【1周年を君と】エルメ

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解説

カード解説

マスターと貴銃士、その在り方。銃と共に生きる限り、安寧の運命はきっとない。
けれど、前を向いて歩み続けよう。
暗い夜を裂いて、空に輝く陽が昇るように──終わらぬ絶望はないのだから。

心銃解説:スナイパーの傷

どんな未来が待っていても、君となら立ち向かえる。絶対に。

カードストーリー

主人公名:〇〇
主人公の一人称:自分

 

★4覚醒後のカードイラストに表示されるメッセージ

君は他の人間とは違うみたい
出会えたことに感謝するべきかな

Ep1. スナイパーの傷

貴銃士の勇敢さを称える記念行事、
ブレイブ・マスケッターズ・デー。

その一環として開催された食事会に、
〇〇は貴銃士たちとともに参加していた。

エルメ……ふぅん、相当に気合が入っているみたいだね。
料理の彩りも、テーブルや会場のセッティングも、
完璧に限りなく近く思えるよ。
エルメただ……レバー料理がないのはいただけないね。
主人公【でも、料理はどれも美味しいよ】
→エルメ「そうだろうね。
だけど俺は、味自体にはあまり頓着しないから。」

【あっちにレバーのパテがあった気がする】

→エルメ「本当?
パテはあんまりレバー感がないのが残念だけど、ないよりはいい。
あとで探しに行ってみるよ。」

エルメは、近くに置いてあった軽いつまみを食べて、
少し疲れた様子でため息をつく。

主人公【大丈夫?】
【疲れた?】
エルメん……? ああ、平気だよ。
エルメところで、交流面談のことだけど。
君と、俺たち貴銃士が親睦を深められそうなプランなら、
だいたいなんでもいいんだよね。
エルメそれなら、イギリス支部に行くのはどうかと思ってるんだ。
君と縁深いところだし、悪くはないでしょ?
主人公【いいと思う】
【そうしよう】
エルメじゃあ、決まり。
当日は時間になったら君の部屋に迎えに行くよ。

──交流面談当日の朝。

エルメ……〇〇、いるかな。
エルメ失礼するよ。
主人公【早いね】
【ごめん、まだ準備中で……】
エルメうん。
……今日の予定はキャンセルだ。
主人公【えっ!?】
【どうして急に……?】
エルメああ、もう……限、界……。
俺は、鉄に戻るよ……。
主人公【鉄の日……!?】
【ドライゼがいないのにどうしよう……】

〇〇はエルメをどうにか起こして抱えようとするが、
本人に起きる意志が皆無でぐったりと完全に脱力しており、
大柄さもあって一筋縄ではいかない。

エルメ俺を運んでたら、どう頑張っても目立つし……。
このまま……部屋の隅にでも転がっておくよ。
エルメもう……自分の部屋まで戻るのも面倒だ……。
主人公【せめてベッドに!】
【椅子に座れる?】
エルメなぜ……?
鉄に、ベッドも椅子もいらないよ。

床に寝転がったまま目を閉じるエルメ。
〇〇はひとまず、キャンセルの連絡をお願いしようと、
ラッセルを探しに走った。


しばらくして〇〇が部屋に戻ると、
エルメが服を中途半端に脱ぎ散らかしているところだった。

主人公【ふ、服を着て!】
【脱ぐなー!!】
エルメああ……ちょうどよかった。
〇〇、君が脱がしてよ。
ボタンとかベルトとか……何もかも面倒なんだ。
エルメだいたい、銃が服を着るって……意味がわからない。
この鬱陶しい布切れをどけてよ……。
俺は……冷たい床を、己が鉄であることを感じたいんだ。
主人公【全裸はNein!】
【ひんやりしたいなら氷を持ってくるから!】
エルメええ……。

〇〇は、エルメの服を、
苦しくない程度に適度に着せ直し、
氷水を入れたビニール袋を渡す。

エルメうん……これは悪くないね。
生物としての温度が抜けていく感じ……気持ちいいよ。
エルメ…………。
エルメ……ごめん。一応、悪いとは思ってるんだ。
交流面談までは耐えるつもりだったけど、
最近いろいろあって、限界で……。
エルメ君は、俺の秘密を知ってるし……と思ったら、
なんだかこう……ぷつっと、切れてしまった。
主人公【(……信頼されてると思っていいのかな)】
【(……気を許してもらえてるのかな)】
エルメそもそも、パレードだとか食事会だとか……
なんで銃にそんな人間ごっこをさせるんだ……。
エルメ銃の本分は戦うことで……居場所は戦場がふさわしい。
貴銃士を見せびらかして、何が楽しいんだか……。
主人公【お疲れ様】
【頑張ってくれてありがとう】

しばらくエルメを寝かせたあと、
〇〇は水やレバーペーストなどを用意する。

主人公【水分と栄養を少し摂った方がいい】
→エルメ「別に、数日食べなくても平気だよ。
摂取させたいなら、君がして。」

【何か口にできそう?】

→エルメ「可能か不可能かなら、可能かな。
でも、面倒だし、必要性はそこまで感じない……。」

〇〇は、以前のドライゼにならって、
ストローを挿したグラスを口元に寄せたり、
レバーペーストをスプーンで掬って食べさせたりする。

エルメ……交流面談だけど。
一番の目的は、君と貴銃士が交流して親睦を深めることでしょ?
主人公【そうだよ】
【何かやりたいことはある?】
エルメだったら、俺の銃の手入れをしてほしいな。
主人公【もちろん】

〇〇は、エルメの銃を丁寧にメンテナンスする。
エルメらしく元々綺麗な銃だったが、最近参っていたからなのか、
ところどころに少し磨き残しなどがあった。

エルメふふ……心地いいね。動きに淀みがない。
銃を扱うのに慣れた、銃を愛する、丁寧な手だ。
エルメだからこそ……惜しいな。

エルメは不意に、薔薇の傷が刻まれている
〇〇の手を取った。

エルメ……君の手に、薔薇の傷があることが。
エルメ治らない──治してはいけない傷。
君は普段、なんともないように振る舞っているけれど、
傷なんだから当然痛むだろうね。
エルメ……この傷は、スナイパーには致命的だ。
主人公【……!】
【それは……】
エルメ繊細な手指の感覚、操作……スナイパーには必須でしょう?
君の相棒や、他の狙撃銃の貴銃士たちは、何も言わないのかな。
エルメ口にして、君のスナイパーとしての力を
自分たちの存在が削いでいることを直視するのが恐ろしいのかな。
エルメなんにしたって……これは事実だ。
薔薇の傷は、スナイパーである君にとって致命的な欠陥。
エルメ傷さえなければ、君はさぞ優秀な射撃手なんだろうね。
……ふふ。
主人公【何が言いたい?】
エルメふふ……別に、意地悪をしたかったわけじゃないよ。
エルメいつか、その傷がなくなる日が来るかもしれない。
俺も、完璧な“銃”に戻って……君が、完璧な狙撃手になったら。
エルメその時は、狙撃銃だけじゃなくて、
どうか“俺”も使ってみてよ。
主人公【……わかった】
【……そうする】
エルメありがとう。
ああ……想像するだけでも、本当に素敵だ。
楽しみにしてるよ。

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