解説

カード解説

太陽の光が降り注ぐアプリコットフェスティバル。強欲をモットーとする彼は、順調にマカロンを売りさばいていく。
今もまた一人、彼の魅力に抗えず買っていく客が……。彼の瞳は、ハートさえも奪ってしまうのだ。

心銃解説:スイッチング・ハート

今のことだけ考えりゃいいじゃねえか。悲劇のヒロインみたいな顔してさ。
お前と手を組むなんて冗談じゃない。
……でも、今回だけ。今回だけだからな!

カードストーリー

主人公名:〇〇
主人公の一人称:自分

 

Ep1. マカロン研究会

──士官学校があるフィルクレヴァートの街で
毎年開催されている「アプリコット・フェスティバル」。

貴銃士特別クラスも出展することになり、
タバティエールを中心とするグループでは、
マカロンのお店をすることに決定し、準備が進んでいた。

しかし……シャスポーは、先日グラースと大喧嘩したために、
グループの輪から離れて関わらずにいたのだった……。

タバティエールほい、おまたせ。
試作品のマカロンを作ってきたぜ。
マークスこれ、全部あんたが作ったのか?
すげーな。
ジョージさっすがタバティシェフ!
カラフルで、どれも美味しそうだ!
タバティエールありがとな、マークスくん、ジョージくん。
さっそく食べてみてくれ。
タバティエールああ、シャルルヴィルくんの分は残してあるから、
ここに持ってきた分は全部食べちまっていいぜ?
ジョージYeah!
帰ってきたらシャルルも喜ぶだろうな☆
グラース……つーか、なんでこんなに作ったんだ?
アプリコット・フェスティバルだし、
アプリコットのマカロンがあれば十分だろ。
タバティエールたしかに十分っちゃ十分だが、
マカロンみたいな小さい菓子は、いろんな種類があった方が、
選ぶ楽しみがあっていいだろ?
タバティエール今回の試食で好評だったやつと、
アプリコットといいマリアージュになりそうなやつは、
フェスティバルで一緒に販売するのもありかと思ってな。
グラースふぅん。
まあ、1種類だけより、店も華やかになりそうだな。
グラース……お、キラキラしてて目立ってるやつがあるじゃねぇか。
僕はこれをいただくぜ。
タバティエールそいつはシュガーのパールパウダーで
デコレーションしてみたんだ。
見た目の掴みはよさそうだな。味の方はどうだ?
グラースん、美味いな。
……お、この赤いのにも金箔みたいなのが載ってる。
こっちも食ってみるか。
タバティエールお、お前……デコレーションの光りものより、
肝心の味に注目してもらいたいんだが……。
タバティエールはぁ……ジョージくんはどうだい?
どれか気に入ったやつがあったら教えてくれ。
ジョージんー……全部ウマいっ!
これはチョコ味でSweetだろ?
こっちはベリーできゅんとHappyだ☆
タバティエールははっ、美味そうに食べてくれて嬉しいぜ。
しっかし、これじゃあ絞り込めないな……。
タバティエールマークスくん、君はどうだ?
率直な意見を聞かせてもらえると助かるよ。
マークス…………。
タバティエールマークスくん?
真剣に試食してくれてるな……。
マークスん……んんん……?
茶色い……が、カレー味じゃなかった。甘い。
前にマスターが作ってくれたココアと似てるな。
タバティエールカ、カレー……?
ココアってのはいい線行ってるぜ、マークスくん。
そいつはショコラ。チョコレート味だ。
マークスそうなのか。じゃあ、この緑のやつはなんだ?
色からすると、草みたいだが……。
ふむ……なんだか不思議な風味だが、嫌いじゃない。
タバティエールそいつはピスターシュだ。
気に入ってもらえたなら何よりだが……ははは。

3人が試食を終えたところで、
タバティエールはメモを構える。

タバティエールさて、一通り食べてもらったが、
売り物にするならどれがいいと思うか教えてくれ。
タバティエール個人的な好みでもいいし、
好き嫌いが分かれにくそうだと思うものでもいいぜ。
グラース僕のイチ押しは、フレーズのマカロンだな。
フレーズの赤に、シルバーのラメと金箔風のシュガーが
華やかに映えてていい。
ジョージうーん……オレは全部ウマくて選べない!!
マークス全部甘い味がした。
タバティエール…………。
タバティエールえーっと、みんな、協力してくれてありがとな。
シャルルくんの意見も聞いてから考えてみるよ……。

Ep2. 共同戦線

──アプリコット・フェスティバル開幕が迫る中、
シャスポーとグラースの喧嘩はこじれにこじれ、
タバティエールも巻き込んで、いまだに燻り続けていた。

恭遠みんな。アプリコット・フェスティバルは、いよいよ明日だ。
今日は準備のために丸1日、
各グループで自由に時間を使ってくれ。
恭遠それから……。
1つ、みんなに知らせておきたいことがある。
ドライゼむ……。
何やら深刻な問題が発生したようだな。
ジーグブルートつーかよ、あいつがいねぇな。
エルメん……? あいつ、って?
恭遠既に知っている者や、気づいている者もいると思うが、
今日、この教室にタバティエールがいない。
彼は……今朝、倒れてしまったんだ。
シャスポー&グラース…………。
ジョージええっ!? 大丈夫なのかっ!?
恭遠校医の診断によると、
過労と心労、そして風邪……とのことだ。
恭遠貴銃士といえど、無理をすれば体調を崩してしまう。
準備も終盤で忙しい日になるが、
皆、くれぐれも無理をせず、健康第一で準備に励んでくれ。

シャスポー(風邪……。あの冷たい雨に打たれたせいだろうな……。
過労も心労も、僕たちの一件が無関係だとは思えない……)
グラース(過労と心労……。認めたくねぇけど……
僕が余計に面倒なことにしちまったせいもあるよな……)
シャスポー&グラース……なぁ。
……おい。
シャスポー……ちょっと、話がある。
グラース……僕の方もだ。

グラースそれで、お前の話ってのはなんだ?
シャスポー…………。
タバティエールが体調を崩したのは……僕にも原因がある。
グラースへぇ? わかってたのかよ。
それを今さら僕に言ったところでどうしようもねーけどな。
シャスポー……っ、お前……!
僕“にも”原因があるが、もとはと言えばお前が──
シャルルヴィルストップ!!
シャスポー&グラース……!
シャルルヴィルごめん。2人が気になってこっそり見てたんだけど……
我慢できなくて入ってきちゃった。
シャルルヴィル2人がお互い話そうと思って声を掛けたのは、
こうやって売り言葉に買い言葉で
また言い合うためじゃないでしょ?
シャスポー&グラース…………。
シャルルヴィル喧嘩をしたあとって、気まずいし、
どんな風に話しかけたらいいのかわからないのもわかるけど……
煽ったり茶化したりしないで、素直に話して。いい?
シャスポー&グラース…………。
シャルルヴィルもうっ、頑固だなぁ……!
まず、グラース!
グラースぼ、僕……?
シャルルヴィルシャスポーに酷いことを言ったんだよね。
グラースう……。
あの時は……ムカついて、言い過ぎた。
シャルルヴィルシャスポーも、言い過ぎたことがあったんだよね?
シャスポー…………。
おぞましい、とかは……言い過ぎたかもしれない。
シャルルヴィル2人とも、そういう時はなんて言うの?
せーの。
シャスポー&グラース…………ごめん。
シャルルヴィルうん、2人ともよく言えました。
それじゃあ、仲直りの握手!
グラースはぁ?
シャスポーなんでこいつなんかと……。
シャルルヴィルほら、またそういうこと言わない!
シャスポー&グラース…………。

2人は、渋々といった様子ながらも、握手を交わした。

シャルルヴィルこれでよし!
それじゃあ、ボクたちでマカロン作り頑張ろう。
シャルルヴィル出展がなしになったら……タバティさんはきっと、
元気になった時に自分を責めちゃうから。
シャルルヴィルそれに、街の人たちに、
タバティさんがレシピを考案した美味しいマカロンを届けたいし♪
シャスポーそう……ですね。
やりましょう。
グラース……ふん。試作なら散々見てたしな。
やってやるよ!

Ep3. 調和のトライアングル

──アプリコット・フェスティバル当日。

シャスポーとグラースの頑張りもあって、マカロンは無事完成。
多くの人がマカロンのブースを訪れ、賑わいを見せていた。

快復したタバティエールもフェスティバル会場を訪れ、
接客をする2人の様子を、
〇〇とシャルルヴィルと共に見守る。

女性客1マカロン5つください!
グラースOui♪
はい、どうぞ。麗しのマドモアゼル。
グラースねぇ、よかったら今度、僕とデートしない?
マカロンのお礼に、素敵なところに案内するよ。
女性客1ええっ? からかってますよね……?
グラースまさか。僕は本気だよ?
ここでこうして君と出会ったのも、1つの運命だから……
このチャンスをみすみす逃したくな──
シャスポーおい、グラース!
真面目にやれ。お客さんを困らせるな!
女性客2あの……売り子のお兄さん。
シャスポーああ、すみません。
マカロンをお買い求めですか?
女性客2ええ、お願いするわ。
それと、あなたとのデート権を。
シャスポーOu…………えっ!?
シャスポーえっと……そういうのは取り扱っていないんです。
女性客2そうなの?
でも、あっちのお兄さんは──
シャスポーあいつは常軌を逸した軟派者なので……!
混乱させてしまってすみません。
マカロン、すぐにお包みします。

シャスポー……おい、グラース!
お前のせいでなんだか違う店になりかけてるだろう!!
グラースなんだよ。
気になるマダムやマドモアゼル、ムッシュに声をかけて何が悪い。
シャスポー悪いに決まってるだろう!
マスターに変な勘違いでもされたらどうしてくれるんだ!
グラースその時は、お前の信用がなかったってことだろ?
僕のせいじゃねぇよ~。
シャスポー……ちょうどいい。
フィルクレヴァートの港で、
お前のゆるみきった頭を冷やしてやる。
グラースなんだとっ!?
タバティエールおいおい、せっかくのフェスティバルなんだから、
今日くらい喧嘩はなしにしようぜ?
シャスポー&グラース……フン。

タバティエールやれやれ……。
シャルルヴィル……ふふっ。あはははっ。
タバティエールおいおい、シャルルくん。
笑ってる場合かー?
シャルルヴィルごめんごめん。
やっと本当の本当に、いつもの2人に戻ったなぁと思って。
シャルルヴィルタバティさんがいると、
ああやって安心して喧嘩ができるんだね。
タバティエールそいつは……俺がいると、あいつらが喧嘩するってことか?
放っといた方が、平和でいいのかねぇ。
シャルルヴィルまさか!
あの2人のそばには、タバティさんが必要ってこと♪
タバティエール……そうか。
喧嘩されるのはちょっとばかり複雑だが、
そう言ってもらえるのはありがたいもんだな。
グラースおい、タバティエール。
また倒れられたら迷惑だからな。
マカロンでも食いながら座っとけ。
シャスポーそんなところに突っ立ってたら、
お客さんの邪魔になるしね。
シャルルヴィルもうっ。素直じゃないなぁ、2人とも。
タバティエールははっ。
おいつらなりに心配してくれてるのはわかったぜ。
タバティエールまったく。
不器用なとこまでよく似た兄弟銃だな。
シャスポーおい、聞こえてるぞ!
グラースこいつと僕を一緒にするなっての!
タバティエールはははっ!

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