【高貴は蜃気楼のように】スナイダー

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解説

カード解説

これはスナイダーがウィンズダム宮殿にいた頃の記憶……手を伸ばしても掴めない
蜃気楼のような絶対高貴を追い求める兄弟。
のちに代替として得た非道の力は2人に亀裂をもたらすが……それも今は過去の話。

心銃解説:霞む虚像の高貴

力はいい。銃が、貴銃士が追い求めるべき最たるものだ。
おまえのもとに来て、俺は絶対非道だけでなく絶対高貴の力も得られた。
俺のマスターとして不足はない。

カードストーリー

主人公名:〇〇
主人公の一人称:自分

 

Ep1. 偽物

アウトレイジャーウウ……。
スナイダー来い。始末してやろう。
スナイダー絶対高貴──心銃!
アウトレイジャーガァァァッ……!
スナイダーこれで終わりか。つまらん。
主人公【お疲れ様】
→スナイダー「疲れるどころか物足りない。」

【怪我はない?】

→スナイダー「あの程度の敵に俺が遅れを取るとでも?」
主人公【スナイダーは戦いが好きなんだね】
【戦ってる時の顔、生き生きしているね】
スナイダー当然だ。戦うことこそが銃の本領。
敵を屠る時間は悪くないものだ。
スナイダーそれに……ようやく手に入れたこの力を、
存分に使えるのもいい。
スナイダー城での退屈な暮らしから離れられただけでも、
おまえのもとに来た意味があったというものだ。
主人公【城ではどんな暮らしをしていたの?】
【そんなにつまらなかったんだ】
スナイダー…………。

それは、スナイダーとエンフィールドがイギリスで召銃され、
1か月ほどが経過した頃のことだった。

エンフィールドいいかい、スナイダー。
明日は大切なダンスパーティーがあるんだ。
エンフィールド特別な衣装を仕立ててもらったそうだから、
それを着てちゃんと出席するんだよ。
スナイダーパーティーだと……?
そんなものに着飾って出ることが銃の務めか?
エンフィールドああ。
社交の場に出ることも、僕たち貴銃士の務めの1つだよ。
エンフィールド断ると角が立つ相手もいるかもしれないし、
社交ダンスもしっかり覚えておこう。
君は体を動かすのは得意なんだから、きっとすぐ覚えられるよ。
スナイダー……断る。
エンフィールド駄目だって!
ほら、僕の動きをちゃんと見て覚える!

エンフィールドはぁ……君、僕の足を踏むのがそんなに楽しいのかい。
スナイダーそうだな。踊るよりかはマシだ。
エンフィールドまったく……。
明日はフランスからシャルルヴィルさんもいらっしゃるんだよ?
エンフィールド彼は、絶対高貴に目覚めている素晴らしい貴銃士なんだ。
絶対高貴の秘訣について聞いてみよう!
きっと君にとってもいい出会いになるはずだよ。
スナイダーシャルルヴィル・マスケットか……。
そいつは本物の、絶対高貴を使える貴銃士なのか?
……この城にいる偽物と違って。
エンフィールド……!
エンフィールドスナイダー……ええと、何を言っているんだい?
スナイダー白々しい。最初に気づいたのはおまえだろう? エンフィールド。
おまえの態度を見ていればわかることだ。
エンフィールド……っ。
そのこと、絶対誰にも言っちゃダメだよ。
スナイダー……話すような相手はいないし、
強者でもなんでもない傀儡などどうでもいい。
スナイダー(シャルルヴィル、か……)
スナイダー(本当に絶対高貴を使えるのなら、一目見てやろう)

Ep2. 疑心

──ダンスパーティー当日。

アッカーソン女王陛下(ユア・マジェスティ)。
フランスより、シャルルヴィル様がご到着されました。
マーガレット遠路はるばるイギリスへようこそ、シャルルヴィル。
今日は楽しんでくださいね。
シャルルヴィルお招きいただきありがとうございます、女王陛下。
素敵なパーティーに参加できて嬉しいですよ。
シャルルヴィルブラウン・ベス……君も会えて何よりだよ。
ブラウン・ベス……ああ。
アッカーソン…………。
シャルルヴィル(……そんなに見なくたって、余計なことなんか言わないのに)
アッカーソンシャルルヴィル様、少しよろしいですかな?
シャルルヴィル何かな?
アッカーソンイギリスに目覚めた新たな貴銃士を紹介させてください。
彼らはエンフィールド銃とスナイダー銃の貴銃士です!
エンフィールドエンフィールドと申します。お目にかかれて光栄です。
どうぞ、お見知りおきを!
シャルルヴィルボンソワール♪
よろしくね、エンフィールド。
もう1人がスナイダーだね。
スナイダー……ああ。おまえが例の貴銃士か。
シャルルヴィルえっ……? 例の、って?
エンフィールドこら、スナイダー!
君もちゃんと挨拶して。
エンフィールドシャルルヴィルさん、弟がすみません……!
シャルルヴィルううん、気にしないで。
兄弟銃で揃って召銃されるなんてなんだか素敵だね。
エンフィールドありがとうございます。
あの……シャルルヴィルさんは絶対高貴になれるんですよね!
エンフィールド僕たちにもその高貴なお力を見せていただけませんか?
可能でしたら、ぜひ!
シャルルヴィル……!
シャルルヴィルうーん、ここではちょっと……。
見せびらかすのは高貴な振る舞いじゃないからね。
エンフィールドなら、場所を変えましょう!
アッカーソンエンフィールド様。
アッカーソンシャルルヴィル様は大切な来賓……
個人的なお願いはまたの機会になさるのがよいでしょう。
エンフィールドあ……そうですね。
シャルルヴィルさん、失礼しました。
シャルルヴィルううん……大丈夫だよ。
君たちもパーティーを楽しんでね。

Ep3. 遠い高貴と記憶

エンフィールドシャルルヴィルさん、素晴らしいダンスでした!
お疲れではありませんか?
冷たい飲み物をどうぞ。
シャルルヴィルMerci!
みんなに注目されてる中だったから、緊張して喉が渇いてたんだ。
助かるよ。
エンフィールドよろしければ、あちらで少し休憩しませんか?
パーティーはまだまだ続きますし……。
奥に休憩用の小部屋があるので、ご案内しますよ。
シャルルヴィルありがとう。
それじゃあ、案内をお願いしようかな。
エンフィールドええ! では、参りましょうか。

シャルルヴィル……結構歩くんだね?
エンフィールドええ、ですがもうすぐですよ。
スナイダーようやくお出ましか、フランス銃。
シャルルヴィルえっ? スナイダー!?
なんで君がここに──……
スナイダーさっさと絶対高貴を見せてみろ。
でないと撃つ。
エンフィールドちょっと!
そんな脅迫するなんて……!
スナイダーおまえは黙っていろ、エンフィールド。
シャルルヴィルちょっ……君、めちゃくちゃだよ!
落ち着いて!
シャルルヴィルこんな状況で集中なんかできないし、絶対高貴になるなんて無理!
スナイダー……?
レジスタンスの貴銃士たちは絶対高貴で戦ったのだろう。
戦うための力を、切羽詰まった状況で使えずしてどうする。
シャルルヴィル……そ、そんなこと言われても!
だいたい、そんな無理矢理使わされるのはなんか違うでしょ?
スナイダー……興醒めだな。
スナイダーその様子を見るに……
やはり、おまえも絶対高貴になれないのだろう。
……貴銃士の紛い物ではなさそうだが、それだけだ。
シャルルヴィル(ボクも、って……それに、紛い物……?
まさか、王室のブラウン・ベスのこと、気づいて……!?)
シャルルヴィルボク……失礼するよ。
エンフィールドシャルルヴィルさん……!

エンフィールドはシャルルヴィルを追いかけたが、
追いついたところでこれ以上話は聞けないと思い直し、
消沈しつつ部屋へと戻った。

スナイダーどうした?
まだパーティーとやらは続いているだろう。
スナイダーおまえまで引っ込んでよかったのか?
優等生のエンフィールド。
エンフィールド……スナイダー……。
絶対高貴って、本当にあるのかな……。
スナイダーさあな。
かつての貴銃士たちが手にしていた力に間違いはなさそうだが、
俺は見たことがない。
スナイダー1つ確かなことがあるとすれば……
今の俺たちから遠い場所にあるということくらいか。
エンフィールド……そうだね。
すぐに掴めると思っていたのに……こんなに遠いなんて。
スナイダーああ…………遠いな。

──────……
──……

──そして、現在。

スナイダー城でのこと……か。
あれはもう過ぎ去った、どうでもいいことだ。
おまえに話す必要はない。
スナイダー俺はおまえの貴銃士で、おまえは俺のマスター……
今重要なことは、それだけだからな。

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