主人公名:〇〇
主人公の一人称:自分
バレンタインデーの数日前。
ライク・ツーは、以前職業体験をしたカフェを訪れていた。
ライク・ツー | 久しぶり、ちょっといいか? |
---|---|
カフェ店員 | あれ、ライリー先輩! お久しぶりです! どうしたんですか? |
ライク・ツー | いや、今度知り合い連れてくるんだけど、 キッチン貸してほしくてさ。 っていう話をしに来たんだけど……お前は何してんだ? |
カフェ店員 | 新メニューの開発……です、一応。 |
オーナー | ラテアートが人気だから取り入れようと思ってね。 でも、なかなか上手くできる人がいないんだ。 |
オーナー | この写真みたいなのを出したいんだがねぇ……。 |
ライク・ツー | ふぅん、洒落てるな。 |
オーナーがカウンターに広げた参考写真には、
美しいハートやリーフが描かれたカフェラテが写っている。
ライク・ツー | (〇〇にこれ見せてやってもいいかもな) |
---|---|
オーナー | 他の店の視察に行って見た時は簡単そうに見えたのに、 いざやろうとするとここまで難しいとは……。 |
ライク・ツー | なあ、俺もやってみていいか? |
ライク・ツーはキッチンに入り、
写真を参考にしてラテアートに挑戦する。
ライク・ツー | うわ……全然だめだな。 そもそもどうやって作ってるのか原理がわからねぇ。 |
---|---|
オーナー | うーん……。 |
何度か挑戦してみるが、ただの円形や、
ごにょごにょと混ざった謎の模様になり、
ラテアートといった感じではない。
ライク・ツー | 写真だけじゃ無理だな。 やり方を調べてからリベンジしてみようぜ。 |
---|
寮に帰ってきてからもラテアートのことが気になってしまい、
翌朝早くにライク・ツーはキッチンにやってきた。
試行錯誤を繰り返すうちに、コツを掴んでくる。
ライク・ツー | ミルクを注ぐ角度と速度は大体わかった。 あとは模様をどう作るかだが……。 まずはこいつらをなんとかしねぇと、か。 |
---|
練習によって、すでに5杯のカフェラテができている。
1人で消費するには多い量だ。
ペンシルヴァニア | ん……コーヒーのいい香りがするな。 こんなにたくさん……誰か来るのか? |
---|---|
ライク・ツー | あー……いや。失敗作なんだ、それ。 |
ペンシルヴァニア | 失敗作? 美味しそうなカフェラテだが。 |
ライク・ツー | 失敗はラテアートだから、カフェラテとしては問題ない。 誰かのために用意したわけじゃねぇから、 飲んでくれるってんならどーぞ。 |
ペンシルヴァニア | そうか。 なら、遠慮なくいただくとしよう。 |
ペンシルヴァニア | ……うん、おいしい。 ところで、ラテアート……と言ったか? どんなアートなんだ? |
ライク・ツー | あー、それは……。 |
タバティエール | ……よう、お2人さん。 珍しい顔ぶれだな? |
ペンシルヴァニア | おはよう、タバティエール。 ライク・ツーからカフェラテをもらっていたんだ。 |
タバティエール | へぇ。 ……こいつはラテアートの練習かい? |
ライク・ツー | おう。よくわかったな。 |
タバティエール | 前に簡単な模様ならやったことがあるもんでね。 |
ライク・ツー | えっ! 今もできるか? やってみてほしい……! |
タバティエール | Oui. 久々だし上手くいかないかもしれねぇが、 ま、大目に見てくれよ。 |
タバティエールは迷いない動きでエスプレッソの抽出と
フォームミルク作りを行い、
見事なリーフ模様のラテアートを仕上げる。
ライク・ツー&ペンシルヴァニア | おお! |
---|---|
ライク・ツー | ……今の、どうやるんだ!? |
タバティエールのラテアート教室が始まり、
その日はたくさんのカフェラテが振る舞われたのだった。
──後日。
〇〇とともにカフェに赴いたライク・ツーは、
見事に習得したラテアートを披露する。
カフェ店員 | わぁ、さすがライリー先輩! あっという間にラテアートをマスターするなんて……! |
---|---|
ライク・ツー | ……まあな。 |
ライク・ツー | (タバティエールに今度なんかお礼しねぇとな) |
ライク・ツーは翌日に控えたサプライズパーティーの準備のため、
〇〇を連れ出す準備をしていた。
ライク・ツー | さて……明日は何着てくかな。 〇〇にも私服で来いって言ってあるし、 俺も私服で……。 |
---|---|
ライク・ツー | つーか、あいつ何着てくるんだろうな。 あんまり私服持ってなさそうだし、 俺がプレゼントした服だったり……? |
ライク・ツー | ……ありえる。 けど、自分でも買ってみた~とか言ってお披露目する 可能性もあるか。 |
ライク・ツー | とりあえず、あいつが選びそうな系統の服と、 ざっくり雰囲気は合わせるとして……。 |
ライク・ツー | シンプルにジャケットとパンツか、 モード系ってのもありか……? うーん……。 |
マークス | 何をしているんだ? |
ライク・ツー | うわぁあっ!! |
ライク・ツー | マークス!? 人の部屋に勝手に入ってくんな! |
マークス | 明日の服を選んでたのか? 身なりに気を遣うのもいいが、他にも注意することはあるぞ。 |
マークス | マスターとの距離は銃身1、2本分は空けること。 だが視界からは外すなよ。 |
マークス | あと、必ずあんたは「自分は相棒ではありません」って 表情をキープしておけ。 |
ライク・ツー | 意味わかんねぇ……どんな表情だ、それ。 うるせぇし邪魔だから出ていけ! |
マークスを追い払い、
ライク・ツーは改めて鏡で全身をチェックする。
ライク・ツー | なんか……上着の色合いがマークスっぽいな。 これはやめよ……。 |
---|---|
ジョージ | Hey、ライク・ツー! ちょっといいかー? |
ライク・ツー | おい、勝手に入ってくるなって! 着替えてんだよこっちは! |
ジョージ | ゴメンゴメン! ドアは閉めたからもう着替えていいぞ☆ |
ライク・ツー | いや、出て行かねぇのかよ。 |
ジョージ | もしかして、服に迷ってる? すごい量の服だけど……。 |
ライク・ツー | あとで片付けるけど……まあ、そうだな。 どんな服にしようか考えてるとこだ。 |
ジョージ | 〇〇、明日はいろいろ買い物したいって言ってたぜ。 オレは、動きやすい服がいいんじゃないかと思う! |
ライク・ツー | そうか……じゃあ、カジュアルにこれとか? |
ジョージ | COOL! それ似合ってるぜ! あ、でもこっちもよくないか? |
ライク・ツー | そうだな。そっちなら、合わせる小物は──……。 |
あれこれと試着していると、窓の外が暗くなってきた。
ライク・ツー | うわ、もう夕方だ! 2時間も悩んでた、やっべ……付き合わせて悪いな。 |
---|---|
ジョージ | Wow! もうそんなに経ったのか。 選ぶの楽しかったから、あっという間だったぜ☆ |
ライク・ツー | …………。 ジョージ、お前っていい奴だな。 |
ジョージ | Thank you──って、今更かよ! |
バレンタインデーからしばらく……。
〇〇はライク・ツーと十手と任務中、
アウトレイジャーと遭遇し戦闘になった。
ライク・ツー | っし……討伐完了。 数が少なくて助かったぜ。 |
---|---|
十手 | こちらも3人だから、囲まれたら危ないところだったね。 俺はそこの連合軍支部に見回りの応援を頼んでくるよ。 2人はここで休んでてくれ。 |
主人公 | 【自分も行くよ】 【十手も疲れてるのに申し訳ない】 |
ライク・ツー | おい、お前は休んでろ。 さっきの戦闘中に木で背中と腰ぶつけただろ。 |
十手 | そうだよ、無理は禁物だ。 一応懿陵班も呼んでくるから安心してくれ。 それじゃ、ひとっ走りしてくる! |
十手が去っていき、
〇〇とライク・ツーは待機することになった。
ライク・ツーが小物入れからチョコレートの包みを取り出し、
〇〇に差し出した。
ライク・ツー | ……ほら、これ。 そっちに座って食ってろ。 |
---|---|
主人公 | 【ありがとう】 【甘くて疲れが取れるよ】 |
ライク・ツー | そうかよ。 |
主人公 | 【どうかした?】 【何かあった?】 |
ライク・ツー | は? いきなりなんだよ。 |
主人公 | 【ライク・ツーが優しいから】 【いつも厳しいのにどうしたのかと思って】 |
ライク・ツー | ……最近、ちょっと考え直したことがあってな。 |
ライク・ツー | 他の奴らはビシバシやってやらねぇと、すぐサボるだろ。 だから厳しくいくべきだと思う。 |
ライク・ツー | でも、お前は別に放っといてもサボったりしないし、 むしろ適度に休めって言いたくなるレベルっつーか……。 |
ライク・ツー | だから、他に甘やかす奴がいない2人きりの時は 俺が優しくしてやってもいいかと思ってさ。 |
主人公 | 【マークスが甘い分、ちょうどよかったような……】 【ライク・ツーは厳しくてもいいのに】 |
ライク・ツー | えっ……!? なんだよ、せっかく……。 |
無理に優しくする必要はないという意味だ、と
〇〇はフォローをした。
ライク・ツー | 優しいのと甘いのは違うからいいんだよ。 |
---|---|
ライク・ツー | あいつは甘いだけだけど、俺はお前を信頼して優しくしてる。 全然違うだろ。 |
ライク・ツー | ……いいから、優しくされとけよ。 |
主人公 | 【それならいい】 【じゃあ、たまに優しくして】 |
ライク・ツー | はいはい。 ……言っとくけど、たまに、だからな。 |
Protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.
まだコメントがありません。