ラッセル | やぁ、〇〇君。 これから食堂へ行くのかい? 今日のメニューは─── |
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その時、突如校内に銃声が鳴り響いた。
ラッセル | な、なんだ!? 向こうの方から聞こえた! 行くぞ、〇〇君! |
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主人公 | 【イエッサー!】 |
シャルルヴィル | あ、ああ……。 なんてことを……! |
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主人公 | 【大丈夫!?】 【一体何が!?】 |
シャルルヴィル | あっ、〇〇! それが……─── |
スナイダー | 足下に気をつけろよ。 まさに『踏んだり蹴ったり』になるからな。 |
床に視線を落とすと、銃が落ちている。
これは、DG36───ジーグブルートだ。
シャルルヴィル | さっき突然、スナイダーが撃ったんだよ! それで銃に戻っちゃったんだ。 |
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ラッセル | なっ……味方を撃ったというのか? スナイダー、なぜそんなことを……!? |
スナイダー | ……そのデカブツが、教室の入口を塞いでいた。 |
スナイダー | ここでは『平和的解決』を重視するようだからな。 一応、声はかけてやった。 「退け」と。 |
スナイダー | が、デカブツは退くどころか、俺に歯向かってきた。 |
スナイダー | 俺の行く手を阻害する者は、誰であろうと許さない。 しかも俺の譲歩を踏みにじるなら撃たれて当然だ。 |
主人公 | 【当然じゃないよ!】 【それでも撃ってはいけない】 |
スナイダー | おかしなことを言うな。 そのデカブツを惜しんでいるのか? |
スナイダー | だとしたら、おまえの認識がおかしい。 愚昧な味方など、有能な敵より厄介だ。 |
スナイダー | そもそも、おまえに俺以外の貴銃士は 必要ないと言っただろう。 俺は絶対高貴にも絶対非道にもなれるんだからな。 |
ラッセル | と、とにかく! 許可なく銃を撃つことは校則違反だ。 そもそも邪魔だから撃つなどありえないことだ! |
ラッセル | 通常なら恭遠審議官の判断を待つところだが…… 今回はあまりにも事が重大すぎる。スナイダー、君は懲罰房へ。 銃は私が預かる。 |
ラッセルはスナイダーの銃を取り上げようとした。
すると───
スナイダー | 触るな。 |
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ラッセル | ぐふっ……。 |
スナイダーの銃に触れようとした瞬間、
銃床で殴られ、ラッセルが床に倒れ込む。
シャルルヴィル | わぁっ! また……! |
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スナイダー | 貴様らのルールに従うつもりはない。 俺はこの時代の戦場で再び力をふるうために 貴銃士になった。 |
スナイダー | その俺から銃を奪おうなどと考える方がおかしい。 そうだろう? |
スナイダー | 俺は邪魔をする奴に容赦はしない。 マスターといえど、おまえも覚えておくことだ。 |
シャルルヴィル | い、行っちゃった……。 |
シャルルヴィル | スナイダーって相当な危険人物───いや、 危険貴銃士だね、〇〇……。 |
エンフィールド | おや、〇〇さん。 |
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エンフィールド | どうしたんですか? 何か探し物でも? |
主人公 | 【スナイダーを探していたんだけど……】 【スナイダーの姿が見えないと思って】 |
エンフィールド | ああ……。 そういえば、最近スナイダーを見かけませんね。 |
エンフィールド | 最後に姿を見たのは、2日前だったかな……? またどこかをふらついているんだと思います。 スナイダーは気ままですから。 |
エンフィールド | 〇〇さん、心配ですか? でも大丈夫ですよ。 なにせスナイダーですから。 |
エンフィールド | まあ……性格には難が非っ常〜にありますし、 僕を改造しようとするのは困りものですけど、 実力は確かですよ。 |
エンフィールド | きっと今回も、 何事もなかったような顔で、 いつの間にか戻ってきますよ。ええ! |
エンフィールド | ……っと、もうこんな時間だ。 ジョージ師匠の洗濯物を取り込まなければ。 それじゃあ、僕はこれで失礼します! |
その日の夜───。
就寝の準備をしていた〇〇は、
廊下から微かに物音がしたことに気がついた。
主人公 | 【……なんだろう?】 【様子を見てみよう】 |
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スナイダー | ……〇〇。 |
スナイダー | 起きていたか。 ───叩き起こす手間が省けた。 |
廊下に出ると、そこにはスナイダーがいた。
服はボロボロで、足にひどい怪我を負っている。
そしてよく見ると、足首があらぬ方向に曲がっていた。
主人公 | 【その足は……!?】 【何があったの!?】 |
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スナイダー | ……失敗した。 アウトレイジャーを追いかけている最中に、 足を踏み外して崖から落ちてな。 |
スナイダー | まあ、懲りずに追ってきたアウトレイジャーは 当然返り討ちにしてやったが……。 |
主人公 | 【今すぐ治療を!】 |
スナイダー | 当たり前だ、そのために来た。 この状態では走れない、早く直せ。 |
スナイダー | ……ッ……。 |
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見るも無残な傷に触れる。
淡い光が傷口を包み込み、正常な状態へと戻っていく。
スナイダー | ほぅ……。 よくやった。見事だ。 |
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スナイダー | さて……邪魔したな。 |
主人公 | 【無茶はよくない】 【ちゃんと学校にいてもらわないと……】 |
スナイダー | ……? 俺は力を使うための武器だ。 敵を倒さず何をしろと? |
スナイダー | あの無能な奴らと共に大人しく机に座っていろと? ───冗談ではない。 |
主人公 | 【でも、無茶な戦い方は……】 【少しは周囲の意見も尊重してほしい】 |
スナイダー | おまえごときが俺に意見か? ……片腹痛い。 |
スナイダー | 俺は戦い続けるために、おまえの貴銃士になった。 貧弱なおまえの言うことを いちいち聞いてやる筋合いはない。 |
スナイダー | 俺からすれば、おまえの方こそ俺に合わせるべきだ。 なぜ俺についてこようとしない? |
スナイダー | なぜおまえも俺と同じように、 アウトレイジャーと戦わない? |
スナイダー | ……戦う気がないのなら、邪魔をするな。 俺が必要とする時だけ、応えろ。 それ以外のことで───俺に、指図をするな。 |
主人公 | 【…………】 |
スナイダー | …………。 |
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スナイダー | ……! |
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スナイダー | ───おまえか、〇〇。 |
主人公 | 【どこかに行くところ?】 【ここは立ち入り禁止だよ】 |
スナイダー | 昨晩、ここを通った時に何か気配を感じた。 アウトレイジャーかもしれない。 確かめに行く。 |
スナイダー | ───おまえはなんだ? また、くだらない指図をするつもりか。 |
主人公 | 【一緒に行く】 【アウトレイジャー退治を手伝う】 |
スナイダー | ……勝手にしろ。 |
───2時間後。
スナイダー | もたもたするな。 遅れたら構わず置いていくぞ。 |
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主人公 | 【問題ない】 【どんどん進もう】 |
スナイダー | …………。 |
スナイダー | 案外、根性があるようだな。 もっと早く弱音を吐くかと思ったが─── |
スナイダー | ───! |
スナイダー | ……いる。 |
スナイダーは茂みに向かって銃を構える。
すると───
アウトレイジャー | ……敵、発見。 破壊、スル───! |
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スナイダー | ふん。 破壊されるのは貴様だ、下衆が。 |
スナイダー | ───絶対非道。 |
アウトレイジャー | 破壊スル……、破壊……! |
スナイダー | どこを狙っている? 破壊とは───こうするんだ! |
アウトレイジャー | グ、フ───……。 |
スナイダー | ふん。 他愛もない……─── |
突然、スナイダーの身体が揺らいだかと思うと、
ばたりと地面に倒れた。
慌てて〇〇が駆け寄ると───。
スナイダー | すう……、すう……。 |
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主人公 | 【眠っている……?】 【疲れただけ……?】 |
スナイダー | ……、すぅ……。 |
数時間後───。
スナイダー | ……ん、んん───……。 |
---|---|
主人公 | 【起きた?】 【おはよう】 |
スナイダー | ───〇〇? |
スナイダー | ……俺は……。 そうか、俺は寝ていたのか。 |
スナイダー | ───……ん? |
スナイダー | …………………… …………………… …………動けない。 |
スナイダー | 痛みはないが、身体に力が入らない。 ……なんだ? どうしたというんだ……。 |
スナイダー | ……そういえば、アウトレイジャーと戦う前から、 腹に違和感があった。 それが大きくなったような─── |
スナイダー | ……? |
主人公 | 【お腹が鳴ってる】 【最後に食事をしたのは……?】 |
スナイダー | ……ああ。 『腹が空いている』というヤツか。 厄介な。 |
スナイダー | いつだったか、エンフィールドに スコーンを食わされたし、 紅茶や水を補給していたんだがな。 |
スナイダー | あれは……最後にエンフィールドと会った時…… 2日前だったか? |
主人公 | 【2日も前!?】 【それは倒れるはずだ……】 |
スナイダー | はぁ……身体を持つというのも面倒なものだな。 |
スナイダー | エンフィールドが、 時々何かを口に突っ込んでくるのはそのためか。 鬱陶しいと思っていたが意味はあったわけだ。 |
とにかく何か食べた方がいいと、
〇〇は、持っていた携帯食をスナイダーに渡す。
スナイダー | これは……チョコレートとクラッカーか。 クラッカーはともかく、 チョコレートはベトベトするからいらん。 |
---|---|
主人公 | 【食べないと身体がもたない】 【これしかないから我慢してほしい】 |
スナイダー | ……仕方がない。 このまま動けないのも困るからな。 これを飲み込むとしよう。 |
スナイダーは携帯食を食べ始める。
スナイダー | 貴銃士として実体を持ち、 こうして自由に戦えるのはいいが、 人間の身体というのは面倒なものだ。 |
---|---|
スナイダー | 何もせずとも、時間が経てば腹が減る。 動けば汗が出て、次第に動きが鈍っていく。 つまらん。 |
スナイダー | ───だが、城での暮らしよりは今の方がマシだな。 ゴテゴテと贅をこらし、 無駄だらけの生活をするなど理解不能だ。 |
スナイダー | おまけに人間の下らん理想を押しつけられる。 ……まぁ、エンフィールドは それを嬉々として受け入れていたがな。 |
スナイダー | 俺にはこの過ごし方が性に合っている。 日々戦場に立ち、敵を屠る。 銃としてあるべき過ごし方だろう? |
スナイダー | ……ああ。 そういえば今は、ちょうどおまえもいるな。 なら、士官学校にも戻る必要もない。 |
主人公 | 【それはちょっと困る】 【……冗談?】 |
スナイダー | 何か問題があるか? |
スナイダー | 俺はあそこにも縛られる気はない。 マスターであるおまえがいるからいてやるだけだ。 それを覚えておけ。 |
スナイダー | …………。 |
---|---|
主人公 | 【どうしたの?】 【また、どこかに出かけるところ?】 |
スナイダー | ……おまえか。 いや、今日は─── |
スナイダー | この音……。 またあれか……。 |
主人公 | 【ちゃんと食べてる?】 【何か食べないと】 |
スナイダー | わかっている。 エンフィールドがスコーンを持っている。 それを口に入れることにしよう。 |
主人公 | 【それじゃあ足りないよ】 【栄養を考えないと】 |
スナイダー | うるさい。 エンフィールドと同じようなことを言うな。 この身体を動かせるエネルギーになればそれでいい。 |
主人公 | 【食べることは嫌い?】 【食事は楽しめそうにない?】 |
スナイダー | 言っている意味がわからない。 身体を動かすために必要だから、何か摂取する。 それだけだろう。 |
エンフィールド | おや。〇〇さん。 |
---|---|
エンフィールド | どうしたんですか? 難しい顔をして。 |
〇〇はエンフィールドに、
先ほどのやりとりの内容を伝えた。
エンフィールド | そうですか。 まったく、スナイダーにも困ったものです。 僕がもっとちゃんと見張っていないといけないようですね。 |
---|---|
エンフィールド | すみません、マスター。 今度からはもっとしっかり スナイダーに食べさせるようにします。 |
主人公 | 【『食事』を楽しめたらいいんだけど】 【好きな食べ物はないのかな】 |
エンフィールド | スナイダーにとって、食事は…… 身体を動かすための面倒な行為という認識ですからね。 |
エンフィールド | 『食べる』ものはありますが、 『好き』なものはないように思います。 |
エンフィールド | 城で暮らしていた時は、シンプルなパンなど、 味気のないものならなんとか食べていました。 |
エンフィールド | あと、僕が飲んでいるのを見て、 紅茶はあまり嫌がらずに飲んでいましたね。 |
エンフィールド | それが彼のボーダーラインで、 気に入らないものはそもそも 口に入れようともしません。 |
エンフィールド | まぁ、好みの食べ物を見つければ、 食事も少しは楽しめるようになるんでしょうが……。 |
主人公 | 【スナイダーの好みを見つけたい】 【なら、調べてみよう】 |
エンフィールド | 〇〇さん……。 どうして、そこまで必死なんです? |
主人公 | 【スナイダーのためだから】 【倒れたら大変だから】 |
エンフィールド | マスター……。 弟のためにありがとうございます。 であれば、僕もできる限り力になります。 |
エンフィールド | 僕たちでスナイダーが食べられそうな食材を、 探してみましょう! |
スナイダー | こんなところに呼び出して、なんだ? |
---|---|
エンフィールド | 君が何を食べられるか、 〇〇さんが知りたいそうなんだ。 どう? この中で気になるものはあるかな。 |
エンフィールド | ほら、いろいろ用意したよ。 美味しそうだろう? |
スナイダー | どれも興味はない。 |
エンフィールド | そう言わないで。ほら、これなんかどうかな? 鶏肉をハーブでソテーしたものだよ。 いい匂いがするだろう? |
スナイダー | ……鳥の死骸か。 |
エンフィールド | う…… そう考えると、食欲がなくなるな……。 |
エンフィールド | ええっと……、ならこっちはどうだい。 穫れたて野菜の盛り合わせだ。 ブロッコリーにニンジン、レタス……─── |
スナイダー | ……俺に草を食べろと? |
エンフィールド | そ、それじゃあ、こっちはどうかな? 新鮮なフルーツだよ。 これなら、木の実だから草じゃない。 |
スナイダー | ……甘ったるい匂いがする。 この匂いを嗅ぐと気分が悪い。 |
エンフィールド | そうか……。 じゃ、じゃあ、これは───……? |
エンフィールド | はぁ……。 最後の頼みだったミックスジュースも駄目か……。 |
---|---|
エンフィールド | ねぇ、スナイダー。 本当に口に入れていいと思ったものはないのかい? 僕にはどれも美味しそうに見えるけど……。 |
スナイダー | ない。 これらを口に入れるなんてごめんだ。 |
エンフィールド | そうか……。 |
エンフィールド | マスター、すみません。 僕はあなたのお役に立てませんでした……。 |
生徒1 | はぁ……疲れた! 喉がカラカラだっ! こんな時こそ、コレだよな。 |
生徒1 | 炭酸水! |
食堂にやってきた候補生は、
持っていた炭酸水を一気に飲み干した。
生徒1 | ……ぷはぁ〜! うん、うまい! |
---|---|
スナイダー | …………。 |
エンフィールド | どうしたんだい、スナイダー? |
スナイダー | ……あいつが飲んでるもの。 あれはなんだ? |
エンフィールド | えっ? ……ああ、炭酸水のこと? 気になるなら飲んでみる? |
スナイダーはこくりと頷く。
エンフィールド | それじゃあ、購買ですぐに買ってくるよ! |
---|
エンフィールド | ───お待たせ! はい、炭酸水だよ。 どうぞ。 |
---|---|
スナイダー | ああ。 |
スナイダーは炭酸水を受け取ると、
ゆっくりと口をつけた。
スナイダー | ……! これは─── |
---|
1口飲むやいなや、スナイダーは目を見開くと、
ゴクゴクと喉を鳴らして炭酸水を飲みはじめた。
エンフィールド | すごい勢いで飲んでるな。 気に入った? |
---|---|
スナイダー | ああ、悪くない。 |
エンフィールド | ……! やりましたね、〇〇さん! スナイダーの好みを発見しましたよ! |
主人公 | 【やった!】 【でも……】 |
エンフィールド | あ……。 好みなのはいいですけど、 炭酸水だから、栄養は摂れませんね……。 |
エンフィールド | ……ま、まぁ、好きなものが見つかっただけでも 良しとしましょうか、ええ! とりあえずは、ミッションクリアですよ、はい! |
エンフィールド | ……よし。 さっきの実技演習ではなかなかの結果が残せたぞ。 この調子で頑張って─── |
---|---|
??? | なかなかの結果? あれで満足しているというのか? |
スナイダー | あれくらいで満足するとは程度が低すぎる。 これが俺の兄かと思うと情けない。 |
エンフィールド | ……スナイダー。 いきなり何を言うんだ。 |
スナイダー | まず、弾の装填が遅すぎる。 いちいち銃口を手元に戻して弾を込めなければならない 前装式だからだ。 |
エンフィールド | う……。 それは仕方ないだろう? 僕はそういう風にできているんだから。 |
スナイダー | そうだな。 だが、心配ない。 俺がしっかり改造してやろう。 |
エンフィールド | ま、またそれか! |
スナイダー | さあ、銃を渡せ。 責任を持って後装式かつ、さらに優秀な銃にしてやろう。 |
エンフィールド | 改造はしないって言ってるだろ! まったく、珍しく口を利いたと思えば そんなことばっかり───! |
エンフィールド | 不愉快だよ! 今日はもう僕に話しかけないでくれっ! |
スナイダー | っ、待て……! |
スナイダー | ……と、もう姿が見えない……か。 まったく、逃げ足だけは速い。 |
??? | はははっ! 逃げられてやんの! |
スナイダー | ……? |
グラース | 見てたぜ。 あの逃げっぷり、相当嫌われてんじゃねぇの? |
スナイダー | ……貴様……。 グラースと言ったか。 |
グラース | 何やったらあんなに嫌われるわけ? 後学のために知りたいね。 |
スナイダー | 嫌われてはいない。 ただ、あいつは改造を嫌がるだけだ。 |
グラース | ……改造? |
スナイダー | 『俺』にしてやろうとしている。 俺の方があいつよりも優秀な銃だからな。 |
グラース | ああ、スナイダー銃ってエンフィールド銃を 改造した銃だっけ? |
スナイダー | そうだ。 あいつは、強くなれると諸手を挙げて喜ぶべきだ。 なのに……いつも拒絶する。 |
グラース | ふぅん。銃もそれぞれだな。 シャスポーは自分をどうにか強くできないかって 悩んでるみてぇなのにな。 |
グラース | ははっ、シャスポーのヤツ、 本当は僕の強さが羨ましくて 仕方ねぇんだろうさ! |
スナイダー | …………なるほど。 |
グラース | ……ん? どうしたんだ。 何か悪巧みをしてるような顔だぞ。 |
スナイダー | 名案を思いついた。 シャスポー銃をおまえに改造しろ。 |
グラース | ……は? |
スナイダー | シャスポー銃が改造されて強くなれば、 それを見たエンフィールドが 「よし、自分も」と思うかもしれない。 |
スナイダー | ───というわけだ。 おい、おまえ。 とっととシャスポー銃を改造してこい。 |
グラース | なんでだよ! |
スナイダー | 同じことを2度言うのは嫌いだ。 1回で理解できないほど頭が悪いのか? |
グラース | いや、理解はできるに決まってる! けど、んなのは絶対イヤだね! |
グラース | そんなことしたらシャスポーが 『僕』になっちまうだろうが! |
スナイダー | ……? 何か問題があるのか? おまえはシャスポーを『自分』にしたいと 思わないのか? |
グラース | はぁ? 思うわけねぇだろ気持ち悪い。 そういうネタでからかうってんならまだしも、 そんなガチのトーンじゃ言いたくもねえ。 |
グラース | 僕は僕1人で十分だ。 |
スナイダー | ふん、そうか。 よっぽど、自分に自信がないんだな。 |
グラース | そうじゃねぇよ! |
ジョージ | あれ? スナイダーとグラース! |
ジョージ | へえ〜! おまえらって仲良かったんだな。 |
グラース | ……お前、目がすげぇいいんだな。 これが仲が良いように見えるってんだから。 |
ジョージ | HAHAHA! それほどでもないぜ! サンキュー☆ |
ジョージ | で? なんの話してたんだ? |
スナイダー | エンフィールドを改造に乗り気にさせる方法だ。 |
グラース | ……そうだったか? |
ジョージ | なんだ、スナイダー。 またエンフィールドを改造しようとしてるのか。 |
スナイダー | ああ。 だが、今回も逃げられた。 |
ジョージ | いつものことだな。 ま、気にするな! |
スナイダー | もちろんだ。 次の機会を狙う。 |
ジョージ | しっかし、スナイダー。おまえ、 よく改造改造〜って言ってるけど、 おまえとエンフィールドってそんなに性能が違うのか? |
スナイダー | 当たり前だ。 そもそも必要がなければ改造されないだろう。 |
ジョージ | まぁ、そりゃそうなんだけどさ。 |
スナイダー | スナイダー銃は エンフィールド銃を改良して生み出された 革新的な銃だ。 |
スナイダー | エンフィールドも『俺』になってみれば、 今の自分がどれほど『足りていない』か、 理解できるというのに───。 |
スナイダー | 知っての通り、 エンフィールド銃は前装式の銃だ。 |
---|---|
スナイダー | 前装式銃が幅広く使われていた時代においては、 最高傑作と言われていたが…… 時代は徐々に、後装式銃へと移り始めた。 |
スナイダー | プロイセンで誕生した後装式ボルトアクション銃─── ドライゼ銃の情報が大英帝国にも入り、 後装式銃の研究が始まった。 |
スナイダー | 当時はまだ、後装式銃の優位性については 懐疑的な見方が大きかったようだがな。 プロイセンの快進撃で、状況が変わり始めたというわけだ。 |
グラース | …………。 |
軍の高官1 | プロイセンのドライゼ銃は射程が短いが、 後装式の機構ゆえに、地に伏した状態のまま 何度も射撃を繰り返せる。これは大きなメリットだ。 |
---|---|
軍の高官1 | 装填の速度の差は歴然としている。 今や、後装式銃なしではフランス、プロイセンに対抗できない。 |
軍の高官2 | それは誰もがわかっている。 しかし、銃の開発には 長い時間と膨大な費用がかかるのだ! |
軍の高官3 | ……ならば、エンフィールド銃を使うというのはどうだ? |
軍の高官2 | ……エンフィールド銃を? 改造するのか。 |
軍の高官1 | そうだ。エンフィールド銃は、 間違いなく前装式銃の最高傑作だ。 |
軍の高官1 | エンフィールド銃を後装式に改造すれば、 ドライゼ銃やシャスポー銃にも負けないような素晴らしい銃を、 安価に短期間で作れるのではないか? |
軍の高官2 | うーむ、なるほど……。 それは一理あるな。 |
そうして、エンフィールド銃をもとに、
右開きの蝶番式銃尾装置が考案された。
改造元となったエンフィールド銃の口径や尺度、
銃形はそのままで、後装式に改造が行われたのだった。
兵士1 | ───Fire! |
---|---|
兵士2 | は……早い! これがスナイダー銃……! |
兵士3 | ああ……! これからは後装式の時代だ。 このスナイダー銃は、 我らが大英帝国の力をさらに強固にするぞ……! |
スナイダー | 俺の登場によって、 前装式銃は一気に旧式と化した。 |
---|---|
グラース | ……ふん。 所詮、二番煎じじゃないか。 しかもドライゼやシャスポーなんかの。 |
スナイダー | それは違う。 俺とドライゼ銃、シャスポー銃の機構は別物だ。 それに、奴らのような欠点は俺にはない。 |
ジョージ | ……っていうと? |
スナイダー | ドライゼ銃やシャスポー銃には問題があった。 |
スナイダー | ガス漏れ、針折れ、湿気などによる不発、 不発時の排莢困難など───な。 |
グラース | ……まぁ、シャスポーのヤツは湿気に弱いな。 |
スナイダー | 俺は違う。 仮に不発となっても排莢できて、またすぐに戦える。 金属薬莢の弾丸も使えるしな。 |
スナイダー | エンフィールドが前装式銃の最高傑作なら、 俺は後装式銃の最初の完成形にして傑作だ。 |
グラース | おいおい、それは言い過ぎだろ。 お前はあくまで初期の後装式の銃だ。 後から出た銃はお前よりも優秀だぞ。 |
スナイダー | それは、俺という手本がいたからだ。 |
グラース | ったく、面の皮が厚い奴だ。 |
スナイダー | とにかく、俺は強かった。 |
スナイダー | 日本で勃発した戊辰戦争では、 たった10挺のスナイダー銃を装備した兵士たちが、 旧式銃を装備した白虎隊を打ち破ったという話がある。 |
グラース | 白虎隊……? |
スナイダー | 300余名の部隊だ。 つまり、数を30倍上回る相手を 打ち負かしたことになる。 |
グラース | へぇ。 そりゃ、すげぇな。 |
スナイダー | 弱い者は強い者に食われる。 そして、俺こそが、 数々の戦場で弱者を蹂躙してきた銃。 |
スナイダー | ……だから、 エンフィールドは『俺』になるべきだ。 なのにあいつは、なぜ拒否するんだ。 |
ジョージ | うーん。オレ、ずっと考えてたけど……。 自分が自分じゃなくなるのはイヤかもなー。 |
ジョージ | オレ、オレの銃も、ブラウンも好きだし! だから他の奴にはなりたくないな〜。 |
スナイダー | 自分が自分でなくなる……? |
グラース | ……僕もシャスポーにはなりたくねぇな。 あいつのもんを奪ったり、フリをしたりするのはいいけど。 |
スナイダー | ……? |
スナイダー | (エンフィールドは、違う物になることを恐れている? しかし、俺とエンフィールドは、元は同一の銃。 性能は大きく変わるが、恐れる必要はないはずだ……) |
スナイダー | ……? ……わからん。 |
エンフィールド | マスター! 聞き込みをしてきました。 |
---|---|
主人公 | 【ありがとう】 【お疲れ様】 |
スナイダー | ……つまらん。 任務だと言うから来てやったのに、 ちまちまと人の話を聞いてばかり……。 |
エンフィールド | そんな言い方はよくないよ。 情報収集だって立派な任務じゃないか。 戦いだって、より情報を持っている方が勝つんだよ。 |
スナイダー | いくら情報があったところで、弱者は負ける。 勝負を決するのは、最終的には力だ。 |
エンフィールド | もう……。 そんな考え方をしていると、 足下をすくわれるよ? |
スナイダー | おまえたちは勝手にやっていろ。 俺はもう帰る。 |
エンフィールド | あっ、コラ! 勝手な行動をするんじゃな─── |
スナイダー | …………。 |
エンフィールド | うわっ!? |
エンフィールド | ちょっ……、 スナイダー! どうしていきなり立ち止まるんだい!? |
スナイダー | ……ここを知っている気がする。 |
エンフィールド | えっ? この街に来るのは初めてだと思うけど……。 ……あっ、石碑が建っているな。 |
エンフィールド | なになに───『革命戦争夜明けの記念碑』? |
主人公 | 【レジスタンスたちが戦った場所だね】 【初めて貴銃士たちが勝利を飾った街】 |
エンフィールド | なるほど。 世界帝軍の基地があった街ってことか……。 |
エンフィールド | もしかしたら、僕たちが銃の時に来たことが あったのかもしれないな。 |
スナイダー | ……? |
エンフィールド | なに、不思議そうな顔をしているんだい? 僕たちの前の持ち主はレジスタンスにいたんだから、 あり得ない話じゃないだろう? |
スナイダー | そういえば、そうだったかもしれないな。 |
エンフィールド | 『かも』って……。 スナイダー、君……自分の来歴くらいは ちゃんと把握しているんだろうね? |
スナイダー | 興味ないな。 |
エンフィールド | おいおい、しっかりしてくれよ。 そこはちゃんと認識しておくべきじゃないか! |
エンフィールド | いい? 王室に伝わっているところによると、 君はウルンディの戦いに参加していた兵士の 持ち物だったそうだよ。 |
エンフィールド | それから色々あって、 博物館に収蔵されて、革命戦争中に レジスタンスの手に渡ったらしい。 |
主人公 | 【色々?】 【博物館に収蔵?】 |
エンフィールド | はい。どうやら最初の持ち主に問題があったようで。 上官に逆らって罰を受けたのをきっかけに、 軍を抜けたとかなんとか。 |
エンフィールド | その際、スナイダーや手持ちの武器を売って お金を作ったらしいんです。 |
エンフィールド | その後、いろんな場所を転々とした末に、 イギリス本国に戻って競売に出されたとか。 その際、イギリスの博物館が購入したそうです。 |
スナイダー | ……つまらん話だ。 |
主人公 | 【それがなぜレジスタンスに?】 【興味深いね】 |
スナイダー | …………。 |
レジスタンス1 | くっ。世界帝軍め! 俺たちは簡単にやられたりはしない……! 必ず未来をつかみ取るんだっ!! |
---|---|
レジスタンス1 | 頼むぜ、エンフィールド銃! お前が頼りだ! |
レジスタンス2 | おーい! 助太刀にきたぞーっ! |
レジスタンス1 | お前……! 気持ちは嬉しいが、ここは戦場だ。 手ぶらじゃ─── |
レジスタンス2 | 大丈夫だ、ちゃんと銃がある。 ほら! |
レジスタンス1 | スナイダー銃じゃないか! そんなもの、どうしたんだ? |
レジスタンス2 | イギリスの博物館からもらったんだ! そういうお前は、どうやって手に入れたんだ? そのエンフィールド銃を。 |
レジスタンス1 | 子供の頃、史跡でデモンストレーションに 使われていた銃があったことを思い出して行ってみたら、 まだあったんだ! |
レジスタンス2 | それはラッキーだったな! よし、これは俺たちレジスタンスに 追い風が吹いてるぞ。 |
レジスタンス1 | ああ。この勢いで世界帝から取り戻そう。 俺たちの祖国を───いや、世界を……! |
レジスタンス2 | ああ!! |
レジスタンス1 | 明日は、いよいよイレーネでの最終決戦か……。 |
---|---|
レジスタンス2 | 次の戦いで最後になるのか……? |
レジスタンス1 | ……わからない…… ───いや、最後にしよう。必ず……! |
レジスタンス2 | ああ……! そうだ。俺たちは、この日のためにこれまで 必死の思いで頑張ってきたんだ。 |
レジスタンス2 | 死んでいったあいつらのためにも……。 絶対勝たなきゃいけない! |
レジスタンス1 | ……そしたら、さ。 色々落ち着いた頃には、故郷に帰れてるかな? 俺、墓参りがしたい。 |
レジスタンス1 | お袋が好きだった、白いバラを 持って行ってやりたいんだ……。 |
レジスタンス2 | 絶対やろうぜ。 俺も、いっぱいやりたいことがある。 2人で思い切り平和を満喫してやるんだ! |
レジスタンス1 | そうだな。 約束だ! |
だが、その約束は果たされなかった。
レジスタンス2 | さすがに、向こうも必死だぜ。 だが、ここは俺たちがこらえるんだ……!! |
---|---|
世界帝軍1 | 守りが手薄な場所を狙え! ───あそこだ! あそこを突破するんだ! |
レジスタンス2 | まずい! こっちに……! させるか───! |
レジスタンス1 | おいっ! 前に出るな! 狙われるぞ! |
世界帝軍2 | おっと。 レジスタンスの子ネズミが飛び出してきたぞ! ははっ、わざわざ撃たれに来やがって! |
レジスタンス2 | あ……。 |
レジスタンス1 | ───危ないっ!! |
レジスタンス2 | うわっ! |
世界帝軍2 | 死ね死ね死ねーっ! |
レジスタンス1 | ぎゃあっ……! |
エンフィールド銃の持ち主は、
スナイダー銃の持ち主をかばって銃弾に倒れた。
レジスタンス2 | ……っ! な、なんてことだ……。 |
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レジスタンス2 | しっかりしろ! くそっ、なんでこんなバカな真似をしたんだ……! 俺なんかをかばって撃たれるなんて───! |
レジスタンス1 | 逃げろ……。 そして、お前は……、生きて……、 俺たちの、目指した……新しい世界を───……。 |
レジスタンス2 | おい! 目を開けろっ! なぁ、聞こえてるんだろ? だったら、目を開けてくれ……! |
レジスタンス1 | …………。 |
レジスタンス2 | うわぁあああ……っ!! |
主人公 | 【そんなことが……】 |
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スナイダー | 世界帝軍とレジスタンスの結末については、 おまえも知っているだろう。 ただ、その陰にこんなこともあったというだけだ。 |
エンフィールド | 僕の持ち主が見られなかった世界を、 僕がこうやって見ているのは感慨深いよね。 |
主人公 | 【彼も喜んでいるかもしれない】 【この平和を守り抜かないと】 |
スナイダー | ……とにかく、革命戦争はそうやって終わって、 貴銃士たちは眠りについた。 |
エンフィールド | 7年後、ブラウン・ベス先輩が貴銃士として 現れたことで、イギリス全土から エンフィールド銃とスナイダー銃が集められました。 |
スナイダー | それで、俺の持ち主が、 俺と、友人の形見として持っていた エンフィールド銃を王室に納めた。 |
エンフィールド | うん。 「自分の愛銃と、親友の愛銃が 貴銃士になってくれたら」───とね。 |
スナイダー | そんな願いは知ったことではない。 だが、そのおかげでこの身体を得たことは、悪くない。 |
エンフィールド | 素直じゃないよね、君。 前の持ち主にも感謝しているんだろう? |
スナイダー | ……無駄な時間を食った。 俺は帰る。 |
エンフィールド | あっ、待って! こら、スナイダーったら! |
エンフィールド | おや、〇〇さん。 |
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エンフィールド | どうしたんですか? 何かお探しでしたらお手伝いしますよ。 |
エンフィールド | ……ああ、もしかして、 またスナイダーを探しているんですね? ここ数日、姿が見えませんから。 |
エンフィールド | いつものようにどこかをうろうろしているのでしょう。 でも、そろそろ帰ってくる頃だから大丈夫ですよ。 さすがにお腹も空くでしょうし。 |
主人公 | 【空腹で倒れないか心配だ】 【何か食べられそうなものを準備しようかな】 |
エンフィールド | スナイダーに渡すなら、 味のない食べ物がいいですよ。 |
エンフィールド | 味や匂いが強いものはどうも嫌がって、 口に入れようとしないので。 |
主人公 | 【ありがとう】 【よし、じゃあアレだ】 |
エンフィールド | ……もしかして、何か作ろうとしています? |
エンフィールド | ああ! スナイダーは幸せですね。 〇〇さんの手料理を食べられるなんて! |
エンフィールド | あの……よかったら、僕も手伝いましょうか? スナイダーの好みは誰よりもわかっているつもりですし 味見係もできますし……。 |
エンフィールド | ───それに僕も、 お腹が空いた弟のために何かしたいので。 |
その日の夜───。
スナイダー | 俺だ。 入るぞ。 |
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スナイダー | ……ふん。 敵の弾丸が腕をかすった。 動くには問題ないが念のため直しておけ。 |
うなずいて、血がにじむ腕に手をかざす。
すると、淡い光がスナイダーの傷口を包み、
見る間に傷がふさがっていった。
スナイダー | よし。───問題ない。 |
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主人公 | 【お腹は空いてない?】 【ちゃんと食べてる?】 |
スナイダー | ……確か、昨日何かを食った。 なんだったかは覚えていない。 |
〇〇は、昼間、エンフィールドと作った
ショートブレッドを取り出した。
スナイダー | ……? なんだ、これは? |
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主人公 | 【色々栄養が入ってる】 【味はあまりないはず】 |
スナイダー | 食い物か。 ……匂いは特にしないな。 |
スナイダーはやや警戒しながら、
ショートブレッドを口に運ぶ。
スナイダー | ……食べられなくはない。 余計な味がしないところは気に入った。 これを食べれば倒れないのか? |
---|---|
スナイダー | ───なら、また作れ。 今度はこれを持って出る。 |
主人公 | 【また出かけるつもり?】 【どうしてそこまで戦おうとする?】 |
スナイダー | 俺は絶対高貴、そして絶対非道の、 2つの力を使える唯一無二の強者だ。 |
スナイダー | だが、この時代の銃に比べて、 俺が古い銃であることは確か。 |
スナイダー | 戦うことをやめれば、 俺は時代に置いていかれた ただの古銃になるだろう。 |
スナイダー | だからこそ戦い続けねばならない。 俺が強者であり続けるために。 |
主人公 | 【…………】 【無理はしないでほしい】 |
スナイダー | なんだ、また文句があるのか。 俺は俺のやりたいようにやる。 不満があるなら、おまえが共に来い。 |
主人公 | 【それは……できない】 【他の貴銃士たちを置いていけない】 |
スナイダー | 他の奴らなど必要か? 俺ならおまえの力をうまく使うことができる。 他の誰よりもずっと───な。 |
スナイダー | だから、おまえも俺を───俺だけを選べ。 |
主人公 | 【でも……】 【みんなも大事だ】 |
スナイダー | ……あくまで俺を選ばないというのか。 |
スナイダー | なら、この選択ならどうだ? おまえが俺から逃げられないように鎖でつなぐか、 他の奴らを消すか───どちらがいい? |
主人公 | 【むちゃくちゃだ!】 【どっちも駄目だ!】 |
スナイダー | 黙れ。必ず選ばせる。 おまえが選ぶまで俺はここを動かない。 |
スナイダー | さて、 どちらが根負けするか、勝負だな。 |
スナイダー | なに、夜はまだまだ長い。 気長に待ってやろう。 どちらが得策か、じっくり考えるがいいさ。 |
スナイダー | なぁ、〇〇? |
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