クリスマスマーケットで会ったおじいさんの落とし物──それは、開く者の願いを映す
不思議な木箱。
数々の手紙に魅了されたエンフィールドだが、大事な人々は現実に、身近にいる。
架空に縋る必要はないのだ。
改造・改良による移り変わりは銃の必定…でも、僕は怖かった。寂しかった。
貴銃士としての僕はずっと僕のままで求められるか…
それは僕次第なんだ。頑張るぞ!
主人公名:〇〇
主人公の一人称:自分
〇〇へのサプライズのため、
エンフィールドはイルミネーションを準備していた。
エンフィールド | ええと……これで電飾は足りるはず。 あとは、イメージ図の通りに広げて固定していって……。 |
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スナイダー | …………。 |
エンフィールド | あっ、スナイダー! いたなら声をかけてくれればよかったのに。 |
エンフィールド | 今からドレープライトを設置するんだ。 手伝ってくれるかい? |
スナイダー | ドレープライト……? おまえが持っている細長い線のことか。 |
エンフィールド | そうだよ。 これを、壁面のフックに取り付けるんだ。 僕が肩車するから、君は引っ掛ける係をしてくれ。 |
スナイダー | なぜ俺が手伝わねばならんのだ? |
エンフィールド | いいじゃないか。 ちょうど通りかかったんだし、君は身長の割に軽いから適役だよ! |
スナイダー | ……はぁ。 別に手を貸してやってもいいが、ただでとは言うまい? 報酬を先にもらうぞ。 |
エンフィールド | ほ、報酬? まさか……か、改造……。 |
スナイダー | 改造が望みか? |
エンフィールド | 違う! 改造だけは嫌だ! それ以外にしてくれ! |
スナイダー | 言ったな? なら……今日1日犬になれ。 そうすれば手伝ってやる。 |
エンフィールド | くっ……そう来るか。 仕方ない、これも〇〇さんのため……! |
エンフィールド | ワン! ほら、これで満足か!? |
スナイダー | ふっ……。いいだろう。 |
スナイダー | おい、エンフィールド。 もっと背筋を伸ばせ。届きそうにないぞ。 |
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エンフィールド | 僕の背筋はいつだってまっすぐ伸びているよ。 これ以上は無理だ! |
スナイダー | おい、おまえは犬だろう? |
エンフィールド | くっ……! こ、これ以上は無理です……ワン。 |
エンフィールド | つま先立ち……は、さすがに無理だし…… ハシゴが必要かな……。 |
ドライゼ | ……何をしている? |
エンフィールド | おや、ドライゼさん! |
エンフィールドはドライゼに、
イルミネーションの取り付けが難航していることを伝えた。
ドライゼ | ふむ。 あの高さでは、俺が肩車をしても届かないな。 |
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ドライゼ | それに、ここへ来る途中、 用務員たちがハシゴを使って高所の清掃をしているのを見た。 おそらくハシゴは出払ってしまっているだろう。 |
エンフィールド | そんな……! |
ドライゼ | ……1つ、考えがある。 俺とエンフィールドが向かい合って肩を組み、 その上にスナイダーが立つというのはどうだろうか。 |
エンフィールド | なるほど! それなら肩車よりぐっと高くなりますね。 |
エンフィールド | 早速やってみましょう。 ドライゼさん、よろしくお願いします! |
ドライゼ | ああ。 |
スナイダー | ……! 届いたぞ。 |
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エンフィールド | やった! じゃあ早速、電飾を掛けてくれ。 |
エンフィールド | そこが終わったらあっちも……。 |
──10分後。
スナイダー | ……おい、まだあるのか。 首と腕がだるい。 |
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エンフィールド | もう少しだから頑張ってくれ! ほら、最後のところに行くよ! |
スナイダー | ……終わった。 |
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エンフィールド | で、できた……! あいたた……肩は痛いけど、会心の出来だ! よかったぁ。 |
エンフィールド | ドライゼさん、ご協力ありがとうございました! 肩は痛くありませんか? |
ドライゼ | ああ、問題ない。 また協力が必要なら、いつでも呼ぶといい。 |
エンフィールド | (すごいな……! 本当に平気そうだ) |
スナイダー | ……おい、エンフィールド。 首が痛くなった。 これでは戦いに差し障る。 |
エンフィールド | う……。 僕の肩も結構痛むし……申し訳ないけど、 〇〇さんに治療してもらおうか……。 |
主人公 | 【2人揃って肩こり?】 |
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エンフィールド | えーっと、組体操をしていて、ちょっと……。 その、お願いいたします! |
〇〇とエンフィールド、ジョージ、
シャルルヴィルの4人は、交換用のプレゼントを買うため、
クリスマスマーケットを訪れていた。
エンフィールド | では皆さん、30分後にマーケット入り口前の 広場でお会いしましょう! |
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ジョージ | OK! |
シャルルヴィル | じゃあみんな、また後でね! |
主人公 | 【(あ、これはいいかも)】 |
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〇〇は、丈夫であたたかそうな手袋を見つけ、
それを購入する。
ジョージ | おっ。 このテディベア、サンタ帽かぶっててかわいいなっ! |
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ジョージ | 交換用はこれで決まりっと☆ |
シャルルヴィル | あっ、お菓子の家キットがある! これは自分用にしようかな。 |
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シャルルヴィル | プレゼントは、ある程度無難なもので……。 靴下とかマフラーとかいいかも! 素敵なのがたくさんあって迷うなぁ。 |
シャルルヴィル | そうだ! 気に入ったのをいろいろ買って、どれか1つを交換用にしよう。 |
エンフィールド | 〇〇さんの役に立つもの…… まだまだ寒い日が続くし、セーターはいくつあってもいいはず! |
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エンフィールド | 交換用は……これにしようかな。 |
──30分後。
シャルルヴィル | お待たせ♪ |
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エンフィールド | わぁ、すごい量ですね! |
シャルルヴィル | 素敵なものがいっぱいあってさ! 自分用も含めて、たくさん買っちゃった。 |
主人公 | 【エンフィールドも結構荷物が多いね】 【エンフィールドもいろいろ買った?】 |
エンフィールド | え、ええ、そうですね。 自分用……のような感じで、交換用以外にも買いました。 |
シャルルヴィル | 自分用みたいな、って……? |
エンフィールド | ……あ! それより、ジョージ師匠がいらっしゃいませんが……。 |
ジョージ | おーい、みんな! |
ジョージ | 向こうにウマそうでCuteな飲み物があるから、 一緒に飲もうぜ! |
エンフィールド | 美味しそうでかわいいとは……?と思っていましたが、 このマーケット限定デザインのカップに入った モルドアップルでしたか! |
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シャルルヴィル | ん~っ! いい香り♪ 温まるし最高だよね! |
モルドアップルは、アップルジュースに
オレンジの皮とシナモンなどを加えた、
冬定番のホットドリンクだ。
子供から大人まで多くの人が、
ブーツ型のかわいいデザインのカップを手に持ち、
湯気の立ち上るモルドアップルを美味しそうに飲んでいる。
主人公 | 【スパイスの香りがいいね】 【これを飲むとクリスマスって感じ!】 |
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エンフィールド | ええ! 寒い中で飲む温かいモルドアップルは最高ですね。 カップは思い出の品にもなりますし……。 |
エンフィールド | ふふっ。 これでまた1つ、クリスマスの楽しい思い出ができました。 |
寮でのクリスマスパーティーが終わったあと……。
エンフィールド | おやすみなさい、〇〇さん! 素敵な夢を。 |
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エンフィールド | …………。 |
エンフィールド | …………。 |
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エンフィールド | ……メリー・クリスマス、マスター。 |
翌朝。
〇〇が目を覚ますと、枕元にプレゼントの箱が
置かれていた。
主人公 | 【え……?】 【プレゼントだ!】 |
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エンフィールド | おはようございます、〇〇さん! |
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シャルルヴィル | おはよう、〇〇。 あれ? その包みは? |
ジョージ | Oh! プレゼントもらったのか! よかったな☆ |
主人公 | 【これ、誰がくれたの?】 【誰からのプレゼントだろう?】 |
シャルルヴィル | えっ? わからないの? |
主人公 | 【起きたら枕元にあった】 【いつの間にか置いてあった】 |
ジョージ | HAHAHA! それなら、きっとサンタからのご褒美だな! |
エンフィールド | そうですね。 〇〇さんの日頃の頑張りを見て、 サンタさんがくれたに違いありません! |
エンフィールド | とにかく、開けてみてはいかがでしょう? |
〇〇が箱を開けると、
中にはあたたかそうな生地のセーターが入っていた。
主人公 | 【嬉しい!】 【サンタさんに感謝!】 |
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エンフィールド | ふふっ。よかったですね。 |
スナイダー | …………。 |
──その後。
スナイダー | エンフィールド。 おまえ、昨日の夜に出かけていなかったか? |
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エンフィールド | え? なんのことだい? 僕はずっと眠っていたけど。 |
エンフィールド | それより、君の枕元にもプレゼントがあっただろう? |
スナイダー | 知らん。 そんなものは見ていない。 |
エンフィールド | えっ!? そんなはずないよ! |
エンフィールドとスナイダーが寮の部屋に戻ると、
ベッドの下にプレゼントの包みが落ちていた。
エンフィールド | ほら、やっぱりあるじゃないか。 君の寝相が悪くて落ちたんだよ、きっと。 |
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スナイダー | なんだ、これは。 |
スナイダーが包みを開けると、
『海の強い生き物図鑑』というタイトルの本が入っていた。
スナイダー | ほう……。 読んでみるか。 |
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エンフィールド | (……夏にもらったイルカのペンのお返し、 気に入ってくれたみたい、かな。 メリー・クリスマス、スナイダー) |
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