解説

カード解説

ブラウン・ベスの名を冠す、咲かない薔薇。
薔薇を巡り、秘め続けた思いをぶつけあった太陽と月。ずっと怖くて直視できなかった友
の思いに、決死の思いで否を言った。
もう二度と、友を失う思いはしたくない。

心銃解説:彼らの旅路は、3人で

ベスくんは、大切な友達。
でもね、ジョージ? 君も大切な友達なんだ。どっちかだけじゃない。どっちも、大切な友達。
いつか、3人で旅に出よう。

カードストーリー

主人公名:〇〇
主人公の一人称:自分

 

Ep1. 月と太陽

シャルルヴィルは、ジョージからプレゼントされた
月の模様の服を着て校内を歩いていた。

シャルルヴィルフライドオニオンが好き♪
ボクは玉ねぎが大好き♪
恭遠おや、シャルルヴィル。
今日は洒落た服を着ているな。
ケンタッキーへえー! それ、ヴィンテージもの?
すんげえクールじゃん!
シャルルヴィルふふ、格好良いでしょ~。
この服、ジョージがプレゼントしてくれたんだ♪
ケンタッキーえ! ジョージが!? マジかよ!
ライク・ツーあいつ、意外とセンス良かったのか。
これ、柄物で装飾もついてるのに上品な派手さで……
一流のブランド品みたいだ。
恭遠ああ、とてもシャルルヴィルに似合ってるよ。
シャルルヴィルありがとう、嬉しいなぁ……!
あとでジョージにも、みんなが褒めてたって言っておくね!

エンフィールドえ? ジョージ師匠?
シャルルヴィルわっ!?
エンフィールド失礼。シャルルヴィルさんでしたか。
師匠がいらっしゃるのかと思いました。
今日は素敵な服を着ているんですね。ええ!
シャルルヴィルありがとう!
これ、ジョージがプレゼントしてくれた服なんだ。
エンフィールドなんと、師匠からのプレゼントですか!
さすが素晴らしいセンスの持ち主でいらっしゃる!
エンフィールド……おや?
でも、その服……どこかで……。
エンフィールド……あっ!
シャルルヴィルん? どうしたの?
エンフィールド思い出しました。
この間、ジョージ師匠のクローゼットの衣替えを
したのですが、それと柄違いの服が入っていたんです。
シャルルヴィルえっ?
エンフィールド藍色の生地に光り輝く、高貴な装飾の服。
間違いありません。ええ。
確かに、クローゼットの中にありましたよ!
シャルルヴィル(それって……実はお揃いの服だったってこと!?)
シャルルヴィル(プレゼントしてくれた時、
そんなこと一言も言ってなかったよね……?)

シャルルヴィルは、ジョージの部屋を訪ねることにした。


シャルルヴィルジョージ、いる?
ちょっと聞きたいことがあってさ。
シャルルヴィルあれ……いないのかな。
シャルルヴィル(勝手に入るのは悪いよね……また後で来ればいいか)

シャルルヴィルが部屋を出ようとしたその時、
半開きのクローゼットの中で、何かが光った。

シャルルヴィル(あ……)

シャルルヴィルは何かに導かれるように部屋の中へと入り、
クローゼットの中を覗いた。

シャルルヴィル……これ!
シャルルヴィル(ボクの服と同じデザインの服だ!
エンフィールドが言った通り、こっちは太陽の柄……!)
シャルルヴィル(月と太陽でセットの服だったんだ。
これ……なんて素敵な柄だろう……)
ジョージあれ? シャルル?
シャルルヴィル……あ! か、勝手に入ってごめんね……。
ジョージいや、何か用があって来たんだろ?
シャルルヴィルえっと……この服は?
ジョージあ……!
ジョージえーっと……それ、シャルルの服を買ったら、
セットだってもう1着渡されたやつなんだ。
シャルルヴィルそうだったんだ! じゃあさ、一緒に着ようよ!
ジョージオレはいいよ! こんなお洒落なの似合わないって。
シャルルヴィルそんなことないよ。
この太陽、ジョージにぴったりの柄じゃない。
シャルルヴィルボク、ずっとジョージは太陽みたいだって思ってたんだ。
ボクを照らしてくれる太陽だって……。
だから、絶対似合うよ♪
ジョージシャルル。
シャルルを照らす太陽はオレじゃないよ。
ジョージブラウンだよ。その服を着るのは……。
シャルルヴィル……!
シャルルヴィルだから、隠してたの……?
ジョージうん……。
シャルルヴィル(ジョージには……ジョージの譲れない思いがあるんだ……。
ボクは、踏み込むべきじゃなかったのかな……)

シャルルヴィルは何も言えず、
気まずい空気のままジョージの部屋を後にするのだった──。

Ep2. Truth or Dare?

シャルルヴィルはぁ……。
シャルルヴィル(ジョージは本当に自分よりも、ベスくんが存在すべきだって
思っているのかな……?)
シャルルヴィル(いつも本当に楽しそうにしているのに。
〇〇やみんなと一緒にいれて、
一番ジョージが喜んでいるんじゃないかなと思えるほどに……)
シャルルヴィル(心のどこかでは、このまま皆と一緒にいることを
望んでいるんじゃないの……?)
シャルルヴィル(ジョージの本心がわからないよ……)

その時、シャルルヴィルの耳に突然息が吹きかけられた。

シャルルヴィルぎゃっ!!
グラース──ははっ!
シャルルヴィル……グラース!
びっくりさせないでよ!
グラースあんまりにも、雨が降る前のくもり空みてぇな顔を
してたからさ。
さては、デートでも断られたか?
シャルルヴィルち、違うよ。
ちょっと──
シャルルヴィル(あ、でもジョージが“あの”ブラウン・ベスだって
ことは秘密なんだ……)
シャルルヴィル──とある人と、喧嘩っていうか、
気まずくなっちゃって……本心が知りたいんだよね。
グラース本心ね……それならいいゲームがあるぜ。
シャルルヴィルえ……?

グラース『Truth or Dare?』の開幕だ!
シャスポー、タバティエール。
どうせ暇なんだろ? お前らも参加しろよ。
シャスポーはあ?
なんで僕らまで君のゲームに付き合わなきゃいけないんだ?
タバティエールまあまあ、シャルルくんを助けると思って参加しようぜ。
シャルルヴィルボクもよくわかってないんだけど……。
グラース『Truth or Dare?』のルールは知ってるか?
まずはTruthかDareを選ぶんだ。
グラースTruthを選んだら、聞かれた質問に必ず答えなきゃいけない。
Dareなら、罰ゲームだ。罰ゲームはお前らで決めていい。
グラースまずは僕が例としてやってやろう。
僕に隠すことは何もないし、Truthだ!
さぁ、なんでも質問してみろ。際どいことでもいいぞ!
三人…………。
グラース質問は?
シャスポー&タバティエールいや、特に……。
グラースおい!
グラース何かあるだろ! 質問!
シャルルヴィルえ、えっと……好きな食べ物って何?
グラーストリュフだな……って、くらだねぇ質問するな!
もっと、ファーストキスの味は? とか、
忘れられない夜は? とか、そういうのだよ!!
シャスポー君のそんな低俗なことに興味はない!
グラースフン! つまんねぇ奴ら。
じゃあ次はシャスポーの番だ。TruthかDareを選べ。
シャスポーはぁ……なんで僕が。
Truthだ。
グラース付き合った人数は──
タバティエールグラースのいいところは!?
シャスポーそんなのあるわけない。
グラースあぁ!? いいとこだらけだろうが!
言わねぇと罰ゲームだぞ。
シャスポー……。
…………能天気なところ。
グラースはあ?
シャルルヴィルふふっ、確かにそうかも。
グラース能天気って悪口じゃねぇか? 答えになってねぇだろ!
罰ゲームだ、罰ゲーム!
シャスポー僕はちゃんと答えたまでだ。
そうだろ? タバティエール。
タバティエールまあ、そうだな。
グラースあー、しらけた。こんなゲームは終わりだ!
違うゲームをするぞ! 次のゲームは──
シャルルヴィル(みんなと笑って、少し元気が出たかも……。
グラース、ありがとう)

Ep3. 思い出を写して

──シャルルヴィルとジョージは、『ブラウン・ベス』と
名付けられた薔薇の世話で喧嘩をしてしまったが、
無事に仲直りをした後のある日のこと。

ジョージHey! 今日って暇?
シャルルと一緒に行きたい場所があるんだ!
シャルルヴィル暇だよ!! ジョージと一緒に出かけたい!
ジョージよかった! それじゃあ、早速今から行こうぜ!
シャルルヴィルうん!
シャルルヴィル(やったあ、ジョージとお出かけなんて嬉しいな♪)
シャルルヴィル(あ、場所を聞いてなかったな……。どこに行くんだろう?
でも、ジョージと一緒なら、きっとどこでも楽しいよね)

ジョージに連れられて、ついたのは昆虫博物館だった。

シャルルヴィルえっ……ここ……?
ジョージうん!
世界一大きいカブトムシがいるって在坂に聞いたんだ!
他にも珍しい虫がたくさんいるんだって!
シャルルヴィルへえ……そうなんだ……。
シャルルヴィル(うわぁ……どうしよう。
ボク、あんまり虫は得意じゃないんだけどなぁ……)
ジョージあっ! シャルル見てみろよ、すんごい細くて長い虫だ!
シャルルヴィルワァ……ホントダネ。
シャルルヴィル(ぎゃああああ! デカすぎるぅ!!)
ジョージおお! こいつすげー脚がいっぱいだ!
シャルルヴィルススス、スゴイネェ……。
シャルルヴィル(ひぃぃ、無理ぃ……!!!)
シャルルヴィル(で、でも、せっかくのお出かけだし……!
ジョージは楽しそうだし……我慢!
我慢だシャルルヴィル! 歩兵の気合いを見せるんだ……!)

ジョージはー、ここのエリアは見応えあったなー!
シャルルヴィルウン、珍シイ虫ガタクサンイタネ!
ジョージへへ、シャルルも楽しそうでよかった!
この先に世界一大きいカブトムシのコーナーがあるはずなんだ!
シャルルヴィルあ、ジョージ。あそこじゃない?
ジョージWoooooooo!
ヘラクレスオオカブト……間違いない!
世界一大きいカブトムシだ!!
博物館のスタッフこんにちは!
このコーナーではお触り体験ができますよ。
持ってみますか?
ジョージはい!
シャルルヴィルあ、ボクはいいです。
ジョージおいシャルル、遠慮するなって~。
クイズ研究会で虫平気になったよな? 大丈夫だって!
スタッフさん、シャルルの手にもお願いします!
シャルルヴィルッ……。
博物館のスタッフでは、お2人にお渡ししますね。
ジョージ間近で見るとすっごく大きいなぁ!
なっ? シャルルもそう思うだろ?
シャルルヴィルウン……オオキイ……スゴーイ……!
ジョージあ! 記念に写真撮ろう!

ジョージとシャルルヴィルはカブトムシを手に乗せ、
スタッフに写真を撮ってもらうのだった。

シャルルヴィル(……うわ、撮ってもらった写真のジョージは
すごい笑顔なのに、ボクの笑顔ぎこちない……!)
シャルルヴィル……まぁ、これも思い出だよね!
ジョージん? なんか言った?
シャルルヴィルううん、なんでもないよ!
それより、次の展示コーナーは何がいるの?
ジョージああ、最後は蝶の温室だって。
シャルルヴィルへぇ……。

シャルルヴィルとジョージが温室の扉を開けると、
目の前に蝶が舞い降りた。

シャルルヴィル&ジョージわあ、綺麗……!
シャルルヴィルすごい、すごいよジョージ!
こんなにたくさんの花の周りに蝶が舞っていて……。
まるで夢の中にいるみたいだよ!
ジョージああ、そうだな。
シャルルヴィルふふっ、本当に綺麗……♪
ジョージもこっちにおいでよ!
ジョージ…………。
シャルルヴィルジョージ?
ジョージおう! 今行く……!

2人が昆虫博物館を出ると、辺りはすっかり暗くなっていた。

ジョージ今日は楽しかったな!
付き合ってくれてありがとう。
シャルルヴィルボクの方こそ、誘ってくれてありがとう!
ジョージと来れて楽しかったよ。
また一緒に出かけて写真撮ろうね!
ジョージ……ああ、そうだな。
シャルルヴィルふふ、絶対行こうね。約束だよ♪

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