マスターと貴銃士、その在り方。銃と共に生きる限り、安寧の運命はきっとない。
けれど、前を向いて歩み続けよう。
暗い夜を裂いて、空に輝く陽が昇るように──終わらぬ絶望はないのだから。
どんな未来が待っていても、君となら立ち向かえる。絶対に。
主人公名:〇〇
主人公の一人称:自分
戦うべき存在である僕らが、
こうして1年の節目を迎えられる…
本当に幸せなことだと思う。
この幸運に感謝しながら、
明日からもマスターを守ると誓うよ。
貴銃士の勇敢さを称える記念行事、
ブレイブ・マスケッターズ・デー。
その一環として開催された食事会に、
〇〇は貴銃士たちとともに参加していた。
シャスポー | うん、うん……さすがに王室の晩餐ともなると、 イギリスの食事も美味しいじゃないか。 全体的に華やかさには欠けるけど……。 |
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シャスポー | やぁ。〇〇もこのロブスターサラダが 気に入ったかい? ふふ、僕と味の好みが一緒で嬉しいな。 |
シャスポー | ……ところで、もうすぐ僕との交流面談だね。 とっておきの場所に案内するから、楽しみにしていて♥ |
──交流面談の日。
待ち合わせ場所に向かった〇〇は、
シャスポーに行き先を秘密にしたいとお願いされ……。
シャスポー | ……〇〇、大丈夫? 目隠ししながら歩くのは、怖いよね? |
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主人公 | 【手を繋いでくれているから平気】 【シャスポーと一緒だから大丈夫】 |
シャスポー | ごめんね、目隠しなんてして…… 信頼してくれて、ありがとう。 |
シャスポー | あ、足元気をつけて。 ここから少し階段を上るから。 |
シャスポーの声を頼りに、〇〇は進んでいく。
シャスポー | うわっ、ここ濡れてるな……滑ったら大変だ。 〇〇、ちょっと持ち上げるから 僕に寄りかかってくれる? |
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シャスポー | んっ、と……。 |
主人公 | 【重かったかな】 【寄りかかって平気?】 |
シャスポー | 全然平気さ。僕、こう見えてかなり鍛えてるんだ。 〇〇1人くらい簡単に支えられるよ。 |
シャスポー | それに、〇〇に怪我なんてさせない。 僕に守らせて。……ね? |
シャスポー | ……あ、もうそろそろ目的地だ。 あと2歩、1歩……到着! よくできました。 |
シャスポー | さあ、〇〇。目隠しを取るよ。 |
ゆっくりと目を開けると、そこには──
ピンクと白の花が咲き乱れ、一面が可愛らしい絨毯のように見える
美しい光景が広がっていた。
主人公 | 【綺麗……!】 【素敵……!】 |
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シャスポー | でしょう? この場所、美術部で写生場所を探していた時に偶然見つけたんだ。 前はまだ早かったけど、今日はちょうどコスモスが満開だよ! |
シャスポー | せっかくの交流面談だから、 静かに綺麗な花を見ながら、話をして……。 〇〇とゆっくりとした時間を楽しみたかったんだ。 |
シャスポー | ほら、君はいつも任務や授業とで忙しいでしょう? 僕といる時くらい、穏やかに過ごしてほしいなと思ってね。 |
主人公 | 【心配してくれてありがとう】 【とても安らぐよ】 |
シャスポー | …………うん。 |
シャスポー | 〇〇。 あのね……ひとつ確認したかったことがあるんだ。 |
シャスポー | ……聞いてくれるかい? |
主人公 | 【もちろん】 【聞かせて】 |
シャスポー | 僕たち貴銃士がいるから、 君はアウトレイジャーと戦わなければいけない。 |
シャスポー | だけど、君のおかげで僕は助けられている。 |
シャスポー | ……革命戦争が終わった時、 レジスタンスの貴銃士たちは、銃に戻ったと聞いてる。 |
シャスポー | 〇〇も平穏な幸せを求めるのなら、 僕たちを手放すべきだ。 |
シャスポー | レザール家のテオドールと、 ロシニョル家の……カトリーヌがそうしたように。 ……そう、思うことはない? |
主人公 | 【ないよ】 【絶対に手放さない】 |
シャスポー | ……っ! |
シャスポー | ……やっぱり、君は……。 |
シャスポー | …………。 |
シャスポー | ……あのね、僕は色々な人を転々としてきた銃だ。 普仏戦争や、パリ・コミューンの鎮圧……── |
シャスポー | 貴銃士になってからはカトリーヌがいて……。 でも、今は〇〇が特別なマスターだ。 |
シャスポー | フランスで僕が堕ちた時、君がいなかったら── きっと、惨劇を繰り返していたかもしれない。 |
シャスポー | それに、一度手放された後、 君が召銃してくれなかったら、 二度と貴銃士にはなれなかった……。 |
シャスポー | 〇〇のおかげで、僕は今こうしているんだ。 君からすれば当然のことだったのかもしれないけれど……。 |
シャスポー | ねえ、〇〇。 君は僕に、 他の誰もしてくれなかったことをしてくれたんだよ? |
主人公 | 【自分の力だけじゃない】 【みんながいたからできた】 |
シャスポー | そう……。 |
シャスポー | ……あーあ、悔しいな! 僕にとって、〇〇は特別なマスターなのにね。 君からすれば、僕は何挺もある銃のひとつだ。 |
シャスポー | 僕を手放さないのも、君にとっては特別なことでもなんでもない。 僕にとっては、特別なことなのに! |
シャスポー | ……どうしたら〇〇の特別な銃になれるのかな? |
シャスポー | ねぇ……僕がもし、君のために君の前で散ったなら、 僕は〇〇の心に1番強く残る銃になれるかい? |
主人公 | 【……!?】 |
シャスポー | ……なーんて──。 |
シャスポー | ふふっ、心配しないで。 〇〇を悲しませることはしないから。 |
シャスポー | ……これからもずっと傍にいるよ、僕のマスター。 |
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