【2周年に描く夢】ファル

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解説

カード解説

Happy Brave Musketeer's Day!
今年貴銃士たちが華々しくパレードをするのはアメリカ!
大統領の提案で『夢』に関する絵を描くことになった貴銃士たちは、自分の真の望みと向き合うことになる……。

心銃解説:奥底に沈んだ夢の跡

銃に夢の絵を描かせるなど一体何がしたいんだが。
もっとわからないのは、赤い花に心をかき乱される不可解な自分ですが……。

カードストーリー

主人公名:〇〇
主人公の一人称:自分

 

★4覚醒後のカードイラストに表示されるメッセージ

変化は必要ありません。
となれば、来年もあなたと一緒ですね。

Ep1. ペンキの裏側にある夢

貴銃士たちが描いた夢の絵を見るため、
〇〇は革命戦争資料館に向かった。

貴銃士たちが描いた絵を眺めながら歩いていると、
ホールの端にファルがぼんやりと佇んでいた。

ファル……おや? マスター。
あなたも来ていたのですね。
ファル皆さんの絵はどうでしたか?
主人公【どれも素敵だった】
→ファル「……他の方々は貴銃士だというのに、夢を持てるのですね。
大変不思議なことですが、まるで人間のようです。」

【ファルの絵はどこ?】

→ファル「私の絵ですか?
気に留める価値もありませんよ。
描けと言われたから、ひねり出しただけです。」
ファル……私は、何も思いつかないので、
チーズをワインを描きました。
ファルカトラリーさんに世界中の美味しいチーズとワインを巡るとか
その場しのぎの「夢」を話してしまいましたし、
ちょうどいいかと思いまして。
ファルそんな日が来るなんて、想像できませんが。
……ほら、この絵が私の描いたものですよ。

ファルが溜息を吐きながら、壁に視線を戻した。
〇〇も改めて壁の絵を見る。

チーズとワインが、素朴なタッチで描かれている。
上手ではないが、妙に味のある絵に仕上がっていた。

主人公【ふふっ】
【こ、これがファルの絵……!】
ファル何かおかしいですか?
カトラリーさんも同じような反応をしていました。
主人公【可愛い絵だなと思って】
【ちょっと意外だっただけ】
ファルはぁ、そうですか。
ファル……絵の具というのは難しいものですね。
火薬ならばどう調合すれば、思った通りの威力を出せるのか、
想像がつくのですが──
ファルせっかくなので、私が一番好きな青カピチーズの王様を
描こうと思ったのですが、あの色合いが出せなかったのです。
ファル絵の具やペンキはどれだけ混ぜても思い通りの色が出せません。
しかも、調整のために別の色を混ぜると、
どんどん濃く、黒くなってしまうのです。
ファル……まるで、目を閉じた時に胸に湧き上がる何かのように。
ファル青カビもそうなのですが、
羊の乳から作られたチーズ独特のアイボリーが、
どうしても上手く表現できず……。
ファルたまたまできた色で、白カビチーズ風にしてみました。
所々に混じる淡黄色が『らしく』見えるでしょう?
ファルそれに合わせて、ワインのモデルにもこだわりましたよ。
白カビチーズに合わせる1本はなかなか難しいですから。
ファルシードルやフルーティな白ワインが好ましいですが、
絵に描くとなると難しい色合いですからね。
ファル赤ワインのなかでもっともふさわしい銘柄を選ぶのに、
少々苦労をしました。
ファルせっかくなので、そのワインを嗜みながら筆を──って、
どうかしましたか?

興味深そうにファルをじっと見つめている
〇〇の様子に、ファルは怪訝な顔をした。

主人公【ワインについてはすごく饒舌だね】
【本当にワインとチーズが好きなんだと思って】
ファル……どうやら、語りすぎたようですね。
調子に乗ってしまいました。
主人公【もっと聞かせて!】
【どうして謝るの?】
ファル……この話はやめましょう。
私は要請通り、夢をテーマに絵を描いた。
もうそれでいいでしょう。
主人公【絵の話を続けてほしい】
【ファルともっと話をしたい】
ファルそんなことを言われましても……。

ファルが困ったように自身の描いた絵を見る。
〇〇も絵を改めて眺める。

ワインとチーズの絵の下に、
何かを白いペンキで塗りつぶした跡があった。

主人公【もしかして、描き直した?】
【塗りつぶした跡がある】
ファル…………。
ファル……やはり、夢や絵心など、私には必要ありませんよ。
ファル(私は何故あんなものを……)

貴銃士たちが革命戦争資料館に集められ、
夢の絵を描いている時のこと……。

ファル……困りましたね。何も思い浮かびません。
ファル先日は、とっさにおいしいチーズとワインを巡る世界旅行と
答えましたが……。
ファルまったく、貴銃士が夢を描くなどナンセンスです。
私には夢など……。
ファル………………。
ファル(……私の弟銃であるKB FNCが、
貴銃士として召銃されたのなら……会ってやっても……)
ファル…………はは。
ファルくだらない、私は何を考えているのか。
ファルやはり、無難にワインとチーズを描いておけばいいでしょう。
昨晩飲んだ赤ワインでも──

ファルはパレットに赤い絵の具を絞り出した。

ファル……いい赤です。
ですが、これではワインではなく……鮮やかな花のような……。

気がつくと、ファルは1輪の赤い花を描いていた。
それに気がついて、ぐっと顔をしかめる。

ファル……私は何を……。
赤ワインを描くはずだったのに……う……。

ファルの心臓がどくどくと不規則に脈打つ。
胸元を押さえて、ファルはうずくまった。

ファル……こんなものは……さっさと、消しましょう……。

ファル…………。
ファルいえ、ただの書き損じです。
それ以上でも以下でもありませんよ。
主人公【いつかファルとワインを飲みたい】
→ファル「……そうですね、しかるべき時になったらご馳走しますよ。
ワインとチーズは一緒に味わうのが至上です。
初めての1杯にふさわしいマリアージュを考えておきます。」

【またチーズを一緒に食べにいこう】

→ファル「ああ、そんなこともありましたね。
まったく、多くの貴銃士がいるのによくそんな些末なことを
覚えているものです。」
ファルまあ、あなたがワインやチーズに興味を持ってくださるのは、
なんというか……悪い気はしませんね。

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