解説

カード解説

『兄貴』の称号を賭けて、いざ尋常に『兄貴力勝負』!
譲れない思いを胸に挑む熱い戦い、決裂、結託、そして─……。
勝負に負けても、失うばかりではない。
最高の仲間と思いではいつまでも輝くのだ!

心銃解説:俺のスタイルをまとえ!

別に、心底憎いわけじゃない。ただ、許せないこともあって。
尊敬も一応あるけど、憧れてるだけじゃいつまでも越えられないだろ?
だからライバルなんだ。

カードストーリー

主人公名:〇〇
主人公の一人称:自分

 

Ep1. ムカつく理由

──オープンデーを目前に控えたある日。
軍服の裾のレースがほつれてしまったシャルルヴィルは、
裁縫部を訪ねた。

シャルルヴィルこんにちは、ケンタッキーは──……
シャルルヴィルわ、なんかすごい状態だね……!?
ケンタッキーおう、シャルルヴィル! どうした?
シャルルヴィルえっと、裾のレースを直したくて来たんだけど……。
部室の引っ越しでもするの?
ケンタッキーいや、引っ越しじゃねぇけど、部室の整理中なんだ。
オープンデー用にたくさん衣装作るから、
作業スペースを広く確保しないと動きづらいだろ?
シャルルヴィルそうだったんだ……!
忙しい時にごめんね。出直すことにするよ。
ケンタッキーいや、別に出直さなくていい。
これから先もっと忙しくなるしよ、
裾のほつれくらいならパパっと直せるから。貸してみろ。
シャルルヴィルいいの!? Merci♪
ケンタッキーんじゃ、やってる間そのへんで座って待ってろ。
椅子の上にあるもんは適当にどけていいぜ。
シャルルヴィルはーい。
シャルルヴィルわっ! ご、ごめん! ダンボールちょっと蹴っちゃった!
大事な衣装が入ってるやつだよね……!?
ケンタッキー箱にしまい込んでんのは試作とかだし、
そんくらいで中身に影響ねぇって。
他のやつもつまづきそうだし、どっか上げといてくれ。
シャルルヴィルうん、わかった。
シャルルヴィル……あれ、これって……。

閉じられていない段ボール箱を持ち上げたシャルルヴィルは、
中に見覚えのある赤色の布が入ってることに気づいた。

シャルルヴィルもしかして、エンフィールドへのサプライズの時に作った、
ベスくんの衣装?
ケンタッキーうわ、そんなトコに入ってたのかよ!
それは試作品。処分すっからあっちに置いといてくれ!
シャルルヴィルえっ? 捨てちゃうの!?
試作品でもいい出来なのに、もったいないよ。
ケンタッキー作った俺がいいって言ってんだからいいんだよ。
レッドコートなんざ手元に置いときたくねぇし!
裁縫部の生徒1あの……僕も、捨てるのはもったいないと思うんですが……。
どうしてケンタッキーさんは、
レッドコートを毛嫌いするんでしょうか。
裁縫部の生徒1歴史歴に因縁があることは知っていますが、
衣類にまで強く反応するのがなんだか気になって……。
シャルルヴィルうーん、確かに……?
負けたならともかく、独立戦争はアメリカが勝ってるし。
トラウマがあるってわけでもないよね。
シャルルヴィルそれに、ボクたちはあの時はまだただの銃だったわけで、
レッドコート自体にそんなに嫌な思い出はないと思うんだけど。
ケンタッキーあー……まあな。
数撃ちゃ当たるのクソダサマスケット戦法は、
俺とはスタンスが合わなすぎるけど。
ケンタッキーそれとこれとはまた別っつーか……
俺が一番ムカついてんのは、
前に連合軍のイベントでアイツとすれ違った時のことだ。

ケンタッキー(あいつは、ブラウン・ベス……!)
ケンタッキー……よう、クソダサマスケット。
ブラウン・ベス……なんだ。俺に用でもあるのか。
ケンタッキーいーや? むすっとした顔で歩いてっから、
腹の調子でも悪いのかと思って声掛けてやっただけだ。
ブラウン・ベス……フン、余計なお世話だ。
俺は卑怯な民兵と話すことなどない。
さっさとどこかへ行け。
ケンタッキーああ? 何が卑怯だ!
100メートル先にもろくに当たらねぇ雑魚がよ!
ブラウン・ベスそれを補う一斉射撃だ。
騎士道精神を持ち、倒れることを恐れず堂々と前進する
大英帝国の兵士たちを俺は誇りに思う。
ケンタッキーハッ、大量の兵士を使い捨てにして騎士道たぁ笑わせるぜ!
開けた場所で直立前進なんていい的でしかねぇっての。
ブラウン・ベス迫りくる勇敢な兵士たちに怯えて
森に隠れ潜んだ輩の銃に何を言われようと響かないな。
ケンタッキーんだとてめぇ!
ブラウン・ベス図星だからと怒鳴るのか、民兵野郎。

ケンタッキー──ってことがあってよ。
レッドコートを見るとアイルのスカした顔を思い出して、
こう、ギィ……ッ!ってなるっつーか。
ケンタッキーあー、くそっ!
話してたら余計にはっきり思い出してイライラしてきた!
シャルルヴィル(時期的に、ケンタッキーが話したのは偽物だろうなぁ……。
でも、本物のベスくんでも言いそうなことだし、
どっちにしろレッドコート嫌いは変わらないかぁ)

Ep2. もう1つの兄貴力勝負

──オープンデーの準備が進む中。
エルメとジーグブルートが裁縫部の部室を通りかかり、
ケンタッキーはじめ部員たちの奮闘ぶりを眺めていた。

エルメそうだ、面白い話を聞いたよ。
君、ペンシルヴァニアと兄貴呼びを掛けて勝負してるんだって?
ケンタッキーおう。
ペンシルヴァニアも今回は本気みてぇだけど、俺が絶対に勝つぜ!
エルメ後発の銃を兄貴呼びするのは、
鷹揚でおおらかな彼でも避けたいものなんだね。
エルメ……んー……。
ジーグブルートなんだよ。
エルメジグに兄貴と呼ばれるのも面白そうだと思って。
ジーグブルート死んでも呼ばねぇ。
エルメそう? なら「お兄様」でもいいよ。
ジーグブルート悪化してるじゃねぇか! お断りだ!
ジーグブルートけど、そうだな……。
俺が勝ったら『ジーグブルート様』って呼ぶってんなら、
勝負してやってもいいぜ。
エルメへぇ。それでも俺は構わないよ。
さて、どんな勝負をしようか?
公平になるように……ケンタッキー、君が決めてくれる?
ケンタッキー今すぐ勝負すんなら、この裁縫部の中でできるやつだよな。
んー……、ボタン付けはどうだ?
エルメ異論はないよ。ジグはどう?
ジーグブルート俺もいいぜ。
ケンタッキーそんじゃ、俺が審判役ってことで……。
ほい、糸と針……あと、ボタンと布! これでいいな。
ボタン付け勝負、スタート!
ジーグブルートハハッ、こんなのちょろいな。
ジーグブルート……イテッ!
エルメジグ、血で布を汚してしまったら完璧とは言えないよ。
落ち着いて完璧に美しく仕上げないとね。
エルメ……ん? ボタンの角度がしっくりこないな。
少し解いた方がいいかな……。

~数分後~

ジーグブルートっしゃ、終わったぜ!
俺の勝ちだな。ハハッ!

~それからさらに数分後~

エルメ……よし、俺も終わったよ。
審査をお願いできるかな。
ジーグブルートあ? 審査?
俺の方が速かったんだから俺の勝ちだろ。
エルメいいや、ケンタッキーは速度の勝負だとは言っていないよ。
ボタン付けなんだから、仕上がりも大事でしょう。
いくら速くできても、すぐに取れるようなら意味がない。
ジーグブルートチッ……! それでも、俺は負けてねぇ!
すぐ取れるようなやわな付け方はしてねぇからな!
ケンタッキーんじゃ、まずはジーグブルートのやつから見るか。
えーっと……?
まあ、しっかり付けられてはいるな。
ケンタッキーけど、糸を強く引きすぎて布がよれてたり、
慌てすぎて指を刺してたってのもあるし。
ケンタッキーエルメのは……うん、綺麗だな!
一流パーラーが仕立てたスーツのボタンって感じの付け方だ。
ま、その分時間はかかってるし、うーん……。
ケンタッキーこの勝負、引き分けだな!
ジーグブルートクソ……勝利条件を確認しとくべきだったぜ。
エルメふふ、まだまだ甘いね。
エルメさてと。お邪魔したね。
俺たちはそろそろ行くよ。
ケンタッキーちょっと待った!
ついでだし、着てみてほしいのがあるんだけどよ。
エルメ衣装を着ればいいの?
審判のお礼に、それくらいなら構わないよ。
ジーグブルートおう。別に先を急いでるわけじゃねぇしな。
ケンタッキーサンキュー!
UFOとハンバーガー、どっちがいいか?
ジーグブルートユーフォ……はぁ……!?
エルメ……この、変な着ぐるみみたいなのを着るの……?
エルメ……ごめんね、ちょっと急用を思い出したから失礼するよ。
ドライゼと話があるんだった。それじゃあ。
ジーグブルートあっ! 待てコラ!
ケンタッキーえっ? あっ、なんで逃げんだよ!
おい、待てーっ!!

Ep3. 兄弟仲良く?

オープンデーでの『兄貴力勝負』に敗れたケンタッキーは、
丸1日の間、ペンシルヴァニアを兄貴と呼ぶことになった。

ケンタッキー勝負は勝負、あいつの勝ちは揺らがねぇし文句もねぇ。
けど、アニキ呼びはやっぱ……うぐぁああ……!
クッソもそもそする!!
ケンタッキー(……! そうだ、ペンシルヴァニアと会わなけりゃ、
アニキ呼びする機会自体ナシにできる!
よし、今日1日部屋にこもって──……)
ケンタッキー……? 誰だ?
ケンタッキーあっ、マスター!
どうしたんすか?
主人公【ピクニックに行かない?】
ケンタッキーえ、俺とマスターが、っすか!
もちろん行きます!
マスターと2人でピクニックとか、マジ嬉しいっす!
主人公【ペンシルヴァニアも一緒だよ】
【ペンシルヴァニアと3人でね】
ケンタッキーええっ……!?
ケンタッキー(1日避けて過ごそうと思ったのに……!
どうする、俺!
マスターとピクニックに行けるのは嬉しい!)
ケンタッキー(マスターからのお誘いを断るなんてもったいねぇこと無理だ!
けど、ペンシルヴァニアもいるとなるとアニキ呼びが……!
うぐぐ……っ!)
ケンタッキー……い、行きます。

ケンタッキーは〇〇と共に、
ペンシルヴァニアが待っているという森へと向かった。

ペンシルヴァニアああ、来たか、2人とも。
ケンタッキーお、おう……。
ペンシルヴァニア行こう。花が綺麗に咲いているところがあるんだ。
主人公【それは楽しみ】
【案内よろしく】
ケンタッキーよ、よろしく……。
道に迷ったりすんじゃねぇぞ、お前。
ペンシルヴァニアはは、大丈夫だから任せてくれ。
……こっちだ。

〇〇とケンタッキーは、
ペンシルヴァニアの先導で歩き始めた。

ケンタッキー……ん?
おい、道そっちで合ってんのか?
ペンシルヴァニアああ……傾斜が緩いところがあったから、
藪を払って近道を作ったんだ。
ケンタッキーへぇ、そうかよ。ならいいけど。
主人公【ケンタッキー】
ケンタッキーはい! なんっすか、マスター!
主人公【「おい」とか「お前」は駄目だ】
ケンタッキー……へ?
主人公【ペンシルヴァニアとの約束は?】
【ペンシルヴァニアの呼び方が違うよ】
ケンタッキーう……っ!
ケンタッキーペンシルヴァニアの……アニキ……。
案内、頼むぜ……。
ペンシルヴァニアああ。
……はは、なんだか照れるが、嬉しいものだな。
主人公【2人が仲良くしていると自分も嬉しい】
ケンタッキーマスターが嬉しいなら俺も嬉しいっすけど……!
これは別に、仲良くしてるわけじゃ……!
そう、不可抗力ってやつで!!
ケンタッキーいや、あの、めちゃくちゃ仲悪いっていうわけでもないっすけど!
……うぅー、あぁー!!
ケンタッキー(早く今日、終われーっ!)

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