ライク・ツー | ったく、ジョージのやつ…… また勝手に走り出しやがって! |
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主人公 | 【行こう!】 |
ライク・ツー | ああ、了解! |
ジョージ | (シャルル……無事でいてくれよ……!) |
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主人公 | 【待って!】 【やっと追いついた!】 |
ジョージ | 〇〇、ライク・ツー! |
ライク・ツー | おい、行き先も言わねぇで勝手に突っ走るな! |
ジョージ | ごめん! でも、いても立ってもいられなくなって……。 |
ライク・ツー | はぁ……。 それで、シャルルヴィルの行き先に 心当たりでもあんのかよ。 |
ライク・ツー | 闇雲に走ったところで、簡単には見つかんねぇぞ。 |
ジョージ | シャルルが行きそうな場所……。 |
シャルルヴィル | ほら、向こうに小さく橋が見えるのわかる? ノルドール橋っていって、 景色がすごくいいところなんだ。 |
---|
ジョージ | ……っ、そうだ、ノルドール橋! |
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ジョージ | この街で一番大きな橋で、 景色がよくて気に入ってるって言ってた! |
主人公 | 【行ってみよう!】 |
ジョージ | ああ! |
ジョージ | はぁっ、はぁっ……! 着いた、ノルドール橋……っ! |
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主人公 | 【シャルルヴィル!】 【いたら返事して!】 |
ライク・ツー | くそっ、雨で視界が悪いな……! |
ジョージ | ……いた! あそこ! |
ジョージが指差す方向へ目を凝らしてみると、
橋の欄干に腰掛けている人影があった。
ジョージ | 間違いない、シャルルだ! |
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ジョージ! | おい、シャルル! |
シャルルヴィル | ……ジョージ? それに、〇〇とライク・ツーも。 |
シャルルヴィル | どうしたの、こんな雨の中で散歩なんて危ないよ。 ほら、セーヌ川もこんなに増水してる。 |
シャルルヴィルが足を揺らめかせながら、
セーヌ川を見下ろす。
大雨で一気に増水したセーヌ川は、
ごうごうと音を立て、濁流と化していた。
ジョージ | おまえが言うな! そんなとこにいたら危ないだろ! |
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ジョージ | 早くこっちに来い! オレが手を掴むから慎重に── |
シャルルヴィル | 来ないで! |
ジョージ | なっ……!? |
シャルルヴィル | ごめん、ジョージ。 ……もう、いいんだ。 |
シャルルヴィル | ボク、もう疲れちゃったんだよ。 ……貴銃士であることに。 |
ロジェ | これが、私の貴銃士……。 |
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ロジェ | ああ、なんて…… なんて、美しいんだ……! |
ロジェ | 絶対高貴になれない貴銃士など、なんの価値もない! せめて演じるくらいは、まともにやってみせろ! いいな! |
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フランス市民たち | なんて高貴なお姿……。 麗しきフランスの貴銃士、万歳! |
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フランス市民たち | シャルルヴィル様は、我々の恩人です! |
シャルルヴィル | みんなを騙して、みんなに嘘ついて。 本当の僕を隠して、上手くやろうって誤魔化して! |
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ライク・ツー | …………。 |
シャルルヴィル | …………。 もう、限界なんだ。 |
シャルルヴィル | 僕はこれ以上、みんなを騙したくない! 自分に嘘をつきたくない! |
シャルルヴィル | この世界にいても、つらいだけ。痛いだけ。 ……苦しいだけなんだ。 |
シャルルヴィル | ──お茶会、来てくれてありがとう。 |
シャルルヴィル | 最後に君たちにも会えたし、心残りはないよ。 |
シャルルヴィル | だから、もう。 終わりにさせてほしいんだ。 |
ジョージ | ……馬鹿! 大馬鹿野郎! 心残りがないなんて嘘言うなよ! |
ジョージ | おまえ、言ってたじゃねぇか。 弟分のスプリングフィールドに会ってみたいって! |
ジョージ | それに、ブラウン・ベスとの約束だって……! |
シャルルヴィル | ベスくんとの、約束……。 |
ジョージ | ああ。 あいつと──ブラウン・ベスと約束しただろ。 いつか絶対高貴になろうって。 |
ジョージ | ブラウン・ベスが表から消えて、 オレっていう人格が代わりに出てきたけど……。 |
ジョージ | オレは、ブラウンが絶対高貴になれるように、 またあいつが表に出てこられるように、 ──あの日の謎を解きたいんだ! |
ジョージ | なんで、どうして。あいつが── |
ジョージ | ブラウン・ベスが、アウトレイジャーになったのかを! |
ジョージ | だから、おまえが諦めんな! あいつがまた目覚めて、一緒に絶対高貴になるまで! おまえがおまえを諦めるなんて、悲しいことするな! |
シャルルヴィル | ……っ。ジョージ……。 |
---|---|
ライク・ツー | え……、はぁっ!? |
ライク・ツー | おい、ちょっと待て。 ジョージ、お前、いきなり何言ってんだよ。 |
ライク・ツー | 今の話だと、王室にいたブラウン・ベスが消えて、 別人格のお前が出てきたってことになるけど……。 |
ライク・ツー | ブラウン・ベスなら、イギリス王室にいるだろ!? |
ジョージ | いや、あれは──偽物だ。 |
ジョージ | ブラウン・ベスも、マスターである女王も。 どっちもただの偽物──影武者だ。 |
主人公 | 【本当に……!?】 【そんな、まさか……!】 |
ライク・ツー | いきなりそんなこと言われても、 意味わかんねぇんだけど……。 何がどうなってんだよ……。 |
ジョージ | …………。 |
ジョージ | イギリスの新女王マーガレットに召銃されたあいつ── ブラウン・ベスは、絶対高貴になれなかった。 |
ジョージ | それどころか…… ある日、アウトレイジャーになっちまった。 |
??? | ──邪魔者を排除しなさい、私の騎士。 |
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兵士 | ひぃ! お、おやめください……陛下……! |
??? | …………。 |
ジョージ | そして、正気を失った女王と一緒に、 城から抜け出そうとしたんだ。 |
---|---|
ジョージ | ……女王に命じられるがまま、 止めようとした衛兵を撃ってまで、な。 |
ライク・ツー | マジ、かよ……。 |
ジョージ | ──シャルルヴィルは、恩人なんだ。 |
シャルルヴィル | ……っ! |
主人公 | 【恩人?】 【どういうこと?】 |
ジョージ | 応援が来て、 ブラウン・ベスは取り押さえられ、銃に戻された。 |
ジョージ | アウトレイジャーと化した貴銃士を、 再び召銃するリスクなんて犯せるわけがない。 |
ジョージ | だから…… ブラウン・ベスは、破壊されるはずだったんだ。 |
ジョージ | でも……リリエンフェルト家が、保管を申し出た。 いつか謎が解ける日が来るかもしれないから、 その日まで責任を持って、厳重に保管すると。 |
ジョージ | ……なぁ、シャルル。 オレは、銃に戻ってたから直接見聞きはしてないけど、 あれは、おまえが掛け合ってくれたんだろ? |
シャルルヴィル | ……、うん……。 |
シャルルヴィル | ロジェ様に頼み込んだんだ。 ブラウン・ベスはリリエンフェルト家で預かろうって。 |
シャルルヴィル | だって……信じられなかったんだ。 あのベスくんが、 イギリスの兵を撃つなんてありえない。 |
シャルルヴィル | 不器用だけど優しくて、ちょっと頑固で、まっすぐで、 ──あんなに気高いベスくんが、 凶暴で凶悪なアウトレイジャーになるなんて。 |
シャルルヴィル | そんなの、何かの間違いに決まってる。 何か、ベスくんの意思以外のものが そうさせたに違いない、って……。 |
シャルルヴィル | …………。 |
シャルルヴィル | 君たちが来て、倉庫で見つけたブラウン・ベスwp 召銃するって言い始めたとき、僕は迷ったんだ。 |
シャルルヴィル | またベスくんがアウトレイジャーになるかもしれない。 あんな悲劇をまた起こしたら…… 今度こそ、壊されるだろうから。 |
シャルルヴィル | そう思うと怖くて…… それなのに、僕は君たちを止められなかった。 |
シャルルヴィル | きっと……少し、期待しちゃったんだ。 |
シャルルヴィル | 今度こそベスくんが絶対高貴になるかも、ってさ。 それに、あの日の謎が解けるかもしれないとも思った。 |
ジョージ | ……シャルル。オレは絶対高貴になれた。 あいつが願ったように、 マスターや困ってる人を助けられるようになった! |
ジョージ | 今はまだブラウン・ベスはいない……。 だけど、そのうち必ずあいつは目覚める。 |
ジョージ | なぁ、一緒に絶対高貴になるって約束しただろ。 |
ジョージ | それまで待っていてくれよ、シャルル。 あいつが戻るまで、消えるなんて許さないからな! |
ジョージ | おまえを止めるのが、 ブラウンの代わりに表に出てるオレの役目だ! |
主人公 | 【お願い、シャルルヴィル】 【こっちへ戻って】 |
シャルルヴィル | ……! |
シャルルヴィル | ありがとう。 でも……ごめんね。 |
シャルルヴィル | 僕は……待つことも、戻ることもできないよ。 |
シャルルヴィル | ……ねぇ。 みんなは、アウトレイジャーになってしまった貴銃士の 共通点って考えたことある? |
シャルルヴィル | 共通点……? |
シャルルヴィル | シャスポー、エンフィールド、ベスくん……。 |
シャルルヴィル | アウトレイジャー化してしまったのはみんな、 絶対高貴になれなかった貴銃士だ。 |
ライク・ツー | ……! |
シャルルヴィル | アウトレイジャーは、絶対高貴になれない 貴銃士のなれの果ての姿なんだよ、きっと。 |
シャルルヴィル | だから、僕もいつかは、ああして── |
シャルルヴィル | 絶対高貴になれなかった貴銃士として、 アウトレイジャーに堕ちるんだ。 |
シャルルヴィル | だったら、僕はここにいちゃいけない。 |
シャルルヴィル | みんなに迷惑をかけて、裏切って、嘘をついて。 その果てに正気を失ってみんなを傷つけるなんて、 僕は絶対に嫌だよ! |
ジョージ | お、おい、シャルル! やめろ……! |
ジョージが猛然と駆け出した。
シャルルヴィルは憑き物が取れたように、
白百合を想わせる、穏やかで美しい笑みを浮かべる。
シャルルヴィル | ごめん。 さよならだよ、ジョージ。 みんなを……僕から守るために。 |
---|---|
主人公 | 【駄目っ!】 【シャルルヴィルッ!】 |
引き止める手も声も、届かない。
シャルルヴィルの姿が、欄干から消えた。
シャルルヴィルの姿が、欄干から消えた。
その一瞬後に、ジョージが続く。
主人公 | 【ジョージ!】 |
---|---|
ライク・ツー | やめろ、〇〇! |
飛び込もうとした〇〇だったが、
ライク・ツーに強く腕を掴まれる。
ライク・ツー | 馬鹿かよ! いくら訓練してても、 こんな濁流に飛び込んだら助からねぇぞ! |
---|---|
主人公 | 【でも、2人が!】 【助けないと!】 |
ライク・ツー | ジョージのやつ、 微塵もためらわないで飛び込みやがったな……。 |
2人の姿が、まだどこかに見えないか、
一縷の望みを胸に、橋の下を覗き込むと──。
ジョージ | セーフ……。 死ぬかと思った……。 |
---|---|
ライク・ツー | うっそだろ……! |
主人公 | 【ジョージ! シャルルヴィル!】 |
シャルルヴィルをしっかりと掴んだジョージが、
橋の金具に引っかかるようにしてぶら下がっていた。
ライク・ツー | 待ってろ、今引き上げる! |
---|---|
ジョージ | 頼む! |
ライク・ツーと協力して、
なんとか2人を橋の上まで引き上げることに成功した。
ジョージ | ふぅ……。 ありがとな、〇〇。ライク・ツー。 |
---|---|
ジョージ | おい、シャルル。 怪我とかしてねぇか? |
シャルルヴィル | ……うっ、……ッ。 |
シャルルヴィル | うっ、ヒック……うわぁあぁっ! |
小さな嗚咽を漏らしたかと思うと、
シャルルヴィルは堰を切ったように、
大粒の涙を流して泣き始めた。
シャルルヴィル | ご、ごめんなさい……っ、ごめんなさい……! |
---|---|
ジョージ | おいおいシャルル。 せっかく助かったんだから、 ごめんよりありがとうだろ! |
シャルルヴィル | あ、あ……っ、ありが、どうっ……! ほんとは、すごく怖かった……っ! |
シャルルヴィル | 絶対高貴に、なれなくって…… ロジェ様が変わっちゃって、 毎日酷いことされて、言われて……! |
ジョージ | ……なんだと? |
シャルルヴィル | それで、いつかボクも アウトレイジャーになっちゃうんだって思ったら、 ボク、もう……! |
シャルルヴィル | うわぁあぁんっ! |
ジョージ | …………。 |
ライク・ツー | ……何が言いたいかわかったから先に言うけど、 俺は反対だからな。 |
ジョージ | なっ……! 今の聞いてただろ!? |
ジョージ | 〇〇。オレは、シャルルを助けたい。 こいつをこのままリリエンフェルト家に置いとくなんて、 オレには無理だ! |
ライク・ツー | 簡単に言うけど、お前、連合軍とか 士官学校の資金源知ってんのか? |
ライク・ツー | リリエンフェルト家は、最大級のパトロンだぞ。 ラッセルも言ってたんだろ? 今回、士官学校は大っぴらに動けないかもって。 |
主人公 | 【でも、放っておけない】 【……やろう】 |
ライク・ツー | はぁ……。 ま、お前はそっちを選ぶよな。 |
ジョージ | 〇〇……! ありがとな! |
ジョージ | さぁ、行こうぜ、シャルル! オレたちと一緒に帰るんだ! |
シャルルヴィル | うん……っ! |
ライク・ツー | んで、どうやってこいつを リリエンフェルト家から引き離すんだよ。 |
ライク・ツー | 士官学校に連れて帰ったところで、 連合軍も士官学校もリリエンフェルト家には 強く出られないんだから、大して頼りにならねぇぞ。 |
ジョージ | うーん……そうだよなぁ……。 話し合いで解決できればいいけど、 ロジェのあの様子だと聞く耳持たなそうだしなぁ。 |
ライク・ツー | つまり……今のところ、無策ってことだな。 頼もしいことで。 |
ジョージ | むーっ! おまえも何か考えろって! |
主人公 | 【一緒に考えよう】 【落ち着いて】 |
シャルルヴィル | あの……ちょっといいかな。 向こうから来てるのって、 〇〇の貴銃士たちじゃない? |
マークス | マスターーーーッ! |
マークス | 無事か? 怪我はないか? リリエンフェルト家で妙な真似をされたり 嫌なことを言われたりしてないだろうな? |
シャルルヴィル | あはは……相変わらず熱烈だね。 |
シャスポー | おい、ライク・ツー! 君、僕たちを差し置いて勝手に随伴するなんて、 いい度胸じゃないか。 |
ライク・ツー | お前らがいつまでも、 くだらねぇやり取りしてるからだろ。 時間の無駄を省いて何が悪い。 |
シャスポー | なんだと……!? |
タバティエール | まあまあ、落ち着けって。 |
シャスポー | ……ふん。 |
主人公 | 【みんな、どうしてここに?】 【応援要請はまだのはずだけど】 |
十手 | いやぁ……君たちがいないことに気づいてから、 マークス君とシャスポー君が、 どうしても追いかけると言って聞かなくて。 |
十手 | ラッセル教官を説き伏せて──というか、 強引に学校を飛び出してここまで来たんだ。 |
十手 | あの2人だけだと、道中で喧嘩別れしそうで、 無事に辿り着くか怪しいからね。 俺も心配でついてきたってわけだ。 |
タバティエール | んで、俺が引率。十手だけだと、 シャスポーのお守りは荷が重いだろうからな。 |
十手 | はは……タバティエールが来てくれて、 本当に助かったよ……。 |
マークス | おい、マスター。 雨でびしょ濡れじゃないか。 このままじゃコンディションが──。 |
マークス | ……ん? おい、におうぞ! |
シャスポー | はぁ? 何言って── |
マークス | しっ! 気をつけろ、なんか来る。 |
兵士1 | いたぞ、囲め! |
---|---|
兵士2 | こっちだ! |
ライク・ツー | ……ほんとに来やがった。 |
ライク・ツー | おい、マークス。 お前いよいよ犬じみてきたんじゃねーの。 |
マークス | うるせー。 マスター、俺の後ろに。 |
シャルルヴィル | 君たちは……! |
ジョージ | あれ……こいつらって、 さっきロシニョル家に来てたヤツと似てるような? |
シャルルヴィル | リリエンフェルト家の──ロジェ様の私兵だよ。 |
ロジェ | ──探したぞ、シャルルヴィル。 |
シャルルヴィル | ……ッ、ロジェ、様……っ! |
ロジェ | ああ……やはりか。 やはりお前たちが、 シャルルヴィルをそそのかしたのだな……! |
ロジェ | 私の目に狂いはなかった。 あとをつけさせて正解だったな。 |
マークス | おい。お前がいて、なんで尾行されてんだ。 |
ライク・ツー | チッ…… 大雨のせいで、気配が掴みにくかったんだよ。 |
ロジェ | シャルルヴィル。 汚らわしい盗人どもと一緒にいるのはやめて、 こちらへ戻るんだ。いいな。 |
十手 | おいおい、盗人ってぇのは、俺たちのことかい!? |
ロジェ | 当然だ! お前たちの考えなど、 私にはわかりきっている! |
ロジェ | お前たちは、私からシャルルヴィルを奪いにきた。 そうだろう!? |
ロジェ | シャルルヴィルが招待した2人はともかく、 貴銃士を5人も引き連れて……! |
ロジェ | おまけに、そこにいるのは シャスポーにタバティエール…… ロシニョルとレザールが召銃した貴銃士じゃないか! |
ロジェ | リリエンフェルト家への恩を忘れ、 揃いも揃ってこの俺を陥れようとするとは……っ! 許せんッ!! この裏切り者どもめぇッ!! |
タバティエール | ……おい、なにやら様子がおかしいぜ。 |
シャスポー | ああ。リリエンフェルト家のロジェといえば、 穏やかで紳士的な人物だったと記憶してるけれど、 今の彼は……。 |
ロジェ | ああ、そうだ……そうだ! ロシニョル家の小娘もレザール家のいけ好かない次男も 全員で示し合わせているに決まっているッ!!! |
シャスポー | ……っ! とても、正気とは思えないね……。 |
マークス | マスター、どうする。 こいつらを全員排除するか? |
ロジェ | おい、動くな! |
ロジェ | シャルルヴィルを大人しくこちらに引き渡すなら お前たちに危害は加えない。 連合軍側にも圧力はかけないでおいてやるぞ。 |
ジョージ | うるせーっ!! |
ジョージ | おまえのところにシャルルを戻したら、 また酷い目に遭わせる気だろ! こっちだってお見通しなんだからな! |
ロジェ | なんだと……? シャルルヴィル…… お前はまた、余計なことを漏らしたようだな……。 |
シャルルヴィル | ヒッ……ごめんなさ── |
ジョージ | シャルルが謝る必要なんてないだろ! おまえは堂々としてればいいんだ。 |
シャルルヴィル | う、うん……! |
主人公 | 【ことを荒立てる気はありません】 【兵を下がらせてください】 |
ロジェ | ちっ! こちらとしても、お前たちに危害を加えたくはない。 |
ロジェ | 連合軍に手を出せば、 いくらリリエンフェルト家といえども 面倒なことになるからな……。 |
ロジェ | だが、これ以上シャルルヴィルを拘束するなら── 実力行使もやむを得ん。 |
主人公 | 【待ってください!】 【話し合いを!】 |
ロジェ | ええい、黙れ! お前たちにシャルルヴィルを返す気がないことなど、 わかりきっている! |
ロジェ | ──撃て。 |
私兵1 | し、しかし……! シャルルヴィル様もいらっしゃいますし、 相手は士官学校のマスターと貴銃士ですよ!? |
ロジェ | 構わん。俺が撃てと言っている! |
私兵1 | は、はいっ! |
タバティエール | 全員退避だ! |
マークス | マスター、こっちだ! |
私兵1 | ──撃て! |
ロジェ | チッ……隠れたか。 お前たち、奴らを探せ! |
ロジェ | 奴らはフランスから貴銃士たちを奪って 我々に反逆しようとしている! |
ロジェ | 奴らを捕らえろ! ただし殺すな! |
私兵たち | はっ! |
ジョージ | ……セーフ! |
---|---|
十手 | 間一髪、だったなぁ……。 はぁ、寿命が縮みそうだ。 |
主人公 | 【みんな、大丈夫?】 【怪我はない?】 |
タバティエール | ああ、全員無事だぜ。 |
シャスポー | ……それで、どうする? |
ライク・ツー | どうするもこうするも。 こうなったら戦うしかねぇだろ。 |
マークス | マスターに危害を加えやがった時点で、 答えは1つしかないな。 |
シャルルヴィル | みんな……ボクのせいで、ごめ── |
ジョージ | おい! 謝るなって言っただろ、シャルル。 |
ジョージ | これは──自由のための戦いだ! |
シャルルヴィル | 自由……。 |
ジョージ | ああ、そうだ! この戦いを切り抜けて──おまえは絶対、自由になる。 |
シャルルヴィル | ……ッ! |
シャルルヴィル | ……うん! |
マークス | マスター、どう動く? |
---|---|
主人公 | 【なるべく危害を加えたくない】 【足を狙える?】 |
マークス | 了解。 腕だろうが足だろうが、必ず当ててやる。 |
私兵1 | ぐあっ! |
私兵2 | 足をやられた! 止血急げ! |
ロジェ | くそっ……どこから狙っている!? 小癪な真似を……! |
ロジェ | おい、撃て! 撃ちまくれ! 殺さなければ、多少傷付けて構わない! |
ライク・ツー | チッ……遠慮なしに撃ってきやがるな。 |
シャスポー | こっちはこの少人数で、加減しつつだっていうのに。 まぁ、これくらいのハンデはあって然るべきかもね。 |
シャスポー | ……さぁ、シャスポー銃の力、見せてあげるよ。 |
私兵3・4 | うぁっ! 足が……! |
タバティエール | かわいそうだが、あの位置なら命には関わらないか。 さすが、いい狙いだな、シャスポー。 |
シャスポー | 当然だろう。この僕だぞ? ……後方支援はお前に任せる。 喋ってばかりいないで、手も動かせよ。 |
タバティエール | へいへい。 |
十手 | よーし、俺も……って、 この距離だと無理があるな……。 |
ライク・ツー | お前は引っ込んでろ。 単発式だし射程距離もしょぼいんだから、 下手に出ると無駄に怪我するだけだぞ。 |
ライク・ツー | こういうのは、俺らの仕事だ。 |
私兵5 | ぐあぁっ! |
私兵6 | くそっ、また足をやられた! |
ロジェ | くっ……! お前たち、何をしている! 士官学校の生徒1人に何を手間取っている! |
私兵リーダー | しかし、彼らがどこに潜んでいるかわからない以上、 闇雲に攻撃しては落命する可能性も── |
ロジェ | ……構わん。 |
私兵リーダー | ……えっ。 |
ロジェ | 構わんと言っている。 |
ロジェ | もう──こうなったら、殺してもいい。 |
私兵リーダー | なっ……! 相手は士官学校の生徒、 それも、貴銃士を多く抱えるマスターですよ!? |
ロジェ | 黙れ、口答えをするな! 相手がなんであろうと、リリエンフェルトの力を もってすれば、存在ごと消すこともできよう! |
ロジェ | 小賢しいマスターも、貴銃士どもも ……俺を裏切ったシャルルヴィルも。 |
ロジェ | ──全員、殺シ、テ、シマエ……! |
私兵リーダー | ……っ、ロジェ様……!? |
シャルルヴィル | みんなが、ボクのために…… ボクと一緒に、戦ってくれてる……! |
---|---|
ジョージ | オレたちは普通に撃つと硝煙で位置がバレちまうけど、 絶対高貴ならビームみたいに、 ズババッて一気に攻撃もできるんだぜ! |
ジョージ | 自由を勝ち取ったシャルルは、きっと強い! だから必ず、絶対高貴になれる! |
シャルルヴィル | うん……! |
シャルルヴィル | ……ッ、……っく! めまい、が……。 |
ジョージ | ……シャルル? おい、大丈夫か? |
シャルルヴィル | ……ッ、ぁ……! い、やだ……ぅ、そ、あぁあ…………!! |
ジョージ | シャルルッ!? |
ジョージ | そんな、なんで……! なんでおまえまで……! |
シャルルヴィル | 殺、ス……。 いや、だ……ボクは……っ! |
十手 | シャルル君……!? |
ライク・ツー | おい、向こうも様子が変だぞ。 |
ライク・ツーが示す方では、
頭を押さえ、半狂乱になったロジェが、
私兵たちを怒鳴りつけている。
ジョージ | まさか、あいつに引きずられて……!? |
---|---|
ジョージ | ──よし。オレが突っ込む。 |
ライク・ツー | はぁ? 何考えてんだよ。 貴銃士っつったって、 身体の性能は人間と大して変わりないんだぞ? |
ライク・ツー | さっきから向こうは容赦なく撃ってきてる。 蜂の巣にされるのがオチだ。 |
ジョージ | でも……! あいつの傷を治してシャルルを解放するのが、 一番手っ取り早い方法だろ!? |
十手 | ……ちょっと待ってくれ! 俺に、手がある。 |
ジョージ | 本当か!? |
十手 | 何かの役に立てばと、煙玉を持ってきてるんだ。 こいつを使えば煙幕が張れて、 目くらましになる! |
ライク・ツー | へぇ。たまには役に立つじゃねぇか。 |
ジョージ | よし! 十手のおっさん、やってくれ! |
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