マスターと貴銃士、その在り方。銃と共に生きる限り、安寧の運命はきっとない。
けれど、前を向いて歩み続けよう。
暗い夜を裂いて、空に輝く陽が昇るように──終わらぬ絶望はないのだから。
どんな未来が待っていても、君となら立ち向かえる。絶対に。
主人公名:〇〇
主人公の一人称:自分
More battles.
貴銃士の勇敢さを称える記念行事、
ブレイブ・マスケッターズ・デー。
その一環として開催された食事会に、
〇〇は貴銃士たちとともに参加していた。
スナイダー | …………。 |
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主人公 | 【どうしたの?】 【楽しくないの?】 |
スナイダー | 先程、腹の鳴る音がした。腹が減っているのだろう。 だが……。 |
スナイダー | どれも不味そうな料理ばかりで…… 食えそうなものが見当たらん。 |
主人公 | 【スコーンがあるよ】 【このスコーンあげる】 |
スナイダー | ……それならいい。寄こせ。 |
主人公 | 【その手はどうしたの!?】 【すごく汚れてる!】 |
スナイダー | ああ、これか。 銃の手入れをしたから汚れているだけだ。 |
主人公 | 【手入れの後は手を洗わないと】 【汚れたままだとあげられない】 |
スナイダー | 銃である俺が手を洗う必要があるのか? いいからさっさと寄越せ。 |
主人公 | 【じゃあ口を開けて】 【しょうがないな】 |
スナイダー | さっさと食わせろ。 |
スナイダー | ……フン、悪くない。 |
スナイダー | そういえば、交流面談とやらがあるそうだな。 指定の日の夜、正門にいろ。 |
主人公 | 【わかった】 【……あれ?】 |
主人公 | 【(待ち合わせ時間を指定した?)】 【(珍しい……)】 |
スナイダー | ……きたか。 〇〇、行軍を始めるぞ。 |
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いつもと変わらないスナイダーとの訓練が始まる。
ふと、ついてくるスナイダーが
こちらをジッと見つめてくる。
主人公 | 【どうかした?】 【何かついてる?】 |
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スナイダー | ……少し休むか。 |
行軍を始めて間もなくして、
スナイダーが休憩を申し出た。
主人公 | 【(珍しい……)】 【どうかしたの?】 |
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スナイダー | ……せっかくの『デート』だ、楽しそうにしろ。 |
主人公 | 【……!?】 【で、デート?】 |
スナイダー | なんだ、その顔は? こういう時、『デート』をするものだとグラース銃に聞いたぞ── |
スナイダー | ……何をしている? |
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グラース | ああ、これな……マスターとの交流面談に向けての準備さ。 2人きりでデートができるんだ。 存分に楽しませてやろうと思ってな。 |
スナイダー | デート? それは一体なんだ? |
グラース | は? お前デートすら知らねぇのか? まあ、戦闘しか興味ねぇ奴だからな……僕が教えてやるよ。 |
グラース | いいか? デートってのは…… 2人きりで過ごして、相手に1番いい自分の姿を見せる場だ。 |
グラース | 相手を楽しませて、相手に自分のことを 1番だと思わせる駆け引きの場なんだぜ? |
スナイダー | ほう、それがデート……。 1番だと思わせる……か。悪くない。 |
スナイダー | 俺は絶対非道も、絶対高貴も使える 1番の貴銃士だということを、 おまえは重要視していないようだからな。 |
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スナイダー | 『デート』で俺の力をわからせてやる。 どうだ、嬉しいか? |
主人公 | 【ちょっと、いやだいぶ違う……】 【これは……デートなのかな……?】 |
スナイダー | なんだ、不服なのか? チッ、すっからかんめ……俺に嘘を吹き込んだのか。 |
主人公 | 【でも、スナイダーらしくていいと思う】 |
スナイダー | 俺らしい、か……まあいい。 |
スナイダー | ところでおまえ、ここから士官学校に戻る道は わかっているか? |
主人公 | 【……え?】 【そう言えば……】 |
〇〇は先に進むスナイダーについて行くのに必死で、
どの道を使ってここまで来たのか覚えていない。
スナイダー | フッ、その顔は……帰り道を見失ったな? |
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スナイダー | 何を焦る必要がある。これでいいだろう。 俺にはおまえがいて、おまえには俺という唯一の銃がいる。 |
スナイダー | このまま士官学校に戻さず、ここにずっと置いておいたら…… おまえは俺のものとなるな。 |
スナイダー | ……良い『デート』だ。 なあ? 〇〇。 |
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