解説

カード解説

『兄貴』の称号を賭けて、いざ尋常に『兄貴力勝負』!
譲れない思いを胸に挑む熱い戦いは、新たな友情をも生む──。
勝負に勝ったことよりも嬉しいのは、少し不本意でも呼ばれた『兄貴』の一言。

心銃解説:Last vital touch!

俺のかつての選択が、あいつを苦しめたことはわかってるんだ。
過去はどうにもできないが……これからの行動で、少しでも挽回して、変えていけたらいい。

カードストーリー

主人公名:〇〇
主人公の一人称:自分

 

Ep1. 兄の背中

ライク・ツー(いい天気だな。
トレーニング終わったら街に出て買い物でもするか)

中庭を歩いていたライク・ツーは、
向こうから上半身裸のペンシルヴァニアが来ることに気づいて
足を止めた。

ライク・ツーおい!
ペンシルヴァニアん? どうした、ライク・ツー。
ライク・ツーどうしたって……お前の方がどうしたんだよ。
せめてシャツ1枚くらい着ろ!
ビーチでもねぇのに上半身裸でウロウロすんな!
ペンシルヴァニア俺も、うろつくつもりはなかったんだが……。
俺の服を見ていないか?
ライク・ツーはぁ? 見てねぇけど、なんでだよ。
ペンシルヴァニアそうか……。
今日は暑いから、上を脱いで枝にかけて、
木陰で昼寝をしていたんだ。
ペンシルヴァニアそれで……起きたら服がなくなっていた。
風向き的にこっちかと思って探していたんだ。
ライク・ツーそういうことか……ったく。
お前1人でうろついてたら不審者だし、
一緒に探してやるよ。
ペンシルヴァニア本当か?
……ありがとう、助かる。
ライク・ツーつーかさ……。
ライク・ツーお前、結構ガッチリしてんだな。
トレーニングルームでは見かけねぇけど、
どんなトレーニングしてるんだ?
ペンシルヴァニアん……? 特に鍛えてはいない。
ただ……森にはよく行っているから、
それがトレーニングになっているのかもしれないな。
ライク・ツー嘘だろ!?
森歩きしてるだけでそんな身体ができるわけねぇ……!
森で何してんだよ!?
ペンシルヴァニア気の赴くままに過ごしているだけで、
特別なことは何もしていないと思うが……。
気になるなら、あとで一緒に行ってみるか?
ライク・ツーおう、行く! 連れて行ってくれ。

風で飛ばされたのち、生徒が職員室へ届けていた
ペンシルヴァニアの服を回収したあと、
2人は揃って森へと向かった。

ペンシルヴァニアあそこに木の実があるな……。
少し待っていてくれ、採ってくる。
ペンシルヴァニアよっ、と……。
ライク・ツー速っ……!
ライク・ツー(ロープのぼりみてぇにスルスル行くな……。
バランス感覚がいいっつーか、全身の連動がすげぇ上手いのか。
握力、腕力、脚力も相当ありそうだな)
ライク・ツー(ここに来るまでの山道でも足取りが軽くて、
平地歩いてるみてぇだったし……体幹もかなり強いと見た)
ライク・ツー(確かに、本人には特別なことしてるつもりはなさそうだけど。
トレーニングルームのきっちりした道具だけじゃなくて、
その場のランダムアイテムで臨機応変トレってのもありだな)

ペンシルヴァニアの動きを感心しつつ見ていたライク・ツー。
そこへ、大きな羽虫が飛んでくる。

ライク・ツーうわっ! 虫!
ペンシルヴァニア……! ライク・ツー、そっちは駄目だ!
ライク・ツーえ!? おわっ……!

ペンシルヴァニアの制止は間に合わず、
草むらで見えづらくなっていた斜面で足を滑らせ、
ライク・ツーは滑り落ちてしまった。

ライク・ツー……ってて……。
ペンシルヴァニア大丈夫か!?
ライク・ツーああ、受け身は取ったから大したことねぇ。

立ち上がるライク・ツーだが、
立つ際に眉間に少し皺が寄る。

ペンシルヴァニア……足を痛めたのか? 見せてくれ。
ライク・ツーだから大したことねぇって。
ちょっと捻っただけで……。
ペンシルヴァニアいや……もう、少し赤くなっている。
熱も持っているし、これから腫れてきそうだ。
ペンシルヴァニア急いで寮に戻ろう。
……ほら。

背中を向けてしゃがむペンシルヴァニア。
ライク・ツーは一度は平気だと断ったものの、
ズキズキ痛む足と譲らないペンシルヴァニアを前に折れた。

ライク・ツー(……前にお兄ちゃんが、
こうやって背負ってくれたことがあったっけ……)

ラブ・ワン……ごめん、ライたん。
ライク・ツー……何が。
ラブ・ワンおいらがジャムったせいで、
ライたんに怪我させちゃったからさ……。
ライク・ツー……別に。
僕も……ちょっと、不注意だったし。
ライク・ツー(あれくらい僕なら無傷で対処できたはずなのに……
こんな怪我して、おんぶで運ばれて……
お兄ちゃんに、心配かけて……情けな)
ライク・ツー(はぁ……帰ったらもっと鍛えなきゃ)

ライク・ツー(ハハ……ペンシルヴァニアみたいに、
森でも危なげなく動けるように鍛えねぇとな)

ペンシルヴァニア本当に医務室でいいのか?
ライク・ツーああ。これくらいで〇〇の治療はいらない。
ペンシルヴァニアそうか……だが、ちゃんと湿布を貼ってもらって、
冷やしたりするんだぞ。
ライク・ツーわかってる。
……その、ありがとな。
ライク・ツーまた今度……一緒に森、行ってもいいか?
ペンシルヴァニア……!
ペンシルヴァニアああ、もちろんだ。

Ep2. 入隊! 軍隊喫茶

──オープンデー当日。
ケンタッキーは裁縫部の自分のシフトを終え、
〇〇のクラスを訪れた。

ケンタッキーここか、マスターの『軍隊喫茶』……!
ペンシルヴァニア……ここだな、〇〇のクラスは。
ケンタッキー&ペンシルヴァニア……!
ケンタッキーペンシルヴァニア……!
ペンシルヴァニア……ケンタッキー、偶然だな。
ケンタッキーお前、美術部はどうした!
ペンシルヴァニア俺は当番を交代して休憩中だ。
ケンタッキーこそ、出ていていいのか?
ケンタッキー俺はお前みたいな無責任野郎じゃねぇからな!
ほっぽり出して抜けてきたわけじゃねぇよ。
マークス……おい、お前ら。
マスターの店の前で騒ぐな!
迷惑をかけるなら、お前ら2人とも退場だ。
主人公【来てくれてありがとう】
【入るならどうぞ!】
ケンタッキーはいっす!
んじゃ、失礼しまーっす!
ケンタッキー……おい、ペンシルヴァニア。
店の中にいる間は休戦だ。いいな?
ペンシルヴァニアああ……元々、勝負と別の場所で争う気はない。
〇〇の喫茶店を満喫しよう。
主人公【上官3名ご来店!】
【全員敬礼!】
スタッフの生徒たちイエッサー!
3人……っ!?
生徒1サー、お席はこちらです!
自分がご案内いたしますッ!
ケンタッキーお、おう……。サンキュ……。
マークス街のカフェとは随分雰囲気が違うな。
動きが常に、訓練中の奴らみたいだ。
ペンシルヴァニアふむ……メニューも変わっているな。
飲み物の横に『小銃』『大砲』『戦車』と書いてあるが……
これはどういうことなんだ……?
ケンタッキー見せてみろ。
うーん……値段が上がっていってるから、サイズか?
小銃がS、大砲がL、戦車がXLみたいな。
マークスなるほど……そうみたいだ。
『士官候補生のリスペクトたっぷりチョコバー』
なんてのもあるぞ。
マークスカレーがないのは残念だが……。
他は……『エリート士官に捧ぐ紅茶』も気になる。
俺はこの紅茶とサンドイッチにするぞ。
ケンタッキーマスター、注文いいっすか……!?
俺は、カフェラテの戦車級で!
ペンシルヴァニア俺は……アメリカンコーヒーの大砲にしよう。
それと、チョコバーも。
主人公【イエッサー!】
【少々お待ちを!】
マークスそんな……マスター、俺は相棒だ!
敬礼なんてしないでくれ!
ケンタッキーッス、マジ恐れ多いんで……!

注文からしばらく……
トレーを持った生徒たちがきっちり並び、
行進するように一糸乱れぬ動きでやってくる。

生徒1全隊~、止まれ! 着盆!
スタッフの生徒たちハッ!
主人公【お待たせしました!】
【どうぞ召し上がれ!】
ケンタッキーそれじゃ、さっそく……!
んん~、疲れた身体に染みるぅ……!
ペンシルヴァニアおお……このチョコバー、ナッツも入っているのか。
食感が良くていいな。
マークスマスターがミルクと砂糖を入れてくれた紅茶……!
最高だ……!

3人は、軍隊喫茶を大いに楽しんだのだった。

Ep3. 兄と弟どっち?

士官学校のオープンデーが無事終わってから数日──。
談話室の前を通りかかった〇〇は、
中から賑やかな声が聞こえることが気になり中へ入ってみた。

主人公【楽しそうだね】
【みんな、どうしたの?】
ペンシルヴァニアああ……ちょうど〇〇の話をしていたところだ。
ペンシルヴァニア〇〇が貴銃士を兄弟とするなら、
誰を選ぶだろうか……と。
マークスマスター、教えてくれ!
俺を選んでくれるよな……!?
ケンタッキーマスターと兄弟……恐れ多いっすけど、
でも、兄ちゃんって呼ばれたいジレンマ……!
エルメ俺は兄銃だし、ドイツで特別司令官補佐の役職もある。
頼りがいとしては十分だと思うんだけど……
〇〇、どうかな?
ジーグブルートおい〇〇、
こいつは服従しねぇと鞭でぶん殴ってくる野郎だぞ。
エルメちょっと、ジグ。
〇〇を叩く理由なんてないじゃないか。
変なことを言わないでくれるかな。
ジーグブルートチッ。
シャスポーねぇ、〇〇……
僕のことも考えてくれたら嬉しいな。
シャスポー立ち居振る舞いはきちんとしている方だし、
僕なら一緒に公の場に出ても恥ずかしくないでしょう?
兄の栄誉を僕にくれてもいいって、思ってくれるかな。
グラースお前より高性能な僕のほうが兄に向いてるだろ?
おい、〇〇。兄は僕にしておけ。
シャスポーなんだと?
君みたいな粗野なのが〇〇の兄を名乗るなんて、
僕は絶対に許さないぞ!
タバティエールおいおい、もしもの話でムキになるなって。
落ち着いてて動じない奴の方が兄向きだぜ?
シャスポー&グラースくっ……。
ジョージはーい! 〇〇!
オレも兄ちゃんに立候補するぜ☆
ペンシルヴァニア……兄の方が人気みたいだな。
弟になりたいという奴はいないのか?
カールそれなら僕は弟希望にしておこうかなー。
ライク・ツーあんた、この中で1番ジジイだろ……。
カトラリーえーっと……僕も、弟かなぁ……。
あんまり兄貴ってガラじゃないし。
エンフィールド僕も……普段は兄の立場にいますから、
弟として〇〇さんのお世話をする、
というのも新鮮でよさそうですね!
マークス俺はマスターの相棒だから……。
兄か弟というより双子か……!?
だが、双子にも兄と弟がいるし……難しいな……。
ライク・ツーそういや、ペンシルヴァニアはどっちがいいんだ?
やっぱり兄か?
ペンシルヴァニア俺は……〇〇が好きな方でいいぞ。
主人公【やっぱりお兄ちゃんかな】
→ペンシルヴァニア「そうか……。
〇〇が兄と呼んでくれるなら、
俺も全力で兄として振る舞おう。」

【弟かな】

→ペンシルヴァニア「弟か……。
〇〇はしっかりしているからな。
俺が弟というのもわかる気がする……。」
ケンタッキーおい、何ちゃっかりマスターに選んでもらってんだよ!
マスター! 俺もどっちか決めてもらいたいっす!
マークスおい待て、相棒の俺が次だ!!
ペンシルヴァニアはは……!
〇〇にはたくさんの兄弟ができそうだな。
主人公【大家族みたいでいいね】
【賑やかで楽しいよ】
ペンシルヴァニアああ……本当だな。

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