マスターと貴銃士、その在り方。銃と共に生きる限り、安寧の運命はきっとない。
けれど、前を向いて歩み続けよう。
暗い夜を裂いて、空に輝く陽が昇るように──終わらぬ絶望はないのだから。
どんな未来が待っていても、君となら立ち向かえる。絶対に。
主人公名:〇〇
主人公の一人称:自分
あんたの瞳が好きだ。
青い空と深い海、
広い大地をたたえているから。
貴銃士の勇敢さを讃える記念行事、
ブレイブ・マスケッターズ・デー。
その一環として開催された食事会に、
〇〇は貴銃士たちとともに参加していた。
ペンシルヴァニア | …………。 |
---|---|
主人公 | 【どうかした?】 【大丈夫?】 |
ペンシルヴァニア | ああ……少しだけ、窮屈で。 |
ペンシルヴァニア | この格好も会場も、悪くはないんだが…… やっぱり俺には、自然の中にいるのが一番性に合っているよ。 |
ペンシルヴァニア | だが、楽しそうにしているみんなや 〇〇を見るのはいい。 |
主人公 | 【食事ならペンシルヴァニアも楽しめるかも】 →ペンシルヴァニア「そうだな……。 美味そうなものがたくさんある。 あんたのおすすめを教えてくれ。」 【ペンシルヴァニアも楽しめるものを探そう】 →ペンシルヴァニア「それなら……あそこにある肉が気になる。 ローストの加減が絶妙で……美味そうだ。処理もいい。」 |
〇〇とペンシルヴァニアはしばらくの間、
食事に舌鼓をうった。
ペンシルヴァニア | ……ああ、そうだ。 交流面談で何をするか、自由に決めていいんだったよな。 |
---|---|
主人公 | 【何かしたいことが?】 【何をするか決まった?】 |
ペンシルヴァニア | ああ。当日のお楽しみ、というやつにしておくが…… 準備はしてきてほしい。 |
主人公 | 【準備?】 【何か特別なものが必要?】 |
ペンシルヴァニア | 大したものじゃあない。 動きやすい格好で来てほしいくらいだな。 |
ペンシルヴァニア | ……いや、それだけだと不安だろうか……。 丈夫なロープと、滑り止めがついた軍手もあった方がいい。 |
ペンシルヴァニア | 服は、念のため、できるだけ露出がない方がいいだろう。 長袖と、擦れに強い生地のパンツがおすすめだ。 |
主人公 | 【もしかして、登山?】 |
ペンシルヴァニア | ははっ……確かに、登山の準備みたいだな。 だけど、山じゃない。 ……のぼるにはのぼるが。 |
主人公 | 【どういうこと……?】 【謎かけみたいだ】 |
ペンシルヴァニア | 〇〇……あんたが楽しんでくれると嬉しい。 それじゃあ、当日にな。 |
──交流面談当日。
〇〇はペンシルヴァニアに連れられて、
夜の校舎にやってきた。
ペンシルヴァニア | ……さて、のぼろう。 |
---|---|
主人公 | 【どこを……?】 【ま、まさか……】 |
ペンシルヴァニア | ほら、はしごがあるだろう? それをつたって、屋上まで壁をのぼっていく。 |
ペンシルヴァニア | この上で、見せたいものがあるんだ。 安心してくれ、また前みたいに俺が担いでいく。 |
主人公 | 【今回は自分も自力で登る】 →ペンシルヴァニア「そうか……それもいいな。 俺が後ろから行くし、ロープも準備してあるから安心してくれ。」 【……お願いしてもいい?】 →ペンシルヴァニア「ああ、任せてくれ。 すぐに上まで連れて行くさ。 あんたは安心して俺に掴まっていればいい。」 |
ペンシルヴァニア | さあ、行こうか。 |
はしごをのぼっていき、
2人はひときわ高い屋根の上に到着する。
ペンシルヴァニア | 〇〇、上を見てくれ。 |
---|---|
主人公 | 【星が綺麗……!】 【すごい!!】 |
ペンシルヴァニア | だろう? 月があまり明るくなくて、快晴……今日は特に星が綺麗に見える。 |
ペンシルヴァニア | 士官学校の近くであちこち探してみたんだが…… ここが一番、何も遮るものがなくていいんだ。 |
ペンシルヴァニア | この眺めを見せたくて……一緒に見たくて、誘った。 どうだ? 気に入ってくれたか? |
主人公 | 【もちろん】 【最高のスポットだね】 |
ペンシルヴァニア | ふ……よかった。 あっちも見てくれ。 |
ペンシルヴァニア | フィルクレヴァートの街も、ここから見えるんだ。 ちらほらついてる明かりが、星みたいだろ。 俺は……人の営みの明かりも、綺麗だと思う。 |
ペンシルヴァニアは、山にほど近い街の一角を指し示す。
ペンシルヴァニア | あのあたりで……山から鹿を背負って下りてきたら、 気のいい夫婦とばったり会って、ずいぶん驚かれたことがあった。 近所の人も集まってきて……ちょっとした騒ぎだ。 |
---|---|
ペンシルヴァニア | でも、珍しがったり懐かしがったりしながら、 捌くのや血抜きの手伝いをしてくれて……。 おすすめの燻製チップもわけてもらったんだ。 |
ペンシルヴァニアは続いて、
港の方を指さした。
ペンシルヴァニア | あの港では、潜って魚を獲ろうとして、 「釣りにはフィッシングパスポートが必要なんだろうが、 素潜りならいらないだろうか?」と聞いたことがあった……。 |
---|---|
ペンシルヴァニア | そうしたら、漁師たちが大笑いして、 港で潜るのは危ないからやめておけと教えてくれて……。 代わりに、いい釣り場を案内してくれたんだ。 |
ペンシルヴァニア | あのあたりにある町では、たくさん採れたベリーと交換で 子供たちがお菓子や飲み物を分けてくれた。 それで今も時々、一緒にお茶を飲む……。 |
ペンシルヴァニア | こうして考えると……フィルクレヴァートに来てから、 いろいろなことをして、たくさんの出会いがあったんだな。 |
ペンシルヴァニア | 〇〇、あんたにとっても、 ここはずいぶん縁深くなったんじゃないか? |
主人公 | 【そうだね】 【いろいろ思い出があるよ】 |
ペンシルヴァニア | ……よかったら、俺に聞かせてくれ。 |
主人公 | 【アプリコットフェスティバルとか】 →ペンシルヴァニア「タバティエールが風邪で倒れた時だったか。 一時はどうなるかと心配したが…… シャスポーとグラースが力を合わせて頑張っていたな。」 【邑田と一緒に在坂を尾行したこともあった】 →ペンシルヴァニア「屋根から屋根に飛び移って、追いかけっこをしたんだろ……? 在坂は身軽だが、邑田も負けていなかったと聞いたよ。」 |
フィルクレヴァートの街で貴銃士と過ごしたことや、
街の人に優しく声をかけてもらったこと、
よく行くお店の話などを〇〇は語った。
ペンシルヴァニア | ……ふふ。 |
---|---|
ペンシルヴァニア | ……楽しそうに話すあんたを見ていると、 よく晴れた日の草原で寝転んでいるような、 穏やかな気持ちになれる。 |
ペンシルヴァニア | ……俺は、大地と空の間に生きる者で…… 街の美しさはたぶん、他のやつよりわかっていない。 |
ペンシルヴァニア | でも、近頃は……街の灯りも、綺麗だと思えるんだ。 それは、〇〇や皆が大切に思う人々の営みが 感じられるからなのかもしれないな。 |
ペンシルヴァニア | これからもあんたと……あの灯を守っていけたら嬉しい。 だから……。 |
ペンシルヴァニア | これからもよろしくな、〇〇。 |
Protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.
まだコメントがありません。