【檻の中のともだち】ベルガー

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解説

カード解説

これは遠い記憶の欠片。オーストリアでの、彼らの物語の前日譚。
かつて悪役だったバッドボーイ……ベルガーは鎖に繋がれて、二つの両極端な運命と出会う。
「お前の名前は、 『アルパチーノ』だ!」

心銃解説:エンジョイ サムシング!!

ヘンタイに捕まってさぁ!!
なんか飯もないしさぁ!!
もうなんかあれだ。あれあれ。
あれだぜアルパチーノ。
……踊るしかなくね~!!!??

カードストーリー

主人公名:〇〇
主人公の一人称:自分

Ep1. 安全な場所?

これは〇〇たちが
オーストリアを訪れる前──
ベルガーが、貴銃士として目覚めた頃の話。

ベルガーが目をさますと、そこは薄暗い檻の中だった。
檻の外には、妙に存在感のある少年と
複数の着飾った人間らがベルガーを見ていた。

ベルガーああ? な、ここぉ……。
ってか、オマエら……誰?
カール待っていたぞ。
暇つぶし──いや。
元世界帝軍の貴銃士、ベルガー!
ベルガー……?
てめぇのその顔と声、どっかで……。
ベルガーあぁー! 思い出した!
レジスタンスの中にいたヤツだろ!
ゴミだゴミ! ひゃははっ、殺してやるよ!

少年が敵であることに気づき
思わず身を乗り出すベルガーだが、
手枷と足枷が邪魔をする。

ベルガーって、んだよコレぇッ!?
動かねーんだけど!
ベルガーああっ!? うっぜぇ!
ってか、なんでオリなんかに閉じ込められてんだよ!?
どーなってんだよ、オイ!!
カールはっはっは。元気いっぱいだねー。
イレーネの戦いの途中で斃れ、
銃に戻った君は知らんだろうが……。
カール世界帝──かつての君のマスターは
レジスタンスに打ち倒され、
裁判を受けたのち、処刑された。
ベルガーはぁ? ……どゆこと?
カール混乱するのも無理はない。
あの武力で世界を支配した男が──
ベルガーサイバン? ショケイ? んだそれぇ?
カール…………。
カール……ああいや、つまり、世界帝はもう死んだんだよ。
君たちは、僕らレジスランスに負けてしまったのさ。
ベルガーはぁ~~~!?
なぁーに寝ぼけたこと言ってんだブァーカ!!
俺らが負けたぁ? んなわけねーだろ!
ベルガーテキトーなこと言ってんじゃねーよ!!
ふざけんな、こっから出せ!
俺を誰だと思ってんだ、ベルガー様だぞオラァ!!

檻と手枷がこすれ、金属音が鳴り響く。
だがカールは涼しい表情のまま、首を横に振った。

カールまぁまぁ、落ち着け。
君にとっても悪い話じゃないぞ。
ベルガーてめぇら全員ムカつくんだよそのツラァ!!
うっぜーーー!
ベルガーくそ! クソクソクソクソ!!
クソクソクソクソ!!
マジ……ぶっ殺す!!!
ベルガーんぁ……? なんだ、この声……。
力……?
欲しいに決まってんだろうがァァ!!!
カール……!?
貴族たちひぃぃぃぃっ!!

絶対非道の力で檻を吹き飛ばし、
ベルガーは怖気づいた人間たちを横目に
颯爽と駆け出す。

ベルガーおお!? ワケわかんねーけど……おもしれー!
ヒャッハー!
オラ、どけどけどけーっ!!!
カール……ほー。
これは期待以上の成果だよ。
ベルガーあ?
──っ!

カールの放った銃弾は、
寸分の狂いなくベルガーの心臓を撃ち抜いた。


ベルガー……あるぇ?
俺、何してたんだっけ……。
ベルガー……ん? フンフン……
なんか、うまそうな匂い……?
ベルガーおおぉぉぉっ!?
ベルガーバーガー、ポテト、コーラ……
んでもって漫画に、ゲームまで!?
サイコーのラインナップじゃねぇか!
カールやあ、ベルガー。昨日はすまなかった。
君に対して、もてなしの気持ちが足りなかったようだ。
カールということで、それらは君のために用意させたものだ。
存分に食べ、好きなだけゆっくりするといい。
ベルガーは? 昨日? なんだっけぇ?
もぐっ! ぶわぁ! このバーガー、うめー!
こっちのポテトもバリうめー!!!
カール君が寝ていた間に、世の中は様変わりしていてね。
たとえば、その美味しい食べ物。
カールそれは普通だったら、
まじめに働かないと食べられないものだよ。
ベルガーはぁ? 働くとかありえねぇ~。
そのへんのヤツを殴って奪う! もぐっ!!
カール清々しいほどに、野蛮だなー。
ならば、ここでおとなしく暮らしていてもらおう。
それで異存ないね?
ベルガー……このマンガ、パラ読みでもめっちゃおもしれー!!
アルパチーノってやつ、
マジかっけーじゃん!!
カールその漫画、全部で50巻あるぞ。
続きを読みたいか?
ベルガーおう!! 読みてぇ!!!
カール君がこの檻の中で大人しく生活すると約束してくれるなら、
続巻もすぐに手配しよう。
カール加えて、今後も漫画とゲームは、定期的に提供する。
食事も君が望むものを、
すべてこちらで用意するつもりだ。
ベルガーマジで!? めっちゃいいじゃん!
お前サイコーだな!!!
じゃあ俺、ずっとここにいるわ!
カールはっはっは……!
これからよろしく頼むよ、ベルガー。

Ep2. 脱出実験

ベルガーが召銃されてから、
しばらくが経った頃──

平穏だったはずの場内で、
突如、銃声と爆音が響き渡った。

貴族きゃああああっ!?
兵士また奴の仕業だ!
おい、急いで追うぞ!
ベルガーくっそ……!
話がちげぇじゃねえか……!!

ぐーぐーと鳴る腹をさすりながら、
ベルガーは走り続ける。

足枷が擦れて痛みが生じても、
立ち止まるわけにはいかなかった。

ベルガーはぁ……はぁ……今度こそ……っ!
……くっ!

不意のめまいにふらついた身体を支えようと
とっさに壁に手をついた、その瞬間──

──ガコン!

ベルガー……は?

触れた壁の一部が押し込まれると、
どこからともなく振り子のように
巨大なハンマーがベルガーへ襲い掛かってくる。

ベルガーおおっ……!?
ちょ、待──っ!!
ベルガーぐはあっ!!!!
ローレンツふっ……青年は見事、証明してみせた。
かのモルモットが20分の1の確率でそのトラップに
引っかかるという仮説を!
ベルガーあぐ……て、てめぇ……!?
ローレンツそれは、対Mr.ベルガー用に
城の中を改造して設置したトラップの1つだよ。
意識をぎりぎり保てる程度に殺傷能力を調整した。
ローレンツすべて、俺の自慢のトラップばかりだ。
是非とも、他の場所のトラップも
実証してみてもらいたい!
ベルガーわ、ワケわかんねぇ……!
クッソ……あんな不気味ヤローに
捕まってたま、っか……!
ローレンツそうしてまだ逃げようとする諦めの悪さも、
想定済みさ。つまり……。
ベルガー痛ってえええっ!

ベルガーの足を激痛が襲う。
足先を板型のネズミ捕りの罠が挟んでいたのだ。

ローレンツ壁を気にするあまり、足元の確認はおろそかになる。
こちらもしっかりと証明されたな。
ローレンツああ、ちなみに目的はあくまでMr,ベルガーであるため、
ネズミ用のチーズは置いていない。
ベルガークソ……とことん、邪魔しやがって……!
マジで意味わかんねー……!
ローレンツふむ……まだ走れるのか。
だが、そちらも──
ベルガーあががががっ!

踏み込んだ絨毯の下から、電気が流れ込む。
三度目の罠にはついに力尽き、ベルガーは
その場に倒れ伏すが……電気は体内を巡り続ける。

ベルガー……あがが……!! しびび……!!!
しびびびびれれれれ……!!
ローレンツかわいそうなモルモット……。
こんなにボロボロになってもなお、
懸命に逃げようとするとは……。
ベルガーじぇんぶぶぶぶぶ……
おおおめーのトラップのせいだろーがぁぁ……!!
ひぐぐぐぅぅぅ……!!
ローレンツ……!
モルモット……涙を流しているのか?
これは想定外だ。苦しいことで涙を流せるとは……。
ローレンツ君をそんな気持ちにさせるとは、慚愧に堪えない。
そう……君は俺の大事なモルモットなのだ。
ローレンツ──よし、俺も君と一緒に罠にかかってあげよう。
これで君は、1人じゃない……!
ともに苦難を乗り越えるぞ!!
ベルガーなんでだよ!?

ローレンツは迷わず
電気ショックが仕込まれた絨毯に飛び込む。

ローレンツばばばばばば!!
ベルガーおれ、おまえ、嫌いいいぃぃぃぃ!!

ベルガー…………。
ローレンツ8分6秒。ふむ。5秒差だが『Mr.ベルガーが絶対非道で
脱走してから捕まるまでの時間は、約8分』という仮説は、
正しいと証明されたな。
ベルガーはっぷん……?
ローレンツわからないのか? つまり俺は、君が脱走するよう
誘導した後……ありとあらゆるルートを計算して、
捕まるまでの時間を8分と仮定したのだ。

ローレンツ今日の午後2時ごろは、警備が薄くなる。
だからといって、くれぐれも脱走を図ったりしないように。

ベルガーあれも全部、ワナだったってことかよ!?
ローレンツそんなに構えないでくれ。
俺たちは同じ国の仲間なんだ。
怯える必要も、怖がる必要もどこにもない。
ベルガーは、はぁ!?
んなわけねーだろバカが……!
よ、寄ってくんじゃねぇ……!

ローレンツが近づくと、
ベルガーの身体が無意識にガタガタと震えだす。

ローレンツん? 震えているじゃないか。
もっと優しく言えばいいのか?
怖がらなくていいぞ~モルモット1号♪
ベルガーキモッ!!!

 

Ep3. 檻の中で生まれた友情

──ベルガーの脱走騒動から、数日後。

ベルガーはぁ……ハラ、減った……。

ローレンツの管理により、
脱出防止のためベルガーはご飯の量を減らされ、
常に空腹の状態にさせられていた。

ベルガーあの野郎……。

ローレンツ大変だしつらいと思うが、これも実験だ。
我慢してくれたまえ。

ベルガーメシ食って元気になったら、
ぜってぇアイツの頭吹っ飛ばしてやる……!

意気込むベルガーとは裏腹に
空腹を訴える腹の音は
とても弱々しいものだった。

ベルガーうぅ……爪、いてぇ……。

逃げ出そうと檻や床を引っ掻いたことで、
ベルガーの爪は割れ、出血していた。

ベルガー……も……しぬ……。

空腹でぼやける視界。
そのまま意識が遠のきかけるが──
突然、どこからか物音がし始める。

何者かの甲高い鳴き声と、
カシャンカシャンと檻を揺らすような音……。

ベルガーんだぁ……?
ネズミチュー……チュー……!

重い瞼をこじ開けてみると、どこからか入り込んだ
1匹のネズミが、運悪く檻にしっぽを絡めてしまい
……宙ぶらりんになって、暴れていた。

ベルガー──肉だッ!!

極度の空腹状態にあったベルガーは、
本能的にネズミをつかんだ。

ベルガーおっしゃ! これでやっと……
ん!?

意気揚々とネズミを引き寄せたが、
愛らしい瞳と、ぱちりと視線がぶつかってしまう。

ベルガー……っんだよ、その目は……。
俺はなぁ……くっ!
ネズミチュー……。
ベルガー……はぁ。
もう絡まったりすんなよ。

掴んでいたネズミをそっと放す。
ネズミは、ベルガーをちたちと見上げたあと、
一声鳴いて逃げていった。

ベルガー…………。

──翌日。
気絶に近い睡眠状態だったベルガーは、
鼻孔をくすぐる小麦とチーズの香りに目を覚ます。

ベルガー……なんか……。
うまそーな、匂い……?
ベルガーん……?
お、おおおっ!?

ベルガーの眼前には、一口サイズの
小さなパンのかけらとチーズのかけらが落ちていた。

驚きながら視線を動かすと、
檻の陰から昨日のネズミが
そっとこちらを窺っていることに気づく。

ベルガーこれ……お前が?
ベルガーもしかして……
昨日、俺がお前を助けたと思って、
礼をしに来たのか……?
ネズミチュー!
ベルガーお、お前ってやつは……!!

涙を滲ませながら、
小さなパンのかけらとチーズを口へと放り込む。
空腹を満たすには、圧倒的に足りないが……。

ベルガーなんだ……こんなクズみてーな
パンとチーズが、こんなにうまいわけねぇ……のに
……グスッ!!

噛みしめるベルガーに、
小さなネズミがそっと寄り添った。


──さらにその次の日。

ベルガーおっ、またパンとチーズを
持ってきてくれたのか?
ありがとよ……!
ベルガー………。
なぁ、今日は一緒に食おーぜ。

チーズのカケラを渡すと、ネズミは心なしか
嬉しそうに鳴いてそれを受け取り、
ベルガーと一緒に食事をし始める。

ベルガー…………。
あのよ。
ベルガーあん時……お前が初めてココに来た時。
ホントはお前を食っちまおうとしてたんだ。
……ごめんな。
ベルガーけど、俺はもう二度とお前を食おうだなんて考えねぇ。
なんたって──
ベルガー俺とお前は、トモダチだからだ!!
ネズミ……チュー……!
ベルガーでな、ダチなのにネズミって呼ぶのはヘンだろぉ?
だから俺、お前の名前を考えたんだ!
ベルガーお前の名前は『アルパチーノ』だ。
俺の好きな漫画に出てくるヒットマンなんだぜ!
へへっ、どうだ?

するとネズミ──改めアルパチーノは、
ベルガーの足元から駆け上がり、
なんだか嬉しそうに首元へじゃれついてきた。

ベルガーうひゃひゃ、それくすぐってーよ!
うくくっ、おいやめろって……!

──この日から、二人は親友になったのだった。

Ep4. 友情、危機一髪!

ローレンツ今日の実験は、これで終わりとしよう。
ベルガーはぁ……。
…………。
ベルガーアルパチーノ、いるか……?

ささやくようなその声に応え、
どこからともなく現れたアルパチーノが
迷わずベルガーに走り寄ってきた。

ベルガーお~!
今日も元気だったか~!
ベルガー……うひゃひゃ!
ベルガー何すんだ、くすぐってーよ!
おい!
ベルガーあ、こら!
ひゃはは!
カワイイやつ~!
ベルガーはぁ~……!
やっぱお前、サイコーだわぁ……。
???──ふむ。最近やけにおとなしいと思ったら、
そういうことだったのか。
ベルガーはぁ!?
なっ……! お前っ!!
ベルガー(やべー、いつからここに!?
ってか、ばれたらアルパチーノと引き離される!
いや、それどころか……)
ベルガー(アルパチーノにもなんかしやがるかも!)

顔面蒼白になりながら、
ベルガーは慌ててアルパチーノを服の中に隠す。

ローレンツ今、懐になにか隠したな?
それが『アルパチーノ』かい?
ベルガーな、なんもねーし、なんもいねーよ!
ベルガー(アルパチーノ……!
じっとしとけよ……!)

だがアルパチーノは、不穏な気配を察知したのか、
外の様子が気になったのか……
服の中からひょこっと顔を出してきてしまう。

ベルガーちょ、出てくんなバカ!
ローレンツほう……これが……。
アルパチーノキー、キー……!
ベルガーおい、触んな! 離せよ……!

ひょいとアルパチーノを持ち上げたローレンツは、
興味深そうに上から下まで観察し始める。

ローレンツこれはこれは……妙なノイズが入ったものだ。
ベルガー……!

そして、ローレンツがアルパチーノへと
もう片方の手を伸ばした瞬間──

ベルガーだから……アルパチーノに触んなって言ってんだろ!
この変態野郎!!
ローレンツ……っ!?

叫んだベルガーは
がぶりとローレンツの手に噛みついた。

ローレンツくっ……!
ベルガーアルパチーノ!

呆気にとられていたローレンツの手の中から
逃げ出したアルパチーノは、
すぐさまベルガーの元へ逃げてくる。

ベルガーこいつは、俺が守る……!
絶対にてめぇの手に渡したりしねーぞ!
ローレンツふむ……ノイズかと思ったが、
これはあるいは──福音か?
ベルガーぜったい、ひど──……!
ローレンツ──素晴らしいっ!!
ベルガー!?!?

徹底抗戦の覚悟を決めたベルガーだったが、
ローレンツはむしろ好意的に
アルパチーノを見つめている。

ローレンツ新たな可能性の広がりを感じるぞ!
さっそく観察してデータを集めなければ。
ベルガーお、おい……
アルパチーノのこと、取り上げたりしねー、のか?
ローレンツ取り上げる? 何故?
君がそのネズミと関わることは、
むしろ推奨すべき事象だ。
ローレンツ動物と貴銃士の友情という題材も、魅力的といえよう。
今のところ引き離す気はさらさらないから
安心したまえ。
ベルガー……マジ?
はぁ~あ……。

思わぬローレンツの許可に、
べルガーはへなへなと座り込んだ。

ベルガー……っ!
やったぜアルパチーノ!
俺たち、ずっと一緒にいてもいいってよ!
アルパチーノチュー!
ローレンツ……!
意思の疎通ができているのか。
やはり面白いモルモットだな……。

Ep5. 友達大紹介

そして時間は流れ──
これは、ベルガーが士官学校にやって来てからの話。

シャルルヴィルそれでね、マスター。
この後の予定なんだけど……ん?
???おっ、お前ここにいたのか!
ほらよ!

声をかけられ後ろを振り向こうとするが、
それよりも先に──
首に、何やらひんやりとしたものを巻かれた。

主人公【……?】
シャルルヴィルぎゃあああっ!?

その『ひんやりとした長くて太い何か』はずるりと動き、
〇〇の目の前に顔をのぞかせた。
──真っ白で目が赤い、アルビノの蛇だった。

シャルルヴィルな、な、ヘビっ!?
ベルガーぎゃはははは!
主人公【これは……ペット?】
ベルガーあぁ? そんなんじゃねーよ。
こいつは俺のトモダチのテキサス1号だ!
二度とペットなんて呼ぶなよ!
主人公【ごめん】
【よろしく、テキサス1号】
ベルガー……フン!
だいたい、こいつをその辺の蛇と一緒にすんな。
テキサス1号はめちゃくちゃ頭いーんだぞ。
ベルガー夜は俺と並んで寝るイイコだし~、
俺の言うこともちゃんと聞けるんだからなっ!
ベルガーだからよぉ……俺が噛めっつったら、
こいつは迷わず噛むぜ?
お前の首を、がぶっとな!
シャルルヴィルヒィ!
ぼ、ボクもう無理~~!
助けてジョージ!!
ベルガーあひゃひゃ、情けねー!
主人公【えっと、どうしたら……】
【ずっと絡みついてるんだけど……】
ベルガーお?
テキサス1号に気に入られたんじゃねー?
よかったな!
八九……なんの騒ぎかと思ったら、お前かよ。
八九はぁ。シャルルヴィルが泣いてた理由がわかったぜ。
ビビらせて遊ぶとか、ガキじゃねーんだからさ……。
ベルガーああん!? なんか言ったかよぉ、
引きこもりオタクのドーテーく~ん?
八九ど、童貞じゃねーよ!
つかオタクバカにすんな、イキリクソガキ!
ベルガートモダチいねーぼっちが喚いてるわぁ~!
あっひゃっひゃ!
主人公【テキサス1号のこと、好きなんだ?】
ベルガーあ? んなの、当たり前だろ。
そうじゃなきゃ一緒に寝たりしねーよ。
……こいつ、カワイイし。
八九げぇ。
蛇がかわいいとか、正気かよ……。
ベルガーあぁ!?
てめっ──
主人公【確かに、よく見ると可愛いかも】
ベルガー&八九……!?
ベルガーお、おう。
……そーだろ?
へへっ……。
主人公【つぶらな瞳がカワイイ】
【おとなしくて賢くて、神秘的で素敵】
ベルガーそ、そうか……って、もう返せよ!
俺のテキサス1号だぞ!!
八九いや、この流れおかしくね?
そもそもはお前が押し付けたんだろ?
ベルガー…………。ま、まあ? テキサス1号の良さが
わかるってんなら、その……俺がいない時に
エサやりする名誉をやってもいいぜ?
主人公【ありがとう!】
【楽しみにしてる!】
八九え、ええー……マジか。
お前、すげーな……。
ベルガー……フン!

ベルガー…………。
ベルガーへへ……
テキサス1号のかわいさに気づくとか、
ワカってんじゃねーか、あいつ……。

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