エンフィールド〜!
シャルルヴィル未来のこと、か……。

第8話:「自由」の意味

シャルルヴィル今日は付き合ってくれてありがとう。
休日に〇〇と
カフェでゆっくりできるなんて、嬉しいな。
主人公【この間はお疲れ様】
【最近大変だったみたいだね】
シャルルヴィル前回の遠征は、本当に大変だったよ。
まさかカエルがきっかけで大喧嘩に発展するなんて
思わなかったから、ビックリしたなぁ。
シャルルヴィル街にたどり着くまでに道に迷って、
今度は地図の見方で喧嘩になって……。
最後まで色々あったよ。
シャルルヴィル休憩中にジョージと昔話ができて、
楽しかったけどね。
主人公【士官学校はどう?】
【ここでの暮らしは慣れた?】
シャルルヴィルうん。楽しいよ。
授業も、休日もね。
シャルルヴィルここには、パリのお屋敷にはない新鮮さがたくさんあって、
毎日がいい刺激になってる。
シャルルヴィル前に〇〇が言ってくれたでしょう?
「自由にして」って。
シャルルヴィル自由ってなんなのか、あれからボクなりに考えて、
色々なことをしてみたんだ。
シャルルヴィルジョージと週末に遊んだり……。
あと、思い切って、他の友達を作ってみたりしたよ。
主人公【他の友達って?】
シャルルヴィルうーん……。
最近よく話すのは、ペンシルヴァニアさんかな。
彼とは意外な共通点があって、結構気が合うんだ。
シャルルヴィルボクはスフィーのことを話して、
彼からはケンタッキーのことを聞いて……。
また今度、近況報告をし合うつもりだよ。
主人公【楽しそうだね】
【仲良くなれてよかった】
シャルルヴィルうん、まぁね!
それでさ、君が言ってた『自由にする』って
こういう感じで合ってるかな?
シャルルヴィルボクなりに色々考えて、今みたいに過ごしてるんだ。
〇〇の言う『自由』って、
こういうことじゃないかってさ。
シャルルヴィルでも、こういうのっていいよね。
ジョージ以外の友達を作ってみて正解だったよ。
シャルルヴィル君がボクに言ってくれたことも実現できたと思うし、
ボクの心も満たされたからね!
主人公【シャルルが満足しているなら何より】
【楽しいならよかった】
シャルルヴィルそっか、ありがとう!
〇〇にそう言ってもらえると、
ボクも嬉しいよ。
シャルルヴィルボクはこれからも、『自由にする』ように頑張るよ。
君が望む貴銃士として、相応しい姿でいるためにね。
主人公【…………】
シャルルヴィルこの店のマカロンは、どれも最高なんだ。
君は、どれが好き?
シャルルヴィルいちご、チョコレート、あとピスタチオも美味しいよ。
どれでも、好きなものを選んでね。
シャルルヴィルあと、紅茶の種類もたくさんあるんだ。
ダージリン、アールグレイ、セイロン。
ハーブティーもあるよ。
シャルルヴィル……ふふっ。
君のおかげで、毎日が楽しいしね。
今日はお礼でもあるから、ボクにご馳走させて。
シャルルヴィル……ほら、遠慮せずに何でも言って?
ポクに『自由』を教えてくれたのも、
〇〇だから、ね?
シャルルヴィル〇〇……?
そうだ。紅茶のおかわりが必要だね。
注文しておくよ。

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