ドイツ編Ⅱ:第1話~第5話

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第1話:方針転換

──革命戦争の最中、まだ幼い子供だった頃。
レジスタンス活動をしていた両親が世界帝軍によって処刑され、
〇〇は孤児となってしまった。

そんな〇〇を、金銭的にも精神的にも
支えてくれていた謎の恩人『ダンローおじさん』。

これまで頑なに正体を明かさず、会おうともしなかった彼から
突如『会いたい』と連絡があり、〇〇は
ライク・ツーとともにドイツを訪れた。

そこで、恩人──ダンロー・ユリシーズが
連合軍ドイツ支部の兵士であり、
決死のマスター任務に就いていることが明らかとなる。

〇〇は、彼を助けるために、
親世界帝派との内線が繰り広げられている前線基地に留まり、
ドライゼらドイツの貴銃士たちに協力して作戦に参加。

様々な危機がありながらも、
ドライゼ率いるドイツ支部の前線部隊は、
ニュルンベルク基地奪還に成功したのだった。

〇〇たちがイギリス・フィルクレヴァート士官学校へ
戻ってから一週間後……。


ジーグブルート……っ、ここは……基地か。
おい、俺が銃に戻ってからどれくらい経ってる?
エルメ目が覚めたかい? 言うことを聞けないお馬鹿さん。
最初の発言がそれでいいのかな。
ジーグブルートあ?
エルメまったく……まだ事の重大さがわからないかな。
ジグ、君の行動は度を越しているんだ。
ドライゼジーグブルート、よく聞け。
度重なる規律違反、特に、撤退命令を無視して
単独での戦闘を強行・継続したことは重大な問題だ。
ドライゼそれを鑑みて、貴様を銃のままで1週間謹慎とした。
再び貴銃士として生まれたことに感謝し、
次こそ自らを制し秩序ある行動を取れ。
ジーグブルートああ……!?
戦場で敵をブッ飛ばして何が問題だっつうんだ!
むしろ感謝すべきはてめぇらだろ!?
エルメあのね。君が犯した規律違反はもう20回を越えているんだよ。
君の存在や戦い方は、ドイツ支部のリスクになっているんだ。
それがわからないかな?
エルメ貴銃士だからといって無条件に許されはしないよ。
それに、マスターへの負担も大きすぎる。
ジーグブルートハッ、今回のやつも死んだのか。
ドライゼ……貴様の暴走により、瀕死の状態だった。
今回は〇〇の貴銃士が駆けつけて、
処置が間に合い一命をとりとめたが。
ジーグブルートそれがなんだ。
消耗品の状況なんてどうでもいい。そうだろ。
ドライゼ&エルメ…………。
ドライゼこれまでのドイツ支部は、マスターを含め
兵士の犠牲もある程度許容せざるをえない状況にあった。
ドライゼ親世界帝派の激しい抵抗、
次々と現れる多数のアウトレイジャー……。
ジーグブルートそれから、絶対高貴になれねぇ特別司令官サマ?
ドライゼ…………。
そうだ。確かにそうだった。
ジーグブルートそうだった、って……。まさか。
エルメうん、ドライゼは絶対高貴に目覚めたんだよ。
俺たちの新たなマスター……〇〇のもとでね。
ジーグブルートは……!? 絶対高貴……いや、それだけじゃねぇ。
マスターがあの士官候補生って……
俺が銃に戻ってる間に何があったんだよ!
ドライゼそれについては今詳細を話す必要はなかろう。
重要なのは、これ以上貴様の規律違反を容認できないこと、
今後の戦いの方針が変わるということだ。
ジーグブルート……どういうことだ。
エルメマスターである〇〇の方針に寄せる……
というのもあるけど、これまでとっていた次善策ではなくて、
最善の戦い方にシフトするんだよ。
エルメつまり──マスターを使い潰すことをやむなしとせずに、
極力少ない犠牲での勝利を目指す。
ジーグブルート……は?
なんだよそれ、今更そんな……。
エルメまあ、今までも別に、積極的に使い潰す方針ではなかったけど。
戦力や戦況的に余裕ができたからなおさら、
殉職を「仕方がない」「そういうもの」とは言えないよ。
ドライゼそのことを胸に刻み、
マスターに過度の負荷をかけるような戦い方は慎め。
いいな。
ジーグブルートは……んなこと……
お前ら、これまで散々……!

ドライゼ……何を喚こうと、貴様が貴銃士になったばかりで、
ドイツ支部の新入りであるという事実は変わらん。
文句は成果を出してから言え。

エルメまあ、マスター候補はいくらでもいるみたいだし、
いつどこでどんな死に方をするかわからない、
遺体も回収されるかわからない兵士よりはマシかもね。

ジーグブルート偉そうに言ってるお前らだって……同罪だろうが!
今になって、俺だけ責めるってのかよ……!
エルメ同罪……?
状況的にどうしても限界まで戦わないといけない時を除いて、
俺はマスターを急速に死に至らしめるようなことはしてないのに。
エルメマスターが死ねば、俺たちは銃に戻る。
特別司令官と、特別司令官補佐がまとめて消えたら大変だから、
力の使い所と加減はよく考えていたよ。
ドライゼエルメも俺も、貴様の無茶な戦い方を何度も止めたはずだ。
それを忘れたとは言わせないぞ。
ジーグブルート……っ!

青年私は、君の新しいマスターだ。
青年ジーグブルート、よくやった……!
君は……私の誇りだ!

ジーグブルート……あいつは、死んだのか。
ジーグブルートあいつはまあまあ馬が合うし、
見どころがある奴と思ってたんだが……。
まさか戦場でコロッと死ぬような男だったとはな。
エルメん? ちょっと待って。
ジグ、君……彼が戦いの中で死んだと思ってたの?
エルメいや、だって──彼を殺したのは君でしょ。
エルメ絶対非道の力はどこから湧いていると思ってたんだい?
貴銃士自身の力ももちろんあるけど……
その源は、マスターの生命力だ。
ジーグブルート俺が、あいつを──。
……っ!

ジーグブルート(俺は……俺は、知らなかったんだ……!)
ジーグブルート(くそ……っ、やめろ、考えるな……!)
エルメジグ?
ジーグブルート…………。
戦場だ。俺は戦場に行く……。
ドライゼおい、待て。
勝手な行動は慎めと──……

ジーグブルートはドライゼの言葉を最後まで聞くことなく、
さっさと出て行ってしまった。


──アウトレイジャーがうろついていた廃墟を制圧したあと、
ジーグブルートは1人、屋上に立つ。

あたりには、戦闘により損壊した建物の破片が散らばっていた。
それを拾い上げ、宙に放り投げ──

それが地面に落ちる前に、銃で撃ち抜いた。

ジーグブルートは、無心を保つように──
何度も何度も同じ行為を繰り返す。

ジーグブルート…………。

また1つ破片を投げ、狙いを定めた時──

──パァン!

何者かの弾丸が、ジーグブルートより先にそれを撃ち抜いた。

ジーグブルート誰だ!
???ハハ、怖い顔すんなよ。
???楽しそうな遊びしてるじゃん、俺もやっていい?

第2話:再会

2ヶ月後──。
ドイツ、インゴルシュタット仮設基地にて。

エルメまだ痛むかい? それ……。
ドライゼぐ……多少な。
しかし、まったく……不甲斐ない。
特別司令官たる俺が停滞の原因となるなど……。
エルメあの状況じゃ仕方ないよ。
アウトレイジャーに囲まれた状態から、
1人も欠けずに戻れただけでよしとすべきじゃないかな。

ミュンヘン奪還へ向けて進軍していた、
ドライゼ率いるドイツ支部の前線部隊。

親世界帝派組織と日々激闘が続く中で重傷を負ったドライゼは、
インゴルシュタットの仮設基地にて休養を余儀なくされていた。

ドライゼベッド上で軽い執務ができる程度には回復できたが……
前線に戻るには2週間以上かかりそうだな。
エルメ下手に急がずにじっくり治そう。
いくらドライゼでも、
マスターの治療なしだと完治まで時間がかかるよ。
ドイツ支部兵士……失礼します!
ドライゼ特別司令官にお客人がいらしています!
ドライゼ客……?
そんな予定は聞いていないが。
ドイツ支部兵士約束はしていないとのことで……
あ、皆さん、待ってください!
まだ了承が──……
ジョージHey! ドライゼ、エルメ!
これ、お見舞いのぶどうだぜ☆
エルメえっ?
主人公【お待たせ】
【治療しに来たよ】
ドライゼな……、マスター、あなたがなぜここに!?
救援要請など出していないぞ……!
シャスポーおい、その言い草はなんだ。
〇〇がわざわざ来たっていうのに……!
エルメええと……状況がよくわかっていないんだ。
どうしてここまで来たのか教えてくれる?
主人公【了解】
【もちろん】

〇〇は、
仮設基地に来るまでの経緯を話し始めた。


ラッセル……〇〇君、ちょっといいか。
ラッセルドイツ支部から緊急の連絡が入った。
どうやらドライゼ殿が作戦中に負傷したらしい。
ジョージOh……大丈夫なのか!?
ラッセル詳細は不明だが、全治1ヶ月ほどの重傷だそうだ。
主人公【治療に行きます】
【ドイツ行きの許可をいただけますか?】
ラッセル君ならそう言うだろうと思ったが……
ドライゼ殿からの連絡や協力要請は来ていない。
あくまで、ドイツ支部から情報が共有されただけだ。
ラッセル必要ならば協力要請が来るはずだし、
それがないということは問題ないのかもしれないぞ。
シャスポーねぇ、〇〇。
内戦の前線に近い危険地帯にわざわざ行く必要はないよ。
僕は反対だ。
主人公【でも、ドライゼの怪我の具合が気になる】
【無事かどうかちゃんと見て確かめたい】
ジョージそうだよなぁ。
遠いところで大怪我したって聞いたら、
心配で落ち着いて勉強なんてしてらんないって!
ジョージなあ、護衛でオレも一緒に行くよ!
それならいいだろ? ラッセル!
シャスポーちょ、ちょっと待ってくれ。
それなら、君にだけ任せるわけにはいかないね。
僕も同行するよ!
シャスポー(ジョージはいい奴だけど考えなしで能天気だからな……。
僕がしっかり監督して、〇〇を守らなければ!)
シャスポー(それから、ドライゼの奴……!
怪我して〇〇の手を煩わせるなんて、
ひとこと言ってやらないと!)

その後、士官学校からドイツ支部へ、
〇〇が応援に向かうことについて打診が行われた。

ラッセル待たせたね。君たちのドイツ行きについて確認を取ったよ。
ドイツ支部の中将殿から、君たちを歓迎すると返答があった。
ラッセル〇〇君は先日のドイツ行きで
嫌というほどわかっているだろうが、
ミュンヘン周辺にはまだまだアウトレイジャーが多いそうでね。
ラッセル『貴銃士を伴いドイツに来てくれるのであれば
戦力的にも有り難いが、くれぐれも無理はしないように』……
との言葉もいただいている。
ラッセル今回は要請を受けての任務ではなく、
あくまで善意の協力だ。
絶対に無理はせず、安全第一で行ってきてくれ。
主人公【イエッサー!】
【了解です。ありがとうございます!】

ジョージって感じで、ヘルプに来たんだぜ☆
エルメそう……。
ドライゼふむ……。
ジョージあ……アレ? なんか機嫌悪い?
ドライゼいや……正直なところ、
俺の怪我が原因で進軍が停滞するのは不本意極まりなかったから、
治療をしてもらえるのはとてもありがたい。
シャスポーなんだい。
ありがたいっていう顔じゃないだろう、それは?
ドライゼ……ありがたいのは間違いないんだ。
ただ、あなたが今ドイツに来るのは……。
ドライゼうむ……あまり考えたくないことだが、
以前のように基地内に不穏分子が紛れ込んでいる可能性もある。
ドライゼ安全と言い切れない場所に、マスターであるあなたを
呼び寄せるわけにはいかないと思っていたのだ。
シャスポーへぇ? 君にしては殊勝な心がけじゃないか。
ドライゼ手を煩わせてすまない、マスター。
治療を終えたら早急に士官学校へ──……
ジョージNo, No!
急いでたからとりあえずオレたち2人が来たけど、
あとから増援が来るから、すぐ帰ったりしないぜ☆
エルメえ? どういうこと?
主人公【ミュンヘン奪還にも協力するつもり】
【大規模作戦なら自分がいた方がいいはず】
ドライゼ……!
エルメそう……確かに、今後の作戦で俺たちが負傷しないとは限らない。
君や、応援の貴銃士たちがいるのは心強いね。
ねぇ、ドライゼ? それなら……。
ドライゼああ……決まりだ。増援が来るまで、
俺たちが責任を持って、あなたの安全確保に全力を尽くすと誓う。
ジョージじゃあ、まずは傷を治さないとだな☆

〇〇は、あちこちに傷を負っているドライゼに、
薔薇の傷が刻まれた手をかざした。

ドライゼありがとう……マスター。
あなたに、心からの感謝を。

第3話:インゴルシュタット

ドライゼの怪我が治ったことにより、
ミュンヘン奪還作戦の再開が早められ、
一週間後に動き出すことが決まった。

インゴルシュタットの仮設基地では、
作戦再開に向けた準備が着々と進んでいく。

ドイツ入り翌日の朝。
〇〇が自室から出ようとすると──

──ドンッ!

主人公【うわっ!?】
ドライゼむ! すまない、マスター!!

壁に激突したと思いきや、それはドライゼだった。
ドライゼとエルメが部屋の前で仁王立ちしていたのだ。

エルメおはよう。
警備をしていたんだよ……驚かせてすまないね。

すると、隣の部屋からシャスポーとジョージが現れる。

ジョージGood Morning!
今日のごはんはなんだろな~!
シャスポーおはよう、〇〇。
よく眠れたかな。
シャスポー…………。はぁ……。
ジョージおいおい! シャスポー、どうしたんだよ。
朝から悩み事か?
シャスポー悩みというか……あるだろう、いささか不愉快なことが。
君は気にならないのか?
ジョージへ、何が?
シャスポー昨日ここにやってきてから四六時中!
〇〇がどこへ行くにも何をするにも!
ドライゼとエルメどちらかか両方がついて回るんだぞ!?
シャスポーエルメはまだしもドライゼのゴツい顔を常に
見続けなくちゃいけないなんて、ああ!
拷問のようだよ……!
ドライゼ……昨日も伝えた通り、基地内でも警戒は必要だ。
マスターの身の安全は、この基地の責任者たる俺とエルメが
責任を持って確保すると誓ったのだ。
ジョージへへっ、頼もしいよな☆
エルメ警戒する人数が多いと油断に繋がるというけれど、
君たちも気を抜かず、安全確保に努めて。
シャスポーもちろん。
言われなくても、〇〇は僕が守るよ!
主人公【自分自身も気をつけるよ】
【みんなありがとう】
エルメさ、もう朝食の時間だよ。
早く食堂に行こう。

ドライゼが先頭、エルメがしんがりで、
インゴルシュタット仮設基地内を進んでいく。
一行の姿を見て、兵士たちがザッと整列し敬礼した。

ドイツ支部兵士ドライゼ特別司令官!
席はあちらに用意しております!
ドライゼご苦労。
ドイツ支部兵士はっ!!
エルメ君たちも席について。
ドイツ支部兵士たちJawohl(ヤヴォール)!!
シャスポーああ……ここでは優雅な朝食というものは存在しないんだ。
ジョージオレはフランスに行った時もみんなの様子が
全然違ってびっくりしたけど、ドイツもまた全然違うよな!
主人公【ジョージは何にびっくりした?】
【何が違う?】
ジョージものすっごいビシッ!バシッ!ってしてるとこ!
士官学校もスゲーって思ってたけど、
ここはもっとピリッとパリッとしてるよな。
シャスポー……すさまじく感覚的で知性が乏しい感想にも驚きだよ。
まぁ言いたいことはわかるけどね。

豪華ではないが栄養バランスの取れた十分な朝食を終え、
〇〇たちは訓練の様子を見学する。

ドイツ支部兵士1遅いぞ!
そんな動きでミュンヘン奪還を為せると思うな!!
ドイツ支部兵士2Jawohl!!
ドイツ支部兵士1第3班! 腕立て用意!
ドイツ支部兵士たちJawohl!!
シャスポー……なあ。重大な作戦が間近に迫っているのに、
こんなハードな訓練をしていていいのか?
ジョージ作戦前にヘトヘトになっちまいそうだよなぁ。
ドライゼこの程度で作戦に悪影響が出るような、
生ぬるい鍛え方はしていない。
ジョージワーオ……。
オレがこの中に放り込まれたら、初日でダウンしそうだ……。
シャスポー君だって、本当に大事なものがかかっているとなれば、
これくらい真剣に訓練に取り組めるんじゃないか?
ジョージ大事なもの……〇〇のためとか?
それなら……うん、たしかにそうだな。
シャスポー(……おや)
ドイツ支部兵士3ドライゼ特別司令官、そろそろお時間です。
ドライゼああ。
……これから我々はベルリンと定期連絡を行う。
マスター、あなたは部屋で待機していてくれ。
エルメシャスポー、ジョージ。
〇〇の護衛はくれぐれも頼むよ。
シャスポー言われずとも。

見学や一部訓練への参加、
作戦へ向けた打ち合わせなどをして過ごし、迎えた夜。

シャスポーふぅ……やっと静かで落ち着く環境に戻れた。
この基地はどこもかしこも熱気がすごくて、
いるだけで精神力を使うよ。
ジョージうんうん。
みんな、ミュンヘン奪還に向けて燃えてるよなー。
ジョージんで、ドライゼとエルメは……すっげー警戒してる。
それだけ〇〇を大事にしてるってことだよな☆
シャスポーむ……それは一理ある。
シャスポー君、脳天気なのに意外と見えるところは見えてるんだな。
ジョージえっ、どういうことだ!?
シャスポーまあ、元はと言えばドライゼが怪我なんてしたから
〇〇がこんなところまで来る羽目になったわけで。
それが原因で何かあったらいけないことは弁えてるんだろう。
シャスポー僕っていう護衛がいるのに……。
力に疑問符をつけられているようで腹立たしさはあるけれど。
〇〇の安全には代えられないからな……。
シャスポーさぁ、明日も早いんだ。
さっさと休もう。
ジョージそうだな。Good Night☆

 

第4話:4人目の貴銃士

翌日──ミュンヘン奪還作戦の決行まで、あと6日。
ドライゼとエルメは会議のために朝から不在とのことで、
〇〇は3人で食堂へ向かった。

シャスポーうんうん。前をでかいのが歩いていなくて視界良好!
暑苦しい挨拶もなしで清々しい朝だね。
シャスポードイツの貴銃士から解放されてせいせいするよ。
特に、というか主にドライゼから……!
???……こに……る、ぞ。
ジョージシャスポーって本当にドライゼがニガテなんだなー。
真面目で頼もしくていいヤツなのに!
シャスポー君……僕が散々話して聞かせただろ?
プロイセンがどれだけ野蛮で卑劣な行いを
フランスに対してしてきたか!
???おーい……。
シャスポー&ジョージえ……?
主人公【今、声が……】
ゴーストさっきから、ずっと話しかけ……てる、んだけど……。
ジョージWow!?
シャスポーうわっ!?
いるならいると言ってくれ……!
ゴーストえ……俺、朝からそばにいたのに……
今の今まで、気づい……てなかった、のか……?
ドライゼたちに頼まれて、ずっと護衛し……てたんだけど……。
ジョージ護衛……?
ゴーストあんたたちとは、初対面……だったか。
俺はDG11の貴銃士……ゴースト。
ジョージHi、ゴースト! よろしく!
ジョージおまえ、マジでユーレイみたいだなぁ。
こんなに気配が薄いなんてCOOL☆
ゴーストうぐ……悪気がないってわかる……
わかるからこそ余計に鋭く刺さるぅ……。
シャスポーまあ、存在感がないのも護衛としてはいいんじゃないか?
ゴーストそうか……。
俺が護衛で……光栄、だろ。ふ、ふふっ……。
シャスポー何をぼろぼろ言って笑ってるんだい?
薄気味悪いな。
ゴーストひ、ひどっ……。
っていうか、ダジャレが伝わってない……。
シャスポー…………。
ドライゼに君に……ドイツの貴銃士はどうなってるんだい。
シャスポーあ……そういえば、ドイツの貴銃士は4人だと聞いていたけれど、
あと1人にはまだ会っていないね。
ゴーストああ……ジグは、ちょっとなぁ。
主人公【もしかして、謹慎中とか?】
【まさか、銃に戻ってるとか?】
シャスポー……そのジグとやらも、まともではなさそうだね。
ゴーストまあ……そうかもなぁ。
ゴーストあいつの得意なことって言ったら……命令無視と戦闘、だ。
マスターに負担かけすぎるから、
俺も……何度巻き添えで銃に戻ったか。
シャスポーライク・ツーから少し話を聞いていたけれど……
なんて粗暴な奴なんだ……!
ゴースト……ん……?

その時、にわかに基地内が騒がしくなる。

ジョージ何かあったのかな?
エルメゴースト、護衛ご苦労様。
ジョージHey! 2人とも、会議はもういいのか?
ドライゼ巡回中の兵士から、アウトレイジャー接近の一報が入ったため、
一旦切り上げて緊急対応にあたることにした。
ドライゼマスター、あなたも同行を願えるだろうか。
主人公【もちろん!】
【行こう!】
エルメ助かるよ。それじゃあ、急ごう!

第5話:ジーグブルートの変化

アウトレイジャー殺ス……破壊、スル……!
ジョージ&シャスポー絶対高貴!
ドライゼ&エルメ──心銃!

〇〇たちは連携して
アウトレイジャーを倒していくが、
木立の中から次々に現れてきりがない。

シャスポーくっ……数が多いな。
ジョージ……! あれ!
アウトレイジャーじゃなくて人間じゃないか!?
シャスポーなっ……!? あんなところにいたら……!

ジョージが指さした先には、男性らしき人影があった。
アウトレイジャーたちが彼にどんどん近づいていく。

ドライゼ&エルメ…………。
主人公【危ない!】
【早く逃げて!】

男性がアウトレイジャーに囲まれる。
しかし──アウトレイジャーたちはそのまま、
男性の横を通り過ぎて、〇〇たちに向かってきた。

ジョージ&シャスポーえっ……!?
シャスポーどういうことだ……?
アウトレイジャーに理性はなくて、
破壊衝動のまま、近くに生き物がいれば攻撃するものだろう。
ジョージあの距離で視界に入ってないワケないし……
何が起きたんだ……?
エルメあの人影は……ほぼ間違いなく、親世界帝派反乱軍の一員だね。
ドライゼやはり……奴らには攻撃しないのだな。
たとえあれほどの距離にあろうとも。
主人公【これが、前に言っていた……?】
シャスポー説明しろ、ドライゼ!
ドライゼ俺たちにも詳しいことはわからないが、
アウトレイジャーは我々連合軍ばかりを攻撃してくるようだ。
ドライゼ反乱軍側が、アウトレイジャーに感知されないように、
何かしらの手段を講じているか……やや飛躍した考えだが、
反乱軍がアウトレイジャーを使役している可能性も捨てきれない。
アウトレイジャーウウウゥ……。
エルメとにかく、早く片付けよう。
捕らえて持ち物をあらためるなり実験するなりすれば、
もっと情報が得られるはずだ。

4人の貴銃士は、周囲を取り囲むアウトレイジャーを
次々になぎ倒していく。
しかし……包囲網を崩した時、既に男の姿はなかった。

ドライゼ……逃したか。
ドライゼマスター、あなたは奴らに関して、
何か情報を得ていないか?
主人公【2人の方が詳しいと思う】
【理事長やラッセル教官に聞いたことくらい】

〇〇は、自分が聞いたことがある
アウトレイジャーについての情報を伝える。


シド連合軍は奴らの尻尾を掴むため、日々その動向を追っているが──
その中で、気になる情報がある。
シドアウトレイジャーの出没地点付近で、
トルレ・シャフ構成員らしき者の姿が度々目撃されているのだ。
シドアウトレイジャーとの関連性は不明だが、
なんらかの接触を図ろうとしているのか──
それとも、アウトレイジャーを利用しようとしているのか。

エルメそう……カサリステでもはっきりしたことは掴めていないんだね。
でも、何かしらの接点があるのはまず間違いない。
エルメアウトレイジャーとトルレ・シャフ。
そして、ドイツで暴れている親世界帝派とトルレ・シャフ……。
ドライゼこの件については、ドイツ支部上層部にも調査を依頼しているが、
未だ調査結果や進捗などは聞かされていない。
ドライゼ調査が難航しているのか……。
ドライゼ(あるひあ、上層部は何か掴んでいるが、
我々には隠しているのか……)
アウトレイジャーウゥ……殺、ス……。
ジョージうわ、まだいた……!
ジーグブルートなんだぁ? 情けねぇ声出して。
もう限界かよ。
ジョージへっ……?
主人公【ジーグブルート……!】
ジーグブルートおう、〇〇。久しぶりだな。
ジーグブルートおい、ドライゼ。
片っ端から適当に片付けていいのか?
ドライゼ俺が全体を見て指示をする。
ジーグブルートはエルメと組んで協力して対処に当たれ。
ジーグブルートJawohl.
主人公【(なんだか落ち着いてる……?)】
【(ドライゼの指示を聞いてる……!)】

ジーグブルートが加わったことでさらに優勢になり、
アウトレイジャーがやってくる方へと少しずつ前進しながら
討伐を進めていく。

ドライゼマスター、やや先行している!
シャスポー、ジョージとともにその場で待機してくれ。
行くぞ、エルメ、ジーグブルート。
ジーグブルートは、やっと出番かよ。
んじゃ、やってやるぜ!
ジーグブルート絶対非道!
ジーグブルートオラオラァ!
アウトレイジャーども、俺を見ろ!
ジーグブルート成功作様が一瞬であの世に送ってやるぜ!
喜びやがれ雑魚ども!
ジーグブルートあばよ──心銃!

ジーグブルートの奮闘とドライゼの的確な指示により、
誰一人危機に陥ることも怪我をすることもなく、
アウトレイジャー討伐を終えることができた。

ジーグブルート……よし、片付いたな。
主人公【なんだか変わった感じがする】
【何か心の変化が……?】
ジーグブルート……あ?
ジーグブルートああ、まあ……そうだな。
あいつらのことなんて、気にする必要ねぇって気づいたんだ。
ジーグブルート無闇矢鱈にぶつかって苛つくのも馬鹿らしいだろ。
ジーグブルートあいつらと違って、俺を理解できる奴と会えたからな。
俺はこれまでの俺とは違うぜ。
ジーグブルート……あ、おい。
あいつらには余計なこと言うなよ?
詮索されてもうぜぇからな、秘密だ。
主人公【……? わかった】

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