貴銃士ストーリー:マークス

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第1話:胸に積もる埃

ジョージアウトレイジャーが出没するってのは、
この辺りか?
マークス……そうだ。
ジョージなんだよマークス、むっつりして。
心配しなくても、オレたちとマスターがいれば
ちょちょいっと倒せるって!
マークスその心配はしてない。
マークスむしろ、俺とマスターだけで十分だ。
なのに、なんでジョージまで……。
ジョージなんだよ〜、おまえ。
もしかして、マスターと2人きりじゃないからって
拗ねてるのか?
マークス……当たり前だ。
ジョージがマスターに慣れ慣れしくすると、
なんだか胸の中がジャムる。
ジョージHAHAHA!
おまえ、本っ当にマスター一筋だなぁ。

───ガサッ

マークスマスター!
俺の後ろに……!
ジョージそこにいるのは誰だ?
出てこい!
アウトレイジャーたちコ、ロス……殺ス……───
ジョージビンゴ!
おでましだ!
マークスよし、片付ける。
ジョージ、お前は手出しするな!
アウトレイジャー……───!
アウトレイジャー消工、ロ……───
ジョージマークス!
普通の攻撃じゃあいつらに効かないぞ!
マークスわかってる。だが───
主人公【絶対非道を使って】
マークスマスター! 俺を頼ってくれるのは嬉しいが、
あの力を使ったらマスターは……。
ジョージマークス、迷ってる場合じゃないって!
マスターの傷なら、オレが治すから!
マークス…………。
ジョージっていうか、おまえがやらないならオレがやるぞ!
マークス……いや、マスターを守るのは俺だ!
あいつらは俺が倒す!
マークス絶対非道……!
マークス心銃!
アウトレイジャーたちグァァ……!
マークスよし!
マスター、怪我はないか?
ジョージマークス!
アウトレイジャーたちオォオオ……!!
ジョージまだ残ってたみたいだ!
マークスくっ───! しつこいぞ!
主人公【……っ!】
ジョージマスター……!
傷が痛むのかっ!?
マークス……!
駄目だ!
これ以上はマスターの身体に負担が───
主人公【かまわない!】
【敵に集中!】
マークスけ、けど───
ジョージマスター危ないっ! ───ぐっ!
マークスジョージ!!
マークスごめん、マスター。
マークスすぐに片づける……!
───心銃!
アウトレイジャーたちグギャアァァッ……!!
マークスマスター! ジョージ!
大丈夫かっ?
主人公【大丈夫……】
【お疲れ様】
ジョージう……ん? あれ? 痛くない。
あ、ガントレットが弾いてくれたのか!
ジョージはー、よかった。
マークス落ち着いてる場合じゃねぇだろ!
早くマスターの傷を癒せ!
ジョージ言われなくても、すぐにやるよ。
ジョージ絶対高貴───!

ジョージの発した光が、
〇〇の手甲へと降り注ぎ、
手首まで侵食していた茨のような傷が後退していった。

マークス…………。
ジョージ調子はどうだ、マスター?
主人公【ありがとう】
【もう大丈夫だよ】
ジョージGreat!
マスターが元気だとオレも元気になれるよ!
マークス…………。
マークス(……ジョージは絶対高貴で傷を癒した。
それに比べて俺は、絶対非道でマスターを傷つけた……)
マークス(……マスターを守りたかったんだ。
……だが……俺のしたことは……)

───その日の夜。

マークスマスター、俺だ。
少し、話をしたい。
……いいか?
主人公【どうぞ】
【入って】
マークス……ありがとう。
主人公【なんの話だろう】
【何か相談でも?】
マークス今日の戦闘での……、その……。
マークス…………。
マークスマスター。
俺は、今後、絶対非道にならずに
戦おうと思う。
主人公【それは……】
【傷は絶対高貴で治せるのに】
マークスマスター……。
……俺はマスターが傷つく姿を見たくはない。
ましてや、俺のせいで……。
主人公【大した痛みじゃない】
【痛みを代償に誰かを救えるなら、構わない】
マークスしかし───
主人公【これからも頼りにしている】
【マークスの力が必要なんだ】
マークス……わかった。
俺の力がマスターの助けになるなら、
これからも頑張る……。
マークス……夜中に突然、悪かった。
話はこれだけだから、もう帰る。
───おやすみ。
マークスマスター……。
あんなに苦しそうだったのに、
俺を責めずに笑ってくれる。
マークスマスターは立派な人だ。
……それに、優しすぎる。
マークス俺の力が必要だと言ってくれるのは嬉しいが、
マスターを傷つけたくはない。
マークス俺は……どうしたらいいんだ……。

第2話:カレーは幸せの味

マークスさて……と。
食うか。
シャルルヴィルあ、マークス。
シャルルヴィル君もこれからお昼なの?
なら、一緒に食べようよ。
マークス構わないが……。
なぜ、俺と一緒に食べるんだ?
シャルルヴィルんー、1つ目の理由は、目の前の席が空いてるから。
もう1つは、1人で食べるより美味しいから!
マークス……1人で食べるより、美味しい?
ああ、そういえば、マスターと食べると、
いつも美味しく感じるな。
シャルルヴィルそういうこと。
だから、ここ座るね。
マークスああ。
シャルルヴィルへぇ、君は今日カレーなんだ?
マークスああ、今日は頑張ったからご褒美だ。
この世にカレーより美味しいものはないからな。
シャルルヴィルえ……っ? カレーより美味しいものはない?
そんなに好きだなんて。ちょっと意外かも!
マークス何がおかしい?
カレーを嫌いなヤツはいないだろう?
シャルルヴィルまぁ……そうかも?
ボクはあま〜いお菓子の方が好きだけどね。
マークス……そうなのか。
シャルルヴィルうん。
やっぱり、人それぞれじゃないかな?
マークスそうか。
……不思議なものだな。
銃だった俺たちに、好みの違いがあるなんて。
シャルルヴィルまぁね。
でも、銃だってそれぞれ特徴があるんだから
好みや個性の違いがあっても不思議じゃないよ。
シャルルヴィルこうして身体を持って、ごはんやお菓子を食べたり
好みについて話したりするのは、
確かにちょっと新鮮だけどね。
マークスそうだな。
腹が減るというのも面白い感覚だ。
シャルルヴィルおっと、話し込んじゃったね。
さあ、食べよう。
いただきまーす♪
マークスああ。
いただきます。
シャルルヴィル……ふふっ、こんな風に食事をしていると、
ボクたち、本当に人間みたいだ。
マークスああ。
だが、マスターと同じ体験ができるのは、
嬉しいと思う。
マークスこうやって、カレーも食べられ───
……うっ!
シャルルヴィルどうしたの?
マークスなんだ、これは。
舌がびりびりする!
毒か!? まさか、ここに敵が侵入して───!?
シャルルヴィルちょ、ちょっと待って!
カレーって辛いものでしょう?
舌だってびりびりするよ。
マークスそうなのか?
……けど、マスターが作ってくれたカレーは
びりびりしなかったぞ?
シャルルヴィルえっ、君、
マスターの手作りカレーを
食べたことがあるの?
マークスああ。
あれは俺が貴銃士になって間もない頃、
マスターと2人で野営をした時だった───。

マークス……?
なんだ、この音は。
主人公【お腹が空いているんだよ】
【ごはんにしようか】
マークス……そういえば、以前もこの音を聞いたな。
あれも、エネルギーが不足している時だったか。
マークスなるほど。
腹が減ったらこの音が鳴るのか。
さすが、マスターは物知りだな。
主人公【カレーを作ったから食べよう】
【栄養をたっぷりとらないとね】
マークス……?
適当に、食べられるものを
口に入れるのではダメなのか?
主人公【せっかくなら美味しい方がいい】
【食事は楽しまないと!】
マークス……よくわからないが、
マスターは俺に食べさせるために
さっきから一生懸命作業をしてたんだな。
マークスなら、もちろんこれを食べる。
マークス……いただきます、と言えばいいんだったな。
これが、マスターが俺のために作ってくれた料理……。
すごくいい匂いで、余計に腹の音が鳴りそうだ。
マークス……!
こ、これは───
主人公【どう?】
【口に合うかな?】
マークス口の中が満たされる。
こう、じわーっと何かが広がっていって
心がいっぱいになるというか……。
主人公【美味しいってことかな】
【気に入ってくれてよかった】
マークスそうか。
これが、味覚……。
『美味しい』……うん、美味しい、だ。
マークス(今まで意識していなかったが、
俺には味覚があるんだ。そしてこの味覚は、
マスターのカレーを味わうためにある……!)

マークスあの時俺は、この世には料理というものがあること、
そして、美味しい……うまいという感覚を知った。
マークスそれから、いろんな料理を食べるようになったが、
あの時マスターが作ってくれたカレーより
うまいと思えるものはない。
マークスあんなものが作れるなんて、
マスターは天才だ……!
シャルルヴィルへ、へぇ……!
そうなんだ……。
マークスああ。
あんたも1度、食べてみればいい。
マークス……いや、あんたや他のみんなが
マスターのカレーを食べたら、
俺の分がなくなるな。
マークスなら、食べない方がいいのか。
しかし、マスターの凄さを知ってもらいたいし……。
……俺は、どうすれば───
シャルルヴィル…………。
マークスなあ、あんたはどう思う?
マスターのカレーの良さを広めるべきか。
それとも俺が独り占めするべきか。
シャルルヴィルさ、さぁ……?
ボクも1回くらい食べてみたいけど……。
難しい問題……かもしれないね。
シャルルヴィル(そ、そうか……。
マスターのカレーって甘口なんだね……?)
シャルルヴィル(なんだか色々ツッコミどころがある気がするけど、
うん、もういいや……)

第3話:薬草との出会い

マークス……もうこんな時間か。
今日のところはこれで終わりにするか。
マークスうん……前よりもうまく
自分の身体を動かせるようになってきた。
マークス身体を持つというのは、面白いものだな。
使い込めば使うほど、動きがよくなる。
これが『上達』というヤツか。
マークスただ、使い過ぎると
言うことをきかなくなるのが難点だな。
あとは、怪我もやっかいだ。
マークスまぁ、銃身につく傷とは違って、
放っておいても治るのは便利かもしれないが……。

───ガサガサッ!

マークス……っ、誰だ!?
在坂……在坂だ。
マークスなんだ、あんたか。
そんなところで、何をしてたんだ?
在坂薬草を探す以外に何があるのだと、
在坂は不思議に思う。
マークスは? 『やくそう』……?
……っていうか、あんた、怪我をしてるぞ?
膝のところ、血が出てるじゃねぇか。
在坂そうだ。だからこの傷に、
こうしてよく揉んだ薬草を───貼る。
マークスんん……?
おい、何をしているんだ?
新手のデコレーションか?
在坂在坂は知っている。
こうすると、傷が早く治る。
マークス怪我が早く治る……だと?
それは本当か!? 人間にも効果があるのか!?
在坂ある。
むしろ、人間に効果があるから、
在坂たちにも効果があるというのが正しい。
マークス……すごいな。
けど、あんた、まだ血が止まってないぞ?
在坂……む。
邑田在坂!
邑田ここにおったのか。
探したぞ。
在坂在坂をか?
邑田そうだ。
先ほどの訓練で怪我をしたであろう。
在坂大丈夫だ。
今、在坂は薬草を貼った。
邑田その傷の深さでは、
薬草だけで治すことはかなわぬじゃろう。
億劫がらずにマスターに診てもらおうな。
在坂……わかった。在坂に異存はない。
マークスちょっと待て。
『やくそう』とやらが効くんじゃないのか?
邑田すべてにおいて万能の薬草などない。
薬効が確かだとして、
致死の傷をたちどころに癒すことなど不可能よ。
邑田ただ……血止め、痛み止め、治癒力向上と、
薬草の役割は千差万別にして奥深し。
邑田適切に使えば、我らにとっても
心強い味方になるであろうよ。
マークス……? あんたの話は難しい。
つまり、どういうことだ?
邑田興味があるなら、
自分で調べてみることじゃ。
邑田ほれ、ゆくぞ、在坂。
それ以上血を流すとマスターの心労が増える。
止血を忘れるな。
在坂わかった。
では、在坂たちは行く。
マークス『やくそう』……か。
人にも貴銃士にも効くなら、
マスターのためにもなるだろうか……。

───数日後。

ラッセル……ふう。
やっと今日の分の書類が片付いたな。
ああ、肩が凝った……。
ラッセルおっと。
1つサインを忘れている。
ラッセル・ブルースマイル───と。
ラッセルこれでよし。
他にサインを忘れている書類は……。
ラッセル……いてっ!
しまった、紙の端で指が切れたか。
???怪我をしたのか?
ラッセル……んん?
マークス怪我をしたんだな?
切り傷だな?
ラッセルあ、ああ、そうだが……。
それがどうしたんだ?
というか、どこから出てきたんだ……。
マークスなら、この塗り薬だ。
指を貸せ。
ラッセルなんだ?
今、何を塗った!?
マークスこれでよし───と。
それじゃあな。
ラッセルお、おい! 何を塗ったんだ!?
まさか変なものじゃないだろうな?
おい、マークスっ!

───翌日。

ラッセル……ふむ。見事に治ったな。
年のせいか治りが遅くなってきた気がしたが、
今回は綺麗に早く治っている……。
恭遠どうしました、ラッセル教官?
ラッセルああ、恭遠審議官。
実は数日前、指を怪我した時に
マークスに妙な薬を塗られまして。
恭遠えっ?
ラッセル教官もですか。
ラッセル───ということは、恭遠審議官も……?
恭遠ええ。
なんの薬か不安だったんですが、
思いのほか、早く綺麗に治って驚いていたんです。
ラッセルちゃんと効果があるものだったんですね……!
まさか、マークスが薬学に明るいとは……。
マークスなんの話をしているんだ?
ラッセルああ、マークス。
ちょうど、君の話をしていたんだ。
恭遠昨日、傷口に薬を塗ってくれただろう?
おかげで綺麗に治ってね。
マークス治ったのか?
ラッセルああ。
私たちのためにありがとう。
マークスよし、あの調合で切り傷に効くんだな。
実験成功だ。
恭遠じ、実験……?
マークスああ。
本で調べたが、実際に効果があるかどうか
わからなかったからな。
マークスこれでマスターのために使えるぞ。
ラッセル実験……。
ということは、悪化していた可能性も
あるのか……。
恭遠ま、まあ、マークスらしい考え方……ではあるな。
ではあるが、しかし……。
マークス心配ない。
実験は成功した。
よし、マスターに見せて褒めてもらおう!
ラッセル&恭遠…………。

第4話:ほどけない想い

マークスマスターはどこだ?
マークス……さっき、遠目で見かけた時、
顔色が青かった気がする。
ああいう時、人間は調子が悪いんだよな。
マークス俺の知識が間違っているならいいんだが……。
とにかく心配だ……。
マークス……うん?
あそこにうずくまっているのは───
主人公【…………】
マークスマスター!
マークス大丈夫か?
どうしたんだ!?
主人公【平、気……】
【なんでもない……】
マークス嘘をつかないでくれ。
俺から見ても調子が悪いのがわかる。
マークス近頃、アウトレイジャー討伐と学業が重なって、
忙しそうにしていたのは知っている。
疲労困憊というやつだな?
マークス……つ、薔薇の傷も悪化してる。
くそっ、早くジョージに───……。
マークス……って、ジョージは遠征中か。
くそ、こんな時に!
マークスとにかく、部屋に戻って早く休もう。
肩に掴まってくれ。
主人公【ありがとう……】
【迷惑をかけてごめん……】
マークスマスターのつらそうな姿を見ると、俺もつらい。
ほら、俺に体重をかけて、楽にしてくれ。

マークスさぁ、横になってくれ。
マークスよし。
……あとは、目を閉じて。
眠ったら少しは良くなる……んだろう?
主人公【……たぶん】
マークスなら、寝てくれ。
俺がそばについているから。
主人公【ありがとう】
【おやすみ】
マークスマスター……。
マークス…………。
マークス(……もう寝息を立てている。
よほど、疲れていたんだな……)
マークス(でも、寝たらよくなるはずだ。
……よくなる、よな?)
マークス(くそっ。
早くジョージが帰ってくればいいのに。
……俺が絶対高貴になれないのが悔しい)
マークス……! 誰だ?
ライク・ツー入るぜ。
ライク・ツー〇〇の様子はどうだ?
マークス……あんたがなんで、
マスターの調子が悪いってのを知っているんだ?
ライク・ツー恭遠に聞いたんだよ。
お前が調子の悪そうな〇〇を
支えてたってな。
マークス……だからって、
なんで来るんだよ。
ライク・ツー俺だって、〇〇の貴銃士だ。
様子くらい見る。
マークス……あんたは必要ない。
ライク・ツーは?
なんだよ、その言い方は。
マークス俺がマスターの最初の銃だ。
マスターが入学してからずっと一緒だった。
ひとときも離れずにな。
ライク・ツー……だったら、なんだ?
マークスあんたのマスターじゃない。
俺のマスターだ。
マークス俺が1番にマスターを心配して、
俺が1番にマスターの力になって、
俺が1番にマスターに褒められるんだ。
ライク・ツーはぁ……?
マークスそもそも俺という狙撃銃は優秀で、
マスターの1番に相応しい。
ライク・ツー何言ってんのか全然わかんねぇよ。
わかりたくもねぇけど。
マークスわからないなら、この根拠をゼロから教えてやる。
俺は───……

イギリス軍人1……うむ。
やはり、UL96A1は外さない。
色々な狙撃銃を試したが……コイツが1番だ。
イギリス軍人2ああ、イギリス製の他の狙撃銃だけでなく、
諸外国の銃と比べても、抜群に命中精度が高い。
イギリス軍人3イギリス軍がUL96A1を制式採用したのは英断だ。
イギリス軍人3異論を唱える者はいないだろう。
これだけ圧倒的な性能ならな。
イギリス軍人2発射時の振動が一定で、弾道のブレも少ない。
腕のある者が使えば向かうところ敵なしだが、
腕が劣る者でもかなりの命中率を出せる。
イギリス軍人2我がイギリス軍が採用するのは、
UL96A1をおいて他にないな。
イギリス軍人3しかし、これだけの能力を見せつけられると、
人が銃を使うのではなく、
銃が人を使うような気がしてくるな。
イギリス軍人1ははっ、たしかに。
イギリス軍人2だが、銃は銃だ。UL96A1を使いこなし、
軍を強化していかねばなるまい。
イギリス軍人3そうだな、この銃をよりよく使いこなせる者の
育成も必要だ。優れた銃と優れた人とで、
最良のパフォーマンスができるのだから。

マークス……と、いうわけだ。
ライク・ツーいや……なにが、
「というわけだ」なのかがわからねぇが……。
マークス俺はものすごく優秀な狙撃銃で、
マスターはその俺を使いこなせる者ってことだ!
マークスマスターには俺がふさわしいし、
隣に立つ者は俺以外にいない。
マークス俺はマスターのことを1番よく知ってるし、
マスターのことは俺が1番大切に思っている。
どうだ!
ライク・ツー……ったく、なんで俺がこんなガキの相手を……。
ライク・ツーあのな、それは昔の話だろ。
今は他の貴銃士もいるんだ。
もうお前だけのマスターじゃねぇんだよ。
マークス他のヤツらはいるだけだろ。
確かに、あんたらもマスターの貴銃士かもしれない。
けど、マスターのことを大切に思っていない。
ライク・ツーなんだと……?
マークスマスターのことを思っていたら、
絶対非道なんて使えるか!
薔薇の傷跡はマスターを苦しめるんだぞ!
ライク・ツーそれはお前だって使ってるだろうが!
マークス俺はマスターのことを考えて、
マスターのためにだけ絶対非道を使っている。
でも、あんたを含め、他のヤツらは違う!
マークスそんなヤツらが、
絶対非道を使うべきじゃないんだ!
ライク・ツーお前、言ってることがめちゃくちゃだぞ。
マークスめちゃくちゃじゃない!
絶対非道は───

その時、眠っていた〇〇が
わずかに身じろぎする。

ライク・ツーおい、声がでかい。
〇〇が起きるぞ。
マークス……あ。
ライク・ツー……ちょっとこっち来い。

マークス…………。
ライク・ツー……お前が〇〇を
1番に思っているのはわかるし、
ガキみたいな独占欲を持ってるのも知ってる。
ライク・ツーだが、俺は俺なりに、
他のヤツは他のヤツらなりに
〇〇のことを考えてんだよ。
ライク・ツーそれを否定すんな。
お前は自分の腕の中だけに
〇〇を閉じ込めたいのか?
マークスできることなら、そうしたいに決まっている。
ライク・ツー腕の中で〇〇が悲しそうな顔しててもか?
そいつにとって大事なものが
たくさんあるってこと、わかってるんだろ?
マークスそれは───……。
ライク・ツーお前が何を思ってようとお前の自由だ。
けど、それを押しつけて
〇〇を困らせるな。
マークス…………。
ライク・ツーそれじゃあ、俺はもう行くけど、
他のヤツが〇〇の様子を見に来ても
追い返すなよ。
マークス…………。

第5話:葛藤の拳

マークス今回の任務は簡単だったな、マスター。
書類にサインをもらうだけだった。
主人公【お疲れ様】
【無事終わってよかった】
マークスしかし、俺とマスターの2人だけで十分だったのに、
なんでライク・ツーも一緒だったんだろうな。
ライク・ツー…………。
マークスなんだ。
文句があるのか?
でも、俺は本当のことしか言ってないぞ。
ライク・ツーまったく、お前は気楽だな。
ライク・ツーたしかに、この任務、
俺とマークスの2人が出る必要がない。
ただのお使いだ。
ライク・ツーなのに、なぜラッセルは、
〇〇と俺たち2人を指名した?
……それに、街で聞いた噂だと───
マークス噂?
主人公【……っ!】
マークス銃声───!?
アウトレイジャーたち敵……殺ス……!
ライク・ツーやっぱりか。
嫌な予感が当たったな。
マークスなんで、アウトレイジャーたちが
こんなにもいるんだ?
ライク・ツーさぁな。
けど、ラッセルはこれを見越してたんだろ。
街の奴らも、不穏な空気を感じるっつってたし。
アウトレイジャーたち殺ス……っ!!
マークスマスターっ!!
ライク・ツー〇〇!
大丈夫かっ?
主人公【平気!】
【とにかく倒そう!】
マークスくそっ。
マスターに害をなすなんて、許さん。
絶対非───
マークス(……っ、ダメだ、今はジョージがいない。
絶対非道になったら、マスターが……!)
ライク・ツーおい、何してんだよ!
マークスう、うるせぇ……!
アウトレイジャーたちグオォオ……!!
マークスくっ……。
倒れろ! これで倒れろよ……っ!!
ライク・ツー何やってんだよ!
アウトレイジャーにただの弾はほとんど無意味だ!
お前もわかってるだろ!?
ライク・ツー絶対非道───!
マークス……ッ、おい、やめろ……!
ライク・ツーさぁ、俺が相手だ。
さっさとやられろよ、クソ雑魚がっ!!
アウトレイジャーギャアアアッー!!
ライク・ツーまだまだいくぜ!
1匹も残さねぇからな!
アウトレイジャーグァァァアッ……!!
ライク・ツーははっ、雑魚が。全部消えちまえ!
マークスライク・ツー! やめろっ!!
ライク・ツーは? 何言ってんだよ、お前。
マークスいいから、早く!
絶対非道を解け!
ライク・ツーバカ言うな!
アウトレイジャーどもに囲まれてんだぞ?
解けるわけねぇだろ!
マークスいいからやめろって言ってんだろ!!
ライク・ツーぐっ……っ!
ライク・ツーてめぇ……何しやがる。
戦う相手が違ぇだろうが……。
マークスまずはあんたを止める!
絶対非道になったらマスターが傷つくだろうがっ!
マークスこいつらは、絶対非道にならずに倒す。
あんたはそこで見てろ!
マークスさぁ、マスター。
俺の後ろに……!
主人公【無茶だ!】
【アウトレイジャーは簡単には倒せない!】
マークス大丈夫だ。
俺が必ずマスターを守るから!
アウトレイジャーたち死、ネ……っ!!
マークスマスターは傷つけさせない!
アウトレイジャーたち……グゥッ……!
マークス来るなっ! 倒れろっ!!
アウトレイジャーたちグァ……ア……!
マークス来るなって、言ってるだろ……っ!!
アウトレイジャーたち殺……ス……!
マークスく……ッ。
ライク・ツー……無駄なこと、してんじゃねぇよ。
そいつらは、絶対非道じゃないと
倒せねぇんだ……。
マークス黙れ、黙れ黙れ!
マスターは俺が守るんだ!
絶対非道になんかならない……!
ライク・ツー駄々っ子か!
退け、邪魔だっ!
マークスぐぁッ……。
ライク・ツー少し寝て頭冷やしな。
〇〇、俺がやる。
いいな?
主人公【任せた】
【お願い】
マークス……っ。
マス、ター……!
ライク・ツーおう、秒で片付けてやるよ。
ライク・ツー絶対非道───心銃ッ!

ライク・ツー……ふぅ。ざっとこんなもんだろ。
主人公【ありがとう】
【助かった……】
ライク・ツーマークスに止められなきゃ、
もっとさっさと片づけられたんだがな。
マークス…………。
ライク・ツー───〇〇の手の傷、悪化してる。
ライク・ツーさっさと、帰ろうぜ。
アウトレイジャー出現のことも
ラッセルたちに報告しなきゃなんねぇし。
主人公【急ごう】
【用心しつつ帰ろう】
ライク・ツー連戦は御免だからな。
……ま、たとえまたアウトレイジャーが出たとしても、
俺が片づけてやるけど。
ライク・ツーそこの犬は、役立たずみてぇだからな。
マークス…………。
ライク・ツーほら、行くぞ。
マークス(……俺は、マスターの事を考えて行動した)
マークス(なのに、マスターは
俺じゃなくてライク・ツーを頼った……)
マークス(マスターのことを1番に考えているのは俺なのに、
俺じゃないヤツを、マスターは……)
マークス(なぜだ、マスター……。
俺じゃ、駄目なのか……?)

 

第6話:理解不能な数式

マークス狙撃をする時、着弾点は、発射速度や風向きを
緻密に計算することで論理的に導き出される……。
マークス今日あった不可解な出来事も、
論理的に考えれば、
どこで計算がずれたのかわかるはずだ。
マークスまずは、要素と結果を書き出して、
何が問題だったのか、分析してみるか……。
マークス○月×日───ラッセルからの指令で、
マスター、ライク・ツーとで任務に向かう。
マークスこの件は難なく任務完了。
ただし、帰りにアウトレイジャーたちと遭遇。
これを撃退───
マークス……いや、ライク・ツーが撃退。
マークスアウトレイジャーたちとの遭遇時のメンバーは
マスター、俺、ライク・ツー。
俺とライク・ツーは絶対高貴は使えない。
マークスアウトレイジャーたちとの戦闘は
絶対非道が必須。だが、その際、マスターは傷つき、
力を使いすぎれば命の危険がある。
マークス俺たちの絶対非道は、
マスターの薔薇の傷を悪化させる。
マスターは痛みに苦しみ……
マークス……痛みに……。
マークス痛いのは、誰だって嫌なものだろう。
だから、絶対非道を使って
マスターを苦しめるのは避けるべきだ。
マークス特に、絶対高貴になれる貴銃士がそばにいない時、
俺が絶対非道になることはあり得ない。
今日もその認識で行動した。
マークスけれど、マスターは、
絶対非道になったライク・ツーを頼った。
絶対非道にならずマスターを守ろうとした俺ではなく。
マークス…………。
マークス……なぜだ。
どう考えても、俺が正しかったはずなのに……。
マークスマスターも、俺の行動を喜んでくれると思った。
俺がマスターにとっての
1番の貴銃士だと認めてくれると思ってた……。
マークスなのに、そうはならなかった。
………………。
いくら考えても、このズレの理由がわからない。
マークスどうしてだ、マスター……。
マークス…………。
マークス……ダメだ。
いくら考えても、同じところで引っかかってしまう。
書き出して分析しても一緒だ……。
マークスよし。
こうなったら、覚悟を決める───か。

マークスマスター、俺だ。
少し話したいんだが、いいか?
主人公【どうした?】
【どうぞ】
マークス…………。
主人公【何か悩み事?】
【……言いづらい?】
マークス……ああ。
この話をしたら、もうマスターとは、
前の関係に戻れないかもしれない。
マークス……それでも、俺は知りたい。
マスターの気持ちを。
マークスなぁ、マスター。
俺のことは、もういらないのか?
主人公【……!?】
マークス教えてくれ。
答えを聞いたら俺は去るから。
マークス今日、俺は自分の行動で
マスターが喜んでくれると思った。
絶対非道にならずマスターを守ろうとしたからだ。
マークスけれどマスターは、
絶対非道になったライク・ツーを褒めた。
マスターを傷つけるライク・ツーを頼った。
マークスなぜなんだ?
俺の何が悪かった?
俺の考えのどこが間違っていたんだ?
主人公【気持ちは嬉しかったけど……】
【間違いというより、ズレていたかも】
マークスどういうことだ?
主人公【絶対非道で傷つくことは、気にしていない】
【薔薇の傷は、治せるものだから】
マークス……!
し、しかし───
主人公【マークスには、大事な役目がある】
【アウトレイジャーへの切り札は、貴銃士だけ】
マークスマスター……。
マークス…………。
マークス……そうか。
マスターはとっくに、覚悟を決めていたんだな。
傷つくことも苦痛も覚悟して、受け入れてる……。
マークスマスターは、立派だ。
マークス(それに比べて……俺はダメだ。
マスターのことを1番わかっていると言いつつ、
この覚悟に気づけなかったなんて……)
マークス(俺はただマスターが傷つくことを
恐れていただけだ。
いや、俺が傷つけることを怖がっていた)
マークス(そのせいで、マスターは
余計に危険にさらされた。
絶対非道になったライク・ツーの方が正しかった)
マークス(俺はマスターの命と誇りを汚したんだ。
臆病な気持ちを、一方的に押しつけて……)
マークス……ごめん、マスター……。
主人公【大丈夫】
【次につなげればいい】
マークスマスター……。
マークス……ありがとう。
今後は気をつける。
主人公【頼りにしてる】
【ライク・ツーとも、できれば仲良く……】
マークス……わかった。
どれだけ頑張れるかはわからないが、
マスターが言うなら、努力する。
マークス夜遅くに悪かった。
それじゃあ、部屋に戻る。
主人公【おやすみ】
【また明日】
マークスああ。
おやすみ、マスター。

マークス……よかった。
マスターは俺のことを要らないと
言わなかった……。
マークス……?
なんだ、視界がにじむ。
オイル漏れか?
マークスああ。
もしかして、涙───というヤツか。
……こんな時に、滲むものなんだな。
マークス……ぐすっ。

第7話:かみ合わないユニット

マークス今日はいつもと空気が違うな。
士官学校が休みの日は、
なんだかのんびり時間が流れる気がする。
マークスさて、俺はどうやって過ごすか……。
マークス……ん? あそこにいるのは……マスターか。
格好はいつもと違うが、俺が見間違えるはずもない。
マークスおーい、マスター!
……行ってしまった。
気づかなかったのか?
マークス(それとも、あえて無視をしたのか?
まさか、そんな───)
ジョージ……おーい! マークス!
マークス……ッ!
───なんだ、お前らか。
驚かせるな。
ジョージなんだよー。
さっきからずっと声かけてんのにさ!
青い顔して、どうしたんだよ?
マークスそれが……。
声をかけたというのに、
マスターが返事をせずに行ってしまったんだ……。
十手そ、それだけ……?
単に気がつかなかっただけじゃないのか?
マークスマスターが俺に気づかないことなんて、
あるだろうか。
マークスしかも、いつもと格好が違ったんだ!
ジョージ別にいいじゃん?
休日なんだから、オシャレして
どこかに出かける予定ぐらいあるだろーし。
マークスどこに?
俺に言わずに?
十手そうだなぁ……。
例えば……逢い引き───いや、デェトとか……?
マークスデート……?
それって、特別親しい相手と
2人きりを楽しむ行為だったな。
マークスマスターが俺以外の誰とデートするっていうんだ!
こ、これは緊急事態だ!
後を追わないと……!
ジョージHAHAHA!
デートくらいで、そんなに動揺するなよなー!
マークスうるさい! 俺はマスターが1番で、
マスターも俺が1番のはずなんだ!
確かめないと気が済まない!
十手い、いや、待つんだ! 〇〇君だって、
知られたくないことの1つや2つ、
あるかもしれないだろう?
十手ここは、そっとしておいた方が───
ジョージそうだな。
下手に首を突っ込むと嫌われるかもしれないぞ〜?
マークスき、嫌われる……?
マスターに……?
マークス…………。
マークス……なら、こっそり後をつける。
行くぞ、ジョージ、十手。
ジョージええ……オレらも?
ってか、尾行するのか?
おい、マークス……!
十手追いかけよう、ジョージ君。
もしもの時、マークス君が暴走しないように
俺たちがそばに控えていた方がいいだろう。
ジョージ……確かに!
それに、ちょっと楽しそうだし、行ってみようぜ☆

ジョージなぁ、マークス。
マスターを見つけられるのか?
どこに行ったのか、知らないんだろ?
マークスわかる。
あっちから、マスターの匂いがする……!
ジョージウソだろ……!?
十手あっ、あそこ! 〇〇君だ!
ジョージWow! 本当にいるなんて!
十手確かに、いつもと格好が違うようだ。
特別な誰かに会いに行くのかな……?
マークス特別な誰かって誰だっ!?
そんなヤツ、俺が知らないのはおかしいぞ。
十手まあまあ……マークス君だって、
〇〇君のすべてを
知ってるってわけじゃないだろう?
マークスそんなことはない……!
俺はずっとマスターのそばに……!
ジョージそうかぁ?
今だって、〇〇があの格好で
出かけている理由はわからないんだろ?
マークスそ、それは……っ!
マークスでも、俺よりマスターのことに
詳しいヤツはいない……!
ジョージマークス、しーっ!
〇〇に見つかるぞっ!
???───ん?
そこにいるの……ジョージたちか?
ライク・ツーやっぱり。こんなとこでなに騒いでんだよ。
マークスライク・ツー……。
ライク・ツー───マークス、お前もいたのか。
マークス&ライク・ツー…………。
ジョージどうしたんだ、2人とも?
……ああ、そういや、この前、もめたんだっけ?
マークス&ライク・ツー……別に。
ジョージまぁ、おまえらがそんなカンジなのは
いつものことだけど、
さっさとお互いゴメンして終わりにしろよ!
十手そうだな。
ケンカするほど仲が良いとも言うしな。
ライク・ツーこいつとはそんなんじゃねぇよ。
マークス……マスターも気にしてたし、一応、謝っとく。
この間は殴って悪かった。
ジョージええっ!?
殴ったのかよ……?
ライク・ツー……こっちも殴り返したし。
お互い様だろ。
十手な、殴り合いをしたのかい!?
いつもの口喧嘩だと思っていたら、
そこまで深刻だったとは……。
ライク・ツーで?
お前ら、こんなところで何してるんだよ。
マークスそうだった!
マスター……!
ライク・ツーはぁ?
十手〇〇君が着飾って
出かけたっていうから、
ちょっとそのあとを追っていたんだよ。
ジョージマークスがうるさくてさぁ。
ライク・ツー……なるほど。
なんとなく察したぜ。
マークスあっ!
マスターに近づくヤツが……声をかけた!
あいつが、犯人か!
ジョージおいおい、犯人って───。
マークスそんなヤツがいいのか、マスターっ!!
十手お、おい。
マークス君……!
マークスマスター!
主人公【マークス!?】
【びっくりした……!】
マークスオシャレして出かけるくらい、そいつが大事なのか!?
なぜ、そんな大切なヤツのことを俺が知らない!?
ジョージちょっと、落ち着けよマークス!
十手ジョージ君の言う通りだ。
〇〇君が戸惑っているじゃないか。
諜報員なにやら込み入っているようですね。
資料は受け取りましたし、私はこれで。
では、ラッセル軍曹殿によろしく。
ライク・ツーなんだ?
やけにあっさり去っていったな……。
ジョージなぁ、マスター。
今のは……?
主人公【お使いの相手だよ】
【連合軍の諜報員だよ】
ライク・ツーなるほど。
流れからしてラッセルに頼まれて、
あいつに会っていたのか。
マークスということは、つまり……
デートじゃなかった……?

店員いらっしゃいませ。
ご注文はお決まりですか?
ジョージオレはアメリカン!
十手その……緑茶はあるだろうか。
ライク・ツーコーヒー。ホワイトで。
マークスええっと……?
主人公【カフェ・オ・レはどう?】
マークスあ、ああ。
じゃあ、それで。
ジョージで、マスター。色々教えてもらおうか!
まず、なんでマークスに返事をしなかったんだ?
主人公【返事って?】
【なんの話?】
ライク・ツー完全に気づいてなかったんだな。
ま、お前がマークスを無視するとも思えねぇし、
そんなとこだろうとは思ってたぜ。
十手なら、その格好は……?
主人公【休日だから】
【自分服だよ】
十手疑えば目に鬼を見る───と、言ったところだな。
ライク・ツー〇〇は単に私服で
ラッセルの使いをしていただけってことだ。
ライク・ツーこれでスッキリしたか? マークス。
マークス…………。
ジョージうん?
なんだよ、マークス。
まだ不満があるのか?
マークスい、いや。
そうじゃないが───
ライク・ツー煮え切らないな。
もじもじしてないではっきりしろよ。
マークス……マスターの姿がいつもと違うから、
うまくユニットがかみ合わない感じがする。
ライク・ツーハァ?
十手ははっ。
つまり……照れているのかい?
マークス照れ……?
───そうか、これが照れるという気持ちか。
ジョージHAHAHA!
たしかに新鮮だよな。
休日にこうやってみんなでカフェに来るなんてさ。
主人公【たまにはいいね】
【楽しいね】
マークス……そうだな。
なんだか胸がぽかぽかする。
マークスこれが『幸せ』という感情……なのだろうな。
マークス(なんだか、ちょっとむずがゆいが、
悪くない気持ちだ。
……この感情も覚えておこう)

第8話:あなたのために捨てたもの

マークス今回の任務もあっさり終わったな。
主人公【お疲れ様】
【2人のおかげだ】
ライク・ツー安心するのは早いぜ?
こんな簡単な任務に、
俺とお前が指名されてるんだからな。
マークスわかっている。
しかも、この間アウトレイジャーが出た近くだ。
……また、奴らが現れる可能性もある。
ライク・ツーそういうこと。
……おい、もううだうだ言うなよ?
マークス俺は───。
マークス&ライク・ツーっ!!
アウトレイジャー……敵……殺ス……!
ライク・ツーやっぱり出たな?
マークスマスター、ここは俺に任せてくれ!
主人公【わかった】
【気をつけて!】
マークス俺が片づける。
───絶対非道。
マークスマスターは、俺が守る……!
アウトレイジャーグアァァ……!!
マークス容赦はしない……!
マスターに害をなすものは、
排除する……!
アウトレイジャーギャァッ……!!
ライク・ツーへぇ……?
あっさり自分から絶対非道になるなんてな。
この前とは別人みたいじゃねぇか。

アウトレイジャー……グッ!!
マークス……今ので最後か?
ライク・ツーだろうな。
もう俺たち以外の気配はないぜ。
まったく、俺の出番までとりやがって。
マークスそうか……。
マークスマスター!
大丈夫か……?
主人公【大丈夫】
【気にしないで】
マークス傷の悪化は……?
主人公【少しだけ……】
【そんなに酷くない】
マークス……そうか。
マークスなら、帰ろう。
戻ればジョージたちがいるからな。
ライク・ツーふーん……?
一応、そのあたりは以前のままか。
マークス……なんだ?
ライク・ツーいや。
お前が前と違ってすんなり
絶対非道になったからさ。
ライク・ツー一体、どういう心境の変化があったのかと思って。
マークス絶対非道にならないことは、
逆にマスターの立派な気持ちを、
台無しにすることになる。
マークス俺の使命は、絶対非道になって、
アウトレイジャーを倒すことだ。
それが、マスターのためにもなる。
マークス……そう、気づいただけだ。
ライク・ツーなるほどな。
ようやく目覚めたってわけか。
お前も1つ成長したな。
マークスあんた、偉そうだな。
ライク・ツーそりゃ、偉いだろ。
俺は、お前よりも先にそのことが
わかっていたんだからな。
マークス…………。
ライク・ツーさぁ、帰ろうぜ。
早く〇〇の傷を治してもらいたいんだろ。
マークスああ……。
マークス(俺はマスターのために、絶対非道になる。
それが、マスターを傷つけ、苦しめることになっても)
マークス(……迷ってはダメだ。
俺が悲しい顔をしたら、かえってマスターを困らせる)
マークス(俺が迷っても悩んでも、絶対非道が
マスターを傷つけるという事実は変わらない)
マークス(むしろ、自分が苦しむと俺もつらくなるからと、
俺のために、マスターはより平気な顔するだろう。
……そんなこと、させたくない)
マークス(俺には……俺だけにでもいいから、
マスターの本当の気持ちを見せてほしい)
マークス(だから……苦しいとか、つらいとか。
俺の方のそんな気持ちには、蓋をしてしまおう)
マークス(俺に心はいらない。
俺はマスターのための武器だ。
何も思わず考えず、淡々と敵を倒す───それだけだ)
マークスそうやって、マスターに心配をかけない……。
そうしなければ……そうじゃなきゃいけないんだ……!
ライク・ツーおい、マークス! 何やってんだ?
早く〇〇を治療したいんじゃないのか?
マークス……!
今、行く。
マークス(───しまった。
さっきもだが、つい余計なことを考えて……)
マークス(でも、敵を倒したあとなら、
マスターの心配くらいしてもいい……んだよな?)
マークス…………。
マークス……いや。
俺に心は、いらない。
必要ないんだ。
マークス俺は、ただの武器だから───。

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