【1周年を君と】ローレンツ

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解説

カード解説

マスターと貴銃士、その在り方。銃と共に生きる限り、安寧の運命はきっとない。
けれど、前を向いて歩み続けよう。
暗い夜を裂いて、空に輝く陽が昇るように──終わらぬ絶望はないのだから。

心銃解説:知の結晶と偶然の産物

どんな未来が待っていても、君となら立ち向かえる。絶対に。

カードストーリー

主人公名:〇〇
主人公の一人称:自分

 

★4覚醒後のカードイラストに表示されるメッセージ

君というモルモットが
在ることは俺の
そして世界の幸福だ。

Ep1. 叡智の結晶と偶然の産物

貴銃士の勇敢さを讃える記念行事、
ブレイブ・マスケッターズ・デー。

その一環として開催された食事会に、
〇〇は貴銃士たちとともに参加していた。

ローレンツモルモット2号!
失礼するよ。

ローレンツは短く告げると、〇〇の手を取って
脈に指を当てる。

ローレンツふむ……。
主人公【ど、どうしたの?】
【脈を測ってる?】
ローレンツモルモット2号よ。俺との交流面談の日程を覚えているな?
しっかりプランは練ってあるから、スケジュールの確保と
体調管理を忘れないようにしてほしい。
ローレンツそこでこの行動の意図を明かそう。
……ではな。楽しみにしていてくれ。

──ローレンツとの交流面談当日。
〇〇の目の前で、クマとウサギの着ぐるみが
子供たちに風船を配っていた。

ローレンツ青空サーカスは初めてか?
〇〇。
主人公【小さい頃来たことがあるような……】
【両親が生きていた頃に……】
ローレンツ! ……そうか。
ローレンツその時の楽しい思い出が、よみがえるかもしれないな。
俺も今日は、童心に帰って楽しむとしよう!
ローレンツ事前に仕入れた情報によると、
ジャグリング、猛獣使いによるコンビネーション芸、
空中ブランコなどが披露されるらしいぞ。
ローレンツ……おっと、そろそろ始まる時間だ。
さて、サーカス団のお手並み拝見といこうか。

ローレンツおぉーっ!
ローレンツ見たか!? 今、空中で回転しただけでなくひねりも入れたぞ!!
高い位置を漕いでいるというのに、実に危なげない動きだ!
これが掴みの空中ブランコだと? 前座とは思えん!
ローレンツ待て、まさかあれだけの量の松明を投げながら片足で立つと?
無茶だ、火だるまになるぞ!?
ローレンツや、やめろっ! ほら、転ん──
……っ!! 1回転した! しかもまだ松明を回したままだ!!
ローレンツ1段、2段、3段……何!? まだ積むのか!?
……7段だ! ぐらぐらと積み上げられた椅子の上を
ぽってりとした熊さんが……なんとも鮮やかなる足取り!!
ローレンツふぁひゃあ! ……ほわ~~!!

ローレンツはぁ……。
あっという間に公演時間が過ぎ去ってしまった……。
主人公【すごかった!!】
【楽しかったね!!】
ローレンツああ……。緊張と緩和の交互浴……。
今、青年の心はかつてない興奮に包まれている……!
主人公【どうしてサーカスを?】
【サーカスを選ぶなんて意外だったな】
ローレンツふむ。普段の俺から推測すると
もっと知的な場所を選ぶと思われたか。
……だが、しかしっ!!
ローレンツ今回俺が選んだサーカスのように、
エンターテインメントと呼ばれるものは、
大いなる学習知による産物なのだ。
ローレンツ極限まで好奇心を高められ、
実に学究心がくすぐられるものなのだよ。
主人公【そうなの?】
【なるほど……】
ローレンツ例えば、先ほども行われた椅子を使った曲芸は、
支店と重心を芸術的なまでに計算した
物理学の叡智の結集であり──
ローレンツ演目の合間合間を駆け抜けたピエロは、人の注意や視線、
感情の動きを高度に計算した上で『計算していないように見える、
計算した笑い』を提供するまさに笑いのプロフェッショナル。
ローレンツ加えて、サーカスを彩る鮮やかな色彩も意味があり、
煙なども化学反応を有効に使った装飾だ。
猛獣使いの芸においては──
主人公【ちょ、ちょっと待って!】
【……うん、理解した】
ローレンツあー……コホン。少々語りすぎたか。

ローレンツは〇〇に背を向け、
空を見上げる。

ローレンツつまり、俺が言いたかったのは、サーカスとは、
科学の叡智で人を楽しませるために凝縮した場であるということ。
ローレンツその成り立ちと至るまでの努力は、
とても尊いものだと俺は思う。そして、何より──

いったん言葉を句切り、
ローレンツは〇〇を振り返った。

ローレンツ確実なる叡智の結晶を用いて、
俺は君に笑顔になってほしかった。
主人公【えっ……!?】
【……ありがとう】
ローレンツあの日の一件……君の心にのしかかったものは大きかっただろう。
隠していても無駄だ。
俺が普段からどれだけ君のことを観察していると思っている。
ローレンツ呼吸、皮膚から感じる温度と脈拍、視線の動き──
総合的に計算と判断をすると、君はたいそう疲れている。
身体的ではなく、主に精神的に……ね。
ローレンツ従って、今の君にはすかっと笑って楽しめる
エンターテインメントが必要だと思ったのだ。
以上にてQ.E.D.──証明完了。……いかがかな?
主人公【そ、そんなこと──】
【──自分は……】
子犬ワンワンッ!!

突然、元気な鳴き声を上げて、
〇〇とローレンツの方へ子犬が駆けてくる。

ローレンツ……む? 彼は……?
少年こら、ペロ!!
待って! 待てって!!
ローレンツ……あれは、
先ほどサーカスでアシスタントをしていた少年だな。
ペロとは、こちらに駆けてくる子犬の名前か?
少年だ、誰かぁ……!!
その子犬を止めてください~!!
ローレンツよし、任されよう!

ローレンツは子犬の進行方向にしゃがみ、
両手を広げて受け止めたが──

子犬ワンワンワンッ!!

子犬からたなびくリードが、近くの照明に絡まって倒してしまう。
その照明は、隣の木と木の間に張ってあるロープに引っかかる。

ローレンツ……な!?!?!?

ロープの中央には大きなくす玉がぶら下がっており、
引っ張られた衝撃で大きな破裂音を響かせて2つに割れた。

ローレンツひょあっ!?

音に飛び上がったローレンツの上に紙吹雪が降り注ぐ。

女性あらあら、なんて偶然なの!
しかも、すべての現象がうまく作用して……ふふっ、まるで
さっきのサーカスみたいだわ! ああ、なんておかしい……!!
男性兄ちゃん、災難だったなぁ!
大丈夫か~?
ローレンツなんたる不覚……。
決めた後だというのに締まりがない……。
子犬ワンワンッ!!
ローレンツ……くっ。Mr.ペロを受け止められただけでも、良しとするか。
少年す、すみません……!
でも、すごく助かりました! ありがとうございますっ!!
ローレンツ……いや、役に立ったのなら何より。
マスターにも楽しい思いをさせられたみたいだしね。
主人公【……これも計算?】
【実は狙っていた結果と見た】
ローレンツ…………。
ローレンツ……さて、どうかな?
君の想像に任せるよ。

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