ライク・ツー | おい、〇〇。 |
---|---|
ライク・ツー | 今日の訓練…… ローレディポジションで銃持って走ってたろ。 あの時調子でも悪かったのか? |
主人公 | 【……?】 【いつも通りだったはず】 |
ライク・ツー | はぁ……普通にやっててあれかよ。 タイムはまぁ悪くないみてぇだったけど、 後半結構バテてただろ。 |
ライク・ツー | ゴールする頃に身体のブレが大きくなってたぞ。 もうちょっと持久力つけるトレーニングしろ。 基本的な筋トレもな。 |
ライク・ツー | お前は俺のマスターなんだから、 甘っちょろいトレーニングしてて 並の兵士程度の能力じゃ困るんだよ。 |
マークス | おい、ライク・ツー! |
ライク・ツー | なんだ。 |
マークス | あんたがマスターをいじめているように見えた。 マスターに失礼なことを言ったりしてないだろうな? |
ライク・ツー | 別に。俺は事実しか言ってねーよ。 生半可な能力じゃ困るから、 もっと気合入れて鍛えろってな。 |
マークス | は……? マスターは毎日トレーニングを欠かさないし、 成績だって常に上位だ。なのに文句があるのか? |
ライク・ツー | ああ。当たり前だろ。 この狭い士官学校の中での成績が良くたって、 実戦でちゃんと力を出せなきゃ意味がねぇ。 |
マークス | それは……そうだが。 でも、マスターが戦う時には、 俺たち貴銃士がそばにいる。 |
マークス | だから、何かたとえ足りない部分があったとしても、 俺たちが支えればいい。そうだろ? |
マークス | あんたもマスターに文句ばかり言ってないで、 もっとマスターの力になれるように努力したらどうだ。 |
ライク・ツー | はぁ? 俺はもうこれ以上ないほどに完璧だっての。 つーか俺が言ってるのは文句じゃねぇ。 真っ当な指摘だ。 |
ライク・ツー | ……それに、誰かが支えること前提の 生ぬるい鍛え方じゃ……駄目なんだ。 |
ライク・ツー | ちゃんと、〇〇自身が力をつけねぇと。 俺も、お前も、いつでもいつまでも そばにいられるわけじゃない。 |
マークス | いや、俺はいつでもマスターのそばにいるぞ。 これからも、ずっとな! |
ライク・ツー | 必ずとは限らないだろ。 いつ何があるか、先のことはわからねぇんだから! |
マークス | ふん。俺とマスターを引き離そうとする奴がいれば、 まずはそいつを撃ち抜いてやる! |
ライク・ツー | ああもう、わからねぇやつだな。 そばにいられなくなる理由なんざ、 他にもいくらでもあるだろうが! |
主人公 | 【ストーップ!!】 |
マークス | マスター……。 |
主人公 | 【ライク・ツーの言う通りだ】 【ピンチを1人で乗り切れるようにしないと】 |
ライク・ツー | ……ああ。 わかってるならいい。 |
ライク・ツー | 〇〇、お前がやる気あるってんなら、 あとでトレーニングルームに来い。 |
ライク・ツー | お前が毎日トレーニングしてることは知ってるが、 それでいまいち成果が出てねぇなら、 何かやり方がおかしい可能性もある。 |
ライク・ツー | フォームやら負荷やら、 正しく適切なものになってるか確認してやるよ。 |
主人公 | 【ありがとう】 【よろしく】 |
ライク・ツー | ……言っとくが、手加減しねぇからな? |
マークス | おい、マスターに過度に負担を掛けたら許さねぇ。 怪我なんか絶対にさせるんじゃねぇぞ! |
ライク・ツー | 甘ちゃんは黙ってろ。 |
マークス | なんだと!? |
ライク・ツー | はぁ……。じゃあな、〇〇。 忘れずにトレーニングルームに来いよ。 |
ライク・ツー | ったく。あの調子じゃマークスの野郎まで トレーニングにくっついてきそうだな……。 まぁ、そうなったらついでにマークスも鍛えてやるか。 |
ライク・ツー | ……俺1人が完璧に鍛えてても、駄目なんだ。 それぞれが力をつけないと、結局、また……。 |
??? | ───お兄ちゃん! |
---|
ライク・ツー | …………。 |
---|---|
ライク・ツー | ……よーし、気分転換に筋トレしてくっか! |
───ある日の士官学校にて。
食堂では、貴銃士特別クラスの
調理実習の授業が行われていた。
ライク・ツー | ……あれ、ベルガーはどこ行った? |
---|---|
ファル | ああ、ベルガーさんなら、 「料理とかだっりー!」と言っていなくなりましたよ。 |
ライク・ツー | いや、見てたんなら止めろよ……。 |
ファル | おや、止めた方が良かったですか? 彼がいても役に立つどころか、 調理実習の邪魔にしかならないかと思いまして……。 |
ライク・ツー | ……それもそうだな。 俺たち2人でパパっとやっちまおうぜ。 |
ファル | ええ。まずは……コンソメを小さじ2杯。 それから、塩を一つまみ。 |
ライク・ツー | 塩なら俺が入れた。次は? |
ファル | 胡椒を少々。こちらは私が入れましょう。 |
〜10分後〜
ファル | こんなもんでしょうかねぇ。 |
---|---|
ライク・ツー | 分量と手順通りにやったし、これでいいだろ。 あとは、オーブンで15分焼けば完成だな。 |
ファル | ……あの。 焼く前に、チーズをかけても構いませんか? |
ライク・ツー | ……ああ、チーズな。 お前、やっぱ好きなんだ。 |
ファル | ……? 私の好物を話したことはなかったかと思うのですが? |
ライク・ツー | あー……。 |
ライク・ツー | 今のお前は覚えてないだろうけど…… “昔の” ファルは かなりチーズが好きで有名だったって聞いてな。 それで、帝都のチーズ水準が上がったとかなんとか。 |
ファル | そうでしたか。 記憶はなくとも好みは変わらないものなんですねぇ。 なんだか不思議なものです。 |
ファル | 不思議なことと言えば…… 私には、エフという弟がいたそうなんです。 こちらもさっぱり記憶にないんですが。 |
ライク・ツー | ……思い出したいとか、会いたいとか、 思ったりしないのか? |
ファル | さて……? 忘れていても今のところ 特に支障はありませんしねぇ。 |
ファル | 当時は仲が良かったそうなんですが、 記憶とともに思い入れも消えたんでしょうか。 今は特に興味もありません。 |
ライク・ツー | そうか……。 |
ファル | ……それで、チーズを加えても? |
ライク・ツー | ああ、いいぜ。 お前が持ってきたやつなら、品質は文句なしだろうし。 |
ファル | ええ、勿論です。 では、たっぷりすりおろして……。 |
ジョージ | おー! こっちの班のはチーズ乗せのアレンジか! うまそうだなぁ〜! |
ジョージ | くんくん……うおっ!? なんかこのチーズ、すげーいい匂いがするぞ……! |
ファル | おや。あなたにもこのチーズの良さがわかりますか。 下等な味覚と嗅覚の持ち主かと思いきや、 意外とお目が高いですね。 |
ジョージ | へへっ、Thank You✩ |
ライク・ツー | いや、今のだいぶ貶されてたぞ……。 |
ファル | さて、タイマーを15分に設定して……と。 |
ベルガー | ……おい、離せよ! |
恭遠 | これ以上騒ぐなら、次の調理実習は ローレンツと同じ班になってもらうぞ! |
ベルガー | うげっ! |
恭遠 | 遅くなってすまない。 彼にも何か仕事を与えてくれないか。 |
ベルガー | チョーリとか面倒なコト、誰がやるかよー! |
ファル | 調理の部分はもう終わりましたよ。 あとは焼けるのを待つだけです。 |
ライク・ツー | お前は食器洗え……つっても壊すか割るかだろうし、 オーブンの中見てろ。 チーズがこんがりいい感じになったら教えろよ。 |
ベルガー | ふーん……? よくわかんねーけど、 お前らが作ったにしては割とウマソーだな! |
ベルガーがソワソワしつつ
オーブンの中を監視し始めたので、
ファルとライク・ツーは調理器具を片付ける。
ファル | 当時は仲が良かったそうなんですが、 記憶とともに思い入れも消えたんでしょうか。 今は特に興味もありません。 |
---|
ライク・ツー | (記憶が消えると、こうも変わっちまうのか……) |
---|---|
ライク・ツー | (……俺はどうなんだろうな。 もし、ファルみたいに記憶がなくなったら、俺は───) |
ライク・ツー | (……いや。こんなの、考えても意味のないことだな) |
派手な人物 | あっちゃ〜! ジャムるなんてツイてないっ! |
---|---|
ツインテールの人物 | ちょ……っ! お兄ちゃん、こんな時にウソでしょ!? |
派手な人物 | ってぇな……。 |
ツインテールの人物 | お兄ちゃ─── |
ツインテールの人物 | モーゼルにバレたらやばいし、 僕はあっちにいるから。 あとは勝手にやって─── |
---|---|
ツインテールの人物 | あ……え…………? |
謎の少年 | あなたはもう───です。 ライク・ツー。 |
ライク・ツー | ……っ!! |
---|---|
ライク・ツー | こ、ここは……? |
ライク・ツー | ……ああ、そうか。 夢か……。 |
ライク・ツー | (最っ悪。嫌な夢、見ちまった……) |
ライク・ツー | このまま寝直すのも、スッキリしねぇな。 ───水でも飲んでくるか。 |
ライク・ツー | …………はぁ。 |
ライク・ツー | (……さっきの夢が、頭から離れねぇ。 今、寝直してもまた同じ夢、見ちまいそうだな) |
ライク・ツー | (夢……か。 でも、あれは実際に俺が───) |
??? | ライク・ツー君。 |
ライク・ツー | うわあっ!? |
十手 | うひゃあ!?!?!? |
ライク・ツー | な、なんだ、十手か。 驚かせんなよ。 |
十手 | す、すまなかった……。 水を飲みに来たら、何やら深刻な顔をしていたので、 どうも気になってしまって……。 |
ライク・ツー | そうか……。 悪い、ちょっとぼーっとしてた。 |
十手 | 何か悩みごとかい? 力になれるかはわからないが、 俺でよかったら話を聞こうか? |
ライク・ツー | 大したことじゃねぇよ。 ちょっとばかり夢見が悪かっただけだ。 |
十手 | ……俺の故郷の言い伝えなんだが、 悪い夢を見たら、その内容を人に話すといいらしい。 そうすれば、本当にならずに済むからってね。 |
十手 | 嫌な夢でも、口に出して説明してみたら 案外馬鹿馬鹿しくて、気が楽になるかもしれないぞ? |
ライク・ツー | (話せって言われても、 話せるような内容じゃねぇよ……) |
ライク・ツー | ……言えない。 |
十手 | ふむ……。 ならば、このまじないの出番だな。 |
十手 | 「アクムツクソウモクニ コウムメツスシュウギョクヲナシトガ」 |
ライク・ツー | ……は? なんだ、今の言葉。 |
十手 | これも俺の故郷のまじないだよ。 悪夢を祓ってくれるんだ。 |
ライク・ツー | へえ。 アクム───なんだっけ? |
十手 | 「アクムツクソウモクニ コウムメツスシュウギョクヲナシトガ」 |
ライク・ツー | アクムつくそう、もく……? |
十手 | 「アクムツクソウモクニ」だよ。 続いて「コウムメツスシュウギョクヲナシトガ」。 ほら、復唱できるかい? |
ライク・ツー | アクムツクソーモクニ……コム、 コウム……メ……。 ……ああもう、こんなの言えるか! |
十手 | 大丈夫だよ。 あとひと息で言えるさ。 ほら、アクム─── |
ライク・ツー | いや、もういい。 明日も朝から授業なんだし、さっさと寝るぞ。 |
十手 | しかし……。 |
ライク・ツー | 変な呪文のせいで、 夢の内容なんかどうでもよくなった。 |
十手 | そうかい? ならよかったよ。 それじゃあ、おやすみ、ライク・ツー君。 |
ライク・ツー | おう。 |
ライク・ツー | ……おかげで、気が紛れた。 |
十手 | …………。 |
ライク・ツー | ふぅ……俺も寝なおすか。 |
マークス | ───戦闘終了。 アウトレイジャーは1体だけか。 |
---|---|
ライク・ツー | おい、まだ油断するなよ。 この辺りはアウトレイジャーの出没だけじゃなくて、 親世界帝派の行動も確認されてんだ。 |
ライク・ツー | 奴らに出くわしたら─── |
マークス | ……! 静かに。 |
親世界帝派組織の男1 | 連合軍……! ちっ、こんなとこにまで追っ手が……! |
ライク・ツー | おい、全員伏せろ! |
親世界帝派組織の男1 | くっそぉぉぉぉ……! |
マークス | ……どうする? とっとと撃つか。 |
ライク・ツー | いや、敵のアジトの位置がわからないから、 上はあいつから情報を引き出したがるだろうな。 可能なら生け捕りだ。 |
主人公 | 【それは難しいんじゃ……?】 【あんなに乱射されたら手が出せない】 |
マークス | マスターの安全が最優先だ。 やられる前にやる、それだけだろ! |
ライク・ツー | いや、このまましばらく待ってろ。 俺の見間違いじゃなきゃ…… そのうち自滅するはずだから。 |
マークス | ……? |
親世界帝派組織の男1 | 隠れていないで出てこい、卑怯者! 蜂の巣にしてやる……! |
親世界帝派組織の男1 | うぉらぁぁぁぁああ! |
親世界帝派組織の男1 | ……っ、クソッ! こんな時にジャムかよ!? |
ライク・ツー | よし、今だ! |
親世界帝派組織の男1 | ぎゃぁっ……! |
ライク・ツーが放った弾は、男の足を貫いた。
倒れた男を素早く拘束し、足の傷を止血する。
親世界帝派組織の男1 | く、くそぉ……! |
---|---|
ライク・ツー | さてと、こいつを引き渡したら、 俺たちの任務は今度こそ終了だな。 |
マークス | …………。 |
ライク・ツー | ……? なんだよ。俺の顔に何か付いてるか? |
マークス | ……なぁ、ライク・ツー。 あんた、なんであの男の銃が ジャムるってわかったんだ? |
主人公 | 【確かに不思議だ】 【予言……?】 |
ライク・ツー | 別に、種も仕掛けもない単純な話だ。 |
ライク・ツー | あいつが使っていた銃はUL85A1。 俺の前身にあたる───兄貴みたいな銃だからな。 |
マークス | あんたの兄───? それが、なんで予言に繋がるんだ? |
ライク・ツー | ……応援が来るまでの時間暇だし、 俺と、UL85A1の話でもすっか……。 |
ライク・ツー | 俺……UL85A2は、 UL85A1の後継機として作られた。 |
---|---|
ライク・ツー | 〇〇は、 新しい銃が作られるのは どんなときだと思う? |
主人公 | 【より良い性能にする時?】 【前の銃が古くなった時?】 |
ライク・ツー | 基本はそんなところだろうな。 だが、俺の場合は…… 前の銃に、欠陥が多すぎたからだった。 |
マークス | あの男の銃……確認してみたら、 排莢された空の薬莢が、薬室の中に戻ってた。 そういうのも、UL85A1の問題なのか? |
ライク・ツー | ああ、その通り。排莢不良によるジャムは、 UL85A1の最大の問題と言ってもいいな。 |
ライク・ツー | ───UL85A1は王立造兵廠(ぞうへいしょう) で作られた初期型のアサルトライフルを 改修してできた銃だ。 |
ライク・ツー | 高性能であることを求められ、 ガイドラインも設けられていたが…… それをクリアできた点は少なかったらしい。 |
ライク・ツー | それと、使用環境の問題もあった。 イギリス国内で使うならそこそこ使えても、 環境が過酷な砂漠地帯なんかじゃ不具合だらけになる。 |
ライク・ツー | ま、こういうのはUL85A1に限った問題じゃねぇけど。 既に砂塵に強い設計のタフな銃もたくさんある中で、 耐候性に乏しい銃ってのは、不満の種になった。 |
マークス | それは……当然だな。 いざという時に撃てない銃なんて、 鈍器にするくらいしか使い道がないぞ。 |
ライク・ツー | 鈍器って言うんじゃねぇよ。 |
ライク・ツー | ……んで、さすがに軍のお偉いさんも、 このままじゃまずいってことになったわけだ。 |
軍上層部1 | うーむ……やはり、排莢機構に問題があるようだ。 排莢された空薬莢がレバーに弾き返されて 薬室に逆戻りし、ちょっとやそっとでは取れなくなる。 |
---|---|
軍上層部2 | おまけに、弾倉にフルで装弾すると、 自重に耐えかねて給弾不良も起こすようだ。 |
軍上層部3 | 戦場が砂漠地帯であることも、 UL85A1にとっては適さなかったな。 |
軍上層部2 | 適さないどころか、使い物にならないレベルだぞ。 乾燥も砂埃も、あの銃にとって天敵だ。 |
軍上層部1 | 検証した者の話では、100発も撃たない内に ジャミングを起こしてしまうとか……。 |
軍上層部3 | その場で直せず、工場送りになることも多い。 命がけの戦場において、 これ以上、UL85A1で戦うのは難しいだろう。 |
軍上層部2 | ……ああ。改修か、新たな銃の導入か。 いずれにせよ、急がなければ……。 |
軍上層部1 | しかし、巨額の費用をかけて採用した銃なのだ。 これをすべて無に帰すというのも……。 |
軍上層部2 | では、改修の方針で打診してみるとしよう。 |
ライク・ツー | そうして、俺───UL85A2が生まれた。 UL85A1からの改修箇所は80以上。 |
---|---|
ライク・ツー | 「改修されていない場所はない」 と言われるほどに手を加えられて、 めでたく優秀な銃に生まれ変わったってわけだ。 |
マークス | 80箇所以上って……そこまでして改修するより、 新しく作り直した方が早かったんじゃないか? |
ライク・ツー | まぁな。 実際そう言うヤツもいる。 |
ライク・ツー | けど、金の問題とか色々あるしな。 それに、こうやって無事、俺みたいな優秀なヤツが 完成したんだから、文句はねぇだろうよ。 |
マークス | ……確かに、あんたがトラブってるところは 見たことがないな。 そんなに性能が変わってるのか? |
ライク・ツー | ああ。 一番の問題だった排莢性能が大幅に改善されてるしな。 |
ライク・ツー | 平均99発に1回の割合で起きてたっていう弾詰まりは 25000発に1回に減った。 |
ライク・ツー | これくらいなら、他のアサルトライフルと比べても 全く遜色ねぇだろ。 |
マークス | 俺はアサルトライフルじゃないからよくわからんが、 滅多に問題は起きないってことだな。 |
ライク・ツー | そういうことだ。 |
ライク・ツー | ……お、応援が来たみたいだぜ。 さっさとこいつ引き渡して帰るぞ。 |
マークス | そうだな。帰ろう、マスター。 士官学校に帰ったら、俺の手入れをしてくれるか? |
ライク・ツー | はぁ……お前、その言い方紛らわしいぞ。 せめて「銃」をつけろ。 つーか、自分のメンテくらい自分でやれ。 |
マークス | いや、たまにはきっちり マスターに見てもらった方がいい。 いざという時あいつみたいにジャムりたくないからな。 |
ライク・ツー | …………。 |
主人公 | 【いいよ】 【任せて】 |
マークス | よし、帰ろう。 |
ライク・ツー | あのUL85A1がジャムったのは、 メンテとかの問題じゃなく、 銃の構造の問題だっての。 |
ライク・ツー | はぁーあ。 大事な時にジャムるから、ヤなこと思い出しちまった。 |
ライク・ツー | …………。 |
派手な人物 | オッケェェェ───イ★ ライたんとおいらの激アツコンビでぇ〜〜 レッツパーリィ! フゥ〜! |
---|---|
ツインテールの人物 | ちょっとお兄ちゃん。 そうやってはしゃいでると、また……。 |
派手な人物 | あっふぅ! ヘイヘイヘイ! こんな時にジャムかよォ! |
ツインテールの人物 | あーもー、お兄ちゃんってば…… さっさと後ろ下がって! ……そこのゴミ! 逃げんな! |
男 | うわあああっ! |
ツインテールの人物 | ほらお兄ちゃん、銃見せて! えーっと……? |
ツインテールの人物 | ……ああ、これなら工場送りにはならないでしょ。 ほら、5秒で直して。 |
男 | 今だ! 逃げろ! |
ツインテールの人物 | ……チッ、だから逃げんなっつってんだろうが このグズども! |
派手な人物 | ヒュ───! 今日もかっこよかったよぉ、ライたぁん! |
ツインテールの人物 | お兄ちゃん、ほんといい加減にして。 ……ほら、また鼻血出てる。 拭いてあげるから、じっとしてて。 |
派手な人物 | おっ! おいら専用ティッシュ登場★ |
ツインテールの人物 | うっさいなぁ。撃つよ。 |
派手な人物 | フゥ〜〜〜! ツンデレェ〜! |
ライク・ツー | ふぅ、いい汗かいた。 やっぱ筋トレすると整うな。 |
---|---|
??? | ───良いものを良いと言って何が悪い! |
ライク・ツー | (……なんの騒ぎだ?) |
ライク・ツーが通りかかった教室の中では、
数人の士官候補生たちが何やら言い争っていた。
イギリス人生徒 | 汎用性は高いし、僕らにとって有用だ。 なにより、イギリスではずっと、 UL85A2が軍に採用されていた。 |
---|---|
イギリス人生徒 | 何を忌避することがある? 胸を張って使うべきだ! |
フランス人生徒 | けど、UL85A2は世界帝軍でも使われていた銃だぞ。 君たちイギリス人候補生には人気があるようだが、 僕は使うことに抵抗があるね。 |
イタリア人生徒 | 世界帝軍で貴銃士にもなっていたUL85A2は 新しい世界にはふさわしくないんじゃないか? |
ライク・ツー | …………。 |
主人公 | 【どうかした?】 【何か揉めごと?】 |
ライク・ツー | あ、いや─── |
イギリス人生徒 | あっ! 〇〇さん! それにライク・ツーさんもいたんですね。 |
他の生徒たち | ……っ! |
ライク・ツー | ……まぁな。 たまたま通りかかっただけだけど。 居合わせて悪かったか? |
フランス人生徒 | いえ。 自分の意見を主張していただけですから。 こう考えるのは僕たちだけではないはずだ。 |
イタリア人生徒 | もう話すことは何もない。 これで失礼する。 |
イギリス人生徒 | あっ、待て! こっちはまだ言いたいことがある! 言い逃げは許さないぞっ! |
主人公 | 【……?】 【何事?】 |
ライク・ツー | 大したことじゃない。 UL85A2について、あいつらが話してただけだ。 |
ライク・ツー | イギリス人の候補生は、 もともとはイギリス軍が使っている銃だし 性能もいいって、信用してるみたいだったけど─── |
ライク・ツー | 他の国の候補生は、 世界帝軍でも使われていたから嫌悪感があるらしい。 |
ライク・ツー | はぁ……くっだらね。 |
主人公 | 【ライク・ツーは悪くない】 【気にしなくていいと思う】 |
ライク・ツー | はぁ? 何それ、まさかとは思うけど、同情とかしてんの? お前、何様だよ。 |
主人公 | 【……違う】 【そういうわけじゃ……】 |
ライク・ツー | じゃあなんだ? フォローのつもりかよ。 マスター様はお優しいこった。 |
生徒1 | ……マスターに対してあの態度って、 やっぱりUL85A2って、ヤバい銃なんじゃ……。 |
生徒2 | 彼らの主張が正しそうな感じよね……。 |
ライク・ツー | ……チッ。気分悪ィ。 |
ライク・ツー | あー……くそっ。 せっかく筋トレして気分良かったってのに……。 |
---|---|
ライク・ツー | (つーか、やっぱり俺って今でも 『世界帝の悪銃』としての認識の方が強いんだな……) |
ライク・ツー | (〇〇があまりにも普通に接してくるから もっと許されてるもんかと錯覚しちまってた) |
ライク・ツー | (……だが、悪評は俺が、俺自身が止める。 UL85A2はいい銃なんだって、 俺自身の力で示してみせる……!) |
ライク・ツー | UL85A2―ライク・ツーの名前を、 正義の側……勝者として、必ず歴史に刻んでやる。 |
ライク・ツー | ───よしっ。 とりあえず、もう1回筋トレでもしてくるか! |
───ある日の休日のこと。
ライク・ツー | さてと……来週のトレーニング計画でも考えるか。 今週は下半身中心だったから、 次は上半身集中でもいいかもしんねぇな。 |
---|
───コンコン
主人公 | 【ライク・ツー、いる?】 【少しいいかな】 |
---|---|
ライク・ツー | 〇〇か。 なんだよ? |
主人公 | 【謝りたくて】 【この間はごめん】 |
ライク・ツー | は……? なんかあったっけ? |
ライク・ツー | ……あ、もしかして、この間候補生の奴らが 俺のことをなんかウダウダ言ってた時のことか? |
ライク・ツー | ……別に。自分がどんな風に見られてるかは、 言われなくてもわかってる。 |
ライク・ツー | つーか、お前に謝られる理由なんかねぇし。 それとも、本心ではあいつらと同じこと思ってたのか? |
主人公 | 【違う!】 【安易な慰めを言ったから……】 |
ライク・ツー | なら、もうこの話はなしだ。 蒸し返されても、俺が面白くねぇだけだろ。 それぐらい、わかれよ。 |
ライク・ツー | ……だいたいさ。 もともとケチはついてんだ。 |
ライク・ツー | UL85A2は世界帝の貴銃士で、 そいつは悪の親玉の言いなりで、 レジスタンスや民衆を苦しめてきた。 |
ライク・ツー | その上、世界帝に忠誠を誓ったわけでもなく、 最後は裏切って、親世界帝派からも疎まれてる……。 |
ライク・ツー | ほんっと、日和見で下らねぇ奴だよ。 |
ライク・ツー | ……だが、俺は違う。 UL85A2が失った名誉を挽回したい。 そのために貴銃士になったんだ。 |
主人公 | 【……?】 【前に話していたことと違う……】 |
ライク・ツー | …………、あ……。 |
ライク・ツー | 俺はあいつを殺したやつを、この手でぶっ殺す。 |
---|---|
ライク・ツー | そして、あいつが成し遂げようとしていたことを、 この手で代わりに成し遂げてやる。絶対にな。 |
ライク・ツー | よし、そう決めた。 いま決めた。 |
ライク・ツー | あ……、いや……。 あの時言ったことも、貴銃士になった理由だ。 当たり前だろ。 |
---|---|
ライク・ツー | ただ、俺は……。 |
主人公 | 【(今の反応って、まさか……)】 【(ヴィヴィアンのことを忘れてた……?)】 |
ライク・ツー | 俺自身の目的も、まぁ、何かしらあった方がいいだろ。 あいつの無念を晴らした、その先の話……だ。 |
ライク・ツー | ……話は終わりだな。 俺はトレーニングに行ってくる。 お前も休みだからって怠けてないで鍛えろよ。 |
主人公 | 【……うん】 【…………】 |
ライク・ツー | はぁ……。 |
---|---|
ライク・ツー | (〇〇の前で気を緩め過ぎた。 思いっきり本音ぶちまけて…… さっきので上手く誤魔化せてるか……?) |
ライク・ツー | …………。 |
Protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.
まだコメントがありません。