ライク・ツー | はぁ……? お前、いきなり何言って── |
---|---|
エルメ | 部外者は黙っていろ。 |
ライク・ツー | ……! |
エルメ | ドライゼ……君は誰よりも血を嫌いながらも、 心の底では誰よりも熱烈に血を求めていたんだよ。 |
ドライゼ | ち、違う……! 俺は……俺は……。 |
エルメ | ふふ、潔くないね。 そんな君には現実を見せてあげようか。 |
エルメ | さあ、よく見て! ドライゼ、君が懸命に考えた作戦の結果だ。 |
言葉とは裏腹に優しく微笑んだエルメは、
ドライゼが背負ってきた兵士の方を指し示す。
兵士2 | う、うぅ……。 ドライゼ……特別、司令官……っ。 |
---|
アウトレイジャーに撃たれた足からの出血は
いまだ完全には止まっておらず、
地面に血だまりを作り、顔色は蒼白だ。
ドライゼ | うっ、ぐぅ……! |
---|---|
ドライゼ | 違う……この作戦は……俺は……っ! 部下を……こんな目に、あわせるつもりは……! |
エルメ | そもそも、可笑しな話だよね。 絶対高貴になれず、マスターすら助けられない君が、 ドイツの未来を背負うなんて。 |
エルメ | その上、司令官として作戦を成功に導くこともできない君は、 なんて中途半端な存在なんだろうね。 |
エルメ | まるで……貴銃士のなりそこないみたいだ。 |
ドライゼ | 違う……俺、ハ……! |
ライク・ツー | ……おい、ドライゼ!? |
ドライゼ | う、ウ……ガァァアッ──……! |
兵士3 | ド、ドライゼ特別司令官……!? |
主人公 | 【アウトレイジャーになりかけてる!?】 【全員離れて!!】 |
ドライゼ | グ、ア、アァァァ……! |
ダンロー | う……っ、ぐ、ぅ、ぁあああ……! |
ダンローの薔薇の傷は、ドライゼが
アウトレイジャー化したことによって一気に悪化し、
首筋までその蔦を伸ばしていく。
ドライゼ | エルメ……貴様……! 俺を、愚弄……スルナ……! |
---|---|
ドライゼ | アァァ……!!! |
ドライゼは銃を手に取ると、
即座にエルメに向けて発砲した。
エルメ | おや。そうなった君は、ちゃんと“撃てる”んだね。 今の、結構危なかったよ。 |
---|---|
ライク・ツー | 悠長なこと言ってないで下がれ! 銃が壊れれば、貴銃士だって死ぬんだぞ! |
ライク・ツーとともにドライゼから距離を取り、
〇〇はダンローのもとへ駆け寄った。
ダンロー | あ、あぁ……〇〇……。 大丈夫だ……私、が……こと切れれ、ば…… 彼もきっと、銃に、戻る……っ。 |
---|---|
ダンロー | 気にせず、君は……安全な場所へ……っ。 ……くっ、う……! |
ライク・ツー | 傷が……! このままだと手遅れになるぞ! |
主人公 | 【ドライゼ特別司令官を止めないと!】 |
ライク・ツー | まだ士官学校からの応援が来ない以上、 そうするしかねぇな……! |
ライク・ツー | けど、ああなっちまったドライゼを止めるには、 もう……壊すしかないんじゃないのか? |
ライク・ツー | ドイツ支部の奴らにとっては、酷かもしれねぇけど…… 背に腹は代えられねぇ……! |
ゴースト | …………。 |
兵士5 | お、おい……。何が起きてるんだ……? あれは……ドライゼ特別司令官、なのか……? |
兵士6 | でも、あの姿は……アウトレイジャーじゃないか……! |
兵士7 | ど、どうすればいいんだよ……! |
兵士4 | 我々は、ドライゼ司令官を 討伐しないといけないのか……!? |
シュトゥットガルトの拠点に残っていた兵士たちが、
騒ぎを聞きつけて集まってくる。
豹変したドライゼの姿を見て、兵士たちの間に動揺が広がった。
ドライゼ | ウゥ、オォォォォ……! |
---|---|
兵士たち | うわぁぁあっ!? |
咆哮したドライゼが、空へ向けて発砲する。
ライク・ツー | このままじゃまずい……! いくぞ、〇〇! |
---|
エルメ | どうしたのかな。 君の力は、そんなものじゃないと思うんだけど。 |
---|---|
ライク・ツー | おい、煽ってんじゃねぇよクソが! |
ドライゼ | ウ、ウウ……ッ、俺ハ、獣、に、ハ……! |
主人公 | 【……様子がおかしい】 【何か言ってる……?】 |
エルメ | ……? |
何事かをブツブツと呟いたドライゼは、
歯を食いしばり、構えを解いて、腕を広げる。
ライク・ツー | 攻撃が止んだ……。 あいつ……何してるんだ……? |
---|---|
ドライゼ | グ、ウゥゥゥ……ッ! |
兵士1 | ドライゼ特別司令官……? |
兵士3 | あれでは、まるで……。 |
一切の攻撃を止め、銃から手を離し、
さあ来いというように腕を広げるドライゼ。
片方の目は狂気に呑まれているが、
もう片方の目には理性の光が戻っている。
ドライゼ | 撃テ……俺、を……! |
---|---|
エルメ&ゴースト | ……ッ! |
エルメ | アウトレイジャーに堕ちてもなお…… 君には理性が残っているっていうのか……。 |
兵士4 | ドライゼ特別司令官……! しかし、そんな……! |
兵士1 | 司令官を撃つなんて、そんなこと…… 俺たちにはできませんッ! |
兵士3 | でも、ドライゼ特別司令官が力を振り絞って、 俺たちに撃てと伝えてるんだ……! |
兵士5 | ドライゼ特別司令官はきっと、 ご自分が自我を保っていられるうちに、 俺たちが止めることを望んでいる……!! |
兵士たちの意見がわかれる中、
〇〇はゆっくりと、
ドライゼへ近づき始めた。
ライク・ツー | おい、馬鹿! 何してんだ! |
---|---|
主人公 | 【必ずしも、彼を壊す必要はない】 【動きを封じて、みんなの到着を待つ】 |
ライク・ツー | ……待て! 俺が行く! |
ライク・ツーが一歩一歩、慎重にドライゼに近づく。
その様子を、全員が固唾を呑んで見守った。
そして──。
ライク・ツー | ……よし、今だ! 捕縛しろ! |
---|---|
兵士たち | は、はいっ! |
ゴースト | 信じられへん……。 |
兵士5 | ドライゼ特別司令官がアウトレイジャーになったことが まず信じがたいが…… その後はもっと信じがたい……。 |
兵士5 | アウトレイジャーというのは、理性も知性もなく、 取り憑かれたように殺戮を繰り返す 存在ではなかったのか……? |
兵士6 | ああ……。何が起きたのかわからんが、 あんなこと、ドライゼ特別司令官じゃなきゃ あり得ない奇跡だ……。 |
兵士6 | 問題は、完全に正気に戻ってくださるかだが……。 |
兵士たち | 拘束が完了しました! |
---|---|
エルメ | ……やれやれ。 ドライゼには驚かされたよ……。 |
ダンロー | ああ、よかっ、た……。 |
主人公 | 【ダンローおじさん!?】 【ユリシーズ少佐!】 |
ライク・ツー | 大丈夫だ。息はある。 気を失っただけだろ。 |
ライク・ツー | あとは、一刻も早く あいつらが来てくれりゃいい── |
マークス | マスター! 無事かーーっ!!?? |
ライク・ツー | 噂をすれば、だな。 |
ジョージ | 悪い、途中でアウトレイジャーに襲われて 遅くなっちまった! |
十手 | ところで……お縄についているのは 貴銃士のようだが……どうしたんだ? |
マークス | ん……? アウトレイジャーになりかけてないか? |
ライク・ツー | 詳しい話はあとだ。 |
主人公 | 【絶対高貴の力を貸してほしい!】 |
ジョージ | おう、任せとけ! 〇〇、手を貸してくれ! |
主人公 | 【自分じゃなくて……!】 【ユリシーズ少佐をお願い!】 |
ライク・ツー | こっちだ。 |
ダンロー | …………。 |
ジョージ | うわっ、ひっでぇ傷だな……! 任せろ、すぐ治すからな! |
ジョージ | 絶対高貴──! |
兵士1 | なんだ、あの光は……!? |
兵士3 | これが、絶対高貴……! なんという、あたたかい光なんだ……。 |
ジョージ | ……で、どこまで治すんだ? |
主人公 | 【……全部】 |
ライク・ツー | ドライゼが、アウトレイジャーになりかけてる。 一度銃に戻さないと、どうにもならないだろう。 |
ジョージ | なるほどな、了解! |
ジョージの絶対高貴により、
ユリシーズの薔薇の傷が消えていく。
貴銃士を呼び覚ました力の根源である傷が薄まり、
ドライゼとエルメもまた、
その姿を失おうとしていた。
ドライゼ | う、うぅ……。 |
---|---|
ドライゼ | エル……メ、あとは、任せ、た……。 |
エルメ | ……! |
エルメ | まったく……ドライゼには敵わないな……。 |
??? | …………。 |
絶対高貴のまばゆい光が収束し、
意識を失ったままのユリシーズが、
医務室へと運ばれていく。
〇〇や貴銃士たちが
事後処理に奔走する中、
闇の中から1つの人影が現れた。
その影は、ユリシーズが横たわっていたあたりの地面に
落ちている透明な結晶を拾い、
誰にも気づかれずに去っていったのだった──。
ダンロー | うっ……わ、私は……? |
---|---|
ジョージ | おっと、急に動かない方がいいぜ。 傷は消えたけど、 身体にはダメージが残ってるからさ。 |
ダンロー | 傷が、消えた……? ……っ、本当だ、痛みもなくなっている……。 |
ダンロー | ……ッ! そうだ、ドライゼ殿とエルメ殿は……! |
主人公 | 【彼らは銃に戻りました】 【勝手にすみません】 |
ダンロー | そうか……。 |
ダンロー | この状況で貴銃士を2人も 欠かしてしまうことになるとは……。 |
マークス | マスターのことを責めるなよ、おっさん。 ドライゼって奴がああなった以上、 薔薇の傷を消して銃に戻すか、破壊するかの2択だ。 |
マークス | ドイツにとって大事な奴なら、 壊すよりはずっといいだろうが。 それに──。 |
主人公 | 【大丈夫です】 【自分でよければ召銃します】 |
ダンロー | なっ……君が!? 悪いことは言わないから、よしなさい。 |
ダンロー | 君は既に複数の貴銃士のマスターになっているのに、 さらに彼らまで……。 |
ダンロー | そんなリスクのあることを、 私は君にしてほしくない。 |
ジョージ | 大丈夫だ! 〇〇の傷は、オレが絶対高貴で治すからな☆ |
マークス | それ以外の危険からは、俺が全力で守る。 |
十手 | 俺も、微力ながら力を尽くすよ。 |
ダンロー | し、しかし……。 |
ライク・ツー | ニュルンベルクの奪還には、あいつらの力が必要だろ。 それに、〇〇は一旦こうと決めたら、 なっかなか譲らない頑固な奴だぞ。 |
ライク・ツー | ずっと手紙のやり取りをしていたお前なら、 それは重々承知してるんじゃないのか? “ダンローおじさん”? |
ダンロー | む……。 |
ユリシーズが不承不承の様子ながらも沈黙すると、
〇〇は、祈りを込めた手で
ドライゼ銃とDG3にそっと触れた。
兵士たち | おお……! |
---|---|
ドライゼ | う……俺は、一体……? |
兵士3 | ドライゼ特別司令官だ……! 元に戻ってらっしゃる! |
ドライゼ | そうか……。 俺は……俺に戻れたのか……。 |
エルメ | そうみたいだね。 おかえり、ドライゼ。 |
ドライゼ | ……貴様っ! よくもぬけぬけと……! |
ライク・ツー | おいおい、今は言い争いしてる場合じゃないだろ。 ま、正直俺も、エルメの野郎を 色々と問い詰めてぇところだが……。 |
ジョージ | あのエルメってヤツ、何したんだ? |
十手 | さてなぁ……? |
マークス | マスターに害がないなら、どうでもいい。 |
ドライゼ | そうだ……我々は、作戦を放棄するわけにはいかない。 |
兵士1 | ドライゼ特別司令官! 斥候によると、我々を退けたことで、 反乱軍は祝勝ムードになっているとのことです。 |
兵士3 | 敵が油断している今こそ、 再度仕掛ける絶好の機会なのではないでしょうか! |
兵士2 | 自分は、怪我で参加できませんが…… ドライゼ特別司令官と、前線を守ってきた同志たちなら 必ずやり遂げてくださると信じています! |
ドライゼ | お前たち……。 |
ドライゼ | …………。 |
ドライゼ | ……行こう。 今度こそ、ニュルンベルクを奪還する。 |
兵士たち | うおぉぉぉぉぉおお!!!! |
──ニュルンベルクへと、急ぎ進軍する。
すると、前方から銃声が聞こえてきた。
誰かがアウトレイジャーと戦っているようだ。
アウトレイジャー | 敵……殺、ス……。 |
---|---|
ジーグブルート | クソがっ! うじゃうじゃ虫みてぇに湧くんじゃねぇよ! |
ライク・ツー | うっそだろ……あいつ、あれからずっと戦ってたのかよ! はぁ……道理で、ジョージが治しても あいつのマスターの傷がすぐ悪化するわけだ……。 |
ジーグブルート | はぁ……はぁ……! いい加減に……ッ! |
アウトレイジャーたち | 死ネ、死ネ──ッ! |
ジーグブルート | まだ……まだだ……くそぉおぉぉぉぉぉ! |
アウトレイジャーが、
ジーグブルートの肉体に致命傷を与える。
彼の身体は光に包まれて、銃を残して消えた。
エルメ | ジグ……! |
---|---|
アウトレイジャー | ……! |
アウトレイジャーの銃口が、
続けてジーグブルートの本体に向く。
銃本体を破壊しようとしているようだ。
ジョージ | やばい、本体を壊されたら……! |
---|---|
ドライゼ | 遅い! |
アウトレイジャーたち | ……グォオォッ! |
ドライゼが放った弾丸が、アウトレイジャーを貫く。
ドライゼは振り返り、兵士に向かって銃を掲げる。
ドライゼ | 俺が進路を開く! お前たちは俺の後に続け! |
---|---|
兵士たち | うおおおおっ! |
猛然と突き進むドライゼに続き、
雄たけびを上げた兵士たちが進軍する。
エルメはドライゼの後ろ姿を見つめ、
そして銃に戻ったジーグブルートを拾い上げた。
エルメ | まったく、君は本当にお馬鹿さんだ。 しばらく謹慎だよ。 |
---|---|
エルメ | さて、俺も最後まで付き合わないとね。 |
反乱軍兵士1 | 襲撃だ! ドイツ軍が来たぞ! |
---|---|
反乱軍兵士2 | 応戦しろ! |
ドライゼ | はぁっ! |
反乱軍兵士たち | ぐぁ……っ! |
マークス | ……あいつ、強いな。 絶対高貴も使えねぇ古銃なのに、敵を吹っ飛ばしてる。 野生の熊みたいだ。 |
十手 | いやぁ、見事なもんだ。 俺も彼みたいに、自分の身体それ自体が武器みたいな、 屈強な貴銃士になりたいよ……! |
ジョージ | えーっと……? 1回撤退したって、本当か? |
ライク・ツー | ま、生まれ変わって 吹っ切れたとかなんじゃないか。 |
エルメ | ドライゼ、序盤から飛ばしすぎるともたないよ? |
ドライゼ | ……ジーグブルートと一緒にするな。 俺はもう、冷静さを欠かすことはない。 |
ドライゼ | 俺はこれまで、己の中に潜む獣を恐れ…… 血を避け、実戦から逃げていた。 |
ドライゼ | だが……それはもう、終わりだ。 |
ドライゼ | 俺は隊を率いるものとして、己を── プロイセンを悲願のドイツ統一へと導いた、 ドライゼ・ニードルガンを手に先陣を切る。 |
ドライゼ | そして、戦い抜く姿勢を自ら示し、 兵たちとともに、新たなドイツのために尽くす。 |
ドライゼ | それが俺のやるべきことだと、 今はっきりと認識している。 |
ドライゼ | ゆえに……俺はもう、恐れない。 ──俺は、揺らがない! |
ドライゼ | ん……? |
エルメ | ドライゼ、それは……! |
ドライゼの身体が、淡い光を帯びる。
その光はだんだんと強まって、
やがて熱く、眩く輝きだした。
ドライゼ | この、身体の奥からこみ上げてくるような力は……。 そうか。これが── |
---|---|
ドライゼ | 絶対高貴──! |
兵士1 | な、なんだあの光は!? |
兵士2 | ドライゼ特別司令官が、絶対高貴に……! |
ドライゼ | 覚悟しろ! ……心銃! |
アウトレイジャーたと | ギャァァアア……ッ!!! |
ドライゼが放った心銃によって、
アウトレイジャーが一気に消滅する。
兵士3 | 英雄の凱旋だ! ドライゼ特別司令官に続け!!! |
---|---|
兵士たち | うおおおおおおおおっ!!! |
兵士たちの声は、大地を揺るがすほどの響きとなる。
その勢いのままに、ドイツ支部の兵士たちは
反乱軍を圧倒し……
ニュルンベルク基地は奪還されたのだった。
兵士1 | 反乱軍の捕縛が完了しました! |
---|---|
ドライゼ | ……ご苦労。 |
ドライゼ | ──総員に告ぐ! ニュルンベルク基地は、我々の元に戻った。 ここに、奪還作戦の成功を宣言する! |
兵士たち | うおぉぉぉおおっ! |
ライク・ツー | はぁ……。ほんっとーに色々あったけど、 これでようやく、士官学校に戻れるな。 |
主人公 | 【ライク・ツー、ありがとう】 【たくさん助けてもらった】 |
マークス | くっ……補習さえなければ……! 俺がマスターと2人きりで、 ドイツに滞在できたのに……! |
兵士たち | ……〇〇殿! 〇〇殿! この度は── |
兵士たち | ありがとうございました!! |
兵士たち | 【……!】 |
兵士1 | あの時、あなたがドライゼ特別司令官に近づいて、 司令官には害意がないことを示してくれました。 |
兵士1 | もしあの時、ドライゼ特別司令官が 破壊されてしまっていたら…… 今日の勝利はなかったと思います。 |
兵士2 | そして、お2人を再び召銃してくださったことも…… 本当に、我々は感謝の気持ちでいっぱいです。 |
兵士3 | ──以上です! 〇〇殿の今後のご活躍をお祈りして! 敬礼ッ!! |
兵士たち | はっ!! |
ジョージ | ……HAHA☆ すっげー気持ちのいいお礼だったな! |
ライク・ツー | 身体張ったかいあったんじゃねえの? よかったな。 |
──数日後、ベルリンにて。
〇〇は、ユリシーズ、ドライゼ、エルメ、
ライク・ツーとともに、ベルリンにある
連合軍ドイツ支部の本拠地へ招集されていた。
中将 | ……入りたまえ。 |
---|---|
主人公 | 【失礼いたします】 |
中将 | 此度の我が軍への応援、誠に感謝する。 〇〇候補生のおかげで、最小限の被害で ニュルンベルク基地を奪還することができた。 |
ダンロー | 中将閣下。 私からも、〇〇候補生へ 謝辞を述べて構わないでしょうか。 |
中将 | ああ、無論だ。 |
ダンロー | 〇〇……。 |
ダンロー | 君を守るつもりが助けられ、 一軍人として情けない限りだが……。 心から礼を言うよ。……ありがとう。 |
主人公 | 【気にしないでください】 【自分が勝手にやったことです】 |
ダンロー | はは……君は本当に、まっすぐで優しい子だ。 だからきっと、貴銃士たちも君に応えて 本来持っている力を最大限に開花できるのだろう。 |
ドライゼ&エルメ | …………。 |
ライク・ツー | あー……。 このムズ痒い会話、そろそろ終わりでいいか? |
ライク・ツー | 俺たちをここに呼んだ本題はなんだ。 中将クラスのお偉いさんが、 ただ礼を言うためだけに面会するとは思えねぇ。 |
ライク・ツー | 大方……ドライゼとエルメの扱いについて、 どうするかを内密に話し合いたかったってとこか。 |
中将 | 察しがいいな、UL85A2── いや、“ライク・ツー”君。 いかにも、君の言う通りだ。 |
中将 | ドライゼ君とエルメ君は、ここドイツ支部にて、 非常に重要な職務についている。 |
中将 | いくら〇〇候補生が、 連合士官学校に属する生徒とはいえ、 我が国の貴銃士を部外者に渡すわけにはいかんのだ。 |
ライク・ツー | じゃあ、どうしろと? マスターを使い潰してきたお前らよりも、 〇〇の方がずっと優秀だと思うが。 |
中将 | …………。 |
中将 | 戦時でやむなしとはいえ、 ドイツ支部におけるマスターの任は、非常に過酷なものだった。 それは認めよう。 |
中将 | しかし、そうしてでも、 貴銃士の存在は軍にとって欠かせないものなのだ。 |
エルメ | ……中将閣下。 前置きは十分です。本題をどうぞ。 |
エルメ | 僕の予想が正しければ…… 僕たち2人は引き続きドイツ支部の役職に残り、 ミュンヘン奪還まで務めるように、かな。 |
中将 | ……その通りだ。 |
中将 | 我が国には、いまだ鎮圧できていない内乱が複数あり、 混乱の中にある。 |
中将 | 兵士の心の支えである君たち2人がいなくなれば、 軍の士気が低迷しかねん。 |
中将 | ゆえに、2人は引き続き我が国にとどまり、 現在の職務を続ける必要があると考えている。 |
主人公 | 【それで問題ありません】 【必ずしも、士官学校へ来る必要はないかと】 |
ドライゼ | む……? |
ライク・ツー | どういうことだ。 |
主人公 | 【許可を得る前に召銃したこちらにも非がある】 |
主人公 | 【それに、ドイツには2人がいた方がいい】 |
ドライゼ | ……俺自身も、ドイツ支部に残留したいと思っている。 まだ、ミュンヘンをはじめとして、 反乱軍の手に落ちている地域もあるからな。 |
エルメ | ただ……君の貴銃士になった以上、 君が俺たちの力を必要とするなら、助けに行くよ。 |
ドライゼ | ああ。あなたからの要請があり、 戦況が許すならば、すぐに駆けつけよう。 当面、それで構わないだろうか。 |
主人公 | 【そうしましょう】 【それで大丈夫です】 |
中将 | うむ。では、ドライゼ特別司令官、 エルメ特別司令官補佐の両名は、 引き続きドイツ支部所属とする。 |
中将 | ただし、マスターは〇〇候補生である。 ゆえに、要請があった場合は、状況が許す場合 速やかに現地へ赴くこととする。以上だ。 |
中将 | ……〇〇君。 今日の午後、ドイツを発つそうだね。 |
中将 | 道中、気をつけるように。 |
主人公 | 【Jawhol!】 |
中将 | はは、いい返事だ。 |
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