アメリカ編:第16話~第20話

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第16話:再会

───アメリカ支部から破壊予定の3挺を奪還した3人は、
夜明けが近づく頃、森の中にある小屋へ到着し身を潜めた。

ジョージ……ふぅ。ここまでは順調だな!
主人公【マークスたちは大丈夫かな】
→ジョージ「マークスなら……大丈夫だって!
〇〇の相棒なんだから、信じてやろうぜ☆」

【囮役の3人のおかげだ】

→マイケル「ああ……。
彼らも無事だといいんだが。」
マイケル〇〇、ジョージ、マークス。
恭遠審議官に、ラッセル曹長……。
マイケル危険な賭けに手を貸してくれたキミたちに、
俺は、なんとお礼を言ったらいいのか……!
ジョージHAHAHA☆ そんなこと気にすんなって!
あいつらを助けたいって思いは、オレたちだって同じなんだから!
主人公【彼らは危険ではないと、証明しましょう】
【破壊命令を、どうにか覆しましょう】
マイケル……ああ、必ず!

それぞれが抱えていた3挺の銃を、
包んでいた布から出してテーブルに並べる。

マイケル……うん、本体に問題はなさそうだ。
念のため、キミたちも確認してくれるかい?
ジョージおう!
銃のことならオレと〇〇に任せとけ!

〇〇とジョージは、
3挺の銃をじっくりと検分した。

ペンシルヴァニアとケンタッキーは、
大切に使われたことが窺える、手入れの行き届いた銃だ。

ジョージペンシルヴァニアもケンタッキーも、問題ナシだな!
機構部もばっちり☆
ま、ケンタッキーがあんなスゲー狙撃してたし当然か!
ジョージスプリングフィールドの方も、肝心の機構部は問題ないけど……。
この傷は……。

スプリングフィールドの銃には、銃床を中心に、
大小さまざまな切り傷のような痕が刻まれている。

ナイフの先で幾度も切りつけたような作為性があり、
戦いの中で付いたと考えるには不自然なものだった。

ジョージ前のマスターがやったのか……?
……でも……。
マイケルペンシルヴァニアがスプリングフィールドを持ってきた時には、
既にその傷は刻まれていたよ……。
彼は、傷について話そうとはしなかった。
マイケルこの傷は……彼がアウトレイジャー化したことと、
何か関係がありそうかい?
ジョージいや……たぶん、これは関係ないと思うぜ。
銃の機能には問題ない部分だし。
それに……見た感じ、もっと昔の───古い傷だ。
マイケルそうか……。
なぜ彼らがアウトレイジャーになってしまったのか、
結局のところはわからないままだ。
マイケルもしかしたら、二の舞になって
同じ苦しみを味あわせてしまうことになるかもしれない。
マイケルだが……俺は、彼らを信じたい。
……人の勝手で呼び覚まして、
絶対高貴になれと迫るのは、二重に勝手で心苦しいが。
マイケル彼らを危険因子だとして破壊されるよりは……
彼らの可能性に賭けたい……!
ジョージ……オレも同じ気持ちだぜ、マイケル!
主人公【自分もです】
マイケル〇〇。
ペンシルヴァニアとケンタッキー、そしてスプリングフィールドを
どうか……よろしく頼む。

マイケルの手に刻まれていた傷は、
ジョージの力によって完治している。

そのため、3挺の奪還に成功した際は、
〇〇が再召銃をすることを、
あらかじめマイケルと話し合って決めていた。

主人公【……はい!】
【3挺を召銃します】

ペンシルヴァニア、ケンタッキー、スプリングフィールドへ、
〇〇は祈りを込めた手で触れていく。

ペンシルヴァニア……ん……?
ケンタッキーここは……?
スプリングフィールドう……、あれ……。
ジョージよかった! 全員元に戻ってるな!
ペンシルヴァニア元に……?
ん……、この感覚……。
ケンタッキーあれ……マスターが、変わってる……?
マイケルわかるかい?
俺にはもう、マスターとしての力がない。
それに……キミたちを、絶対高貴に導けなかった。
マイケルだから……〇〇に、
キミたち3人を託すことにしたんだ。
スプリングフィールド……そう、ですか。
よろしくお願いします、マスター。
主人公【こちらこそ】
【よろしくね】
ケンタッキーは……? ちょ、お前、あっさり過ぎんだろ!
つーか、何があったのかわかんねぇんだけど……。
ケンタッキー俺は確か、いつも通りに仕事してて……。
それから……あ、れ……?
なんか、記憶が飛んでる……?
ケンタッキーいや……でも、断片的に覚えてる……。
急にめまいがして、自分がコントロールできなくなって……。
俺……、嘘、だろ……。
ペンシルヴァニア……俺も、思い出してきた。
俺たちは、あの公園で……
何か、恐ろしいものに飲み込まれて───。
ジョージああ……。
おまえらは、アウトレイジャーになったんだ。
ケンタッキーなんで、俺たちが……!?
つーか、ここはどこなんだ? 何があったんだよ……!?
主人公【これまでのことを説明する】
【少し長い話になるけど、聞いてほしい】
ペンシルヴァニア〇〇───いや、“マスター”。
教えてくれ。
俺たちに、何があったのかを……!

第17話:再出発

〇〇とマイケル、ジョージは、
貴銃士として再び目覚めたばかりの3挺に、
これまでの経緯を話した。

ペンシルヴァニアとスプリングフィールドは、
マイケルや市民を守ろうとしてアウトレイジャーと戦った直後、
自らもアウトレイジャーと化したこと。

ほぼ同時刻に、職務中だったケンタッキーもまた、
アウトレイジャー化して暴走したらしいこと。

そして───そんな3挺を危険視したアメリカ政府によって、
破壊命令が下されたため、〇〇たちが3挺を奪取し、
逃亡中の身の上であること……。

ケンタッキー……ぜんッぜん、なにひとつ、理解できねぇ……!
なんで俺が……大統領も……!
ペンシルヴァニア……俺たちのために……。
皆に、危ない橋を渡らせてすまない。
主人公【謝らないでほしい】
【勝手にやったことだから気にしないで】
ペンシルヴァニア…………。
ペンシルヴァニアだが……俺は、俺には……。
もう、わからないんだ。
ペンシルヴァニア絶対高貴を求めて旅立ち、大地を自由に歩き……
毎日様々な人と出会い、語り合い───
アメリカという国のスピリットを十分に掴んだつもりだ。
ペンシルヴァニアなのに、絶対高貴になれないばかりか、狂気に飲み込まれた……。
俺はケンタッキーの言う通り、ただのろくでなしだったんだ……。
マイケルペンシルヴァニア……。
ケンタッキー……俺はこいつと違って真面目で根性あるっスけど……。
正直……俺もちょっと……。
ケンタッキー〇〇さんには、わざわざ召銃してもらって
ほんと申し訳ねぇんすけど……。
ケンタッキーあんなに頑張ってても、絶対高貴には及ばなかったんです。
同じことが繰り返されたら、って思うと、
次こそまた、ってテンションになれなくて……。
ジョージそんなことないって! 2人なら、絶対なれる!
なぁ、元気出してくれよ……2人とも……!
スプリングフィールド…………。

その時───スプリングフィールドが立ち上がり、
自らの銃を手に取って〇〇に渡した。

主人公【……スプリングフィールド?】
スプリングフィールド僕は、現代銃で……。
二度も、アウトレイジャーになって、います……。
スプリングフィールドこの先、新しいマスターにもおそらく……危害を加えます。
今のうちに、破壊……してください。
全員……!!!
主人公【破壊なんて絶対しない!】
【スプリングフィールドが悪いんじゃない!】
スプリングフィールド……でも、僕は、あなたのために役立てるとは、思えません。
だから、あなたにとって、僕は不要だと……。

〇〇は、
スプリングフィールドへゆっくりと話しかけた。

スプリングフィールドは、これまで多くのつらい体験をして、
目に見えない傷をたくさん負っているのだろう。

痛くて苦しくて、心を閉ざしてしまうのもわかる。
世界にはつらくて悲しいことが多いから、
心が疲れてしまって、何もかも嫌になるのも……よくわかる。

だけど……そんな真っ暗闇にも、温かな光が差すこともある。
せっかく貴銃士として目覚めてくれたのに、
人のわがままによって、つらい思いだけを胸に銃に戻したくない。

これも、〇〇のわがままかもしれないけれど……
心の傷を少しずつ治して、喜びや楽しさも味わってほしい。
心から笑える日が来るまで、みんなで支えたい───と。

ペンシルヴァニア〇〇……。
俺と同じ気持ちを持ってくれていたんだな……。
スプリングフィールド……マスター……。
ジョージ大丈夫だ。〇〇を信じてくれ!
〇〇が召銃した貴銃士は、
古銃も現代銃も、一度もアウトレイジャー化してないんだ。
ジョージそれに……一度アウトレイジャー化した貴銃士も、
〇〇は絶対高貴に導いたんだぜ!
ケンタッキー&ペンシルヴァニア…………。

〇〇はケンタッキー、ペンシルヴァニア、
スプリングフィールドそれぞれの目をしっかりと見つめる。

主人公【自分のことを、信じてほしい】
主人公【2人は絶対高貴になれる!】
【3人はもう、アウトレイジャーにはならない!】
ケンタッキー……俺は───。

その時、スプリングフィールドが
ふと顔を上げ、警戒するように周囲に視線を走らせる。

スプリングフィールド……何かの、気配があります。
ジョージおっ、マークスたちじゃないか?
主人公【……様子がおかしい】
【マークスなら、声がするはず】
ジョージ……っ、確かに!
マークスなら、「マスター 、どこだー!」って言って
勢いよく駆け込んでくるよ な……。

小屋の中に緊張が満ち、貴銃士たちが銃を構える。

ジョージ〇〇……オレが様子を見る。

ジョージがそっと、慎重にドアを開けると───。

アウトレイジャー殺、ス……。
ジョージうわっ!?
ペンシルヴァニアアウトレイジャーだ……!

第18話:「信じる」

アウトレイジャー破壊、スル……。
スプリングフィールド敵……戦闘、開始します。
ジョージおい、スプリング!?
スプリングフィールド───絶対非道……!

スプリングフィールドが力を使うごとに、
〇〇の薔薇の傷が、じわじわとその蔦を伸ばす。
傷口から滲んだ血が、地面にポタポタと滴った。

ケンタッキー……っ、マスター!?
その傷……なんで、いきなり広がって……!?
ジョージスプリング! オレと交代だ!
〇〇の薔薇の傷が悪化してるっ!
スプリングフィールド薔薇の……傷……?

???くそっ……この、疫病神が……!
???てめぇが来てから……
こんな、わけのわからねぇ傷がどんどん広がって……!
なぁ! てめぇのせいなんだろ!?
???この傷はお前の存在が……
いや、お前が俺の寝ている間に付けたんだ……!
ぐっ、がはっ……! なぁ、そうなんだろ!?

アウトレイジャーアァァ……殺、ス……!!
スプリングフィールドアウトレイジャー……!
マイケルまさか、こんな街中に出現するなんて……!
俺は、周囲の人たちを避難させる。
……スプリングフィールド、頼めるか?
スプリングフィールドはい……ご命令で、あれば……。
スプリングフィールド絶対非道……!
アウトレイジャーグァァ……。
マイケル……くっ……!
ペンシルヴァニア……マスター……?
スプリングフィールド……心銃!
アウトレイジャーギャァァア……!
マイケル……っ、ううっ……!
ペンシルヴァニアおい、大丈夫───
……くっ、なんだ、この眩暈……。
スプリングフィールドう、グ、ァ、ァアア……!

スプリングフィールド……!!
スプリングフィールド(そうだ、あの時も……僕が絶対非道になったから……
マスターが苦しみだして……!)
スプリングフィールド(僕が絶対非道になったせいで……みんな……)
ジョージスプリング、危ないっ!!
アウトレイジャーウゥ……破壊、スル……。
スプリングフィールド……っ!
ジョージぐ、っ……。
ペンシルヴァニアジョージ!!!

スプリングフィールドを庇ったジョージへと、
アウトレイジャーの攻撃が直撃する。

レッドコートが見る間に暗赤色に染まり、
倒れたジョージの顔色は、血の気を失い真っ青になっていく。

ケンタッキーおい、ジョージ!
くそっ、しっかりしろ! 死ぬんじゃねぇ!
スプリングフィールドあ……、う、そ……僕の、せいで……!
あ、あああ……!
主人公【ジョージ!】
【すぐに治療する!】

〇〇はジョージへ駆け寄り、傷の治療を始めた。
絶対非道で広がっていた傷が、力を使ったことでさらに悪化し、
茨のような傷が腕をじわじわと這い上がっていく。

ペンシルヴァニア……っ、マスター……!
このままじゃ、傷が悪化してあんたが死んでしまう……!
アウトレイジャーウ、ウゥゥ……!
ケンタッキー……チッ、しつけぇんだよクソが!
アウトレイジャー……グッ、……殺、ス……!
ケンタッキーはっ!? なんで効かねぇんだよ……!

ケンタッキーが放った弾は、確かに当たったように見えた。
しかし、アウトレイジャーは平然と歩み続ける。

ペンシルヴァニア無駄だ!
そいつらには通常の銃弾がほとんど効かない。
絶対高貴か、絶対非道でないと……!
ケンタッキーんなこと言ったって……!
ジョージは動けねぇし、スプリングフィールドが絶対非道を使えば
マスターが耐えらんねぇ!
ケンタッキー俺が……俺たちが、なんとかしねぇと……!
でも、どうやったら絶対高貴になれんだよ……ッ!
主人公【2人ならできる!】
【自分自身を、信じて……!】
ケンタッキー……!
ケンタッキー(〇〇さんとは、つい先日会ったばっかだけど……。
破壊されそうになった俺たちを、危険も顧みずかばってくれた)
ケンタッキー(スプリングフィールドへの言葉も、マジのマジの本気で……。
今、俺のことも、心から信じてくれてるって、
目を見りゃ一発でビビッとくるくらいにわかる……!)
ケンタッキー〇〇さんは───
いや、“マスター”は、俺に命預けてくれてんだ。
それに応えねぇなんて……アメリカのスナイパーじゃねぇ!
ケンタッキー……俺、信じてみます。
〇〇さんを! そんで、俺自身も!
ペンシルヴァニア……そうだ。俺たちのことを信じてくれた……
〇〇、マイケル、ジョージ……
そして、アメリカのみんなのために。
ペンシルヴァニア俺たちは、絶対高貴になるんだ!
なぁ、ケンタッキー?
ケンタッキーハッ、お前がその気なら俺だって負けねぇぞ!
───マスターたちの想いに、応えようぜっ!

2人が力強く頷き合ったその時───
彼らの身体が、淡く光を帯び始める。

ペンシルヴァニアなんだ……この力は……。
ケンタッキーもしかして、これが……?
アウトレイジャー破壊……スル……。
ペンシルヴァニア&ケンタッキー───絶対高貴!
ペンシルヴァニアもう誰も……傷つけさせはしない。
愛する仲間こそ……俺の魂だ!
ケンタッキー俺たちの一撃、喰らいやがれっ!
───心銃!
アウトレイジャーグァアアア……!!
マイケルAmazing……すごいぞ、2人とも……!
あっという間にアウトレイジャーを倒すなんて……!
ペンシルヴァニア俺たち……絶対高貴に、なれたんだな……。
ケンタッキー俺の方が先だったけどな!
っつーか、ぼーっとしてる場合じゃねぇよ。
マスターとジョージを早く助けねぇと……!
ペンシルヴァニアマスターの傷を……
絶対高貴で、回復させればいいんだな?
主人公【お願い!】
【そうしたら、ジョージを治療できる!】
ペンシルヴァニアわかった。任せてくれ。
ペンシルヴァニア……絶対高貴。

絶対高貴の暖かな光が、〇〇を包む。
蔦を伸ばしていた傷は徐々に癒され、
薔薇の花のような形へと戻っていった。

主人公【ありがとう、ペンシルヴァニア】

続いて〇〇が、
アウトレイジャーの攻撃で重傷を負ったジョージを癒す。

ジョージん……? あ……〇〇……。
ありがとな、助けてくれて……。
ケンタッキー ジョージ、お前……心配させんじゃねーぞ!
ジョージHAHA……ごめんごめん!
スプリングフィールド…………、よか、った……。
スプリングフィールド(僕だけ……ただ、傷つけるだけだった。
ジョージさんに、守ってもらって……。
絶対非道で、マスターを傷つけて……)
スプリングフィールド(ペンシルヴァニアさんの力は、あんなに温かいのに。
ケンタッキーさんの力は、明るくて、眩しいのに……)
スプリングフィールド(……僕、は……)

 

第19話:悪魔の証明

ケンタッキー改めて……。
ケンタッキー自分、ケンタッキーっす!
ふつ……ふつつか者ですが、よろしくお願いしまっす!!
マスターッ!!
ペンシルヴァニア……よろしく頼む、〇〇。
主人公【こちらこそ!】
ケンタッキーてめっ……前から言おうと思ってたけど、
マスターのことを名前で呼び捨てにすんじゃねぇよ!!
馴れ馴れしいんだよボケ!!
ペンシルヴァニアん? そうか?
主人公【どっちでもいいと思う】
【呼びやすい方でいいよ】
ケンタッキーえっ……いや! 自分はマスターと呼ばせていただきます!
……スッ!!
ジョージさっきまで〇〇のこと、名前で呼んでたのになー。
おかしなヤツ! HAHA!
マイケルキミたちの絶対高貴、本当に眩しかった。
……おめでとう! 心から、祝福するよ。
ペンシルヴァニア……これまで俺の夢を共に追ってくれて、ありがとう。
これからはあんたの夢を、追いかけてくれ。……自由に、な。
ケンタッキーマスター……いや、マイケルさん。
ペンシルヴァニアと一緒にいなくなった時は、
ぶっちゃけ「マジかよ」ってぶちのめされましたけど……。
マイケルうっ……Sorry……!
ケンタッキー俺らのこと信じて、無茶して、まっすぐ突っ走る、
すっげー眩しいマスターでした。
一緒に過ごせた日々、楽しかったっス。今まで、あざっした!
マイケルああ。こちらこそありがとう。
俺はキミたちのことを、これからもずっと応援してるぞ!
Wish you the best!
ジョージじゃあ、さっそく大統領のとこに戻ろうぜ!
2人が絶対高貴に目覚めたってことは、破壊命令も取り消しだろ?
ケンタッキーそうだな!
俺とペンシルヴァニアでスターズハウスに乗り込んで、
ババーン! と絶対高貴を披露してやるぜっ!
マイケルちょ、ちょっと待つんだ。
それだと、スプリングフィールドが……。
ペンシルヴァニア……ん?
スプリングフィールドに、何か不都合が?
スプリングフィールド…………。
主人公【……わからない】
【アメリカ政府の出方が読めない】
ジョージ&ケンタッキーえっ……。
マイケル酷なことだが……リスクについての認識は、
共有しておくべきだと俺は思う。
だから、最悪のケースについて話をさせてくれ。
マイケルアメリカ政府の視点で把握している、
スプリングフィールドについての事実はこうだ。
マイケル“旅の途中でマイケルとペンシルヴァニアが拾った現代銃。
来歴は不詳。絶対非道で敵を撃破する力を持つ。
そして……二度、アウトレイジャーになった”。
ケンタッキースプリングフィールドが、
この先またアウトレイジャーになることはないって
証明すんのが難しい、ってことか……。
マイケルはぁ……スプリングフィールドと出会った経緯を
馬鹿正直に報告するんじゃなかったと後悔しているよ。
あの時、A1795の一件を知っていたら……。
ペンシルヴァニア……銃の種類としては全く別物だが、
A1795がアウトレイジャー化して破壊されているというのも……
不利に働くかもしれない、か。
マイケルそういうことだ。
……すまない、スプリングフィールド。
こんな話を聞かせてしまって。
スプリングフィールドいえ……。
すべて事実……ですから。
ジョージマークスとかライク・ツーだって、
現代銃で絶対高貴は使えねぇけど、
アウトレイジャーになったことなんてないぞ?
ジョージでも、絶対ならない! って証明するには、
スプリングが壊されないように気を付けながら、長い時間をかけて
「ほら大丈夫だろ!」って見せるしかない、のか……?
マイケル問題は……政府がそれを許すか、だな。
聞く耳を持たずに破壊されそうになるなら。
再び……今度は、終わりが見えない逃亡生活が始まることになる。
全員…………。
マイケル1つの案として、俺とスプリングはここに残り、
君たちだけでD.C.に戻って話を付けるという手もある。
マイケルもし決裂した場合は……
俺と2人で、山でテント暮らしでもするかい? スプリング。
スプリングフィールドマイケル、さん……。
主人公【ですが……】
【それでは、マイケルさんが……】
マイケル〇〇は、たくさんの貴銃士を束ねる、
将来有望な年若い士官候補生だ。
逃亡生活なんてexcitingな経験するには、まだ早いね。

マイケルは明るく振る舞うが、
アメリカ政府が本気で手配をかけるなら、
どこまで逃げられるかわからない上、大きな危険を伴う。

ケンタッキー何か……手はないのか……?
スプリングフィールド…………。
スプリングフィールドごめん、なさい……。
僕がいると、みなさんを、危険に───。
主人公【そんなことはない!】
【大丈夫、なんとかしてみせる】
スプリングフィールドで、でも……。
ペンシルヴァニア大丈夫さ、スプリングフィールド。
お前は何も心配せずに、俺たちに任せればいい。
そして……やりたいこと、楽しそうなことを見つけてくれ。
スプリングフィールド……? どういうこと、でしょうか……?
ジョージそんなに難しく考えなくていいんだぜ?
自由に楽しんどけ☆ってことだよ!
スプリングフィールド自由……。
ケンタッキーそ!
要するに……自分の心に素直に従って、
やりてぇことを思うままやって、伸び伸びしてりゃいいんだよ。
ペンシルヴァニアああ……やりたいことは、お前次第だ。
何も考えずに、星をぼんやり数えるのもいい。
気が向くまま大地を駆け、寝転ぶのもいい。
ペンシルヴァニアお前なりの、やりたいことと……自由を見つけてほしいんだ。
スプリングフィールド僕の、やりたいこと……自、由……。
スプリングフィールドわか、りません……。僕には……。
ケンタッキー……ま、この状況でんなこと言われても困るよな。
緊張続きでくたびれたし……ふぁ〜!
ケンタッキーマスター!
俺、ちょっと水を汲んできていいっすか!?
冷たい水でも飲んでリフレッシュしましょう!
ペンシルヴァニア……そうだな、俺も付き合おう。
この人数分の水を1人で運ぶのは大変だろう。
ケンタッキーああ……って、俺1人で行けるっつーの!
ペンシルヴァニアそう言うな。
2人で探した方が、水源も早く見つかるぞ。
ケンタッキー……か、勝手にしろ。
ジョージオレも、さっきの怪我で服に汚れがさ……。
早く洗っときたいな。
よーし、オレも一緒に行くぜ☆
ケンタッキーえ、お前そういうの気にするタチなの?
破れても気づかねーと思ってたぜ。
ジョージあ! オレずっと思ってたんだけど、
ケンタッキーの服破れてるぞ? 腰のところ。
ケンタッキーこれはファッションだっつーの!!!

3人が賑やかに小屋を出て行ったあと、
マイケルも伸びをしながら扉へ向かって歩き始める。

マイケルふぅ……俺は、少し外の空気を吸って、
ストレッチをしてくるよ。
主人公【わかりました】

小屋の中には、〇〇と
スプリングフィールドだけになる。

スプリングフィールド…………。
スプリングフィールドマスター……すみません、僕……。
何も、できなくて……。
主人公【いいんだよ】
【少しずつ進んでいけたらいい】
スプリングフィールド……、……。
スプリングフィールドあの……僕、も……少し、出てきます。
主人公【わかった】
【気を付けて】
スプリングフィールドはい……。

ケンタッキーマスター! ケンタッキー、ただいま戻りましたっ!
水もバッチリっす!
ジョージふう! さっぱりしたー!
汚れ落とせてすっきりしたぜ。
ペンシルヴァニア井戸が枯れていなくて……助かったな。
マイケルやあ、 3人ともお疲れ様☆
ん……? スプリングフィールドは?
主人公【少し外に出ると……】
【外で見かけませんでしたか?】
マイケルんん……? 俺は見てないな。
小屋を出てきたことにも気づかなかったよ。
ケンタッキー俺たちも見てないっすね。な?
ペンシルヴァニア……ああ。
ジョージその辺の散歩でもしてんのかな?

しかし───それから30分以上が経過しても、
スプリングフィールドは戻ってこない。

ケンタッキーあいつ、まさか……。
自分がいなければ、とか思って、
1人でどっか逃げちまったんじゃ……。
主人公【手分けして探そう!】
ジョージ&ペンシルヴァニアああ!

第20話:一番美味しいものを

スプリングフィールドが戻らないまま数時間───
〇〇たちは全員で手分けして、
森の中の捜索を続けていた。

ペンシルヴァニアスプリングフィールド……!
どこだー! 返事をしろー!
ケンタッキーペンシルヴァニア! いたか?
ペンシルヴァニアいや、こっちにはいない。
そっちはどうだった……?
ケンタッキーいねぇ……どこにも。
足跡は途中の砂地っぽいとこで消えちまってて……。
ペンシルヴァニア風で砂が動いて痕跡を隠した、か……。
ケンタッキーあいつ、どこ行っちまったんだ……?
街の方……は、1人で身を隠す気ならありえねぇよな。
ペンシルヴァニアああ……。
俺たちに迷惑を掛けまいといなくなったのなら、
人目を避けるはずだ。
ペンシルヴァニアとにかく……暗い中でこれ以上の捜索は危険だ。
一度引き返して、皆と情報を共有しよう。
ケンタッキーおう。
もしかしたら、小屋に戻ってるかもしれないしな。

しかし、スプリングフィールドは、やはり戻ってこない。
一同は夜明けを待って捜索を再開することにし、
小屋で夕食と休息をとったのだった。


───次の日の朝。

ケンタッキーかーっ……すび……。
ペンシルヴァニア…………。
ペンシルヴァニア……っ?

わずかな物音にペンシルヴァニアが目を覚ました直後、
小屋の扉がゆっくりと開く。

スプリングフィールド…………。

そこには、土埃にまみれ、
ところどころに傷を負ったスプリングフィールドが立っていた。

ペンシルヴァニアスプリングフィールド!!

ペンシルヴァニアの大声に、眠っていた面々が目を覚ます。

ジョージんがっ……スプリング!?
おまえ、どこ行ってたんだよ! 大丈夫か!?
主人公【スプリングフィールド……!】
【その傷は……!?】
スプリングフィールドご、ごめん、なさい……。
ペンシルヴァニア謝らなくていい。
お前が戻ってきてくれて……何よりだ。
ケンタッキーつーか、なんでそんなボロボロになってんだよ。
まさか……アウトレイジャーと鉢合わせたのか!?
スプリングフィールドいえ……。
主人公【とにかく、治療をしよう】
【傷を見せてほしい】
スプリングフィールドこれ、くらい……。
なんとも、ありません……。
スプリングフィールドそれより……あの……。
これを、マスター、と、
みなさん……に……。

スプリングフィールドは、大事そうに抱えていた包みの中から
リンゴを取り出し、一同に差し出した。

細かな擦り傷や切り傷を負い、
土に汚れたスプリングフィールドに対し、
リンゴだけは傷1つなく綺麗な状態だ。

ペンシルヴァニア&マイケルリンゴ……?
スプリングフィールドは、はい……。
僕が、知っている食べ物の、中で……
これが、1番美味しい……ので。探して、いました。
ジョージえっと……それって、つまり……。
ケンタッキーおま……っ、まさか、そのために、
こんなボロボロになるまで……!?
スプリングフィールド……す、すみま……せん……。
ケンタッキーいや、だから謝んなくていいけど!
つーか、なんで5個なんだ?
1つ落としてきたのか?
スプリングフィールドいいえ……マスターと、マイケルさんと、
ペンシルヴァニアさんと……ケンタッキー、さん……
それから、ジョージさんの分なので……5つ、です。
ケンタッキーは……?
お前、最初から自分の分は考えてなかったのかよ。
なのに、そんなに必死に探して、持ってきたのか……。
スプリングフィールドご、ごめん、なさい……。
ジョージ大丈夫だって☆
みんなでわければOKだからさ!
ジョージっていうか、よくリンゴの木なんか見つけたなぁ!
アメリカの森って、そのへんにリンゴの木が生えてるもんなのか?
ペンシルヴァニアん……こんなに大きくて、甘い匂いがするやつは……
人の手が加わっていないと、実らない……と思う。
ペンシルヴァニアなぁ……スプリングフィールド。
このリンゴは、どうしたんだ?
スプリングフィールドあ、あの……ふもとの、市場から……とって、きました。
マイケルとる……盗る!?
スプリングフィールド大……丈夫……です。
バレて、ません……から……!
マスターや、マイケルさんたちに……迷惑はかけません……!
マイケルOh……
買い物の概念と仕方を教えておくんだった……!
主人公【気持ちはすごく嬉しい】
【みんなのために、頑張ってくれたんだね】
スプリングフィールド僕には……これくらい、しか、できないので……。
主人公【でも、勝手に持ってきたらダメなんだ】
→スプリングフィールド「え……?
ご、ごめん、なさい……。」

ペンシルヴァニア「売り物は……お金を払って、買うものなんだ。
どこから持ってきたのかはわかるか?
俺も一緒に行くから、お金を払って謝ろう。」

【治療が済んだら、一緒に謝りに行こう】

→スプリングフィールド「マスターが、謝る……?
僕の、せいで……ごめんなさい……。」
ケンタッキー買い物の仕方なら俺が教えてやるから、
ちゃんと覚えろよ?
スプリングフィールドは、はい……。
ジョージんで、なんでそんなに傷だらけになっちまったんだ?
お店の人……には、バレてないって言ってたし、
殴られたとかじゃないよな。
スプリングフィールドえ、っと……急いで逃げる途中に、
斜面から滑り落ちて……その……。
ペンシルヴァニア……大きな怪我じゃなくて、よかった。
〇〇……治療を頼む。
主人公【もちろん】
【任せて】

〇〇がスプリングフィールドの傷に手をかざすと、
傷口が淡い光に包まれて、見る間に治癒していく。

スプリングフィールド───っ!
スプリングフィールド(……なに、これ……温かい……。
身体が軽くなるような……不思議な感覚……)
スプリングフィールド(こんなに温かいものを……僕は……。
……僕には……)
スプリングフィールド…………。
ケンタッキー…………。
ケンタッキー(……俺、スプリングフィールドと会ったばっかりの時、
かなりひでぇこと言ったよな……。
なのに、俺の分まで……こんなに、ボロボロになって……)
ケンタッキー……あー、ったく……!

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