イギリス編:第13話~第19話

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第13話:歪んだ風景1

スナイダーの部屋からは、物音1つしない。
おそるおそるノックをするが、返事はなかった。

ジョージおーい。スナイダー……いるか?
マークスやっぱり返事がないな。寝てるのか?

ジョージがそっと、ドアノブに手をかける。

ジョージあれっ? 鍵、かかってないぞ。
とりあえず、入ってみるか。
マークスおい、待て……!

主人公【あれ……?】
【誰もいない……?】
ジョージどっか行ってるのかな?
でも、調子悪いならあんまり動けないよなぁ?
マークス……この部屋、なんかおかしくないか?
ジョージえっ、そーか? 普通の部屋じゃん。
マークスそういうことじゃない。
くんくん……そうか、綺麗すぎるんだ。
マークスベッドや机、何もかも……
さっきまで誰かがいたとは思えない、
新品みたいな匂いだ。
ジョージええー? でも、そんなのおかしいって!
エンフィールドは確かにこの部屋に向かって──
マークス……しっ! 誰か来る!
エンフィールド……です。
あなたはここで待っていてください。
使用人ですが……。
エンフィールド大丈夫ですよ。
僕は毎日食事を運んでいますから、心配ご無用です。
マークスこの声……エンフィールドか!
とにかく隠れるぞ。
マスター、こっちの物置に入ろう!

エンフィールド……はい、ありがとうございます。
あとは僕がやります。
スナイダーは、誰にも会いたくないようなので……。
使用人かしこまりました。
エンフィールドスナイダー、水を持ってきたよ。
エンフィールド夕食、もう終わっちゃったよ。
君も少しぐらい食べないと。

物置のわずかな隙間から、
〇〇たちは様子を窺った。

エンフィールド…………。
主人公【(エンフィールドは何を……?)】
【(誰もいないのに……)】

それは、異様な光景だった。

エンフィールドほら、スナイダー。
水だけでも飲むんだ。水分はしっかりとらないとね。

エンフィールドは、誰もいないベッドに向かって
朗らかに話しかけながら、グラスに水をそそぐ。

ジョージ(なんだ、これ……)
マークス(どういうことだ……?)
エンフィールド君の気持ちはわかるけど……
いつまでもここに閉じこもるのは、よくないだろう?
エンフィールドとにかく、今はゆっくり休んで、元気になるんだ。
マスターだってそれを望んでるはずだからね。

窓辺へと足を進めたエンフィールドは、
グラスに入ってた水を、すべて花瓶へと零していく。

エンフィールドまた来るからね。
今度こそ、まともに食事をとってくれよ?
使用人1スナイダー様の体調はいかがでしたか?
エンフィールド食事はまだいらないみたいです。
また後で、水分補給をさせます。

ジョージ……行ったな。
マークス……なんとかバレずに済んだが……。
主人公【一体なんだったんだろう……】
【何がしたかったんだろう……】
ジョージさっぱりわからん……!
スナイダーってのは、
エンフィールドだけに見えるヤツなのか?
マークスとにかく、部屋に戻ろう。
ずっとここにいて見つかったらまずい。
ジョージそうだな……。急いで戻ろうぜ!

マークス…………。
よし、誰もいないな。あの角から──
エンフィールドおや、皆さん。
こんなところにいらっしゃったのですね。
ジョージ&マークス……!
主人公【こ、こんばんは……!】
【ぐ、偶然だね……!】
エンフィールド食後の散歩ですか?
それなら僕がご案内しますよ。
この城には見所がたくさんありますから!
ジョージい、いや、もう帰るところだったんだ。
エンフィールド大広間には行かれましたか?
ヴィクトリア女王の絵画はそれはもう気品があり……
豪華な調度品の数々には、うっとりして溜息が出ます。
ジョージあー、そこはまだだな。
明日案内を頼むぜ! 今日はもう疲れたからさ。
エンフィールドええ、なんなりとお申し付けください!
ジョージ師匠のお願いでしたら
いくらでもお付き合いさせていただきます。
ジョージおう。じゃ、オレたちはこれで……。
エンフィールドええ。ゆっくりお休みなさいませ!
エンフィールド……ああ、それと、1つお伝えしたいことが。
マークスなんだ?
エンフィールド今夜は霧が深いそうですから、
出歩かないことをおすすめしますよ。
エンフィールド霧の夜は、人が消えるといいますし。
……皆さんも、どうぞお気をつけて。
ジョージそうか……。
それじゃ、また明日な!
エンフィールドええ。おやすみなさい。

エンフィールドスナイダー、入るよ。
……って、誰もいないし、言わなくていいか。
エンフィールド(ん……?
物置の扉が、ちゃんと閉まってない?)
エンフィールドハンガーの位置がずれてる……。
エンフィールド……見られてた、かな。

第14話:歪んだ風景2

マークス&ジョージ…………。
主人公【何を見てしまったんだろう……】
【奇妙な光景だった……】
ライク・ツーどうしたんだよ、お前ら。
顔が強張ってんぞ。
ジョージいや、それがさ……。

ジョージスナイダーはたまたま部屋を出てて……
エンフィールドは寝不足で、
ついうっかりスナイダーの幻覚を見た、とか?
ライク・ツーいやそれはねーだろ。
現実逃避すんな。
ライク・ツーあいつのやったことを考えてみろ。
まず、わざわざ人目につくように、
部屋の外からスナイダーに話しかけてる。
ライク・ツーそれに、水を飲んだと見せかけるために、
花瓶に零してたんだろ?
ライク・ツー……どう考えても偽装工作だ。
あの部屋に、スナイダーはいないってことだな。
マークスでも、なんのためにあんなことをしてるんだ?
いないならいないと言えばいいのに。
ライク・ツーそう単純な話でもねぇだろ。
貴銃士がいなくなるなんて、大問題だぞ。
ジョージ確かにそうだよなぁ。
ってことは、スナイダーが戻ってくるまで、
大騒ぎにならないように誤魔化してんのかな?
ライク・ツーかもな。とにかく……
あいつは、スナイダーの失踪を隠したがってる。
ライク・ツーそして、スナイダーの居場所か失踪理由か……
何かしら知っていることがあるはずだ。
ジョージえ? なんでだ?
ライク・ツーエンフィールドがマジで何も知らないなら、
スナイダーを探しもせず、
失踪を隠し続けるのはおかしいだろ。
ジョージそっか……。
あいつが慌ててないってことは、
スナイダーはどっかで元気にしてるのかなぁ。
ライク・ツーま、俺らには大して関係ないことだな。
ライク・ツー……ったく、マスターだけじゃなくて
貴銃士も1人いなくなってるなんて、
この城はどうなってるんだ……。
マークスマスターは安心してくれ。
マスターに危害を及ぼそうとする奴は、
1匹残らず俺が片付けるから。
主人公【ありがとう】
【頼りにしてる】
ジョージ…………。
マークスどうした、ジョージ。
ジョージオレはやっぱり、スナイダーのことが気になる。
なんで消えちまったのか、何があったのか……。
ジョージそれに、もしオレに何かできることがあれば、
力になってやりたいんだ。
主人公【そうだね】
【調べてみよう】
ジョージ本当か……!?
ありがとう、〇〇!
マークスマスターがそう言うなら、当然俺も同行する。
ジョージじゃ、早速明日から──
ライク・ツーおい、俺は反対だぞ。
面倒事に首を突っ込むな。
マークス嫌なら、あんただけ部屋に籠ってればいい。
ジョージうん。別に無理やり引っ張っていったりしないし。
オレたちで勝手にやるからさ!
ライク・ツーその勝手にやるのが首を突っ込むなってこと……
……はぁ。
ライク・ツーま、止めたところで聞かない奴らだったな。
主人公【力を貸してほしい】
【手伝ってくれる?】
ライク・ツー…………。
お前らだけでフラフラ動くよりは、
俺もいた方がまだマシか。
ジョージよっしゃ! そうこなくっちゃな!
ライク・ツー渋々だからな! 調子に乗んなっての。

第15話:消えたスナイダー?1

──ウィンズダム宮殿滞在3日目。

使用人1ええっ! そんな、嘘だろう……!?
使用人2いや、本当だって!
私も見たんだが、部屋がもぬけの殻で──
ジョージどうした? なんかあったのか?
使用人1あっ、皆様……。お騒がせして申し訳ありません。
実は──
エンフィールドああっ、ジョージ師匠、皆さん!
スナイダーを見かけていませんか?
主人公【見てないけど……】
【何があったの?】
エンフィールド実は……スナイダーがいなくなってしまったんです。
エンフィールドマスターだけじゃなくて、
あいつまでいなくなってしまうなんて……!
エンフィールド僕は、どうすればいいんだ……っ!
一同…………。
ジョージエンフィールド、落ち着こうぜ。なっ?
エンフィールドジョージ師匠……。
すみません、取り乱してしまいました。
ジョージそれで、何があったんだ?
最初から聞かせてくれ。
エンフィールドはい……。今朝、いつものように、
スナイダーの部屋まで食事を届けに行ったんです。
エンフィールドですが、部屋に弟の姿はなくて……。
使用人の皆さんにも手伝ってもらって
城内もくまなく探したのですが、見つからないんです。
ライク・ツースナイダーがいなくなったのは、
昨夜から今朝にかけての間ってことか?
エンフィールドええ。その通りです。
ライク・ツーふぅん……。
エンフィールドあの……。
賓客として招いている師匠たちに
こんなことを頼むのは本当に心苦しいのですが……。
エンフィールドよろしければ、スナイダーを探すのを
手伝っていただけませんか?
エンフィールドこの間のように
アウトレイジャーが現れる可能性もありますし、
広い森の探索は、城の兵士だけでは厳しくて……。
マークスどうする? マスター。
俺はマスターの決定に従う。
ライク・ツーちょっといいか、〇〇。
ライク・ツー……ここは、エンフィールドの話に乗っておけ。
ライク・ツーあいつは、スナイダーがいなくなったのは
昨夜から今朝の間だと嘘をついた。
ライク・ツー何がしたいのか、何を考えてるのかもよくわからない。
下手に刺激するより、行動をともにして、
出方を窺う方が得策だ。
主人公【……わかった】
【協力しよう】
ライク・ツー俺らも手を貸す。
エンフィールドよかった……!
ありがとうございます!
ジョージよーし、そうと決まれば探しに行こう!
ジョージあ、でも、スナイダーってどんなヤツなんだ?
オレたちは見たことないから、
よくわかんねーんだけど……。
ライク・ツーエンフィールド、おまえと似てるのか?
エンフィールドいえ……。弟と僕は似ていません。
エンフィールド背は、僕より少し高いぐらいで、
濃い紫色の髪と、切れ長の目をしています。
ライク・ツー紫か。それなら、その辺にはめったにいない髪色だし、
見かけたらすぐわかりそうだな。
ジョージああ! 頑張ろうぜ!
エンフィールド……せっかくの滞在なのに、マスターや弟のことで
ご迷惑をおかけしてすみません……。
エンフィールド僕だけではきっと途方に暮れていたと思いますが、
皆さんのおかげでなんとか頑張れそうです。
本当に、ありがとうございます……!
ジョージおまえのマスターも、スナイダーも、
頑張って早く見つけような!
エンフィールドはい、ジョージ師匠!
ライク・ツー&マークス…………。

第16話:消えたスナイダー?2

マークスそれで、スナイダーが行きそうな場所に
心当たりはあるのか?
エンフィールドそうですね……
一番可能性があるのは、森でしょうか。
マークス森……?
エンフィールドええ。スナイダーは王城での暮らしが
あまり性に合わなかったようで。
よく城を抜け出して森へ行っていたんです。
ジョージそうか。
それじゃあ、さっそく森に行ってみよう!

ジョージおーい、スナイダー! いたら返事しろー!
エンフィールドスナイダー! 僕だよ! 出てきてくれー!
エンフィールドはぁ……駄目か。
どこに行ってしまったんだろう。
ライク・ツーつーか、そもそも、
スナイダーって呼んだら出てくるような奴なのか?
エンフィールド……あっ。
ライク・ツーその顔……答えを聞くまでもないな。
エンフィールドすみません……。
僕としたことが、初歩的なことを忘れていました。
エンフィールドスナイダーは……気難しいところがあって。
反抗的と言いますか、呼んで素直に返事をするような
タイプではありませんね。
マークスじゃあ、どうやって探せばいいんだよ。
ジョージ足跡とか、痕跡を探すしかねーかなぁ?
こういう時、ケンタッキーとか
ペンシルヴァニアがいたら心強いんだけど。
エンフィールドケンタッキーさんにペンシルヴァニアさん……?
師匠のお知り合いですか?
ジョージおう。アメリカ独立戦争で民兵が使ってた銃なんだ。
元は猟師の相棒だから、
森で獲物を追いかけるのは、すっげー得意だと思うぜ!
ライク・ツーいねぇもんはどうしようもないだろ。
俺たちだけでどうにか探さねぇと。
ジョージそうだよなぁ。
5人いるし、2人と3人に分かれて探すか?
ライク・ツーそうだな。アウトレイジャーが現れた場合を考えて、
〇〇には貴銃士を2人つけよう。
ライク・ツーどうせマークスは〇〇から離れねぇだろ?
マークス当たり前だ!
ライク・ツーなら、お前とジョージが〇〇といろ。
そうすれば、傷が悪化してもジョージが治せる。
ジョージおう! 任せとけ。
エンフィールド師匠と別行動というのは残念ですが……
とても合理的な判断ですね!
エンフィールドでは、僕らはあちらから──
マークス……待て。今、何か聞こえなかったか?

──ガサッ

アウトレイジャー1…………殺ス。
マークスアウトレイジャーだ!
エンフィールドこ、これがアウトレイジャー……!?
ライク・ツーとっとと片付けるぞ。
マークスマスターの敵は、俺が全て倒す!
ジョージ行こうっ!

 

第17話:おぞましい力1

マークスチッ……数が多いな……!
ライク・ツーもう一発、絶対非道を喰らわせるか……。
マークス……っ、でも、マスターが……!
ライク・ツージョージもいるから大丈夫だ。
おら、グズグズすんな!
主人公【こっちは大丈夫】
【力を使って】
マークスマスター……了解した。
やるぞ、ライク・ツー。
マークス&ライク・ツー絶対非道!
アウトレイジャーたちグァァァ……
エンフィールドアウトレイジャーたちが、消えていく……。
エンフィールドこれが絶対非道……。
なんて禍々しく、おぞましい力なんだ……。
ジョージ〇〇! 大丈夫か!?
エンフィールド〇〇さん?
……っ、顔が真っ青だ……!
エンフィールドこれは……!?
なんで傷がこんなに広がってるんだ……!?
エンフィールドもしかして……あの力のせいで……?
エンフィールドああ、なんておぞましい……!
その力は、呪われているんだ……!
マークス……っ!
エンフィールドあなたたちはどうかしています!
自分のマスターを傷つけてまで、
絶対非道なんていう禍々しい力を使うなんて……!

第18話:おぞましい力2

エンフィールドあなたたちはどうかしています!
自分のマスターを傷つけてまで、
絶対非道なんていう禍々しい力を使うなんて……!
マークスそんなのわかってる!
マークス俺だって、マスターを傷つけなくても
守れるようになりたかった……!
アウトレイジャー4……殺ス!
ライク・ツーチッ……まだいたのかよ。
マークスクソッ、こんな時に……!
ライク・ツー絶対非道でさっさと片付けんぞ。
マークス……っ、でも、俺は……!
エンフィールド絶対非道なんて力を使うのは間違っています!
目を覚ましてください!
ライク・ツーうるせぇ! 外野は黙ってろ!!
エンフィールド……っ!!
主人公【マークス、敵の殲滅を】
【平気だから、気にしないで】
マークス…………。
マークスマスターが、そう望むなら……。
ライク・ツー&マークス絶対非道……!
アウトレイジャー4グァァァ……!
ライク・ツーよし、これで終わりだな。
またあいつらが湧いたら面倒だ。場所を移すぞ。
ジョージマスター、立てるか?
よし、行こう。
マークスマスター、大丈夫か!?
主人公【大丈夫】
【これくらい問題ない】
マークス……本当に、すまなかった。
ジョージ、早く傷の治療を──
ライク・ツーおい、エンフィールド。
エンフィールドなんでしょう。

次の瞬間、ライク・ツーの拳が、
エンフィールドの頬を勢いよく殴打していた。

エンフィールドくっ……!
ジョージうおっ!? 何してんだよ!
ライク・ツーうるせぇ! お前は黙ってろ!
ライク・ツーおい、てめぇ。
戦いの最中に余計なことベラベラ喋ってんじゃねぇよ。
エンフィールドで、ですが、現に〇〇さんは
傷が悪化して苦しんで……!
ライク・ツーそれがなんだ。
〇〇はそんなこと承知の上で、
俺たちに力を使えって言ってんだよ。
ライク・ツー絶対高貴にもなれねぇ、何もできねぇ奴が、
こいつの覚悟も何もかも無視してウダウダ喚くな。
エンフィールド……っ!
エンフィールド…………。
あなたの言う通りだ。僕は、何もできない……。
ジョージエンフィールド……。
エンフィールドジョージ師匠が直々に、
絶対高貴の力を見せてくださったのに……
僕はその片鱗すらも掴むことができていない。
エンフィールドだから、あんなおぞましい力が使われるのを、
ただ見ていることしかできなかった……!
エンフィールドくそっ……!
なんで僕は、絶対高貴になれないんだ……!

エンフィールドは固く拳を握りしめ、
木の幹を思いっきり殴りつける。

エンフィールドくそっ! くそっ……!
ジョージおっ、おい! エンフィールド!
やめろって! 手から血が出てる!
エンフィールド……! ジョージ師匠……。
エンフィールド…………。
皆さん、お騒がせしてすみませんでした……。
ライク・ツー……次は邪魔すんじゃねーぞ。
もしまた何か余計なことしやがったら……
そん時は、お前から撃つ。

第19話:おぞましい力3

マークスおい、ジョージ。
早くマスターの傷を治してやってくれ。
ジョージあ、うん!
〇〇、手を貸してくれ。
ジョージ……高貴を。
主人公【ありがとう】
【すっかり良くなった】
ジョージならよかった!
エンフィールド絶対高貴……本当にすごい力だ。
温かくて、眩しくて……。
僕はどうすれば、絶対高貴に手が届くんだろう……。
ジョージエンフィールド、なーに難しい顔してんだ?
アウトレイジャーは片付いたし、
〇〇の傷も治ったから、気にすんな。
エンフィールド……ありがとうございます、ジョージ師匠。
ですが……僕、悔しくて。
ジョージ大丈夫だって。おまえならちゃんと絶対高貴に──
エンフィールド絶対非道なんて恐ろしい力、絶対に使うべきじゃない。
なのに、僕に力がないから、止めることもできない。
そのことが、悔しくて悔しくて堪らないんです……!
ジョージえっ、そっち!?
エンフィールド僕は必ず絶対高貴の力に目覚めて、
絶対非道に頼らなくて済むようにしてみせます!!
ライク・ツー……はぁ。何も変わってねぇな、こいつ。
ジョージあー、えっと……
ちょっと落ち着こうぜ、エンフィールド。
ジョージいつ、どうやって絶対高貴になれるかなんて
誰にもわからないんだから、焦ってもしょうがない。
ジョージあんまり気に病み過ぎると……。
ジョージ……とにかくさ、エンフィールド!
オレにできることがあるなら言ってくれ。
なんでも手伝ってやるからさ!
エンフィールドありがとうございます……!
ジョージ師匠の教えがあれば百人力です!
ライク・ツーはぁ……ったく。
ライク・ツー……そういえば、今回はあいつ、来なかったな。
マークスん……? ああ、そうだな。
エンフィールドあいつ……というのは?
ジョージこの間アウトレイジャー退治に来た時に、
別の貴銃士もいたんだ。
ライク・ツー俺たちの到着前に、そいつが絶対非道を使って
1人でアウトレイジャーをほとんど倒してた。
マークスすぐいなくなったし、暗かったから、
どんな奴なのかはよく見えなかったんだけどな。
エンフィールドそんなことがあったんですか……。
ライク・ツー俺ら以外にも、
別のマスター貴銃士が近くに来てるのかもな。
ライク・ツーんで、どうする。スナイダーの捜索は。
エンフィールド傷がよくなったとはいえ、
〇〇さんは少し休まれるべきでしょう。
明日また捜索することにします。
マークス行こう、マスター。

──カサッ

ジョージんっ?
今、後ろで気配がしたような……。
ライク・ツー……?
誰もいねぇよ。気のせいじゃねぇの?
ジョージ……そっか。

???……ふん。
???変わらないな、エンフィールド。

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