【クリスマスをぶっ壊せ!】ベルガー

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解説

カード解説

クリスマスムード一色の街。そんな中、雰囲気をぶち壊す破壊神が……!?
欲しいものはサンタにお願いするのではなく、自分の力で手に入れろ!

心銃解説:メリィィィィィクリスマスッ!!

クリスマスの狂騒。苛立ち忘れて衝動のまま、欲望のままに。
悪い子?罰?知ったこっちゃない。
ただぶっ壊れた宴を楽しむだけ……のはずだった。

カードストーリー

主人公名:〇〇
主人公の一人称:自分

 

Ep1. ベルガー観察記録1

ベルガーとファルが、
クリスマスディナーを巡って一騒動を起こす、少し前のこと──。

カールふーむ……。
ローレンツカール様、いかがなさいましたか?
カールああ。ベルガーが職業体験に行った先からの
報告書を読んでいたんだが……。
カール指示を聞かない、暴れる、逃亡する、そもそもサボる。
すべて苦情の類だ。
ローレンツピンチ・イズ・チャンスッ!!!
カール……っ!
ローレンツカール様、そういうことでしたらこの俺にお任せを。
モルモット1号の職業体験に関しましては
既にいくつか仮説の用意がございます。
カールそうか。
それなら早速、ベルガーに付き添って職業体験に行ってみてくれ。
うまくいったら、褒美を与えようかねー。
ジョージ褒美ってなに!?
バーガー食べ放題とか!?
カールおお!?
ジョージか。
カールもちろん、なんでも用意するとも。
君がベルガーに、真っ当な仕事をさせてくれるのならね。
カール(なぜ突然窓から現れた……? まぁ、いいか……)
ジョージやったぜ! OK、オレに任せろ!
よろしくな、ローレンツ☆
ローレンツモルモット1号がどうすれば職業体験に行くか……。
この興味深いテーマについて検証できる、またとない機会だ!
ローレンツでは早速、第1段階といこう。
モルモット1号をおびき出すための作戦だ……!

ベルガーへへっ、今日は誰ボコろっかな~。
ジョージあっ、おーい、ベルガー!
オレと一緒に職業体験行こうぜ!
ベルガーショクギョータイケンだぁ?
なんで俺がんなめんどくせーことしなきゃなんねーんだよ?
ジョージそんなこと言うなよ~。
ベルガーなら仕事だって一瞬で終わるし、
オレもおまえのカッコイイとこ見たいんだって!
ベルガーあ? イミわかんねーんだけど?
そんなことよりコークよこせよ。ノド乾いてんだ。
ローレンツふ……仮説通りの展開だな。
ベルガーうげっ、ローレンツいんじゃん!
ローレンツモルモット1号、この漫画を読んでみるといい。
ベルガーはー? なんだこりゃ?
ローレンツとある政府のお抱えスパイが様々な場所へ潜入し、
地味な仕事をしながら、
最終的には重大ミッションを遂行する物語だ。
ベルガーなになに……? へー!
これ、おもしろそーじゃん!
ローレンツその反応も事前の予測通り。己の論理性の高さに震えるな。
……なぁ、モルモット1号。
今からこの漫画の主人公ごっこをしないか?
ベルガーおっ、いいぜー! アルパチーノと参加する!
つーか、おめーにしてはいい提案するじゃねーか。
ローレンツフッ……決まりだな。
では、モルモット1号、俺について来い。
ジョージすげー! あのベルガーを説得した!
ていうか今の、説得だよな……??

店主君たちが士官学校の子たちだね。
よろしく頼むよ。
ジョージおう! よろしくなっ!
店主今日は店の特売日だから、この看板を持ってそこに立ってて。
ベルガーこれ持って、立ってればいいのかぁ?
なんかジミだけど、まぁいっか。
ジョージオレも一緒にやるからさ!
頑張ろうぜ!

──1分後。

ベルガー疲れた~!
マジでダルいんだけど!
ジョージあっ、看板投げるなって……!
ローレンツモルモット1号、まだ1分しか経っていないぞ。
そんなことで職業体験が務まると思っているのか?
ベルガーただのスパイごっこだろぉ?
こんなショボいことやってられっかよ~!
チンピラおい、そこの兄ちゃんよぉ。
ベルガーんあ? なんだてめー。
チンピラお前が投げた看板のせいで、大事な靴に傷がついたじゃねぇか!
どう落とし前つけるつもりだぁ? あぁ!?
ベルガーあひゃひゃひゃっ! 傷ぅ? 見えまっせーん!
お、そうだ。よーく見えるように、全身傷だらけにしてやんよ。
うおおっ、俺ってば天才!?
チンピラなんだとコラァ!!
やれるもんならやってみろや!
ベルガーぷくく……あひゃひゃっ! いーぜぇ!
ジョージおい、ケンカとかやめろって!
ベルガーぎゃはははっ!!
看板持って突っ立ってるよりぃ、
こっちの方がダンゼンおもしれーわ!
ローレンツ──モルモット1号、職業体験を開始直後に放棄。
街のチンピラに絡まれ応戦する。
すべて想定通り。これにて今日の記録は完了……っと。
ジョージっておい、想定通りなのかよ!
ローレンツも止めろって~!

Ep2. ベルガー観察記録2

12月中頃の士官学校にて──

カール懐かしい雰囲気だ……。
ベルガーくぁ~……。
ローレンツモルモット1号?
今日は普段より1時間も早起きじゃないか。
ベルガー…………。
あるぇ?
なんか今日、ここ雰囲気ちがくね?
ローレンツほう……よく気づいたな。
モルモット1号にしては上出来だ。
ローレンツクリスマスに向けて、飾り付けをしているのだよ!
ベルガーくりすます……?
なんかうめぇの食べられる日だっけ?
カールクリスマスはプレゼントももらえるぞ。
サンタクロースにお願いすれば、
トナカイのそりに乗って届けてくれるのさー。
ベルガーさんたァ……?
そいつに頼めば、なんでももらえるのか?
カールああ、そうだとも。限度はあるがねー。
さて、ベルガーは何が欲しいのかな。
ベルガーハーッ! マジかよ!
んじゃあ、俺、俺……んぇーっとぉ!
ベルガー俺だけの、コーク飲み放題ポテチ食い放題の遊園地がホシイ!
チマチマ並ぶのとかクソだりぃしよぉ、
俺だけの遊園地ならジェットコースター乗り放題だろっ!
カールはははっ、これはまた、随分と大きな望みだね。
ローレンツモルモット1号……さすがにそれは無理というものだ。
サンタクロースにも予算という概念は存在するのだからな。
ベルガーなら、トナカイ!
あいつら空飛べんだろ? ホシイ! ホーシーイ!
ローレンツそれも無理だ。
トナカイがいなくなったら、プレゼントの運搬に支障をきたす。
ベルガーはぁー?
なんでもくれるって言ったくせに、全部無理とかありえねー!
サンタってマジ無能!! クズ!!
カールサンタクロースを口汚く罵っては、“悪い子”だな。
君の好きなコークすらももらえないかもしれないねー。
カールしかし、トナカイは、主にツンドラ地帯に生息しているようだ。
君なら、サンタクロース頼みではなくて、
自力で捕まえる方がいいんじゃないか?
ベルガーマジで!?
じゃー俺、ちょっくらトナカイゲットしに行ってくるわぁ!
待ってろよ、ツンドラ~!
ローレンツおっ、おい!
待つんだモルモット1号……!
ローレンツ……行ってしまった……。
カールさて、ローレンツ。
ベルガーがツンドラ地帯について正しく把握しているか否か、
君の仮説はどうだい?
カール僕の仮説では、『聞いたこともない』が100%かなー。
はっはっは。
ローレンツカール様……。
すべて承知の上で、モルモット1号にあのようなことを……?
カールさて。ベルガーがトナカイ探しに飽きて戻ってくるまで、
別の暇つぶしを探そうかねー。
ローレンツ(海のように深い包容力を見せてくださったかと思えば、
冷静で冷ややかな策士としての面を覗かせ──
カール様は、深淵の謎に満ち、高貴で掴みがたい)
ローレンツ(青年は、小さくも偉大なる皇帝のある日の姿について
見たまま感じたままをノートに書き連ねた……。
本日の記録は以上だ)

Ep3. 最高の?クリスマス

──クリスマスのひと騒動から数日後。

ベルガー……うぅ……。
カールやぁ、ベルガー。
ブラックサンタからようやく解放してもらえたようだね。
ローレンツモルモット1号がこんなにしおらしくなるとは、どういうことだ?
早速データを取らなければ!
ローレンツちなみに今、電流を流すと……。
ベルガーんん……。
今、なんかピリッとしたよーな……。
ローレンツなんということだ……!
これほど反応の薄いモルモット1号は、近頃見ていなかったぞ!
一体何が要因でこの状態に陥ったのか……検証が必要だ!
カールどうやら、ブラックサンタからの報いを受けたようだねー。
カールおお、そうだ。
ベルガー、君にもクリスマスプレゼントがあるぞ。
ベルガープレゼント……。
ベルガープレゼント!?
なになにっ!?
カール来たまえ。こっちに用意してある。

カールさぁ──君のための遊園地だ!
ここで自由に、いつまでも遊ぶといい!
ベルガーうおおおおっ、マジかよ!
役立たずのサンタクロースよりすげー!
ベルガーひゃっほーー!!
遊園地サイコーー!!!

笑顔ではしゃぎながら、ベルガーはボートに乗り込んだ。
水辺の鳥や魚が、水しぶきをかけてくる。

ベルガーあははっ、つめてーって!
???おーい……!
ベルガーんぁ?

声がした方を振り返ると、
愛らしい着ぐるみたちがベルガーに手を振っていた。

ベルガーおーい! お前らもこっち来いよ~。
一緒に遊ぼうぜー!
???お……い……。
ベルガーあれ……?
あいつら、いなくなったぞ?
ベルガーおか……しい、な……。
遊園地が……まっ……くろ……。

ベルガー……っ!
ぶはっ……サムっっ!!
ファルようやくお目覚めですか。
私を置いて夢の世界に行くなんて、いい御身分ですね。

びしょ濡れで目覚めたベルガーに、
ファルがにこやかに微笑みかける。
すぐそばには、空になったバケツが転がっていた。

ベルガー夢……?
えっ、遊園地は……? サンタは……?
ファルええ、ここにいますよ。
あなただけのサンタクロースが、ね。
ファルさぁ、続きを始めましょう。
秘密のクリスマスパーティーを。

ベルガーの声にならない絶叫が、地下室に響き渡ったのだった──


一方その頃、士官学校の談話室では──。

カールそういえば、ベルガーは行方不明のままだね。
あれにも一応、クリスマスプレゼントを用意したんだが。
ローレンツおや。メリーゴーランドのオルゴールですか。
カール遊園地に興味があるようだったからねー。
例のネズミ……アルパチーノだったか。
隣に飾るにはちょうどいいだろう。
ローレンツさすがカール様、素晴らしい贈り物ですね。
モルモット1号もきっと喜ぶことでしょう!
俺は、こちらの漫画を用意してみました。
カールほー。
これは、職業体験へ導くために使った、スパイ漫画の愛蔵版かい?
ローレンツええ、そうです。
早く渡して、モルモット1号の反応を観察したいのですが……。
カール探し物は必要な時に見つからないというからねー。
まぁ、そのうち帰ってくるだろうさ。
ローレンツええ、そうですね、カール様。
ああ、反応を見るのが楽しみだ。フフフ……。

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